高解像度干渉 SAR 衛星画像と GIS 建物輪郭を用いた高層建物高さの抽出

高解像度干渉 SAR 衛星画像と GIS 建物輪郭を用いた高層建物高さの抽出
Height Detection of High-Rise Buildings Using High-Resolution
Interferometric Satellite SAR Images and GIS Building Footprints
13TM0326 鈴木 賢太郎
Kentaro SUZUKI
指導教員 山崎
文雄
SYNOPSIS
A detection method for high-rise building’s heights using high-resolution InSAR images and GIS
data was proposed. Two case studies were conducted using TerraSAR-X data in Tokyo and San
Francisco. Considering a geometric nature of SAR and a theory of InSAR, a layover area was
extracted from the phase difference and the length of interferometric fringes, and building heights
were estimated using GIS footprints. In Tokyo, the accuracy of height estimation was investigated
for several buildings both from intensity and InSAR. As a result, it is confirmed that the accuracy of
InSAR was higher than that of intensity. In San Francisco, the detection ratio and the accuracy of
height estimation for high-rise buildings in a build-up area were investigated. As a result, it is
confirmed that the heights of buildings in a low-density area can be estimated with high accuracy.
1. はじめに
都市を対象としたリモートセンシングによる建物高さデ
ータの構築は,都市発展のモニタリングや環境影響評価,
災害時の被害把握などに有効である.リモートセンシング
による建物高さの抽出は,これまで光学画像の立体視やレ
ーザ測量が多く用いられてきたが,天候や昼夜間に依存せ
ずに観測できる合成開口レーダ(SAR)が近年注目されてい
る.現在,TerraSAR-X (TSX)などの高解像 SAR 衛星により,
広域の詳細な地表面観測が可能となっている.
SAR 画像は強度・位相・偏波など多彩な情報を持ってお
り,それらを用いた建物高さの推定手法が多く提案されて
いる 1) .しかし,高層建物を対象とした高さの効率的な構
築手法は確立されていない.低層建物を対象とした既往の
研究 2) では,強度画像と GIS データを用いた高さの自動推
定法が提案されている.SAR は幾何学的特性から建物の
「倒れ込み」が発生し,この手法では強度に閾値を設定し
て建物の倒れ込みを抽出し,建物輪郭を用いた高さの自動
推定を行っている.しかし,建物高さが高い場合,倒れ込
み範囲内の強度は建物の形状や材質によって値が大きく変
化するため 3) ,強度を用いた倒れ込み抽出は困難であると
考えられる.一方,同地域を撮影した 2 枚の SAR 画像の位
相を干渉させると倒れ込み範囲に干渉縞が発生する特性が
ある.この干渉縞の位相変化は一定であるため,位相差の
理論値から閾値を設定することで倒れ込み範囲の抽出が可
能である 4) .
本研究では,高解像度干渉 SAR 画像と GIS 建物輪郭を
用いた高層建物高さの自動推定方法の構築を目的とする.
干渉画像から位相差と干渉縞長さの理論値を用いて建物の
倒れ込み範囲を抽出し,抽出ピクセルと建物輪郭を用いて
高さを推定する.本研究では SAR 画像と建物輪郭,デジタ
ル標高モデル(DEM)が存在または作成可能であることを前
提とし,本内容で は東京と サンフランシスコ を撮影し た
TSX 画像を使用する.東京の画像では,臨海部の数棟の建
物を対象として強度と干渉位相から建物高さを推定し,精
度の比較を行う.サンフランシスコの画像では,不特定多
数の建物に対して高さの抽出を行い,建物密集地での高層
建物高さの推定精度について検討を行う.
2. 干渉 SAR 画像を用いた建物高さの推定手法
本研究では,建物の干渉縞の位相変化の理論式を用いて,
倒れ込み範囲を抽出し,倒れ込み特性から建物高さの推定
を行う.以下に本研究で用いる手法を示す.
