安 全 デ ー タ シ ー ト

酸化クロム(Ⅲ)/ TNI 00075/ 20150325
安
全 デ ー タ
シ ー ト
整理番号 TNI 00075
作成日 2005/12/1
最終更新日 2015/3/25
1. 化学物質及び会社情報
会
社 :大陽日酸株式会社
住
所 :〒142-8558
東京都品川区小山 1-3-26 東洋 Bldg.
担当部門 :SI 事業部
担 当 者 :平
博 司
電話番号 :03-5788-8695
FAX 番号 :03-5788-8710
緊急連絡先:SI 事業部(電話番号 03-5788-8550)
メールアドレス: [email protected]
ホームページアドレス:http://stableisotope.tn-sanso.co.jp
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化学物質
酸化クロム(Ⅲ)
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* 安定同位元素で標識された化合物は、標識核種及び位置により製品名称が異なります
が、安全性データは非標識化合物と同一とみなします。従って、特に指定しない限り
本シートに記載されているデータは、非標識化合物のデータを採用しています。
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2. 危険有害性の要約
GHS分類
物理化学的危険性:
火薬類
分類対象外
可燃性・引火性ガス
分類対象外
可燃性・引火性エアゾール
分類対象外
支燃性・酸化性ガス類
分類対象外
高圧ガス
分類対象外
引火性液体
分類対象外
可燃性固体
区分外
自己反応性化学品
分類対象外
自然発火性液体
分類対象外
自然発火性固体
区分外
自己発熱性化学品
区分外
水反応可燃性化学品
区分外
酸化性液体
分類対象外
酸化クロム(Ⅲ)/ TNI 00075/ 20150325
酸化性固体
分類できない
有機過酸化物
分類対象外
金属腐食性物質
分類できない
健康に対する有害性: 急性毒性(経口)
分類できない
急性毒性(経皮)
分類できない
急性毒性(吸入: ガス)
分類対象外
急性毒性(吸入:蒸気)
分類できない
急性毒性(吸入:粉じん)
分類できない
急性毒性(吸入: ミスト)
分類対象外
皮膚腐食性・刺激性
分類できない
眼に対する重篤な損傷・
分類できない
眼刺激性
呼吸器感作性
区分 1
皮膚感作性
区分 1
生殖細胞変異原性
分類できない
発がん性
区分外
生殖毒性
分類できない
特定標的臓器・全身毒性
分類できない
(単回ばく露)
特定標的臓器・全身毒性
分類できない
(反復ばく露)
吸引性呼吸器有害性
分類できない
環境に対する有害性: 水生環境急性有害性
区分1
水生環境慢性有害性
区分1
ラベル要素
絵表示又はシンボル:
注意喚起語:
危険
危険有害性情報: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ
アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
水性生物に非常に強い毒性
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性
注意書き:
【安全対策】
酸化クロム(Ⅲ)/ TNI 00075/ 20150325
使用前に取扱説明書を入手すること。
すべての安全注意を読み理解するまで取扱わないこと。
適切な保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面を着用すること。
換気が十分でない場合には、適切な呼吸用保護具を着用すること。
粉じん、ヒューム、蒸気、スプレーを吸入しないこと。
汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
環境への放出を避けること
この製品を使用する時に、飲食又は喫煙をしないこと。
取扱い後はよく手を洗うこと。
【応急措置】
皮膚に付着した場合、多量の水と石鹸で洗うこと。
皮膚に付着した場合、皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の
診断、手当てを受けること。
汚染された衣類を再使用する前に洗濯すること。
吸入した場合、被災者を新鮮な空気のある場所に移動し、呼吸し
やすい姿勢で休息させること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
眼に入った場合、水で数分間注意深く洗うこと。コンタクトレン
ズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を
続けること。
漏出物は回収すること。
火災の場合には適切な消火方法をとること。
【保管】
施錠して保管すること。
【廃棄】
内容物、容器を都道府県知事の許可を受けた専門の廃棄物処理業
者に業務委託すること。
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3. 組成・成分情報
単一製品/混合物の区分・・ 単一の化合物
化学名 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 酸化クロム(Ⅲ)
別名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 酸化第二クロム、三二酸化クロム
含有量 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 99.0%以上
化学式又は構造式 ・・・・・・ Cr2O3
官報公示整理番号 ・・・・・・ 化審法:
(1)-284
CAS番号 ・・・・・・・・・・・・ 1308-38-9
酸化クロム(Ⅲ)/ TNI 00075/ 20150325
