関東・東北豪雨被害対策について

関東・東北豪雨被害(2015.9.11)
被災会員に対する茨城県中小企業家同友会の支援活動について
茨城県中小企業家同友会
代表理事
高谷
豊
台風 18 号の影響による関東・東北豪雨によって鬼怒川が決壊し、甚大な被害をもたらし
ました。(住宅被害:全壊 21 棟、半壊 11 棟、一部損壊 73 棟、床上浸水 4,832 棟、床下浸
水 7,272 棟
9 月 24 日消防庁情報より)
中同協をはじめ、各地同友会の皆さまには心温まる多くの励まし等いただきまして、あ
りがとうございます。心より御礼申し上げます。まだまだ、被災状況の正確な把握もまま
ならない状況ではございますが、皆さま方からの温かいご支援を受け、復興に尽力してま
いりたいと思います。今後とも e.doyu 等で情報発信を続けてまいりますので、どうぞ、よ
ろしくお願い申し上げます。
これまでの経緯をご報告いたします。
茨城同友会としては、11 日、被災地域である南西支部、県西支部会員に向けてお見舞い
と安否確認等の情報収集のお願いをファクシミリで送信しました。この連絡に対する回答
は、1 社のみ「当社においては被害はなく無事」との連絡があったのみで、なかなか会員企
業の安否確認ができずにいました。その後の土曜日・日曜日は、事務局が休日出勤で、電
話等による安否確認を実施しました。しかし、なかなか電話回線の不具合が原因かどうか
不明ですが、連絡の取れる会員企業はありませんでした。同時に、南西支部長が被災地に
入り(山梨青全交を初日で帰茨した)、水没していない地域を巡ったりして情報収集をしま
した。また、近隣支部長も情報収集してくれて、会員の安否情報を SNS 等で発信してくれ
ていました。
この間、事務局・三役間では、電話等で情報確認や緊急対策会議の招集や義援金募集な
どについて確認し合っていました。そして、14 日(月)に緊急対策会議を三役、事務局、
被災支部に隣接する支部長で開催しました。
鬼怒川決壊による水害緊急対策会議(2015.9.14
出席者
18:30~
高谷
豊(代表理事)、滑川
永峯
一慶(ドラゴン支部長)、小浦 孝幸(事務局長)、猿田
員)
裕(副代表理事)、石川
事務局にて
)
眞樹(副代表理事)
花絵(事務局
これまでの情報から、南西支部、県西支部会員の被災状況を確認し、今後の茨城同友会
の対応について確認しました。
・SNS 上に関東・東北豪雨対策支援室ページを開設し、情報提供・共有を図る。
・対策本部を設置し、連絡系統を確立する。最終確認地点を事務局とする。
・同友会会員同士のネットワークを通じて被災した会員の長期的な支援を行う。
・会社や自宅の荷物の片付け・清掃等の手伝い等を行う。
・義援金を募る。
・被災した会員の復旧・復興の支援、また、事業継続のための支援をする。(什器や車両
の提供など)
・緊急を要する支援物資等、被災会員からの直接の要請があれば、対応する。(ニーズの
把握は南西支部長を中心に行い、情報提供は本部(事務局)を中心に行う)
・9 月 17 日に南西支部で対策会議を開催する。
関東・東北豪雨対策会議(2015.9.17
出席者
19:00~21:00
つくば市内に於いて
代表理事、副代表理事、理事、南西支部幹事、事務局
)
合計 20 名
対策会議においては対策会議時点までに収集した情報についての現状確認と今後の対策
等について確認しました。
被災状況の確認(2015.9.17 確認時)
南西支部
J社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品浸水
自宅・従業員宅浸水
H社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品浸水
従業員宅浸水
S社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品浸水
自宅・従業員宅浸水
I社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品なし
N社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品浸水
T社
床下浸水
設備機械被害
商品浸水
自宅浸水
W社
床下浸水
車両被害
商品浸水
自宅浸水
D社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品浸水
自宅浸水
N社
床上浸水
設備機械・車両・事務機器被害
商品浸水
G社
床下浸水
空調機器・車両・事務機器被害
商品なし
自宅浸水
(この時点での被災状況は、電話によるヒアリング調査によるもので被害額等の詳細に
ついては把握できていません。)
災害対策本部の設置及び構成
本部長:代表理事
構成員:副代表理事、専務理事、総務委員長、各支部支部長(現地対策本部の構成に入
らない支部)
、事務局長
任
務:災害対策支援に関わる全般統制、総務、義援金の管理、会員ボランティア派遣
現地対策本部の設置及び構成
本部長:南西支部長(被災地域に該当する支部長)
構成員:県西支部長、ドラゴン支部長(南西支部に隣接する支部長)、各支部幹事及び専
門職会員(弁護士、税理士、社労士等)
任
務:被災地の状況確認及び状況報告、復興支援のための支援(清掃、衛生、輸送、
物資の調達等)、会員ボランティアの配置と活動
今後の具体的な支援活動について
被災会員企業の支援要請を直接収集し、その情報を対策本部内で共有する。そして、支
援を必要としている会員企業へ直接支援物資を配送、会員ボランティアを派遣すること等
について確認した。被災地全体の状況の確認や行政の対応、他団体の支援活動についても、
十分な情報を収集したうえで、今後の支援活動について検討・確認した。(支援の対象は、
あくまでも会員企業)
そして、被災企業に対し今後、事業再開・復旧までの間、会員企業間の総力を挙げて、
以下の事業継続のための直接的な支援を行っていくことを確認し決定しました。
(1) 業務の請負(業務補佐等事業継続のための支援)
(2) 資材・機材(車両を含む)の調達(貸出・レンタル等)
(3) 専門職の紹介とアドバイス
(4) 資金繰りの支援とアドバイス
対策会議に先んじて、17 日夕方、N 会員からの支援物資の要請に基づき、カップめん、
ペットボトル飲料、軍手、雨カッパ等を購入し、直接、本人に届けました。本人は元気そ
うでしたが、近所の清掃や後片付けなどの直面する問題への対応に追われていることにつ
いて話していました。
(自社の復旧より、地域の復旧を優先しているようでした。地域と共
に歩む中小企業を実践しているその姿に感動しました。
)
茨城同友会会員への義援金協力要請について
9 月 16 日、中同協、東京同友会で義援金募集を開始。
9 月 17 日、茨城同友会、義援金専用口座開設(常陽銀行千波支店)
9 月 18 日、茨城同友会全会員に対し「義援金協力」を要請(9 月 30 日現在の残高、約
73 万円)
茨城同友会会員企業の業種別リストアップについて
事業継続支援のため、専門家のコミュニティを創り協力を呼びかけていく。法律相談、
資金繰り相談など。また、被災企業の業務を代替できるような企業の紹介・斡旋などを行
う。
支援担当会員の専任
被災会員企業に対し、それぞれ支部内で支援担当会員を選任し、情報収集・伝達等を行
ってもらう。ひいては、事業再興までの身近な相談役となってもらう。
会員ボランティアによる被災会員企業の支援活動
9 月 27 日、被災企業である N 社の清掃作業に 12 名参加。現地を訪れ、被害の甚大さを
目の当たりにしました。床上浸水、設備機械・車両・事務機器被害などのヒアリング調査
結果でしたが、その被害の深刻さに、今後の事業再興までの支援を実感しました。今後は
事業継続のための支援へとその軸足を移していかなければならないと実感しました。