小銭の買い物を通して10進法の構造を知ろう

小銭の買い物を通して10進法の構造を知ろう
2年生の算数で、「235は100が何個で、10が何個で、1が何個でしょう?」と
か「230は10が何個でしょう?」などといった問題が出ます。前者はそれほど難しく
ないのですが後者の問題になるとわからない子がたちまち増えます。
これは、「100は10が10個」という10進法の構造を十分に理解できていないか
らです。この理解に役立つのが「買い物」です。一緒に買い物に行った際に、子どもに財
布を渡しお金を支払う経験を増やすのです。
例えば、会計が240円の場合、通常は100円玉2枚と10円玉4枚で支払いますが、
時には100円玉が1枚しかなく、10円玉と1円玉を組み合わせるケースも出てきます。
代金が3782円で1000円札が2枚しかなれけば、100円玉と500円玉を組み合
わせるでしょう。このように、お金を扱うことでごく自然に10進法の構造がわかってき
ます。
なお、スーパーのレジが混んでいる時間帯だとほかのお客さんに迷惑がかかってしまう
可能性があります。ですから、比較的あいている時間帯を狙うといいでしょう。また、子
どもが小銭を選びやすいように小銭を取り出す開口部分が大きい財布を用意して下さい。
また、大きなお札で支払っておつりをもらうだけでは意味がないので、常に様々な種類
の小銭を入れておくようにしましょう。
お金の支払いに慣れてくると、子どもは計算を工夫し始めます。例えば、3782円を
支払うところで1000円札がなくて5000円札があったとします。そういうときは5
000円札で支払うわけですが、「あと782円をだせば、782円は計算に含めず50
00円-3000円でおつりが2000円になる」と考えるようになります。
学年が上がると「319+125-19」といったやや複雑な計算も出てきますが、普
段からお金の支払いをしていれば、「まずは319から19を引こう」とひらめくように
なるのです。
ちなみに日頃から親が「小銭がなくて困っちゃう」と口にしていれば、子どもは「減ら
そう」という気持ちになるので、オススメします。
よく1000円札を渡して「これで牛乳を買ってきて」とおつかいを頼む親がいますが、
これでは買い物経験は積めますが、算数の「地頭」を鍛えることはできません。小銭を多
く用意することこそが重要なのです。
大型スーパーが増え、カードの時代のため、なかなか子どもがお金を支払う機会が減っ
てきていると思います。しかし、ちょっとした親の心がけで機会は増えます。是非ゲーム
感覚で結構ですので親子で実行してみて下さい。
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