文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 1 TM ホワイトペーパー バージョン 1.00.00 日付 April 17, 2015 ステータス Appendix Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 2 改版履歴 バージョン 日付 内容 0.90 0.91 1.00.00 June 11, 2014 July 29, 2014 April 17, 2015 First Draft Release Draft Update First Official Release Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 1 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 3 免責事項 2 3 HOTARU Interface Consortium/HOTARUインターフェース・コンソーシアム(以降、 4 HOTARUコンソーシアムと呼ぶ)の会員、会員の子会社もしくは会員の関係会社のいずれも、本 5 書面の内容に関して、商品性、特定の目的への適合性、非侵害の保証を含め、いかなる保証も、 6 明示たると黙示たるとを問わず一切行いません。本書面は「無保証(as is)」で提供されます。 7 8 HOTARUコンソーシアムの会員、会員の子会社もしくは会員の関係会社のいずれも、本書面の 9 使用、または使用不能から生ずるいかなる損害(逸失利益、及びその他の派生的、または付随的 10 な損害を含むが、これらに限定されない全ての損害を言います)に関し、適用法にて認められる限 11 り、一切の責任を負わないものとします。例えHOTARUコンソーシアムの会員、会員の子会社も 12 しくは会員の関係会社が関わる損害の可能性について知らされていた場合でも同様です。 13 14 HOTARU コンソーシアムの会員、会員の子会社もしくは会員の関係会社のいずれも、この書面 15 に起因して第三者との間に生じた、または生じ得る知的財産権に関する紛争について、防御、協 16 力、または補償する義務を負わないものとします。 17 18 本書面に掲載されている全ての内容(文章、写真、画像、表、ソースコード、図面等の全ての提供 19 形態が該当します)の著作権は HOTARU コンソーシアムが所有しており、世界各国の著作権法 20 によって保護されています。著作権者の許諾を得ず、本書面に記載されている内容の全部または 21 一部の改変、再頒布、「引用」の範疇を超えた複製・転載などの行為を禁じます。 22 23 24 25 26 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 27 28 29 Page 4 目次 1 30 31 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix 序論 .................................................................................................6 1.1 2 本書の目的 ....................................................................................6 用語 .................................................................................................7 32 2.1 略語 ............................................................................................7 33 2.2 定義 ............................................................................................8 34 2.3 頭字語 ....................................................................................... 10 35 3 アーキテクチャー ................................................................................. 13 36 3.1 概要 .......................................................................................... 13 37 3.2 層構造 ....................................................................................... 15 38 3.3 伝送レート ................................................................................... 16 39 3.4 リンクアグリゲーション ...................................................................... 16 40 3.5 複数レーン構成 ............................................................................. 17 41 4 42 データ伝送 ........................................................................................ 20 4.1 概要 .......................................................................................... 20 43 4.1.1 データフロー ........................................................................... 20 44 4.1.2 データリンク層の処理 ................................................................. 22 45 4.1.3 物理層の処理.......................................................................... 22 46 5 リンク管理 ......................................................................................... 