図 1 の撮影環境で干渉を行った干渉画像に,フラットア
ース補正と地形補正を施すと,建物高さ h と干渉位相 ϕ の
関係が以下の式で導出される.
4B
d

dh H tan 
(1)
B⊥ : 垂直軌道間距離,λ : レーダの波長
H : マスター画像の衛星高度,θ : 入射角
一方,高さ h の建物がスラントレンジ分解能 a の画像上
に倒れ込む長さ L S は式(2)で表される.式(1),(2)からスラン
トレンジ画像の位相差 Δϕ の理論値は式(3)で表される.ま
た,位相は π を超えると-π に反転し,この反転点の間隔(干
渉縞長さ)T は式(4)で表される.本研究では,式(3),(4)を
用いて倒れ込み範囲の抽出を行う.
h
 
T
a
LS
cos 
(2)
4aB
H sin 
(3)
H sin 
(4)
2aB
S2
S1
B⊥
θ
θ
H
LS
h
図1
干渉 SAR と建物高さの幾何学的位置関係
1 pixel
p
Range
Per pixel
抽出ピクセル
図2
LS
建物輪郭
建物輪郭を用いた倒れ込み量の計算方法
建物高さの抽出は,抽出した倒れ込みと GIS 建物輪郭を
用いて行う.図 2 の黄色で示すように,建物輪郭の倒れ込
み側に幅 1pixel のテンプレートを作成し,テンプレートに
含まれる抽出ピクセルの割合 p を計算する.この p に閾値
を設定して倒れ込み長さ L S を求め,式(2)から建物高さ h
を推定する.
3. 東京における強度と干渉位相の推定精度の比較
3.1 使用データと対象建物
図 3 に示す 2010 年 2 月 3 日と 14 日に撮影された TSX 画
像を使用した.この TSX 画像は高解像度の HighSpot(HS)
モードで,HH 偏波の下降軌道から撮影された.画像の解
像度は約 1m であり,画像中心の観測角は 2 月 3 日の画像
が 25.7°である.対象とする建物は,臨海部の高層マンシ
ョン群から倒れ込み方向にノイズの原因となる遮蔽物が少
ない対象地域Ⅰの 4 棟およびⅡの 5 棟を選択した.GIS 建
物輪郭と位相の補正に用いる 5m メッシュ DEM は国土地理
院のデータを使用した 5) .
図3
東京の TSX 撮影範囲と対象建物群位置
(a)
(b)
(c)
(d)
-π
π rad
(e)
-0.32
0.47 rad
(f)
3.2 強度による倒れ込みの抽出
2010 年の 2 月 3 日の強度画像から倒れ込み範囲抽出を行
った.まず,強度画像に 3×3 の Enhanced Lee フィルターを
適応してスペックルノイズの低減を行った.次に DN 値を
後方散乱係数 σ0 に変換し(図 4(a)),低層建物地域の教師
データから倒れ込み抽出の閾値を-1.39dB 以上に設定した.
図 4(b)は閾値による抽出結果である.この画像から,建物
の接地部と倒れ込み側面部,屋根の倒れ込み部分が抽出さ
れた一方,倒れ込み内部はほぼ未抽出であることが確認で
きる.
図4
3.3 干渉位相による倒れ込みの抽出
(1)位相差による倒れ込みの抽出
干渉位相による倒れ込みの抽出は,位相差と干渉縞長さ
を用いて行う.ここでは位相差による倒れ込み抽出につい
て説明する.2 月 3 日の画像をマスター画像として干渉を
行い,フラットアース補正・地形補正・Goldstein フィルタ
ーを施した干渉画像を作成した(図 4(c)).この図から倒
れ込み上に干渉縞が発生している様子が確認できる.次に,
干渉画像から位相差画像を作成して倒れ込み範囲の抽出を
行った.位相差 Δϕ はスラントレンジ方向の隣接ピクセル
の差であり,本画像の理論値は式(3)から 0.14rad となる.
