Motion 3 補足ドキュメント K AppleInc. 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3D 変形ツール 3D ワークスペースと各種表示 カメラ 2D グループと 3D グループの相互作用 ライティング 49 モーショントラッキング 49 モーショントラッキングについて 51 トラックの動作 52 モーション・トラッキング・ビヘイビア 54 「シェイプ」の「ポイントをトラック」ビヘイビア 54 「トラック」パラメータビヘイビア 54 「モーショントラッキング」のワークフロー 80 画面上のトラックを調整する 82 効果的なトラッキングを行うための方法 99 モーション・トラッキング・ビヘイビアのパラメータ 3 1 1 3D 合成 マルチプレーン合成環境で、これまでにない奥行きとリアリティを持 つ高度な3D モーショングラフィックスを作成できます。3 次元空間 内でオブジェクトを移動したり、カメラを追加してシーンを見る視点 を変えたりすることができます。 3D 合成は、モーショングラフィックスの世界にいくつもの新たな概念を導入します。 これらの 概念は、はじめは手ごわく見えるかもしれません。しかし、ユーザは実際の 3 次元空間を動き 回っており、「Motion 」キャンバスのバーチャル3D 空間に直感的に慣れ親しむことができるた め、すでに有利な立場に立っています。 現実世界の座標 現実世界では、どんなオブジェクトでも簡単な座標系を使ってその位置を特定することができま す。たとえば、部屋の中のコンピュータの位置は、ドアから横方向に1.2 メートル、床から上方 向に 90 センチ、窓の前方1.5 メートルのところにあると記述することができます。座標系では、 オブジェクトの位置を示すのに使われる 3 つの数字は、座標軸上の値になります。各軸の値が0 になる地点が交わる位置は、原点と呼ばれます。ここで紹介している例では、 =1.2、 Y =0.9、 X Z=1.5 になります。 5 座標とオブジェクトの空間内での位置 「Motion」内のオブジェクトの位置も、これらの値で示すことができます。「M otion」で使用し ている座標系では、キャンバスの中央が0,0,0 になり、オブジェクトを左に移動すると X の値が 減算され、右に移動するとX の値に加算されます。オブジェクトを上に移動するとY の値に加算 され、下に移動するとY の値から減算されます。オブジェクトを前方に移動すると Z の値に加算 され、奥に移動すると Z の値から減算されます。2D シーンと 3D シーンの大きな違いは、 3 D シーンでは視点を変えることができるため、オブジェクトを上に移動したからといって、必ずし もY の値が増えるわけではない点です。 参考:新規プロジェクトでは、キャンバスは Z 軸がまっすぐユーザの方を向いている状態になっ ています。この向きでは、XY 軸の向きが通常の 2 次元のものと同じになっていて、それぞれキャ ンバスの左から右( X )、そして上から下(Y)にわたっています。 3D の原則 3 次元環境についての説明や表示には、 一般的に使用される規則があります。 Â オブジェクトの動きは、軸に沿う。 Â オブジェクトの回転は、軸を中心とする。 は赤、Y は緑、Z は青。 Â 各軸は、次のように色分けされる: X 正の値の回転は、軸の周囲を反時計回りに回転する。 Â 6 第1 章 3 D 合成 3D 変形ツール 「Motion」では、2D と3D プロジェクトファイルに本質的な違いはありません。いつでもグルー プやレイヤーを3D 空間で操作できるように切り替えることができます。この切り替えに際して は準備を行う必要はなく、実際、2 D 空間と 3D 空間を行き来しながらオブジェクトを操作する こともできます。このセクションでは、キャンバス内でオブジェクトを移動するために使用する ツールについて説明します。 上の図の写真は、シーンに読み込んだばかりのもので、シーンの原点に位置しています。このイ メージを3D 変形ツール(ツールバーの選択/変形ツールの右)を使って移動します。 3D 変形ツール 3D 変形ツールを使うには: m ツールバーで3D 変形ツールを選択します(またはQ キーを押します)。 3D 変形ツールを選択すると、直ちに2 つの変化があります。画面上のコントロールと、オブジェ クトのHUD の内容が変わります。 第 1 章 3 D 合成 7 画面上のコントロール 3D 変形ツールを選択すると、キャンバス内のイメージの中央付近に 3 つのカラーの矢印が表示 されます。各矢印は、3 つの座標軸を表したものになっています。 