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4. 応急措置
皮膚に付着した場合 ・・・・ 汚染された衣類、靴などを速やかに脱ぎ、触れた部分を多量の
水で洗い流す。皮膚刺激又は発疹が生じた場合は、医師の診断、
手当てを受けること。汚染された衣類を再使用する前に洗濯す
ること。
吸入した場合 ・・・・・・・・・・ 呼吸が困難な場合、空気の新鮮な場所に移動し、呼吸しやすい
姿勢で休息させること。
呼吸に関する症状が出た場合には、医師に連絡すること。
目に入った場合 ・・・・・・・・ 水で数分間注意深く洗うこと。眼の刺激が持続する場合、医師
の診断、手当てを受けること。
飲み込んだ場合 ・・・・・・・・ 口をすすぐこと。
気分が悪い時は、医師の診断、手当てを受けること。
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5. 火災時の措置
消火剤 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 水噴霧、泡消化剤、粉末消火剤、炭酸ガス、乾燥砂類
使ってはならない酸化剤
棒状放水
特有の消火方法 ・・・・・・・・ 移動可能な場合、危険でなければ容器を安全な場所に移す。移
動不可能な場合には、容器及び周辺に散水して冷却する。消化
後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。
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6. 漏出時の措置
人体に対する注意事項
作業の際には必ず保護具を着用し、眼、皮膚への接触や吸入
保護具および緊急措置
を避ける。漏洩物に触れたり、その中を歩いたりしない。直ち
に、全ての方向に適切な距離を漏洩区域として隔離する。関係
者以外の立ち入りを禁止する。密閉された場所に立ち入りう前
に換気する。
環境に対する注意事項
環境中に放出してはならない。
回収・中和 ・・・・・・・・・・・・ 漏洩物を掃き集めて密閉できる空容器に回収し、後で廃棄処理
する。
封じ込め及び浄化方法 ・・ データなし
二次災害の防止策 ・・・・・・ すべての発火源を速やかに取り除く。
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7. 取扱い及び保管上の注意
取扱い ・・・・・・・・・・・・・・・・ 毒物・劇物取締法、労働安全衛生法等関連法規に準拠して取扱
うこと。取扱いはできるだけ暴露を避け、適切な保護具を着用
酸化クロム(Ⅲ)/ TNI 00075/ 20150325
する。皮膚と接触しないこと。粉じん、ヒューム、蒸気、スプ
レーを吸入しないこと。眼との接触を避けること。飲み込みを
避けること。汚染された作業衣は作業場から出さないこと。取
扱い中はこぼれないようにし、取扱い後はうがい及び手洗いを
十分に行う。
保管 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 毒物・劇物取締法、消防法等関連法規に準拠して貯蔵する。隷
書、換気の良い場所で保管すること。容器を密閉して保管する
こと。
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8. 暴露防止及び保護措置
管理濃度 ・・・・・・・・・・・・・・ 0.05mg Cr/m3
許容濃度 ・・・・・・・・・・・・・・ 日本産業衛生学会(1990年度版)
:
0.5mg Cr/m3
ACGIH(1990年度版)
:0.5mg Cr/m3
保護具 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 【呼吸用保護具】適切な呼吸保護具を着用すること(防じんマ
スク等)
【保護眼鏡】適切な眼の保護具を着用すること(ゴーグル型、
サイドシールド型等)
。
【保護手袋】適切な保護手袋を着用する(ゴム製等)
。
【保護衣】適切な保護衣を着用する(不浸透性長袖等)
。
設備対策 ・・・・・・・・・・・・・・ 作業場には全体換気装置又は局所排気装置を設置すること。ま
た、取扱い場所の近くに洗眼及び身体洗浄のための設備を設け
ること。
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9. 物理及び化学的性質
外観等 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 淡緑色~濃緑色の粉末。
沸点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2435℃
融点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4000℃
引火点 ・・・・・・・・・・・・・・・・ データなし
自然発火温度 ・・・・・・・・・・ データなし
燃焼性 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 不燃性
爆発範囲 ・・・・・・・・・・・・・・ データなし
蒸気圧 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 蒸気にはならない
蒸気密度 ・・・・・・・・・・・・・・ データなし
比重 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.22(25℃)
溶解度 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 水に不溶
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オクタノール・水分配係数 ・・・・ データなし
分解温度 ・・・・・・・・・・・・・・ データなし
