調査研究テーマについて - 公益財団法人 東京市町村自治調査会

No.
018
平成27年度
No.
調査研究テーマについて
当調査会では、多摩・島しょ地域の市町村の広域的・共通的課題を中心に、年度ごとにテーマを複数選定して単年度
調査研究を実施しています。各年度の調査研究報告書は、多摩・島しょ地域の市町村などに配布するとともに、ホーム
ページ
(http://www.tama-100.or.jp/)
にも掲載し公開しています。
018
平成25年度 調査研究報告書の紹介
本紙2014年5月号(No.018)で概要を紹介した平成25年度の調査報告書のうち、5件の単年度調査報告書につい
て、隔月で詳細を紹介しています。最終回の今月号では、
「自治体クラウドを活用した市町村の広域連携に関する調査
報告書」を紹介します。
本報告書は、当調査会ホームページ(http://www.tama-100.or.jp/)にてダウンロードできます。
平成27年度は5件の調査研究を実施することを予定しており、今回はその概要を紹介いたします。
2020年オリンピック・パラリンピック競技大会が東京で開催されるにあたり、多摩・島しょ地域市町村において
も積極的に大会の一翼を担うことが求められています。
示していきます。
えています。
本調査では多摩・島しょ地域における自治体クラウドの動向や課題などの現状把
握を行うとともに、全国の事例調査、関係団体へのヒアリングを通じて自治体クラウ
1.自治体クラウドの現状
自治体クラウドを活用した市町村の広域連携に関する調査報告書
広域連携に関する調査報告書
平成26年3月
公益財団法人 東京市町村自治調査会
自治体クラウドの導入状況(全国)
平成25年4月時点の全国における自治体ク
食育に関する調査研究 ~食が育む豊かな社会~
自治体クラウドを活用した市町村の
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ドに関する課題の解決策などの整理を行いました。
年 3 月 公 益 財 団 法 人 東 京 市 町 村 自 治 調 査 会
に役立つ実践書の取りまとめを目指します。そのうえで、大会に臨むビジョンや、取組のレガシーなどについても
民年金・税務などのシステムを共同利用するといった自治体間の連携が全国的に増
平成
そこで、多摩・島しょ地域における波及効果や各種の参画可能性を示し、市町村が各種取組を企画実施する際
情報処理技術の進展によりクラウドコンピューティングを活用して、住民情報・国
自治体クラウドを活用した市町村の広域連携に関する調査報告書
2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける多摩・島しょ地域の可能性と展望に関する調査研究
ラウドの導入状況は全市区町村の10%程度と
食は人の活動の基礎となるものであり、
食育には、
食に関する知識に加えて学習意欲等を育むといった効果があり
ます。
また地産地消・食料自給率・地球温暖化防止・生物多様性等、
様々な行政課題とも関連性が深いものです。
本調査研究では、
大きく分けて①ライフステージに応じた食育、
②持続可能な社会・地域づくりの2つの視点から食
育や食育事業の意義と効果を整理・再評価し、
市町村が有意義な食育事業を展開していくためのヒントを提示します。
なっています。さらに、
「検討中、今後検討を行
う」といった団体のうち、約半数は平成28年度
までに結論を出すとしており、今後さらに自治体
クラウド導入が進んでいくことが予想されてい
ます。
また、国としても番号制度対応をきっかけに
創業による地域活性化と自治体による支援に関する調査研究
産業競争力強化法に基づき、市区町村による創業支援事業計画を国が認定する制度が開始され、多摩地域にお
いても市町村の窓口が整備されつつあります。
そこで、創業の地域に対する波及効果や公益性に着目し、地域経済活性化や新たな公共サービスの担い手育成
に向けて、
「自治体にとって取組意義がある創業支援は何か」
を考えるためのヒントを示していきます。
高齢社会における「ヒト」と「モノ」の移動に関する調査研究
~地域交通と物流に着目して~
公共交通機関の減少、
スーパーなどの撤退によって日常生活に支障をきたしている交通弱者が、高齢社会の進
行・商店の撤退・運転免許証の自主返納の増加などにより増えています。
国も、
自治体が主体となった
「乗り合い・予約型」
の小型バスやタクシーを普及させる方針を示していますが、本
調査研究では、
個々の自治体で地域に相応しい
「ヒト」
と
「モノ」
の移動手段を選択する方策などを示していきます。
住民がつくる自立した地域コミュニティの形成に関する調査研究
既存の地縁組織(自治会・町内会)が活動参加者の減少に悩まされているなかで、地域通貨などの
「道具」
を介
在させた住民による自発的な活動が地域コミュニティの活性化につながった事例が存在します。
本調査研究では、防災・子育て・介護等の
「課題解決のためのテーマ型コミュニティ」
を題材に、新たな形の地域
コミュニティの必要性を感じている住民等に、活動のヒントや新たな可能性を提示します。
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ぐるり39
2015.3
クラウド化が加速すると考えており、集中的に
支援をしていくことを予定しています。
●自治体クラウド導入に係る効果
a.情報システムに係るコスト削減
b.情報システムの管理・運用業務の軽減
c.業務プロセスによる業務効率化
d.情報セキュリティの確保
e.住民サービスの向上
f.災害への対応強化
●自治体クラウド導入に係る課題
a.パッケージに合わせた業務標準化の実施
b.データ移行費用の削減
c.情報セキュリティの確保
d.ライセンス利用料の抑制
e.番号制度への対応
2. 自治体クラウドを活用した市町村の広域連携
A市
●自治体クラウドの導入パターンとその特徴
・人口規模による導入(同規模の自治体同士)
・特定業務システムに特化した導入(業務標準化の実現性など)
市役所
窓口
E町
自動
交付機
B市
自動
交付機
・地域性による導入(過去からの交流実績など)
●自治体クラウド導入による新たな可能性
・通常業務遂行における可能性(窓口業務の共通化など)
D村
村役場
窓口
C町
コンビニ
収納
・災害時における可能性(BCP分野における広域連携など)
・新たなサービス提供の可能性(削減経費の新規事業への充当など)
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