デフォルトでは、Z 軸はまっ すぐユーザの方を向いているので、青いZ 軸の矢印は、その先端のみ表示されています。画面上 の矢印のどれかをドラッグして、イメージを特定の軸に沿って移動させます。 画面上のコントロールを使ってオブジェクトを移動するには: 1 移動したいオブジェクトを選択します。 2 座標軸を表すカラー矢印の 1 つをドラッグします。 ドラッグ中は、アクティブになっている矢印が黄色になり、その時点でのオブジェクトの位置と、 移動された距離を示す座標値を表示する情報ウインドウが表示されます。この場合も、座標は常 にX、Y、Z の形式で表示されます。 オブジェクトをX 軸に沿って移動してい 3 つのカラー矢印の近くには、 3 つの小さな円があります。これらは、回転ハンドルです。これ 3D 変形ツールがアクティブです らのハンドル上にポインタを位置させると、該当する座標軸を回転させるためのリングが表示さ れます。 画面上のコントロールを使って、オブジェクトを特定の座標軸を中心に回転させるには: 1 回転させたいオブジェクトを選択します。 2 ポインタを回転させたい軸の回転ハンドル(小さな円)の上に移動します。 回転用のリングが表示されます。 3 リングをドラッグしてオブジェクトを回転させます。 8 第1 章 3 D 合成 情報ウインドウには、その時点での回転値と、オブジェクトが回転された距離が表示されます。 X 軸の回転ハンドルがアクティブです オブジェクトを X 軸を中心に回転させています 画面上のコントロールを使って、すべての軸を自由に回転させるには: 1 回転させたいオブジェクトを選択します。 2 コマンドキーを押します。 3 つのすべての回転リングが表示されます。 3 リングの内側をドラッグして、オブジェクトを自由に回転させます。 情報ウインドウには、その時点での回転値と、オブジェクトが回転された距離が表示されます。 重要:2 D の選択/変形ツールで行う回転は、 Z 軸のみを中心とします。 3D ツールによるZ 軸中心の回転 第 1 章 3 D 合成 2D の選択/変形ツールによる回転 9 参考:3 D 変形ツールがアクティブになると、 もう1 つ表示される画面上のコントロールがあり ます。それは、調整ハンドルです。これらは、選択したイメージを囲む枠に沿って表示されます。 3D 変形コントロールの画面上の表示 3D 変形の画面上の各コントロールは、オン/オフを切り替えることができます。 Â カンマ記号( ,)キーを押すと、軸を表す矢印のみが表示されます(回転ハンドルと調整ハン ドルは表示されません) 。 Â ピリオド(.)キーを押すと、回転ハンドルのみが表示されます(軸を表す矢印と調整ハンド ルは表示されません)。 Â スラッシュ(/ )キーを押すと、調整ハンドルのみが表示されます(軸を表す矢印と回転ハ ンドルは表示されません) 。 これらのキーのいずれかを2 回目に押すと、表示がデフォルトに戻り、3 つすべてのコントロー ルが表示されます。 3D 変形のHUD に表示されるコントロール 画面上のコントロールに加え、HUD にも 3D 空間でオブジェクトを変形させる方法が用意され ています。 ドラッグでX および Z 軸方向に移動します。 ドラッグで Z 軸方向に 移動します。 ドラッグでX および Y 軸方向に移動します。 座標軸のタイプを選択します。 移動 HUD の「移動」セクションにある 3 つのコントロールでは、選択したオブジェクトを同時に 1 つまたは複数の座標軸に沿って移動できます。これらの「移動」コントロールの1 つの内側をド ラッグすれば、キャンバス内のオブジェクトの対応パラメータ値が変化します: Â Z 軸方向の移動: ここをドラッグすると、キャンバス内で選択したオブジェクトが、Z 軸に沿っ て移動します。右にドラッグすると Z の値が加算され、左にドラッグすると減算されます。コ マンドキーを押しながらドラッグすると、変形(移動)と同時にオブジェクトが縮小/拡大さ れ、カメラとの相対的サイズを維持します。 10 第1 章 3 D 合成 Â X およびY 軸方向の移動: ここをドラッグすると、キャンバス内で選択したオブジェクトが、X およびY 軸に沿って移動します。左右にドラッグすると、X の値が加算または減算されます。 上下にドラッグすると、Y の値が加算または減算されます。このコントロールは、キャンバス 内で 2D オブジェクトを直接操作しているときとまったく同じものになります。コマンドキー を押しながらドラッグすれば、ドラッグを開始したときの方向に動きが制限されます。 Â X およびZ 軸方向の移動: ここをドラッグすると、キャンバス内で選択したオブジェクトが、X とZ 軸に沿って移動します。