図 4(d)は作成された位相差画像であり,理論値に近い値は
緑色で表されている.この図から,倒れ込み範囲の多くが
理論値に近い値であることがわかる.一方,この画像には
位相差が-2π になる位相反転点が存在するため,位相差が-π
以下の点を位相反転点として抽出し,2πを加えて補正した.
この補正後の位相差画像から,倒れ込み抽出に用いる位相
差の閾値を決定するため,図 4(d)の白枠の倒れ込み範囲と,
地形が平坦な駐車場の一部を教師データとして取り出し,
位相差のヒストグラムを比較した(図 5).位相差の理論値
は倒れ込みが 0.14rad,地形平坦地は 0rad であり,教師デ
ータの平均値は倒れ込みが 0.17rad,地形平坦地は 0.02rad
であった.図から,倒れ込みのヒストグラムは理論値を頂
点として正規分布状に分散しているため,閾値は理論値か
ら一定の幅で設定することが適当であると考えられる.し
かし,図から 0.14rad 以下の位相差は地形平坦地のピクセ
0
150 pixel
σ 0 画像(a),強度による倒れ込み抽出結果(b),干
渉画像(c),位相差画像(d),干渉縞長さ画像(e),
干渉位相による倒れ込み抽出結果(f),
(対象範囲
Ⅰのスラントレンジ画像,赤線:建物輪郭,白枠:
教師範囲)
X =0.02
15%
0.14
0.26
100%
50%
5%
倒れ込み
図5
0.4
0.45
0.34
0.28
0.23
0.17
0.11
0
0.06
-0.05
-0.11
-0.17
-0.22
-0.28
-0.34
-0.39
0%
-0.45
0%
[rad]
Y
地形平坦地
教師範囲の位相差のヒストグラムと累積差
32.6
40%
干渉縞 長さヒストグラム
Y
位相差ヒストグラム
10%
43.6
54.6
30%
(3)位相差と干渉縞長さによる抽出結果の結合
最後に,位相差と干渉縞長さから抽出したピクセルを結
合し,干渉位相による倒れ込み範囲とした.このとき,抽
出結果には細かなノイズが多く含まれているので,セグメ
ンテーションによるノイズ除去を行った.図 4(f)はノイズ
除去後の干渉位相による倒れ込みの抽出結果である.この
図から,干渉位相では倒れ込み範囲のほぼ全ての範囲を抽
出できていることがわかる.
倒れ込み範囲
更地
地形平坦地
20%
10%
0%
10
18
図6
26
34
42
50
58
66
74
90 [pixel]
82
教師範囲の干渉縞長さのヒストグラム
200
150
正解高さ [m]
場合干渉縞 1 本の長さを表す.この干渉縞長さ T の理論値
は,式(4)より 44pixel となる.図 4(e)は位相反転点の間隔
T を表したものである.この図では,黄色の範囲が干渉縞
の長さの理論値に近い領域である.図 6 は位相差での検討
で用いた教師のヒストグラムである.この図から,T の理
論値付近では地形平坦地のばらつきが無いため,閾値は倒
れ込み範囲のヒストグラムのみから判断した.閾値の幅は,
倒れ込みのヒストグラムの 80%を占める理論値±25%の 33
< T < 55 に設定し,倒れ込み範囲を抽出した.
強度
100
干渉位相
50
0
0
50
100
150
200
3.4 抽出結果の結合と建物高さの推定
強度と干渉位相から抽出した倒れ込み範囲と GIS 建物輪
郭を用いて高さの推定を行う.倒れ込み量を決める抽出ピ
クセルの割合 p の閾値は強度では 10%,干渉位相では 50%
に設定した.図 7 は強度と干渉位相の推定高さと建物の正
解高さの比較である.正解高さは,建物を建てた不動産会
社が公表している高さを利用した.この結果から,強度で
は 6 棟の建物が正解高さから大幅に下回る推定をしている
ことがわかる.これは,倒れ込み中央部の抽出領域が非常
に少ないことが理由である.よって強度による高層建物高
さの自動推定は困難だと判断した.