23 47 5.1 概要 .......................................................................................... 23 48 5.2 リンク管理の種類 ........................................................................... 23 49 6 50 51 52 53 54 チャンネルアップ .................................................................................. 24 6.1 7 チャンネルアップの概要 .................................................................... 24 自動再送制御 .................................................................................... 28 7.1 概要 .......................................................................................... 28 7.1.1 7.2 ARQ のルール......................................................................... 28 パケットエラー要因.......................................................................... 29 55 56 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 57 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 5 図表一覧 58 59 図 1-1:HOTARU コンソーシアムのスキーム ..................................................6 60 図 3-1:チャンネル構成(Duplex) ............................................................. 13 61 図 3-2:チャンネル構成(Simplex) ........................................................... 14 62 図 3-3:Point-to-Point マシンビジョン実装(e.g.) .......................................... 14 63 図 3-4:層構造 .................................................................................. 15 64 図 3-5:RX4 レーンのホストに x4 で接続(e.g.) ............................................. 18 65 図 3-6:RX4 レーンのホストに x2 で接続(e.g.) ............................................. 18 66 図 3-7:XCVR のクロックトポロジー(e.g.) ................................................... 19 67 図 4-1:データのカプセル化 .................................................................... 21 68 図 4-2:データフロー ............................................................................ 21 69 図 6-1:チャンネルアップのフロー(Duplex 構成) ........................................... 25 70 図 6-2:チャンネルアップのフロー(Simplex 構成) .......................................... 26 71 72 表 3-1:Gear 一覧 .............................................................................. 16 73 表 3-2:伝送レート............................................................................... 16 74 表 5-1:LC パケットの種類 ..................................................................... 23 75 表 6-1:チャンネルアップのフローと役割 ...................................................... 27 76 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 1 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 6 序論 IF.HOTARU は高速シリアルトランシーバを用いた、オープンかつシンプルなデータ伝送 用プロトコルであり、高速・長距離伝送の用途を想定して光ケーブル/コネクタと組み合わせ て簡単に機器間の光インターフェースを実現する方法を提案する。また、短距離の用途に対 し、メタル配線による伝送も可能としている。 HOTARU の名前は発光する昆虫『蛍』の和名に由来する。蛍は発光のリズムや飛び方で 個体同士が通信していると言われており、光インターフェースの名称にふさわしいと考え採 用した。IF.HOTARU がターゲットとしている伝送帯域は 3.125Gbps 〜 160Gbps で、適 合分野はマシンビジョンに限らず、映像機器、業務用印刷機、半導体関連装置、医用画像診 断装置、科学技術機器などの画像領域に加え無線機器、レーダー機器、各種計測機器など 非画像領域も想定している。HOTARU コンソーシアムのスキームを図 1-1 に示す。 産業機器 画像領域 マシンビジョン HOTARUコンソーシアム スキーム 画像インターフェース ユーザーニーズ メーカーシーズ 実現化 画像インターフェースにおける 光インターフェースの 実用化研究と提言 提言 映像機器 業務用印刷機器 半導体設備機器 医用画像診断装置 科学技術機器など 非画像領域 HOTARUコンソーシアムはマシンビジョンを始め、様々な機器に応用 できる広帯域でシンプルなインターフェースを提言する研究会である 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 無線機器 レーダー機器 広帯域通信機器 各種計測装置など 図 1-1:HOTARU コンソーシアムのスキーム 現在、産業機器には FPGA が多く採用されている。