八尾市中学校給食の実施に係る基本方針 平成 26 年 12 月 八 尾 市 教 育 委 員 会 目 1. はじめに 次 1 (1)中学生における昼食について (2)八尾市の中学校給食について 2.基本方針 2 3.実施方策 3 (1)提供方法 (2)献立 (3)食材調達 (4)調理業務 (5)配膳室 (6)給食の申込方法 (7)給食費 (8)広報 4.実施に向けたスケジュール 6 1.はじめに (1)中学生における昼食について 中学生は、心身ともに発育・発達が著しく、また活動も活発になります。この時期 の成長や健康を維持して活動するためには、運動などで体を動かすことや十分な休養 や睡眠をとることとともに、栄養的にバランスのよい食事をすることが大切です。ま た、生涯を健康で心豊かに生活していくために、生活習慣病と食習慣との関係につい て理解し、望ましい食習慣や食の自己管理能力を身に付けることが求められる大事な 時期です。 中学校での昼食は、午後からの授業や放課後のクラブ活動等に必要なエネルギーの 源となる脂質や炭水化物、成長期に必要なたんぱく質や鉄・カルシウムなどのミネラ ル類の摂取の点からもその役割は大きく、栄養バランスがとれた食事は、中学生にと って重要なものです。 八尾市の中学校では、食事量や嗜好、健康面などに保護者のきめ細やかな配慮がな された家庭弁当は、思春期にある中学生にとって家族とのコミュニケーションにも大 きな役割を果たしており、その意義は大きいことから、家庭からの弁当持参を推奨し ています。 (2)八尾市の中学校給食について 八尾市が家庭からの弁当持参を推奨する一方で、社会状況や家庭環境等が変化する 中、弁当が持参できない中学生がいることや、一部の中学生の昼食において栄養摂取 に偏りがあるなどの課題が出てきたことから、八尾市教育委員会(以下、 「教育委員会」 という。 )は、中学校での昼食のあり方について、様々な立場から検討、協議を行うた め「八尾市立中学校における中学生の昼食のあり方検討会」※1(以下、 「検討会」とい う。 )を設置しました。 検討するにあたり実施したアンケート調査によると、ほとんどの中学生が弁当を持 参しているが、家庭弁当が持参できず、栄養バランスに偏りのある中学生も一部見受 けられることが明らかになりました。 【用語説明】 ※1 八尾市立中学校における中学生の昼食のあり方検討会 :平成 23 年度に中学校での昼食のあり方について、様々な立場からの検討を行うため、 学識経験者や保護者等で構成された検討会。 また、検討会からは、 『中学生の昼食については、これまで通り家庭弁当の持参を基 本としながら、昼食に課題のある生徒に対して栄養バランスの整った昼食を食べるこ とができる選択制の学校給食の導入が、今の八尾市の中学生にとって最善』との意見 をいただきました。 八尾市及び教育委員会では、この意見を踏まえ、大阪府の「中学校給食導入促進事 業補助制度」※2を活用し、学校給食法に基づく選択制中学校給食を平成27年度中に 実施することにしました。 これを受け、教育委員会では、栄養バランスの整った昼食を提供することを目的に、 選択制の中学校給食実施に向けた「八尾市中学校給食の実施に係る基本方針」を策定 しました。 2.基本方針 選択制の中学校給食の実施に向けて、下記の基本方針を定めます。 1.家庭弁当を持参できない生徒に、安全で栄養バランスの整った給食を提 供します。 2.給食実施に向けて、 「おいしい」と感じられる状態で提供できるよう施設 整備等を行います。 3.献立については、旬の食材料や地場野菜※3を使い、行事食※4を取り入れ るなど季節感のある多様な給食を実施します。 4.全ての生徒が家庭弁当、給食それぞれの良さを自らの体験を通じて理解 を深め、食に関する意識の向上を図り、健やかな心身の成長が促進され るように食育推進に努めます。 【用語説明】 ※2 中学校給食導入促進事業補助制度 :中学校給食導入を推進するための大阪府の補助制度。平成 23~27 年度までの 5 年間。 中学校給食導入のための、施設整備費などが補助対象。 ※3 地場野菜 :地元で生産された野菜。例えば、小学校給食では、八尾で採れた小松菜や枝豆、若ごぼ うなどを食材として使用している。 ※4 行事食 :季節ごとの行事やお祝いの日に食べる特別な料理。例えば、小学校給食では、こどもの 日や七夕、お月見、クリスマスなどに行事食を提供している。 3.実施方策 (1)提供方法 中学校給食の導入にあたり、学校外の民間事業者の調理場で給食を調理し、個人別 の容器(ランチボックス※5)を使用して各中学校へ配送する、デリバリー方式※6とし ます。 (2)献立 文部科学省が定める学校給食摂取基準※7に基づき、中学生に必要な栄養バランスの とれた献立を、委託を受けた民間事業者のノウハウも活用しながら、教育委員会が決 定します。 決定後は、献立表を作成し、献立内容やアレルギー情報※8も含めた使用食材等の情 報を保護者や生徒に提供します。 (3)食材調達 安全で良質な給食用食材を確保するため、教育委員会が指定した規格基準に基づき、 委託を受けた民間事業者が調達します。食材の購入状況等については、民間事業者か ら報告を受け、教育委員会が定期的に点検します。 【用語解説】 ※5 ランチボックス :調理した給食を個人別に分けて入れる容器。ランチボックスを使用すると、教室内の配 膳作業を要せず、中学校での日課への影響を最小限に留める利点がある。 ※6 デリバリー方式 :学校外の民間調理場で給食を調理し、各学校へ配送する方式。給食調理場の整備を要せ ず、導入にあたって初期投資経費を抑えることができる利点がある。 ※7 学校給食摂取基準 :児童生徒の健康の増進及び食育の推進を図るために望ましい栄養量の基準。適用にあ たっては、個々の児童生徒の健康状態及び生活活動の実態並びに地域の実情等に十分 配慮し、弾力的に適用するよう定められている。 ※8 アレルギー情報 :アレルギー物質は食品衛生法により表示が義務付けられている『特定原材料』7 品目 (卵・乳・小麦・えび・かに・そば・ピーナッツ)、表示が推奨されている『特定原材料 に準ずるもの』20 品目(あわび・いか・いくら・オレンジ・キウイフルーツ・牛肉・く るみ・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ ゼラチン・ごま・カシューナッツ)がある。 (4)調理業務 調理業務等は、業務の履行能力や衛生管理のために備えるべき施設・設備について 教育委員会が定める基準を満たす民間事業者に委託し、学校外(委託先)の調理場で 調理する方式で実施します。 委託を受けた民間事業者は、教育委員会が定める衛生管理基準※9や調理業務委託仕 様書に基づいて、自前の調理施設で調理し、主食・副食のそれぞれをランチボックス に盛り付けし、各中学校の配膳室※10 に配送します。 民間事業者に対しては、定期的かつ随時、施設の立ち入り検査や履行状況の調査確 認を行います。 (5)配膳室 配膳室は、給食を搬入・保管するための施設として、安全面、衛生面に考慮しなが ら、各中学校の施設状況に応じて整備します。 配膳室では、搬入された給食を適切な温度で一時保管し、昼食時には配膳員が生徒 への給食の受け渡し及び容器回収を行います。 (6)給食の申込方法 給食の申込方法は、保護者・生徒の利便性を考慮した給食予約システム※11 を導入し ます。一定期間前までに希望する日を選んで申し込む方法とし、インターネット予約 など手軽に予約ができる方法を検討します。 【用語解説】 ※9 衛生管理基準 :衛生的に安全な給食を提供するため、厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュア ル」や文部科学省の「学校給食衛生管理基準」などの法令に準じて、教育委員会が定 める調理施設等における衛生管理の基準。 ※10 配膳室 :調理場から配送された給食を学校内で給食時間まで衛生的に保管する部屋。 ※11 給食予約システム :インターネット等によって事前の給食予約を行い、給食実施日ごとの食数を集計する システム。予約方法には、パソコン・スマートフォン・携帯電話によるインターネッ ト予約のほか、マークシートによる方法もある。 (7)給食費 学校給食法に基づき、給食に要する経費のうち、食材料費は保護者負担とし、その 他の施設整備費や人件費等は八尾市が負担します。 給食費の支払いについては、事前に直接コンビニエンスストア等で支払いができるな ど、保護者・生徒の利便性を考慮した方法を検討します。また、学校で給食費を取り扱 うことはありません。 (8)広報 中学校給食開始までに、生徒・保護者・教職員に対して中学校給食の内容や手続きに ついて説明を行います。 給食の実施にあたっては、毎月の献立表や給食だよりを発行するとともに、ホーム ページを利用し中学校給食や中学生の食生活等に関する情報を発信するなど、食育推 進にも努めます。 4.実施に向けたスケジュール 中学校給食の実施に向けて、各中学校に配膳室を整備するため、既存施設内の施設配置状 況を確認し、計画的に配膳室整備工事を実施します。 また、給食調理事業者の選定や給食予約システムの整備など、大阪府中学校給食導入促 進事業補助制度の活用により、平成26年度から28年度にかけて、以下のとおり順次実 施します。 平成26年度 ・給食調理事業者の選定準備 ・給食予約システム整備事業者の選定準備 ・配膳室施設整備設計 平成27年度 ・配膳室施設整備 ・給食調理事業者、給食予約システム整備事業者の選定 ・給食予約システムの整備 ・教職員・保護者への周知 ・整備が完了した中学校より中学校給食の開始(11校) (平成28年1月) 平成28年度 ・全校で中学校給食の実施(全15校) (平成28年4月)
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