左右にドラッグすると、X の値が加算または減算されます。上下 の値が加算または減算されます。コマンドキーを押しながらドラッグす にドラッグすると、Z れば、ドラッグを開始したときの方向に動きが制限されます。 ∏ ヒント: 「インスペクタ」での操作同様、H UD でShift キーを押しながらドラッグすれば、変化 が大きくなります。また、O ption キーを押しながらドラッグすれば、変化が小さくなります。 回転と調整 HUD にあるその他の 2 つのドラッグコントロールでは、キャンバス内で選択したオブジェクト Â XYZ 軸方向の回転:ここをドラッグすれば、キャンバス内の選択されているオブジェクトをす の回転と調整ができます: べての軸に対して回転させることができます。原点を始点に、上下にドラッグすれば、オブ ジェクトが X 軸を中心に回転します。左右にドラッグすると、オブジェクトが Y 軸を中心に 回転します。コマンドキーを押しながらドラッグすれば、Z 軸を中心とした回転に制限されま す。 Â 調整:ここをドラッグすると、キャンバス内で選択したオブジェクトが均等に縮小/拡大され ます。右または上、あるいはその両方にドラッグすると、 「縮小/拡大」の値が上がります。 左または下、あるいはその両方にドラッグすると、 「縮小/拡大」の値が下がります。コマン ドキーを押しながらドラッグすると、最初にドラッグした方向と一致する座標軸のみを基準と した調整に制限されます。 調整基準 HUD の「移動」、「回転」、「調整」コントロールの下にある「調整基準」ポップアップメニュー では、変形で使用する相対座標空間を選択することができます。 「調整基準」ポップアップメ ニューには、次の 3 つのオプションがあります: Â ローカル軸:デフォルト設定のこのオプションでは、画面上の変形コントロールの向きが、オ ブジェクトのローカル軸と同じになります。 Â ワールド軸:このオプションでは、画面上の変形コントロールの向きが、キャンバスの 3D グ リッドの軸と同じになります。 Â 表示軸: このオプションでは、画面上の変形コントロールの向きが、現行表示の表示スペース と同じになります。Z 軸は、表示の視線にそろえられます。表示については、17 ページの「各 種表示」を参照してください。 第 1 章 3 D 合成 11 相対座標 相対座標の概念を理解するために、地球、月、太陽などの衛星のシステムに置き換えて考えてみ ることにしましょう。月の親は地球で、その地球の親は太陽です。通常、これらの天体について 語るとき、月の位置は地球(月の親)の位置と相対的に表され、地球の位置は太陽(地球の親) と相対的に表されます。 「Motion」でも、オブジェクトの位置と方向は、常にその親と相対的に 表されます。 「Motion」プロジェクトに新しいグループを追加すると、そのグループは、その親の原点座標に 作成されます。ルート階層のグループ(「レイヤー」リスト内で別のグループ内にネストされて いないグループ)の場合、プロジェクトそのものが親になります。既存のグループに追加された オブジェクトの位置は、その親であるグループと相対的に表されます。 X=50 、Y=50、 Z =50 に位置したグループ グループの「インスペクタ」 上の例では、グループがX 、Y 、Z の値がそれぞれ50 の場所に位置しています。つまり、このグ ループは、親の原点よりすべての軸で 50 単位ずつ離れた場所にあるということになります( こ の場合の親は、プロジェクトそのものになります)。グループ内に配置されているイメージの位 置は 0,0,0 になっています。なぜなら、イメージの位置は、その親であるグループと相対的になっ ているからです。このイメージは、親の原点を共有し、ワールド座標から見れば 50,50,50 の位 置にあります。 12 第1 章 3 D 合成 このイメージを25,25,25 の位置に移動し、グループの原点からすべての軸方向に 25 単位ずつず らした場所に配置します。このとき、イメージのワールド座標との相対位置は 75,75,75 になりま すが、その位置は、常に親と相対的に表されるので、 「インスペクタ」の「位置」の値は25,25,25 になります。 25,25,25 に位置したグループ内のイメージ イメージの「インスペクタ」 回転の値も、オブジェクトの親と相対的に表されます。 Z の回転が 45 度に設定されているグループ Z の回転が45 度に設定されているグループ内の、 Z の回転が90 度に設定されているイメージ 重要:ワールド軸や表示軸を使った変形は、H UD と画面上のコントロールのみに限定されるも のであり、「インスペクタ」内でのすべての変更は、オブジェクトの親の空間と相対的に行われ ます。 