組み込み装置間で Point-to-Point 通信を実現する際にどのような通信プロトコル、ケーブル、コネクタを採用するかなど、エン ジニアの悩みは多い。そこで光インターフェースのユーザニーズとメーカーシーズを実現する ため有志が集まり HOTARU コンソーシアムを立ち上げ、以下の開発コンセプトを掲げ活動 を行っている。 マシンビジョンのみならず産業全般に貢献するインターフェースであること 高速性能を将来的にも約束出来ること シンプルであること(プロトコル/ケーブリング) その時点で適した伝送能力を低価格で提供出来ること 日本のものづくりから世界に広めること 102 103 104 1.1 本書の目的 本書の目的は、IF.HOTARU の通信プロトコルの概略を紹介することである。 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 2 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 7 用語 本書に記載される 2 進数の系列とタイミングチャートは、断りが無い限り左(時間的に旧) から右(時間的に新)の時間方向で表記される。 本書に記載される数字は、断りが無い限り 10 進数で表記される。 本書に記載される 2 進数と 16 進数は、断りが無い限り最右を Least Significant Digit とする。 本書に記載される 2 進数表記と 16 進数表記に含まれる x は、don’t care を意味する。 2.1 略語 e.g. For example N/A Not Applicable T.B.D To be determined xxb (2 進数表記) xxh (16 進数表記) Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 8 2.2 定義 マシン IF.HOTARU 規格に則って動作する、あらゆる装置を指す。 ローカル IF.HOTARU 規格に則って 1 対 1 で相互接続された二つのマシンの うち、自マシンを指す。 リモート IF.HOTARU 規格に則って 1 対 1 で相互接続された二つのマシンの うち、相手マシンを指す。 デバイス IF.HOTARU 規格に則って動作する信号発生のマシンを指す。マシ ンビジョンにおいてほとんどの場合、デバイスはデジタルカメラと考え られる。 ホスト IF.HOTARU 規格に則って動作するデータ受信・記録・再生のマシン を指す。マシンビジョンにおいてほとんどの場合、ホストはフレームグ ラバー、或いはイメージプロセッサと考えられる。 チャンネル IF.HOTARU 規格に則って 1 対 1 で相互接続された二つのマシン間 の論理チャンネルを指す。 チャンネルアップ チャンネルを確立するための手続きを指す。 リンク IF.HOTARU 規格に則って 1 対 1 で相互接続された二つのマシン間 のデータリンク層の論理リンクを指す。 リンクアップ リンクを確立するための手続きを指す。 レーン マシン間を相互接続する差動信号ペア、或いは光信号を指す。 レーンアクイジション 物理層で有効な RX レーンを検出する処理を指す。 ラインレート 伝送媒体上における bit の伝送速度を指す。 アプリケーション層 プロトコルスタックの階層モデルのうち、ユーザーとの入出力を行う 具体的なサービスを提供する層を指す。 データリンク層 プロトコルスタックの階層モデルのうち、相互接続されたマシン間で データ伝送するための機能と手順及び物理層で発生したビットエラ ーの検出や制御の手段を提供する層を指す。 物理層 プロトコルスタックの階層モデルのうち、bit の伝送を行うための電気 的な機能、手続きを提供する層を指す。 メディア層 プロトコルスタックの階層モデルのうち、伝送媒体やコネクタの機械、 形状、材質等の仕様を提供する層を指す。 データグラム 各層においてヘッダとトレーラが付加される対象のデータを指す。 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 9 ヘッダ データグラムの先頭に付加する情報を指す。 トレーラ データグラムの末尾に付加する情報を指す。 パケット ヘッダとデータグラムとトレーラをひとまとめにした単位を指す。 カプセル化 上位層のパケットを下位層のヘッダ及びトレーラで包む処理を指す。 デカプセル化 カプセル化された下位層のパケットからデータグラム、ヘッダ、トレー ラを分解する処理を指す。 キャラクタ 8B/10B にて符号化される前の 8bit のデータ語を指す。 シンボル 8B/10B にて符号化された後の 10bit のデータ語を指す。 シンボルグループ 連続した 4 つシンボルの組み合わせで機能をなすグループを指す。 フレーミングシンボル パケットの始まりと終わりを認識するためのシンボルを指す。 UI Unit Interval の略称であり、メディアで 1bit を伝送するのに要する 時間を意味する。 SI Symbol Interval の略称であり、メディアで 10bit を伝送するのに 要する時間を意味する。 ワードアライメント 受信したシリアル信号の中から特定の符号語(K28.5)を検出し、 10bit シンボルの境界を決定する機能を指す。 レーンデスキュー 複数レーン実装時に、フレーミングシンボルを使って RX レーン間の キャラクタ単位の遅延差を吸収し、位相を揃える機能を指す。 レーンマーキング 複数レーン実装時に、RX レーンをレーンマーカー順に並べ直して論 理的なリンクの番号と対応させる機能を指す。 リンクアグリゲーション 複数のリンクを束ねて一つの論理チャンネルと見なし、並列にデータ を送信することで伝送レートを向上させる機能を指す。 リンク管理 ALP のデータグラムを用いず DLP でリンクの相互接続を管理するた めのショートメッセージを生成・受信する機能を指す。 スクランブル 送信するデータ系列に対して PRBS を排他的論理和することで、周 波数スペクトルを撹拌し EMI を低減する機能を指す。 デスクランブル スクランブルと同じ PRBS を排他的論理和することで、スクランブル 前のデータ系列を復元する機能を指す。 アイドル データリンク層のパケットの伝送が無い状態を指す。 フェータルエラー 回復不可能なチャンネル構成上のエラーを指す。 