リグ・ヴェーダ 3 内容 中核となっているのは 2 巻から 7 巻で、祭官家の 家集的な性質を持つ。第 1 巻と第 8 巻は内容的に 類似し、2 巻〜 7 巻の前後に追加された部分と考え られる。9 巻はこれらとは⼤きく異なり、神酒ソー マ に関する讃歌が独占している。10 巻は『リグ・ ヴェーダ』の中で最も新しい部分とされる。讃歌 の対象となった神格の数は⾮常に多く* [3]、原則 として神格相互のあいだには⼀定の序列や組織は なく、多数の神々は交互に最上級の賛辞を受けて いる。しかし、他⽅でリグ・ヴェーダの終末期に は宇宙創造に関する讃歌を持つにいたり、ウパニ シャッド 哲学の萌芽ともいうべき帰⼀思想が断⽚ 的に散在している* [4]。 後期ヴェーダ時代(紀元前 1000 年頃より紀元前 600 年頃まで)に続くヴェーダとして『サーマ・ ヴェーダ』・『ヤジュル・ヴェーダ』・『アタルヴァ・ ヴェーダ』の三つが編纂される。 付属⽂典として『ブ ラーフマナ』(『祭儀書』)、『アーラニヤカ』(『森 林書』)、『ウパニシャッド』(『奥儀書』)が著され た。 リグ・ヴェーダ 『リグ・ヴェーダ』(ऋग्वेद Rigveda)は、古代インド の聖典であるヴェーダ の 1 つ。サンスクリット の 古形にあたるヴェーダ語(英語: Vedic Sanskrit)で 書かれている。全 10 巻で、1028 篇の讃歌(うち 11 篇は補遺)からなる。 4 日本語訳 • 辻直四郎 訳注『リグ・ヴェーダ讃歌』岩波⽂ 庫、初版 1970 年 1 呼称 5 中国語の密教経典 の翻訳では「梨倶吠陀」と表記 され、⽇本語⽂献でも⽤いられた事がある。* [1] 2 脚注 [1] 平⽥篤胤 (1827)『印度蔵志』巻之⼆稿「吠陀は、諸 書に⽪陀…。⾔義は、密嚴經⾳義に『吠陀梵語也、 是譯云明論、謂壽礼平術、名四吠陀此云四明論、有 ⼗萬⾴、⻄⽅所量、明四類法、⼀壽、⼆祠、三平、 四術』と⾒え、名義集には『吠陀此⾔智論、知此 ⽣智…』 」( 「壽」は、リグ・ヴェーダを指す。 ) 歴史 [2] 中⾕英明 (2000)「古代インドにおける哲学と⽂献 学」『古典学の再構築』第 5 号. 18-21 (オンライン・ ペーパー) 古代以来⻑らく⼝承され、のち⽂字の発達と共に 編纂・⽂書化された数多くあるヴェーダ 聖典群の うちのひとつで、最も古いといわれている。伝統 的なヒンドゥー教 の⽴場ではリシ(聖者・聖仙)た ちによって感得されたものとされる。中央アジア の遊牧⺠であったインド・アーリア⼈ がインドに 侵⼊した紀元前 18 世紀 ころにまで遡る歌詠を含 む。 [3] 例えば、スーリヤ(太陽神) 、ヴィシュヌ、ヴァーユ (⾵神)、ルドラ(後のシヴァ 神) 、アグニ(⽕神)、 ソーマ(神酒) 、ヴァルナ(司法神・⽔天) 、ミトラ (契約の神)、インドラ、ヤーマ(死者の王)、アス ラ。 紀元前 12 世紀 ころ、現在の形に編纂 された* [2]。 1 [4] 辻直四郎(1996)『リグ・ヴェーダ讃歌』第 29 刷 299 ⾴。 2 6 6 関連項目 • Indian epic poetry • ヴェーダ語 • ⼗王戦争 • ヴリトラ - リグ・ヴェーダに登場する巨 ⼤な⻯ • ヤマ - ⼈間で最初の死者 • マハーバーラタ • クルクシェートラの戦い 関
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