MB41 フォーマットの SeaBeam データ処理不具合

平成 27 年 4 月
株式会社東陽テクニカ
第 2 技術部第 4 課
海洋計測部
Caris 社製 HIPS ソフトウェアの
MB41 フォーマットデータ処理不具合について
Caris 社 HIPS マルチビームデータ処理ソフトウェアの SeaBeam2112 にて取得した MB41 データのインポー
ト時に不具合を確認しましたので以下の通り報告いたします。本不具合を早急に解消するようメーカに
要請しておりますが、改修が完了するまでご不便おかけいたしますことをお詫びいたします。
症状
HIPS にて SeaBeam2112 シリーズの MB41 フォーマットデータをインポートすると、Delta draft 項目に
Seabeam システムに設定していた喫水値が読み込まれてしまい、Vessel config にて規定された喫水値と
共に 2 重で喫水補正がされてしまいます。なお、本不具合は 2004 年にリリースされた HIPS5.4 にて行っ
た改修より含まれているとメーカより報告がありました。
原因
MB41 フォーマットデータをインポートする際に、このデータ内に含まれる音速プロファイル項目のヘッ
ダに記載されている喫水値をインポートし Delta Draft 項目として保存してしまっていることが原因と
なります。
対処
現状のソフトウェアバージョンを使用して処理する際には、Delta draft によってのみ喫水を補正するよ
うに設定しなければならないので、Vessel config に規定される喫水値を 0 に設定の上処理する必要があ
ります。
また、すでに HIPS にて処理してしまったデータをどのように処理すれば喫水補正が可能なのか下記のよ
うに検証いたしました。MB41 データの通常の処理として HIPS 上で音速補正は行わず、Load tide と Merge
を行って処理をしてきました。そこでこの条件において、Vessel config に規定される喫水値に 0 を入力
して測深値を算出、出力したものと、喫水値に正しい値を入力して処理したものとを比較いたしました。
また、どの測深値が適正であるかどうか検証するため MB41 ファイル内に記述されている Seabeam システ
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ム内にて喫水を加味した測深値とも比較いたしました。
詳細条件は下記のとおりです
・水深
およそ 4900m
・スワッス角
およそ 50 度
・海域はフラット
・1 スワッス分を比較
・喫水値は 6.62 を入力
結果は下図の通り、Vessel config に入力する喫水値を 0m としたものと、6.62m としたものの差が 1 ス
ワッス分の全てのビームについてちょうど喫水分であることがわかりました。これは HIPS ソフトウェア
にて、音速度補正を行っておらず Merge 処理にて喫水値分を測深値に加味するという処理を行っている
ためです。また、喫水を 0m としたときの測深値 MB41 ファイル内に記述されている Seabeam システム内
にて喫水を加味した測深値は 1 スワッスの全点について完全に一致していることを確認いたしました。
つきましては、Vessel config 内の喫水値を 0m に設定することにより Seabeam がリアルタイムにて算出
した喫水を加味した測深値と同一の値を得られることがわかりました。すでに Lat-Lon-Depth の形式で
出力してしまった測深データにつきましては、HIPS
にて処理した際に Vessel config の喫水項目に入力
してあった値を測深値より差し引いていただくこ
とで補正が完了いたします。
多大なご迷惑をおかけいたしますことを改めてお
詫びいたします。
水深断面図
差分断面(喫水 6.62m VS 0m)
差分断面(喫水 0m VS MB41 ファイル内水深値)
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