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 10 2.3 頭字語 ACK ACKnowledgement、送達確認 ALP Application Layer Protocol、アプリケーション層プロトコル ARQ Automatic Repeat reQuest、自動再送要求 ASIC Application Specific Integrated Circuit ASSP Application Specific Standard Product BER Bit Error Ratio、ビットエラー率 CDR Clock & Data Recovery、クロックデータ再生 CML Current Mode Logic COM COMma CPI Cyclic Packet Index、巡回パケット番号 CRC Cyclic Redundancy Check、巡回冗長検査 DLP Data link Layer Protocol、データリンク層プロトコル DLYC DeLaY Control、遅延調整 EDS EnD Suspend EMI Electro Magnetic Interference、電磁干渉 EV Electrical Variant、電気的基準 FF Flip Flop、フリップフロップ FIFO First In First Out、先入れ先出し FPGA Field Programmable Gate Array HIREL HIgh RELiability option、高信頼性オプション Hi-Z High Impedance、ハイインピーダンス IF InterFace、インターフェース IF.HOTARU High speed, Optical Transmitting And Receiving, Universal Interface Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix LC Link Control、リンク管理 LCI LC packet Identifier、LC パケット識別子 LFSR Linear Feedback Shift Register、線形帰還シフトレジスタ LM Lane Marker、レーンマーカー LSB Least Significant Bit、最下位ビット LSByte Least Significant Byte、最下位バイト MID Machine ID、マシン ID MPO Multi-fiber Push-On MSB Most Significant Bit、最上位ビット MSByte Most Significant Byte、最上位バイト NRZ Non-Return to Zero OMC Optical Media Converter、光メディア変換器 OPT OPTion、オプション PAD PADding PID Product ID、プロダクト ID PLP Physical Layer Protocol、物理層プロトコル ppm parts per million、百万分率 PRBS Pseudo-Random Bit Sequence、擬似ランダムビット系列 QCPI reQuest CPI、再送要求パケット番号 QSFP Quad Small Form-factor Pluggable QSFP+ Quad Small Form-factor Pluggable Plus RD Running Disparity RFU Reserved for Future Use、リザーブ RI Retransmitted Indicator、再送識別子 RO Read Only、書き込み不可 Page 11 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix RW Read-Write、読み出し書き込み可 RX Receiver、受信器 SAP Start of ALP SLC Start of LC SERDES SERializer/DESerializer、シリアル/パラレル変換器 SFP Small Form-Factor Pluggable SFP+ Small Form-Factor Pluggable Plus TPAT Training PATtern、トレーニングパターン TX Transmitter、送信器 VID Vendor ID、ベンダーID XCVR Transceiver、トランシーバ XOR eXclusive OR、排他的論理和 Page 12 346 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 13 3 アーキテクチャー 3.1 概要 IF.HOTARU は、シリアル伝送技術を用いたインターフェースプロトコルであり、以下 に挙げる特長を持つ。 プロセッサレスでも運用出来るシンプルなプロトコル 省配線・長距離伝送・省リソース 特定ベンダーの ASIC や ASSP を限定しない スケーラブルな伝送レート 複数の物理レーンを束ねるリンクアグリゲーション 使用レーン数の自動識別 リンク管理機能 フロー制御(オプション) 誤り検出・自動再送による高信頼伝送(オプション) 将来的なトポロジー拡張計画(デイジーチェーン) IF.HOTARU はチャンネルアップにソフトウェアの支援を必要とせず、基本的なデータ 伝送であればプロセッサ無しで運用することが出来る。一方で、ソフトウェアと組み合わ せアプリケーション層からチャンネル初期化手順を制御し、伝送レートの自動ネゴシエー ションのようなシステム拡張も可能である。 相互接続されたマシン間では透過的なチャンネルを構成しユーザーアプリケーション のデータを伝送することが可能となる。ユーザーインターフェースは規格で規定しないた め、アプリケーションに応じて自由に実装することが出来る。 IF.HOTARU のデータフローは、上りパス(ローカルマシンにとっては TX)と下りパス (ローカルマシンにとっては RX)の両パスを備えた全二重構成(Duplex 構成)と、それ ぞれのマシンが TX 或いは RX だけを備える片方向通信構成(Simplex 構成)が存在し、 アプリケーションに応じて何れかを選択することができる。典型的な Duplex のチャンネ ル構成を図 3-1 に、Simplex のチャンネル構成を図 3-2 に示す。 IF.HOTARU Channel IF.HOTARU Tx Link IF.HOTARU Tx Lane Byte Striping E/O Conversion O/E Conversion E/O Conversion O/E Conversion IF.HOTARU Rx Link IF.HOTARU Rx Lane User Application Link Aggregation Lane Marking O/E Conversion E/O Conversion O/E Conversion E/O Conversion XCVR Local 376 377 User Application Remote 図 3-1:チャンネル構成(Duplex) Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 14 378 IF.HOTARU Channel IF.HOTARU Link IF.HOTARU Lane Byte Striping 379 380 381 382 383 384 385 User Application E/O Conversion O/E Conversion E/O Conversion O/E Conversion XCVR XCVR Machine B Machine A Link Aggregation User Application 図 3-2:チャンネル構成(Simplex) また、IF.HOTARU を使ったマシンビジョンのシステム実装例を図 3-3 に示す。