報告書 - 野田市議会

平成27年
野田市議会議長
鈴木
有
2月20日
様
議会運営委員会
委員長
竹内
美穂
行 政 視 察 報 告 書
1
視察先及び調査事項
(1) 亀岡市:決算審査における事務事業評価について
(2) 松阪市:議会改革の取り組みについて
(議会報告会、議決結果(賛否)の公表など)
(3) 犬山市:議会改革の取り組みについて
(議案に対する議員の賛否の公表、視察報告会、ユーストリ
ームによる議会中継、議員間討議、市民との意見交換会)
2
視察期間
平成27年1月21日(水)~平成27年1月23日(金)
3
視察報告
(1)亀岡市「決算審査における事務事業評価について」
◇
亀岡市の概要
古来より都として山陰を結ぶ交通の要衝として栄え、現在は京都市まで
20分、加えて大阪・神戸への利便性も高く、京阪神大都市圏の住宅都市と
して府内 3位の人口を有している。大都市に隣接しているが、水と緑、豊
かな自然と都市的な機能を併せ持つ都市である。
◇
調査事項の概要(決算審査における事務事業評価について)
事務事業の必要性や目的を明確化し、事業に対して得られる成果などを
客観的数値を用いて分析・評価を行い、今後の方向性を検討したうえで
業務改善や事務事業の再編・整理に反映させようと平成 22年から導入し
ている。
◇
視察時の状況
◇
所
①
①視察時間
午後1時00分
~
午後2時40分
②視察会場
亀岡市役所
③応対者職氏名
山内偉正 議会事務局次長
④説明者職氏名
藤村かをる 議会事務局長
7階全員協議会室
見
視察の目的
決算審査において、実施された事務事業の経済性、有効性などを議会がど
のように議論、評価しているのか、またその後の点検、改善および予算編成
にどう活かされているのかなどを調査。
②
市政との関連性(視察地選択の理由等)
亀岡市の決算事務事業評価は、議会本来のチェック機能を発揮して様々
な角度から、成果が見えにくくなっている事業等の方向性を検討し、業務
改善などに反映させようとする試みである。それは、市民への情報発信と
しても、大事な要素であり、野田市も今後、参考にしていく必要があるの
ではと考える。
③
市政の課題等に対し参考になった点等
決算事務事業評価を行うにあたり、評価する事業の選定の視点を
1、事業開始から一定年数経過し、今後も継続予定の事業で、目的に対する
成果が見えにくくなっているもの。
2、民間、国、府が行う他の事務事業、また市の所管する他の事務事業と事
業目的や成果が重複しているもの。
3、市民に関心の高い、市民生活と密接した事業。
4、社会情勢や市民ニーズの変化等に対応するため、新たな視点を導入して
改善すべき事業、と 4点挙げている。
そして、対象事業を全体会議方式で行うと、初歩的な質問が出たり時間が
かかることもあり、分科会(委員会)で選定し調査を行い論点を明確化する。
そして当局より資料提示、説明を頂き、分科会で評価、改善、提案まで議論
し、合意形成を図っている。
最終的に、分科会で評価結果をまとめ本会議に提案、それを受け当局は予
算編成での反映等を検討し、その結果を予算特別委員会等で報告するという
流れである。
主要な事業の現状を正確に把握し、今後の事業の在り方を議会として、
明確にしていくことは、議会本来のチェック機能を発揮していく意味でも
必要なことである。野田市においても、今後検討する必要性があるのでは
ないか。
(2)松阪市「議会改革の取り組みについて(議会報告会、議決結果
(賛否)の公表など)」
◇
松阪市の概要
松阪市は三重県中央に位置し、面積は 623.77k㎡、人口は 168,987人、
世帯数は 71,541世帯である。松坂牛や松阪城などの観光地であり、主と
してこれが市の活性化を図っている。
◇
調査事項の概要(議会改革の取り組みについて)
議会報告会、議決結果(賛否)の公表などについて、山中市長着任の翌
年度(平成 22年度)より議会改革検討委員会を設置のうえ、先進的に取
り組んでいる。
◇
視察時の状況
①視察時間
午後1時30分~午後3時00分
②視察会場
松阪市役所内 2階
③応対者職氏名
大平勇議長・永作邦夫副議長・石井千秋事務局長
④説明者職氏名
永作邦夫副議長
◇
所
見
①
視察の目的
先進市にて、議会改革の取り組みについて(議会報告会・議決結果(賛
否)の公表など)を調査する。
②
市政との関連性(視察地選択の理由等)
野田市における議会改革を進めるにあたり、先進市のひとつである
松阪市を視察。
③
市政の課題等に対し参考になった点等
議会報告会においては、それぞれの地域の議員がテーマを決め、市民の
質問や要望に積極的に応えていると感じた。
ただ、市民の参加状況が「いつも決まった人」「20~30人」ということ
が気になった。この点に関しては、工夫する必要があると考える。
そして議決結果については、議員個人の賛否が議会だよりに載っており、
野田市においても検討中だが、ぜひ進めるべきだと思う。
(3)犬山市「議会改革の取り組みについて(議案に対する議員の賛否の公
表、視察報告会、ユーストリームによる議会中継、議員間討議、市民
との意見交換会)について」
◇ 犬山市の概要