レイヤーの順番と深度 2D の合成では、「レイヤー」リスト内の順番が、どのオブジェクトが上になるかを定義するもの となります。 「レイヤー」リストの上の方にリストされているオブジェクトは、それより下にリ ストされているオブジェクトよりも前方に表示されます。 第 1 章 3 D 合成 13 重要:2 D グループの子も常にレイヤー順で合成されます。 roupA 」 「レイヤー」リストの一番上にある「 G キャンバス上での 2D 合成の結果 「レイヤー」リスト内で「G roupA」を「G roupB」の下に移動すれば、「G roupB」が「 Group A」の上に描かれることになります。 roupB」 「レイヤー」リストの一番上にある「 G キャンバス内の結果 「レイヤー」リストには、オブジェクトの親子(従属)関係も表示されています。 「レイヤー」リ スト内では、親子関係は、インデント表示と開閉用三角ボタンを使って表示されています。 これより下のすべての オブジェクトの親 グループの子 「Elephant」の親 「Elephant Group」の子 14 第1 章 3 D 合成 3D 空間内のオブジェクトの場合、その順番を定義するものは「 レイヤー」リストだけではあり ません。深度の並べ替え方によっては、「レイヤー」リストの一番下にあるオブジェクトが、現 行のカメラとの相対的な位置の関係で、キャンバス上では一番前方に表示されるということもあ ります。深度を調整する最も一般的な方法としては、レイヤーまたはグループのZ 位置を変更す るという方法があります。 重要:デフォルトでは、3 D グループの子は、深度の順番で合成されます。 「レイヤー」リスト キャンバス内で深度の順番で並べ替えられた オブジェクト 上の 3D グループでは、オブジェクトが深度の順番に従って合成されていますが、各オブジェク トの「レイヤー」リスト内での位置は、3 D 空間内でのカメラとの相対的な位置とは連動してい ません。 この例では、 「B lueA」グループが「レイヤー」リストでは「RedA」グループよりも上に位置 していますが、キャンバス内では深度の順番によって「R edA」グループより後方に表示されて います。同じことが、「BlueB」グループと「RedB」グループの関係にも言えます。 第 1 章 3 D 合成 15 2D グループ内での3D 変形 たとえ2D グループ内にあっても、3D 変形はすべてのオブジェクトに対して行うことができま す。任意の軸で回転させたり、任意の軸に沿って移動させたりすることができます。なお、2 D グループ内のオブジェクトは深度では並べ替えられず、3D 空間内の位置に関係なく、互いに 交差することはできないことに留意してください。 「レイヤー」リスト内の 2D 親グループ キャンバス内でレイヤー順に並べられたグループ これら 2 つのグループは、いずれも 3D 空間内の同じ場所に位置していますが、この場合は、 レイヤー順に表示されるので、 「GroupA」が「GroupB」と交差することはありません。この 親グループを3D に切り替えると、2 つのグループは交差します。 「レイヤー」リスト内の 3D 親グループ キャンバス内で深度順に並べられたグループ 参考:2 つのグループが共面(同じ平面上にある)である場合、オブジェクトの親が 2D グルー プと3D グループのどちらかに関係なく、レイヤーの順番で合成されます。2D 合成では、すべ てのオブジェクトが共面になります。 16 第1 章 3 D 合成 3D ワークスペースと各種表示 3D ワークスペースでは、すべてのものがカメラの視点から見えます。3D ワークスペースで使わ れているデフォルトの表示は、リファレンスカメラの表示で、オブジェクトの配置やアニメー ション化を補佐するものとして使用することはできますが、レンダリング出力用には使用できま せん。カメラ表示の中の特定のものをレンダリングするには、シーンカメラを作成する必要があ ります。カメラについては、26ページの「カメラ」を参照してください。 各種表示 表示レイアウトは、いくつか異なるものが用意されており、各レイアウトにはビューポートが配 置されています。しかし、各レイアウトの機能は同じであり、表示の数に関係なく、すべての表 示を同じ方法で操作します。各ビューポートには、カメラの視点から見たシーンが表示されてい ます。リファレンスカメラの表示には、特定のデフォルト位置と方向が設定されています。 