本図 は使用例の一つであり、IF.HOTARU で利用可能なアプリケーションの全てを表してい るわけではない。 Camera Frame Grabber Board Optical Link 386 387 Lane Marking PCI Express® 図 3-3:Point-to-Point マシンビジョン実装(e.g.) 388 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 389 390 391 392 393 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 15 3.2 層構造 IF.HOTARU の基本的な伝送の仕組みは、アプリケーション層で定義されたデータグ ラムを伝送するものである。アプリケーション層で定義されたデータグラムや手続きを ALP と呼ぶ。IF.HOTARU の層構造の概念を図 3-4 に示す。 アプリケーション層 (e.g.) ALP-1 ALP-2 ALP-3 ALP-4 ALP-5 Machine Vision 業務用 印刷機器 半導体 関連装置 医用画像 診断装置 無線/レーダ ー機器 etc.. IF.HOTARU データリンク層 DLP Data link Layer Protocol 物理層 メディア層 394 395 PLP Physical Layer Protocol SFP SFP+ QSPF QSFP+ MPO etc.. 図 3-4:層構造 396 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 397 398 399 400 401 402 403 404 Gear-1 3.125 (2.500) Gear-2 5.000 (4.000) Gear-3 6.250 (5.000) Gear-4 8.000 (6.400) Gear-5 10.000 (8.000) 必須 オプション オプション オプション オプション 表 3-1:Gear 一覧 3.4 リンクアグリゲーション IF.HOTARU では単レーンだけでなく、複数レーンを束ねることでより広帯域な伝送を 実現することが出来る。単レーン使用の場合は x1、2 レーン使用の場合は x2、4 レー ン使用の場合は x4 と表現する。更に x4 を単位としたリンクをまとめ、より大きなリンク (x8、x12、x16)を構成することが出来る。 x16 レーンまでのリンクアグリゲーションと伝送レートの組み合わせを表 3-2 に示す。 この表で伝送レートとは 8B/10B 符号化を含む伝送線路のレートを指し、実効レートと は 8B/10B の冗長分を除外したレートを指す。 IF.HOTARU のデータフローは以下のルールを持つ。 TX のレーン数と RX のレーン数は非対称で構成することが出来る。 TX レーンと RX レーンの Gear は同じでなければならない。 レーン数 x1 x2 x4 x8 x12 x16 419 Page 16 3.3 伝送レート IF.HOTARU の伝送データは物理層にて 8B/10B に符号化され NRZ で送信される。 ラインレートの定義を Gear と呼ぶ。IF.HOTARU は表 3-1 に示す 5 種類の Gear を 持つ。この表でラインレートとは 8B/10B 符号化を含む伝送線路の伝送レートを指し、 実効レートとは 8B/10B の冗長分を除外した伝送レートを指す。 IF.HOTARU に対応する全てのマシンは必ず Gear-1 に対応しなければならない。そ れ以外の Gear は全てオプションとなる。 ラインレート (実効レート) 単位:Gbps サポート 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Gear-1 3.125 (2.5) 6.25 (5.0) 12.5 (10.0) 25.0 (20.0) 37.5 (30.0) 50.0 (40.0) Gear-2 5.0 (4.0) 10.0 (8.0) 20.0 (16.0) 40.0 (32.0) 60.0 (48.0) 80.0 (64.0) 伝送レート (実効レート) 単位:Gbps Gear-3 Gear-4 6.25 (5.0) 8.0 (6.4) 12.5 (10.0) 16.0 (12.8) 25.0 (20.0) 32.0 (25.6) 50.0 (40.0) 64.0 (51.2) 75.0 (60.0) 96.0 (76.8) 100.0 (80.0) 128.0 (102.4) Gear-5 10.0 (8.0) 20.0 (16.0) 40.0 (32.0) 80.0 (64.0) 120.0 (96.0) 160.0 (128.0) 表 3-2:伝送レート 420 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 17 3.5 複数レーン構成 IF.HOTARU の受信マシンは、対向マシンの TX レーン数に合わせて実際に使用する RX レーン数を自動的に変更する。例えば、マシンビジョンアプリケーションにおいて x4 の RX レーンを持つグラバーボードに対し、接続するデジタルカメラは x1、x2、x4 から 自由に選ぶことが出来る。 各 TX レーンにはレーンマーカー(LM)という番号を与える。RX はレーンマーキング機 構を備えており、リモートの TX より出力されるレーン番号(LM)を判別し、ALP データグ ラムを組み立て直す。複数のケーブルを長距離で引き回す場合、往々にして送信マシン のレーン番号と受信マシンのレーン番号を対応させるのは困難な作業となるが、レーン マーキング機構によりユーザーは両マシンの論理リンクの対応を意識せずケーブルを 取り扱うことが出来る。 複数レーンでチャンネルを構成する場合、各 RX レーンにはプライマリ(Primary)、或 いはオグジュアリ(Auxiliary)の属性を与える。RX プライマリレーンは一つのチャンネ ルにつき一つだけ存在し、ゼロであったり複数あったりしてはならない。プライマリにアサ インされない RX レーンは全てオグジュアリとなる。 複数レーンでチャンネルを構成するにあたり、下記のルールを守らなければならな い。 RX プライマリレーンは必ず使用しなければならない。ただし、RX のプライマリレ ーンに接続する TX レーンの LM は何でも良い。x1 の場合は RX プライマリレー ンのみを使用する。 一つのチャンネルを構成するレーン同士の周波数偏差は 0 ppm でなければなら ない(図 3-7 参照)。これは、単一の発振源から TX マシンの全レーンの XCVR にリファレンスクロックを供給することを意味する。 RX4 レーンを備えたホストに対し、x4 でデバイスを接続する例を図 3-5 に示す。また、 同ホストに対し、x2 でデバイスを接続する例を図 3-6 に示す。 