粘度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ データなし
粉じん爆発下限濃度 ・・・・ データなし
最小発火エネルギー ・・・・ データなし
体積低効率(導電率) ・・ データなし
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10. 安定性及び反応性
安定性 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 法規制に従った保管及び取扱いにおいては安定と考えられる。
危険有害反応可能性 ・・・・ データなし
避けるべき条件 ・・・・・・・・ 粉じんの拡散
混触危険物質 ・・・・・・・・・・ データなし
危険有害な分解性生物 ・・ データなし
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11. 有害性情報
急性毒性 ・・・・・・・・・・・・・・ データなし
刺激性 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 分類できない
皮膚腐食性 ・・・・・・・・・・・・ 分類できない
眼刺激性 ・・・・・・・・・・・・・・ データなし
呼吸器感作性 ・・・・・・・・・・ 日本職業・環境アレルギー学会特設委員会はクロムを呼吸感作
性がある物質、日本産業衛生学会はクロムを気道感作性物質
「第 2 郡」に分類している。これらの既存分類は本物質を明
示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。し
たがって、クロム化合物である本物質も呼吸器感作性を有すと
考えられ、区分1とした。
皮膚感作性 ・・・・・・・・・・・・ 日本職業・環境アレルギー学会特設委員会はクロムを皮膚感作
性がある物質、日本産業衛生学会はクロムを皮膚感作性物質
「第 1 郡」に分類している。これらの既存分類は本物質を明
示していないものの、クロム化合物をも含むと考えられる。し
たがって、クロム化合物である本物質も呼吸器感作性を有すと
考えられ、区分1とした。
がん原性 ・・・・・・・・・・・・・・ IARC(国際がん研究機関)でグループ3に分類しているこ
とから、区分外とした。
変異原性 ・・・・・・・・・・・・・・ 分類できない
生殖毒性 ・・・・・・・・・・・・・・ 分類できない
急陰性呼吸器有害性 ・・・・ データなし
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12. 環境影響情報
水生環境急性有害性 ・・・・ 甲殻類(オオミジンコ)48 時間 LC50=0.162mg/L
(区分1)
水生環境慢性有害性 ・・・・ 急性毒性が区分1、金属化合物であり水中での挙動及び生物蓄
積性が不明であるため、区分1とした。
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13. 廃棄上の注意
残余廃棄物 ・・・・・・・・・・・・ 廃棄の前に、可能な限り無害化、安定化及び中和等の処理を行
って危険有害性のレベルを低い状態にする。廃棄においては、
関連法規ならびに地方自治体の基準に従うこと。
汚染容器及び包装 ・・・・・・ 容器は清浄にしてリサイクルするか、関連法規並びに地方自治
体の基準に従って適切な処分を行う。空容器を廃棄する場合は、
内容物を完全に除去すること。
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14. 輸送上の注意
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 移送時にイエローカードの保持が必要。食品や飼料と一緒に輸
送してはならない。輸送に際しては、直射日光を避け、容器に
漏れのないことを確かめ、転倒、落下、損傷がないように積み
込み、荷くずれの防止を確実に行う。重量物の上積みをしない。
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15. 適用法令
PRTR法 ・・・・・・・・・・・・ 第1種指定化学物質
労働安全衛生法 ・・・・・・・・ 名称等を通知すべき危険物及び有害物
大気汚染防止法 ・・・・・・・・ 有害大気汚染物質、優先取組物質
水質汚濁防止法 ・・・・・・・・ 指定物質
下水道法 ・・・・・・・・・・・・・・ 水質基準物質
外為法 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 輸出貿易管理令別表第1の16の項
労働基準法 ・・・・・・・・・・・・ 疾病化学物質
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16. その他の情報
【参考文献】
Chinese Jounal of Preventive Medicine Vol.14, p.86, 1980
環境科学辞典(東京化学同人社)
IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risk of Chemicals to Man
化学品法規制検索システム
日本ケミカルデータベース
酸化クロム(Ⅲ)/ TNI 00075/ 20150325
GHS 仕様モデル SDS
中央労働災害防止協会 安全衛生情報センター
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* この安全データシートは、各種の文献などに基づいて作成していますが、必ずしもす
べての情報を網羅しているものではありませんので、取扱いには十分注意して下さい。
また、含有量、物理及び化学的性質、危険有害性などの記載内容は、情報提供であり、
いかなる保証をなすものではありません。なお、注意事項は通常の取扱いを対象とし
たものであり、特殊な取扱いをする場合には、その用途・用法に応じた安全対策を実
施して下さい。