独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構は、道路関係四公団民営化の枠組みにおいて、高速道路に係 る道路資産の保有・貸付け、債務の早期の確実な返済等を行うとともに、6つの高速道路株式会社による高速 道路に関する事業の円滑な実施を支援することを目的として平成17年10月に設立されました。 機構は、道路資産として保有する高速道路を高速道路株式会社へ貸付けることにより貸付料を徴収し、その 貸付料を原資として、旧公団から承継した債務と高速道路の建設等により発生する債務の返済を行うとともに、 安全で良質な高速道路を次世代に引き継ぐために、高速道路に関する公的権限を適時適切に行使し、高速道路 株式会社と協力して、しっかりと、地域の実情に応じたきめ細やかな維持管理を行っております。 最重要課題の一つである債務の返済については、最大のリスクである金利上昇リスクを抑えるために、低金 利の間に超長期の資金調達を行うなど、多様で効果的な債務管理(ライアビリティ・マネジメント)等に努め ております。平成27年度期首時点の債務残高は、債務返済計画における計画値を下回るなど、機構は債務の返 済を着実に進めております。 さらに、機構は、これらの取組みを含めた高速道路事業全体の透明性を高め、機構としての説明責任を果た すために、債務の返済状況に関する計画実績対比、維持管理の報告書、或いは、路線別の収支状況を含め、法 律で開示が定められていない事項につきましても、ホームページなどで公表するなど、積極的な情報開示を行っ ております。 今年は道路関係四公団民営化から10年を迎えます。この10年で道路を取り巻く環境は大きく変化しており、 特に高速道路の老朽化対策や防災体制の構築が極めて重要な課題であると認識しております。 老朽化対策としては、迅速かつ計画的な更新事業を行えるよう速やかに協定変更を行い、また各高速道路会 社と連携し車両制限令違反者の取り締りをより強化することで、高速道路の劣化を防止する取組みを始めてい ます。 防災については、近年の集中豪雨、台風、大雪などの異常気象の増加や地震の頻発により、高速道路での交 通の危険防止や災害応急対策が必要であることから、災害対策基本法の改正もあり、災害時の迅速な道路啓開 や通行の禁止措置を実施するための仕組みを構築しました。 このように社会情勢等の変化に適時適切に対応し、機構が貸し付けている道路資産が良好な状態に保たれる よう、国及び会社と一体となって高速道路の老朽化対策や安全性の向上に一層力を注いでまいります。 10年の節目を迎え、役職員一同、今一度気持ちを引き締め、引き続きこれまでの取組みをさらに推し進める とともに、高速道路事業の円滑な運営に全力を尽くす所存です。 今後とも、皆様方のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。 27
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