447 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 18 448 RXプライマリレーン LM=0 E/O Conversion O/E Conversion LM=1 E/O Conversion O/E Conversion LM=2 E/O Conversion O/E Conversion LM=3 E/O Conversion O/E Conversion XCVR デバイス 449 450 451 Lane Marking Link Aggregation ホスト TX4レーン実装 RX4レーン実装:x4使用 図 3-5:RX4 レーンのホストに x4 で接続(e.g.) RXプライマリレーン LM=0 E/O Conversion O/E Conversion LM=1 E/O Conversion O/E Conversion O/E Conversion O/E Conversion XCVR デバイス TX2レーン実装 452 453 Lane Marking Link Aggregation ホスト RX4レーン実装:x2使用 (RXプライマリレーンは必ず使用) 図 3-6:RX4 レーンのホストに x2 で接続(e.g.) 454 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 19 455 RXプライマリレーン E/O Conversion O/E Conversion CDR DATA FIFO CLOCK O/E Conversion CDR DATA FIFO CLOCK E/O Conversion O/E Conversion CDR DATA FIFO CLOCK E/O Conversion O/E Conversion CDR DATA データリンク層へ E/O Conversion Clock Tree FIFO CLOCK 456 457 周波数偏差 0 ppm XCVR 図 3-7:XCVR のクロックトポロジー(e.g.) Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 20 4 データ伝送 4.1 概要 IF.HOTARU のデータ伝送は以下のような特徴を持つ。 高速・軽量 ALP は IF.HOTARU のパケットに載せられ、リモートのアプリケーション層へと届 けられるが、IF.HOTARU の基本構成では送達確認を行わないためオーバーヘ ッド、遅延、ハードウェア規模の面で軽量である。 設計の自由 ユーザーが自由なプロトコルとして ALP を実装することが可能である。例えば、リ アルタイムに音声や映像を送るようなアプリケーションでは、一部のデータが欠 落した場合、一瞬音声や画像が途切れたりはするが、それよりもリアルタイムに データが届くことのほうが重要である。このような場合、ユーザーはコネクションレ ス型のプロトコルとして ALP を実装することが出来る。または、送達確認や再送、 到着順序の保証が必要なアプリケーションでは、ユーザーはコネクション型のプ ロトコルとして ALP を実装することも出来るなど自由度がある。 通信の信頼性 IF.HOTARU のデータ伝送の基本的な思想は「信頼性のない通信(Unreliable Communication)」である。ここで「信頼性がない」とは、送信したパケットが相 手に正確に届いたかどうかを送信元は確認しないという意味である。ただし、高 信頼性伝送を要求するアプリケーションに対し、データリンク層での自動再送要 求(ARQ)をオプションで利用することが出来る。 4.1.1 データフロー アプリケーションがデータを送信する時、層構造の下位層に向かって順に転送さ れ、最終的に伝送媒体(メディア層)に向けて送出される。この過程において、各層 でデータに情報を追加していく。データグラムの先頭に追加する情報を「ヘッダ」と 呼び、末尾に付ける情報を「トレーラ」と呼ぶ。また、各層においてヘッダとトレーラ が追加される対象となる部分を「データグラム」と呼び、ヘッダとデータグラムとトレ ーラをひとまとめにしたものを「パケット」と呼び、上位層のデータグラムを下位層 の情報で包み込むことを「カプセル化」と呼ぶ。 カプセル化されたデータを受け取ったリモートの各層は、逆の手順(ヘッダとトレ ーラを取り外し)「デカプセル化」を行って上位層に転送していき、アプリケーション 層へ「送信するべきデータ(ALP パケット)」を引き渡す。 データのカプセル化の概念を図 4-1 に、データフローを図 4-2 に示す。 493 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 21 494 アプリケーション層 アプリケーションデータグラム ALP ヘッダ IF.HOTARU データリンク層 ALP パケット DLP データグラム DLP ヘッダ 物理層 DLP トレーラ DLP パケット 495 496 497 図 4-1:データのカプセル化 TXマシン RXマシン アプリケーション層 ALP ALPインターフェース ALPインターフェース FIFO TXリンク管理 リンク0 (LM = 0) FIFO DLP バイトストライピング リンク0 (LM = 0) リンク1 (LM = 1) リンク2 (LM = 2) リンクアグリゲーション CRC検算 CRC検算 CRC検算 CRC検算 レーンデスキュー & デカプセル化 リンク3 (LM = 3) リンク3 リンク2 LM=2 LM=1 リンク1 リンク0 LCカプセル化 ALPカプセル化 ALPカプセル化 ALPカプセル化 ALPカプセル化 RXリンク 管理 レーンマーキング CRC計算 CRC計算 CRC計算 CRC計算 スクランブル スクランブル スクランブル スクランブル 8B/10B 符号化 8B/10B 符号化 8B/10B 符号化 8B/10B 符号化 データリンク層 PRBS生成 物理層 Serializer Serializer Serializer Serializer PLP LM=0 LM=3 デスクランブル デスクランブル デスクランブル デスクランブル 8B/10B 復号 8B/10B 復号 8B/10B 復号 8B/10B 復号 ワード アライメント ワード アライメント ワード アライメント ワード アライメント Deserializer Deserializer Deserializer Deserializer メディア層 498 499 図 4-2:データフロー 500 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 22 4.1.2 データリンク層の処理 データリンク層はアプリケーション層から ALP パケットを受け取り必要な加工を 行い物理層へと確実に転送する仕組みを提供する。データリンク層では、バイトス トライピングで ALP パケットを利用可能なレーンへとバイト単位で割り振り、その後 カプセル化機構でフレーミングシンボル、パケット番号、マシン ID、CRC 等の情報 を追加する。 データリンク層の機能を以下に挙げる。 バイトストライピング レーンマーキング レーンデスキュー ALP パケットのカプセル化(DLP パケット) マシン ID の管理 4.1.3 物理層の処理 物理層はデータリンク層からデータを受け取り、NRZ の電気信号として送り出す。 また、リモートの信号を受信し、データリンク層へとデータを引き渡す。