一方,干渉位相による高さ推定は,RMSE が 29.1m であ
り,9 棟の内 7 棟を相対誤差±10%以内で推定できた.誤差
が-82.8m となった建物について確認したところ,干渉性が
低かったために,倒れ込みの未抽出領域が多かった.干渉
性の低下の理由は,倒れ込み範囲に他の構造物の倒れ込み
が重なっていたことが原因であった.
この検討から,高層建物を対象とした高さ抽出では,強
度を用いた手法と比べて,本研究で提案する干渉位相を用
いた手法が有効であると考えられる.また,対象地の干渉
性が良好な場合,干渉位相による推定精度は高いことが確
認された.
推定高さ [m]
図7
強度と干渉位相の推定精度の比較
ルも多く含んでいることが確認できる.そこで,倒れ込み
とノイズの抽出バランスを考慮し,以下の手法で閾値を設
定した.位相差の閾値 X(0 < X < 0.14)rad を設定し,地形
平坦地の X 以上の累積を A,倒れ込み範囲の X 以下を B
とした.A は倒れ込みの抽出ピクセルに含まれるノイズの
割合を表し,B は倒れ込みの未抽出ピクセルの割合を表し
ている.ここで,Y = A + B を計算し,Y が最小となる X
を閾値とした.本画像では,図 5 の緑色線で示すように,
X = 0.02 のとき Y が最小となった.そこで,閾値を理論値
から 0.12rad 以内の領域 0.02 < Δϕ < 0.26 を閾値として倒れ
込み範囲を抽出した.
(2)干渉縞長さによる倒れ込みの抽出
ここでは,干渉縞長さによる倒れ込み抽出を行う.先の
手順で抽出した位相反転点の間隔は,位相が連続している
4. サンフランシスコにおける推定精度の検討
4.1 対象範囲と使用データ
2007 年 12 月 5 日と 27 日に撮影された TSX 画像を使用
した.この画像は HS モード,HH 偏波,下降軌道により撮
影され,解像度は約 1m である.干渉のマスター画像とし
て用いる 5 日画像の画像中心の観測角は 39.9°である.ま
た, Lidar の DEM とデジタル表面モデル(DSM)を建物高さ
の正解データと,地形位相補正として用いる.図 8(a)は
TSX と Lidar の撮影範囲であり,対象建物は両データの範
囲が重なる高層建物群とした.建物の GIS データはサンフ
ランシスコ市が Web ページで公開しているものを使用し 6),
283 棟の建物について高さを推定する.
4.2 倒れ込みの抽出と精度の検討
倒れ込み範囲の抽出は,東京と同じ手法を用いた.はじ
めに,2 時期の画像から干渉画像を作成し,倒れ込みと地
形平坦地のヒストグラムの比較から,位相差と干渉縞長さ
に閾値を設定した.本画像の位相差の理論値は 0.65rad,干
0
240 m
高さ推定失敗建物
San Francisco
□ TSX □ Lidar
□ 建物輪郭
(a)
(b)
TSX と Lidar の撮影範囲(a)と対象建物(b)
図8
相対誤差10%
210
図 10
Lidar高さ [m]
180
150
120
90
60
30
0
0
30
60
90
120
150
180
210
240
推定高さ [m]
図9
推定高さと正解高さの比較と分類
渉縞長さの理論値は 10pixel であり,設定した閾値は位相
差が 0.25 < Δϕ < 1.30,干渉縞長さの閾値は 8 < T < 12 であ
る.倒れ込み量を決定する p の閾値は 35%とした.
図 9 は推定高さと Lidar より求めた高さの比較図であり,
図 10 は建物輪郭に Lidar 高さと推定高さを表した図である.