愛知県北端に位置する市。平地と山地が半分ずつを占め、平地の西部は、
市街地、農地、工業地として利用され、市の北を流れる木曽川の一帯は名
勝に指定されており、川下りや伝統的な鵜飼も行われている。名古屋駅ま
では電車で 30数分という利便性もありながら、自然も多く残っている。
◇ 調査事項の概要(議会改革の取り組みについて)
議案に対する議員の賛否の公表、視察報告会、ユーストリームによる議
会中継、議員間討議、市民との意見交換会などについて、平成 22年 5月の
議会改革推進委員会を設置後、実施できるものは即実施の姿勢で意欲的に
進めている。
◇
視察時の状況
①視察時間
午前10時00分~午前11時40分
②視察会場
犬山市役所
③応対者職氏名
小林俊彦副議長、水野正光議会運営委員会副委員長
5階第一・第二委員会室
柴山一生議員、三浦ちさと議員
④説明者職氏名
◇
所
①
長谷川主任主事
見
視察の目的
先進市である犬山市の議会改革の取り組みについて学び野田市議会にお
ける議会改革の参考にするため。
②
市政との関連性(視察地選択の理由等)
地方分権一括法が平成 12年 4月に施行され、地方自治体の事務は、原
則として議会の審議・決定に付されることになった。その結果、地方議会
の責任と役割は増大し、市民代表としての議会の機能や議員の質といった
さらなる活性化に向けた取り組みが強く求められている。先進市である犬
山市議会議会改革の取り組みを学ぶことは野田市にとって参考になる。
③
市政の課題等に対し参考になった点等
平成 27年 1月 23日(金)午前 10時 00分より先進市愛知県犬山市を視
察。犬山市議会 副議長 小林敏彦様、議会運営委員会 副委員長 水野正光
様、市議会議員 三浦ちさと様より「犬山市議会
議会改革の取り組みに
ついて」の概要を丁寧に説明いただき、野田市からの質問事項についても
詳細に回答いただいた。
まず、これまでの取り組みと経緯として、平成 22年 5月に議会改革推
進委員会を設置。平成 23年 3月まで議論を重ね、全員協議会で協議し、
実施できるものは、即実施ということで議長に答申。さらに、同年 10月
に犬山市議会基本条例を制定する。
主な内容は、1.情報公開の促進ということで、①政務活動費、議長交
際費を議会だよりでも公表。②委員会の会議録をホームページで公開。③
全員協議会・議会運営委員会の会議録をホームページで公開。④各議員の
議案に対する賛否の公表。⑤ユーストリームによる議会中継。⑥議案・請
願・意見書をホームページで公開。⑦常任委員会の
視察報告会をユーストリームで中継。⑧フェイスブ
ックで議会情報を発信。⑨地元ケーブルテレビに定
例会最終日の様子を取材依頼。2.議員報酬の見直
し。3.議員間討議の促進は、①全員協議会の定期
開催。②委員会で討議の場を設置。③会期中に全員
中継に使用するカメラ
協議会を開催。4.議会人事・組織の改革は、正副議長の選出に立候補制
導入。5.適正な政務活動費の管理。6.議会基本条例の制定。7.市民
との意見交換会の設定では、①意見交換会の開催(第 1部講演会、第 2部
常任委員会ごとの分科会)。②常任委員会ごとに関連団体との懇談会の実
施。③オープン議長室(毎週月曜日に公開)④フェイスブックによるパブ
リックコメントの試行。8.その他の取り組みとして、①議場へのパソコ
ン持ち込み許可。②請願提出者からの説明機会を保障。③議案質疑に一問
一答制を導入。④議員への通知を原則メールで。⑤視察時に所管の委員長
が同席。⑥議長車の廃止。⑦犬山市議会における災害対策支援本部の設置
といったところが主な内容である。
説明を聞いた中で感じたことはまず、現在の犬山市長は、当時議会運営
委員会の委員長であり、議会基本条例推進派であったことから議会改革が
進んだことが伺える。つまり議会基本条例在りきで全員協議会で討議し、
実施可能なものについては即実施する。改善が必要な所は、再度全員協議
会で討議し、修正していくという手法をとっている。
これらを鑑み、野田市議会に照らし合わせると、野田市は議会基本条例
という手引書に縛られるのではなく、議会改革は、全会派で慎重審議をし、
合意形成ができたものについて実施していこうというスタンスを取ってい
る。感じたことは、犬山市の全員協議会は、野田市でいうと議会活性化等
検討委員会であろうと思う。犬山市と野田市の違いは、犬山市の場合、議
会基本条例を制定した以上、全員協議会の意向が議会改革をとにかく進め
ようという思いが強いように思えた。市民の大切な税金できちんと予算を
組んで実施するのだから、取り組みにおける市民の関心度、それに対する
費用対効果を無視は出来ないし、現在取り組んでいる内容の検証結果を重
視すべきと思う。議員は、市民から付託されているのだから、まずは、各
々が議員活動を活性化させ、市民と直接向き合い自らの判断と責任で物事
を決めていける議員の質の向上に努め、大切な税金を使った議会改革の取
り組みは、ブームに乗って安易に実施するのではなく、慎重に審議し、取
り組むことが重要であるように感じた。しかし、犬山市議会の議会改革の
取り組む姿勢は大いに評価するものであり活動は大変参考になった。