岩田幸一 日本大学歯学部生理学講座・教授 口腔顔面の疼痛に関してはこれまでに多く基礎研究がなされ、その発症機構が明らかにされ つつある。一方、臨床の現場では口腔顔面領域に発症した様々な病的疼痛に対して多くの新 しい技術が開発され、積極的に治療が進められている。しかし、実際に臨床で行われている治 療と基礎研究で得られた研究結果には関連性が薄いものが多く、口腔顔面痛に関しては EBM が旨くいっているとは言い難い。 わたくしは口腔顔面痛の研究を進める中で、口腔顔面痛治療法の開発に直結した基礎研究 の重要性を痛感している。これからは臨床に還元できる基礎研究、さらには臨床で実践されて いる治療方法のエビデンスを明らかにすることを目指して研究を推進したいと考えている。
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