図 9 の推定高さが 0m の建物は,高さが抽出されなかった
建物である.この建物は 147 棟であり,全体の 52%を占め
る.この建物を倒れ込みの抽出図と図 10 で確認すると,倒
れ込みが他の建物のレーダ影に隠れている場合と,倒れ込
みの干渉性が低い場合の 2 パターンが確認できた.前者は
高層建物が密集している地域に多くみられ,後者は中低層
の建物が密集している地域に多く見られた.このように,
倒れ込み方向に遮蔽物が多いと,レーダ影や干渉性低下に
よって高さの抽出ができない場合や推定誤差が大きくなる
場合がある.次に,図 9 の下側に存在する高さを過剰に高
く推定した建物を確認すると,他の建物の倒れ込みの重な
りが原因であった.この建物は,高層建物が密集している
地域に多かった.最後に,相対誤差が 10%以内と推定精度
が高かった建物に注目すると,倒れ込み方向に建物が存在
しないか,存在しても低層建物である場合が多かった.こ
れらの検討から,建物密集地では高さ推定の失敗や,推定
誤差が大きくなることが確認された.しかし,東京で検討
した建物のように,倒れ込み方向に遮蔽物が少ない建物に
おいては,推定精度は高かった.
(a)
(b)
Lidar より求めた建物高さ(a)と推定建物高さ(b)
5. まとめ
本研究では,高層建物高さの効率的な構築手法として,
高解像度干渉 SAR 衛星画像と GIS 建物輪郭を用いた手法
を提案した.倒れ込み範囲抽出には位相差と干渉縞長さを
用いた.東京の強度と干渉位相の比較では,高層建物高さ
の自動推定は干渉位相を用いることが強度と比べて有効で
あることが確認された.サンフランシスコの検討では,建
物密集地であるため,高さの抽出ができない建物の割合が
52%と高く,推定誤差の大きい建物も多い結果となった.
しかしながら,倒れ込み方向に遮蔽物が少ない建物におい
ては,東京の結果と同じく相対誤差 10%以内と精度の高い
推定ができた.
今後は,強度と干渉位相を複合させた倒れ込みの抽出や,
多方面からの観測などにより,推定精度の向上が望まれる.
謝辞
東京で使用した TSX 画像は株式会社パスコから,サンフラ
ンシスコで使用した TSX 画像と Lidar データは 2012 IEEE
Data Fusion Contest から提供して頂きました.ここに感謝の
意を表します.
参考文献
1) Toutin, T. and Gray, L.: State-of-the-art of elevation extraction from
satellite SAR data, ISPRS Journal of Photogrammetry and Remote
Sensing, Volume 55, Issue 1, pp. 13–33, 2000.
2) Liu, W. and Yamazaki, F.: Building height detection from highresolution TerraSAR-X imagery and GIS data, Proceedings of 2013
Joint Urban Remote Sensing Event, IEEE, Sao Paulo, Brazil, pp.
33-36, 2013.
3) Brunner, D., Bruzzone, L., Ferro, A., and Lemoine, G.: Analysis of
the reliability of the double bounce scattering mechanism for
detecting buildings in VHR SAR images.Proc. IEEE Radar
Conference (RadarCon09), Pasadena, CA, USA., 2009.
4) 上本純平・小林達治・佐竹誠・児島正一郎・梅原俊彦・松岡建
志・浦塚清峰:SAR インターフェログラムからの垂直構造物
の自動抽出方法,日本リモートセンシング学会第 56 回学術講
演会論文集,pp.139-140, 2014.
5) 基 盤 地 図 情 報 ダ ウ ン ロ ー ド サ ー ビ ス - 国 土 地 理 院 :
http://fgd.gsi.go.jp/download/
6) City and County of San Francisco WEB ページ:
https://data.sfgov.org/Facilities-and-Structures/Building-FootprintsZipped-Shapefile-Format-/jezr-5bxm