2015年度 社会福祉法人育和会 事業計画

2015年度
社会福祉法人育和会
事業計画
1.法人基本計画
社会福祉法人育和会は、事業開設から46年が経過した。子どもを産んだら働けない時代
に、無認可の託児施設から始めて、乳児専保育園の認可を受けた。その後夜間に及ぶ仕事を
持つ親たちのため、東京で初めて夜間専門保育園を開設した。公立保育園民営化のはしりの
時代に、民営化施設を受託し広い園庭を持つ保育園を運営することにより、地域の子ども達
にも手を差し伸べることができるようになった。育和会は、社会の要望に迅速に対応し、子
ども達の最善の利益を守り、働く親の立場に立って保育を進めてきた。職員もパート職員を
加えると150人に及ぶようになった。職員が自分たちの職場を誇りに思い、定年まで勤め
終える職員が増え、定年後も職場を支えてくれている。
今後は、新しく育和会の職員となった者たちへ、育和会の基本理念をしっかりと伝えてい
く中で、子ども達や保護者が生き生きと生活できるように支援し、職員が自発的に保育の質
を高めていけるような運営を進めていきたい。
今年度は、社会福祉法に定める以下の事業運営を、継続的かつ発展的に行う。
社会福祉法
第二種社会福祉事業
保育園の経営
椎名町ひまわり保育園・・遠藤園長・山内主任・吉原地域主任(三浦常務理事)
しいの実保育園
・・飯田園長・片岡主任・渥美主任(伊藤理事長)
とちの木保育園
・・谷崎園長・福山主任(藤原理事)
一時預かり事業の経営(たんぽぽ)・・椎名町ひまわり事業(遠藤園長・吉原地域主任)
地域子育て支援拠点事業の経営(たんぽぽ)・・
同上
2.2015年度の重点課題
①育和会給与体系の見直し
東京の社会福祉法人の給与は、公私格差是正事業に支えられて、職員が定着し長く勤め
ていても、給与財源が保障されていたが、2004年にサービス推進費補助に組み替えら
れて大幅に補助が減額されたので、職員の給与を公務員に準じた給与を保障できなくなり、
独自給与表を作って最高限度額を設け、給与を大幅に圧縮した。その後東京の地域手当が
18%まで上げられたり、退職者があったことにより、最高限度額を当初予定より高く設定
し直し、現在月額 391,000 円となっている。期末勤勉手当は国基準より多く、ここ数年 4.7
ヶ月出してきたが、人件費比率は高く 80%近くに上昇している。特にしいの実保育園の運
営は厳しく、現行の給与を支払い続けると数年で赤字になることが、見込まれる。
今年度から、保育新制度が始まり補助の仕組みが変わったことを受けて、サービス推進
費補助の仕組みも変わり、キャリアアップ補助と、保育サービス推進費補助に組み替えら
れた。これは、国が職員の処遇改善のために平均3%の財源を確保し、キャリアアップに
対応した仕組みを策定することを求めていることに連動したものとされている。
給与財源が増えることが予想されるので、この機会に育和会の給与体系の見直しを行い、
職員の職位や職務内容に応じた給与体系を、どのように組み立てて行ったらよいのか検討
したい。
②新人育成計画
現在、育和会として採用された職員は、3園交流研修や専門別研修を通して、育和会の
保育の進め方を交流してきたが、新人の育成はそれぞれの園に任されていた。新制度にな
って、様々な業態の園が参入してくる中で、社会福祉法人の果たすべき役割はますます重
要になってくると考えられる。育和会の歴史を振り返る中で、育和会の目指してきた理念
今後の方向性を、しっかり職員に伝えることが重要と考え、今年度の課題とした。
③法人組織強化
社会福祉法人に評議委員会の設置が義務づけられる方向を受けて、育和会も評議委員会
の設置を考えたい。育和会も世代交代の時期を迎えて、今後の法人を背負っていく職員を
育てることが重要課題である。法人の全体のことを考えられる視点をもてる人が、多数い
ることは望ましいと考えている。理事が任期満了となる来年5月を見通して、今年度は評
議委員選任の準備期間としたい。
④東京合研に結集し、保育の質向上に力を発揮する
第47回全国保育団体合同研究集会が、今年度は東京で開かれることになった。東京経
営懇が実行委員会に参加して、積極的に活動している。中野区は藤原理事が実行委員長、
豊島区は飯田園長が実行委員長となり、遠藤・谷崎も運営に関わっている。2月28日に
は中野・杉並・渋谷地区の園が中心となってプレ合研集会が開かれ、職員が楽しそうに参
加していた。合研の良さは保育を通して地域が繋がり、より良い保育を学び合い元気にな
ること。8月の研究集会に向けて、育和会全体として運営の手助けをし、保育の質の向上
に向けて力を発揮したい。
3.本部運営
理事会は、今年度も年4回(5月・9月・1月・3月)開催したい。施設長会議は、月
1回8月を除く年11回開催したい。専門部会議は、主任会議・栄養士会議・看護士会議
を年2回開催したい。3園交流研修は新人研修を5月に、年齢別研修を年2回、調理員研
修を年1回開催したい。
育和会は東京民保協を通して全国私立保育園連盟、日本保育協会に加盟している。保育
制度の改正や、東京都全体の保育行政の情報は、民保協を通して入ってくることも多いの
で、情報に敏感に対応して発言していきたい。東京都社会福祉協議会は、サービス推進費
補助の窓口となっており、保育部会の活動推進、福祉事業者への研修、経営相談、経営支
援や従事者共済会等を行っている。東京都経営研究懇話会は会員園が70園を超え、複数
園を運営する法人も増えてきた。昨年度から法人運営研究会を立ちあげ、民主的な法人運
営のあり方を交流したり、研究者の助言を受けながら保育研究会を定期的に行い、職員の
質の向上を図ってきた。今年度も各団体と連携しながら法人運営を進めていきたい。
新制度に移行して、各自治体による助成金のあり方も大きく違ってきている。保育園運
営に欠かせないこと地域に必要なことを、しっかり豊島区、中野区に発言していきたい。
4.中長期計画
①育和会研修計画の充実
昨年度は、3園とも園長・主任が交代した。退職した園長が理事となっているので、
サポート体制をとり、混乱無く運営は引き継がれた。育和会は中堅職員の層が薄く、3園
の園長主任は、①56才・40才・33才
②60才・50才・36才
③52才・33
才と主任の年令は大幅に若返った。園長が運営全体を引っ張り、主任が育つにはもう少し
時間がかかると考えるが、外部の園長・主任研修・中堅職員研修等に積極的に参加させ、
外部団体の役割を担わせる等、今後も見通しをもって職員を育て、法人運営を強固なもの
としていきたい。
②再雇用制度の展望
育和会の再雇用制度は、パートでの雇用が原則となっている。昨年3名の定年退職者が
いたが、1名は理事として、1名はパート職員として継続して働いてもらっている。年金
が65才から支給となるとなる職員は、7年後に定年を迎えるので、まだ先の問題ではあ
るが、長期的な視野からは再雇用制度の見直しを考えていきたい。
③公立保育園民営化受託を検討課題とする
練馬区公立保育園民営化受託は、練馬区から再三お誘いを受けているが、職員体制を考える
と時期尚早と考え見送ってきた。体制が整ってきたら練馬に限らず、受託条件を精査して、考
えていきたい。