物理層は論 理サブブロックと電気サブブロックから構成される。 論理サブブロックの TX は、以下の処理を行う。 DLP パケット或いは LC パケットが送信されていない間、アイドルパターンを 送信する。 データリンク層から受け取ったパケットとアイドルパターンの双方に対してス クランブルの処理を行う。 スクランブルされたデータストリームをキャラクタ単位で 8B/10B 符号化す る。また、フレーミングシンボル、アイドルシーケンス等の機能に割り当てら れた特別なキャラクタを 8B/10B の K コードに変換する。 符号化した結果をシンボル単位で電気サブブロックへ渡す。 論理サブブロックの RX は、以下の処理を行う。 電気サブブロックから受け取った 10bit シンボルに対しワードアライメントを 実行する。ワードアライメントは 8B/10B の K コードの一つである K28.5 に対して実行する。ワードアライメントはレーン毎に独立して実行する。 ワードアライメントされたシンボルに対し、デスクランブルの処理を行う。 デスクランブルされたシンボルから 8B/10B 復号を行う。 復号されたキャラクタをデータリンク層に渡す。 不正な符号語が含まれる場合、ランニングディスパリティエラーまたはデコ ードエラーの通知を復号されたキャラクタとともにデータリンク層に渡す。 電気サブブロックは符号化されたシンボルをシリアルの電気信号としてメディア 層に送り出す。また、リモートから受信したシリアル信号をシンボル単位でパラレ ル化し、論理サブブロックに渡す。メディア層との入出力は CML を用いる。 542 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 Page 23 5 リンク管理 5.1 概要 IF.HOTARU はデータリンクを管理するために、ALP データグラムを用いず DLP でショ ートメッセージを生成・受信する機能を有する。これをリンク管理(LC)と呼ぶ。リンク管理 には LC パケットを使用する。LC パケットのヘッダには Attribute キャラクタがあり、リン ク管理識別子(LCI)と LC パケットの種類を区別するための Type が含まれる。 5.2 リンク管理の種類 LC パケットの種類を表 5-1 に示す。 LC パケット名 LC_MIDREQ LC_MIDACK LC_LJIO LC_ACK LC_RSTREQ LC_FLCTRL リザーブ LC_UD リザーブ 554 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Type 00h 01h 02h 03h 04h 05h 1xh 7xh Others 説明 リザーブ リザーブ トリガー信号等の汎用 I/O 信号を伝送する DLP パケットを正常受信したことを通知する リモートに再 Channel Up を要求する リモートのフロー制御を行う マシンビジョンアプリケーション用の予約領域 ユーザー定義 リザーブ 表 5-1:LC パケットの種類 555 556 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 24 6 チャンネルアップ 6.1 チャンネルアップの概要 本章はチャンネルアップの手順を説明する。Duplex 構成時のチャンネルアップフロー、 Simplex 構成時のチャンネルアップフロー及び各手順における役割をそれぞれ図 6-1、 図 6-2 及び表 6-1 に示す。 ハードウェアの電源を ON にした後、リモートによるチャンネルリセット、或いはチャン ネルフェイルが発生した場合、ローカルマシンの IF.HOTARU の物理層及びデータリン ク層をリセットし Local Config の手続きを行う。Local Config では IF.HOTARU のリ セット時間は最低でも 100us 設けなければならない。その間にローカルマシンのコンフ ィグレーションレジスタ(使用する TX レーン数、使用可能な RX レーン数、LM、使用 Gear、ARQ 及びフロー制御使用の有無等)を決定する。 Local Config が完了した後に、ALP ないしシステムより IF.HOTARU の物理層及び データリンク層のリセットを解除する。 リセット解除後は使用する TX レーンからはトレーニングパターン(TPAT)を出力し、使 用しない TX レーンは Hi-Z とする。TPAT には IF.HOTARU の構成情報(パラメータ)が 含まれる。RX レーンではリモートより入力される TPAT を用いて同期を確立する。RX プ ライマリレーンの同期が確立すると、リンクアップ(RX Linkup)の手続きを開始する。リ モートパラメータを取得し、使用する RX レーン数、レーンマーキング、オプション対応を 決定する。リンクアップ手順が完了次第、ALP の運用を開始する。 Duplex 構 成 に お い て 、 ALP は リ モ ー ト マシ ン か ら 取 得 す る リ ン ク ア ッ プ 状 態 (LINK_STATE)を読み取って、リモートの RX が受信可能な状態にあるか否かを識別し、 ローカル TX よりパケットの送信可否を判断する。 Simplex 構成おいて、リモートの RX が受信可能な状態にあるか否かの識別方法は IF.HOTARU 規格で規定せず、ALP の実装方法に委ねるものとする。 582 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 25 583 Machine A TX Machine B RX TX Power Up, Channel up Request, Channel up Failure RX Power Up, Channel up Request, Channel up Failure Local Config Local Config Reset Release Reset Release TPAT RX Lane 0 Acquisition RX Lane 1 Acquisition ... RX Lane N-1 Acquisition TX IDLE TPAT RX Linkup DLP ALP RX Operation NO Is Remote LINK_STATE RX_READY? LINK_STATE YES From Machine B TX at any state Wait for adding slack period TX Operation (Duplex) 584 585 LINK_STATE ALP or LC Packet From Machine B TX at any state When Remote LINK_STATE changes in the state other than RX_READY, TX machine shall stop all packet transmission and output idle pattern instead. 