2015 年 11 月 26 日 環境大臣 丸川珠代 殿 日本気候リーダーズ・パートナーシップ COP21 に向けた要望書 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(以下 Japan-CLP)は、「気候変動が社会の安定、ひい てはビジネス活動への重大な脅威である」との認識の下、持続可能な低炭素社会の実現に向け、 積極的な取り組みを展開すると共に、ビジネスチャンスとすることを目指す企業ネットワークです。 我々は今年5月に、IPCC の科学的知見や国際的議論を経て合意された 2℃目標を尊重し、 我国が気候変動の解決に責任を持ち、同時に将来の経済的繁栄を得るために、既に閣議決定 された 2050 年に 80%の削減が必要とした長期目標との整合性をとるためにも、2030 年に少な くとも 1990 年比 30%(2013 年比で約 37%)以上の削減が望ましいとの意見を発信してきまし た。 今般、COP21 を迎えるにあたり、丸川環境大臣には、下記事項の進展にご努力頂きたい。 1. COP21 は、気候変動の行く末を左右する極めて重要な会議。将来世代に禍根を残さないと いう使命感を持って交渉に臨み、我国の国際的な信頼を守って頂きたい。 2. COP21 の合意において、全ての国の参加、2℃目標達成を可能とする世界全体での長期的 な削減目標の議論、及び通過点となる各国の意欲的な中期目標の合意、かつフォローアッ プの仕組みが盛り込まれるよう、リーダーシップを発揮して頂きたい。 3. COP21 の合意を踏まえ、その後の我国における着実な削減活動が重要となります。その際、 以下を踏まえて推進に当たって頂きたい。 国内での削減活動に当たっては、「革新的な対策を講じない限り、気候変動は持続可能 な経済社会の発展を脅かす可能性が極めて大きい」との認識を社会全体で共有し、自 立した対応を喚起することが必須です。 気候変動対策の主要課題のひとつとなる脱化石燃料の推進は、国富の流出を抑制し、 かつ、地方創生やイノベーション喚起にも寄与します。経済の好循環の観点からも、意欲 的な政策の導入が必要です。 企業の低炭素化への挑戦を誘引するには、低炭素化活動に経済価値が見出せる新しい 経済システムへの転換が必要です。炭素への価格付けが有効な気候政策となります。投 資家や顧客からの正当な評価の基に企業による技術革新やイノベーションの活発化が期 待できます。 Japan-CLP は、社会の多くの方々と共に、気候変動政策の前進を支援しつつ、産業界に よる技術革新やイノベーションの促進を喚起していく所存です。 以上
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