業+*日新 SV 「人を大切にする会社」に 関するトータル情報誌 2015.1.13 地域から嫌われる産廃から愛される産廃へ~石坂産業の研究 2 前号からつづきます。 <2007年から2010年頃~規則で縛るのではなく自発性発揮のステージへ> 言われたことをやるだけの社員から、自分の仕事にプライドを持つ社員へ育成していくことが離職 率低減のために必要と考えた石坂社長は、社員の個を認める会社づくりを始めていきます。 普通の状態の会社になるまでは、ある程度トップの強権発動をする必要がありますが、社風をよく して、やらされ感のない社員を輩出していくためには、どこかのタイミングで人本経営に舵を切る必 要があります。 仕事を社員に合わせず、社員に仕事を合わせることを重要視したと石坂社長はいいます。 社員の長所を活かす、という人本経営の特長が感じられます。そのためには対話の重視 対話の重視です。社員 社員の長所を活かす、 対話の重視 の個性や能力を判断し、社員を活かすためには知ることが大切だとまず社員の話を聴くことを励行し ていきました。 1 言いたいことを言えない社員もいるので、アンケート形式で意見を汲み取る工夫をしていったそう です。 経営改革から8年も経った頃、社員がお客様に自然に挨拶する姿が目立ってきました。 会社の状態をよくしていくためには、繰り返しが必要になります。継続するコツを、石坂社長は、 自分自身が、人任せにすることなく毎日現場を回り、指導をひたすら繰り返すことだと語ります。そ 健常者 して、社員が育ってきたら現場に任せることと指摘されています。 また、創業者のカリスマ経営を引き継ぐには、仕事の記録を残し、情報を会社全体で共有する必要 があると感じて経営情報の共有 経営情報の共有を実現していきました。 経営情報の共有 今では、社員は誇り、本当に感謝している存在になったといいます。 改革後8年を過ぎたころから、社員の成長に合わせて、少しずつ、福利厚生、評価制度、給料の見 直し、など様々な制度を充実させています。 まず企業文化の確立、風土の健全化が先で、制度はその後 企業文化の確立、風土の健全化が先で、制度はその後という黄金律を石坂産業でも確認できま 企業文化の確立、風土の健全化が先で、制度はその後 した。 <現在~脱価格競争の成功> 同社の業績は右肩上がり、現在、売上41億3000万円、経常利益率20%を誇ります。この高収益率を実 現できたのは、脱価格競争に成功したためです。 同業他社がやりたがらない仕事に力を入れることに傾注してきたことにその秘訣があります。 焼却炉を処分せざるを得なかったというマイナスの出来事をプラスに転じさせていったのです。 焼却を主軸にする同業他社では不燃物廃棄物に手を出そうとしないし、その処理に困っています。なら ば、不燃系廃棄物に特化した処理業者として存在していこうと40億円の投資をして、3年近くをかけて試 行錯誤しながら新型プラントの開発に成功します。 ライバルの少ない市場に参入したため、収益性が安定しました。 また技術力も確かで減量化、リサイクル化率95%達成と誇るべき成果を出しています。 苦しさにめげず独自の技術開発をしたからこそ脱価格競争に成功したといえるでしょう。 そしてブランド化です。 世間の圧倒的評価を得ることで、あの石坂産業と取引したいとまでクライアントに言わしめる存在にな ることで価格競争に巻き込まれない状態を生み出すことに成功しつつあります。 (以下、次号に続く) 禁無断転載 株式会社シェアードバリュー・コーポレーション 〒101-0048 東京都千代田区神田司町 2-17 TAIICHI ビル 3F ℡03-5259-7722 人を大切にする経営のことがよくわかるサイト 「経営人事ドットコム」 http://www.keieijinji.com
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