図 6-1:チャンネルアップのフロー(Duplex 構成) 586 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Machine A TX Machine B RX TX Power Up, Channel up Request, Channel up Failure RX Power Up, Channel up Request, Channel up Failure Local Config Local Config Reset Release Reset Release TPAT RX Lane 0 Acquisition RX Lane 1 Acquisition Page 26 ... RX Lane N-1 Acquisition TX IDLE TPAT RX Linkup DLP ALP Wait for adding slack period TX Operation (Duplex) 587 588 RX Operation ALP or LC Packet In Simplex composition, the timing of a datagram transmitting start is left to direction of ALP. 図 6-2:チャンネルアップのフロー(Simplex 構成) 589 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 27 590 フロー Local Config Reset Release TX IDLE RX Lane Acquisition RX Linkup TX Operation RX Operation 591 処理内容 ローカルマシンの IF.HOTARU の物理層及び データリンク層をリセットする。IF.HOTARU の リセット時間は最低でも 100us 設けなければ ならない。その間にローカルマシンのコンフィ グレーションレジスタを設定する。 ローカルマシンのリセットを解除する。 ローカル TX より TPAT を出力し続ける。 リモートマシンから TPAT を受信してローカル RX のレーン毎に同期を確立する。 RX プライマリレーンより、リモートパラメータを 取得し、使用する RX レーン数、レーンマーキ ング、オプション対応を決定する。 ALP より LC パケットとデータグラムの送信を 開始する。 ALP のデータグラム及び LC パケットの受信を 開始する。 ローカル TX の状態 全 TX レーン:Hi-Z 全 TX レーン:Hi-Z 使用 TX レーン:TPAT 未使用 TX レーン:Hi-Z - 使用 TX レーン:アイドル /DLP パケット /LC パケット 未使用 TX レーン:Hi-Z - 表 6-1:チャンネルアップのフローと役割 592 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 28 7 自動再送制御 7.1 概要 IF.HOTARU は伝送の信頼性を向上させるためのオプションとして、誤り検出による自 動再送制御(ARQ)の機能を持つ。ARQ の目的は、元々のエラー率の小さいシリアルイ ンターフェースにおける更なる信頼性の向上である。 ARQ の基本原理は、受信マシンにおいて DLP パケットの正常受信を確認し、送信マ シンに対し ACK を送る。送信マシンはパケットを送信して一定時間 ACK の返信が無い 場合、送信に障害が発生したと判断し、問題発生パケット以降の全てのパケットを再送 する。 IF.HOTARU ではパケットエラーが複数パケットに渡って著しく連続的に発生すること を想定していない。また、可能性が低いながら ACK を喪失する可能性も有る。 7.1.1 ARQ のルール IF.HOTARU の ARQ は以下のルールに従う。 ARQ はオプションであり、必須の機能ではない。 ARQ の使用・不使用はチャンネルアップで決定される。リモートが ARQ 不 使用の場合、ローカルが ARQ をサポートしていたとしても不使用になる。 ローカルのハードウェアが ARQ をサポートしていたとしても、チャンネルア ップ前に LOC_HIREL を設定することによりに ARQ を不使用とすることが 出来る。 DLP ヘッダには 6bit のパケット番号 CPI を付与する。 ARQ 使用時に DLP パケットを正常に受信すると、受信マシンは正常に受 信できた DLP パケットの CPI を LC_ACK の RCPI フィールドに詰めて送 信マシンに返送する。エラーパケットの CPI 値は信頼できないため、廃棄し LC_ACK を返信しない。 ARQ 不使用時には LC_ACK を使用しない。ARQ 不使用時に LC_ACK を 受信した場合は使用せず廃棄する。 ARQ の対象は ALP をカプセル化した DLP パケットのみである。LC パケッ トは LC_ACK 送受信の対象とならない。 送信マシンは DLP パケットを送信し、TACK の時間待っても受信マシンから LC_ACK が返って来ない場合、パケットエラーが発生したと判断し、問題発 生した CPI 以降のパケットを再送する。 送信マシンは再送のために ALP データグラムを最新の NARQ 分のパケッ トを保持する。 パケットの宛先マシン ID・グループ ID マスクの内容に関わらず ARQ を実 行する。デイジーチェーンのような複雑なトポロジーであっても ARQ は Point-to-Point のマシン間で解決される。 受信マシンに、選択的再送 ARQ のようなパケット番号を並べ替えるための バッファは必要ない。 633 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved. 文書名 バージョン 日付 ステータス 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 ホワイトペーパー 1.00.00 April 17, 2015 Appendix Page 29 7.2 パケットエラー要因 RX は以下に挙げる要因の何れかを検出した場合にパケットエラーと判断し、当該パ ケットの CPI を廃棄する。 CRC エラー 何れかのレーンで CRC のエラーを発見した場合 8B/10B エラー パケット受信中に何れかのレーンで 8B/10B デコードエラー 或いはディスパリティエラーを発見した場合 フレーミングエラー フレーミングシンボル(SAP/SLC、END/EDS)が正しいシー ケンスで受信されず、フレーミングシンボルの喪失か、フレー ミングシンボルの誤検出があると判断された場合 DLP ヘッダの受信が終わらないうちに、END/EDS、 EOP、COM または SAP/SLC を受信する データグラム受信中に、END/EDS の前に EOP、 COM または SAP/SLC を受信する DLP トレーラ受信中に、EOP の前に COM、SAP/SLC または END/EDS を受信する 652 Copyright © 2013-2015 HOTARU Interface Consortium/HOTARU インターフェース・コ ンソーシアム. All rights reserved.
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