デフォルトのリファレンスカメラには、次の2 種類があります: Â 正射 Â 遠近 正射カメラでは、X 、Y 、Z のいずれかのワールド軸の 1 つに沿った直線的な視界でシーンを表示 します。デフォルトの正射カメラは、「レイヤー」リストや「タイムライン」 、およびキャンバス には表示されません。前方と後方のカメラの視界は、Z 軸に沿って直線的です。上と下のカメラ の視界は、Y 軸に沿って直線的です。左と右のカメラの視界は、X 軸に沿って直線的です。 回転なし 第 1 章 3 D 合成 17 正射カメラでは、遠近感は示されません。一方の遠近カメラ(およびプロジェクトに追加する シーンカメラ)では、実世界のカメラと同じように、表示を歪めます。 正射カメラで見た回転 遠近カメラで見た回転 リファレンスカメラの表示とカメラコントロールにアクセスするには、まず、シーンにカメラを 追加する必要があります。 「Motion」プロジェクトにシーンカメラを追加するには: m 「オブジェクト」>「新規カメラ」と選択します(または、コマンド+Option + C キーを押します)。 カメラオブジェクトが「レイヤー」リスト、 「タイムライン」 、およびキャンバスに追加されます (キャンバス内ではワイヤフレームアイコンで表示されます)。ツールバーで3D 変形ツールがア クティブになり、カメラの HUD が表示され(表示されていない場合は F7 キーを押してくださ い) 、「インスペクタ」に「カメラ」タブが追加されます。 既存の3D グループが含まれていないプロジェクトにカメラを追加した場合、次のダイアログが 表示されます: 18 第1 章 3 D 合成 プロジェクトにカメラを追加すると、キャンバスの左上角にカメラメニューが追加されます。 カメラメニュー 3D オーバーレイ キャンバスに表示できる 3D オーバーレイは、 3 D 表示ツール、3D コンパス、挿入表示、3D グ リッド、3D シーンアイコンの 5 つです。これらのオーバーレイは、キャンバス上での表示/非 表示を切り替えることができます。 3D 表示ツール カメラメニュー キャンバス内に 表示されている 3D グリッド 3D コンパス 挿入表示 3D オーバーレイの表示/非表示を切り替えるには、次のいずれかの操作を行います: m 「表示」>「3D オーバーレイ」と選択し、表示または非表示にしたい 3D オーバーレイの種類を選 択します。 m ツールバーの「表示」ポップアップメニューで表示または非表示にしたい3D オーバーレイの種 類を選択します。 第 1 章 3 D 合成 19 3D 表示ツール カメラメニュー キャンバスの左上に表示されるカメラメニューには、その時点でアクティブなカメラ表示がリス トされています。このメニューでは、リファレンスカメラやシーンカメラに加えて、いくつかの 表示関連コマンドを選択することができます。 カメラメニュー カメラメニューは 3 つのセクションに分かれています: Â 一番上のセクションでは、その時点でアクティブなカメラや、プロジェクトに追加したシーン カメラを選択できます。1 つのシーンに複数のカメラが含まれている場合、現行フレームで 「レイヤー」リストや「タイムライン」で一番上にリストされているカメラがアクティブカメ ラになります。シーンカメラについては、 26ページの「カメラ」を参照してください。 Â 中央のセクションでは、デフォルトのリファレンスカメラ(「遠近」 、 「前方」、 「後方」、 「左」、 「右」、 「上」、 「下」)から1 つを選択します。 「表示をリセット」は、カメ Â 一番下のセクションには、2 つのコマンドがリストされています。 ラをデフォルト表示にリセットするコマンドで、 「オブジェクトをフレームに入れる」は、選 択したオブジェクトをアクティブな表示の中にフレームインさせます。オブジェクトが1 つも 選択されていない場合、 「オブジェクトをフレームに入れる」は、シーン内のすべてのオブジェ クトが表示されるようにリファレンスカメラをリセットします。 20 第1 章 3 D 合成 3D 表示ツール 3D 表示ツールでは、リファレンスおよびシーンカメラの両方を制御することができます。 周回ツール シーンカメラインジケータ パンツール ドリーツール シーンカメラインジケータは、シーンカメラがアクティブであるときに 3D 表示ツールの左側に 表示されます。3D 表示ツールは 3 つあります: Â パン: このボックス内をドラッグして、カメラを現行表示と相対的にX 軸と Y 軸に沿って移動 させます。 Â 周回:このボックス内をドラッグして、その時点で選択されているシーンオブジェクトの周囲 でカメラを周回させます。何も選択されていない場合、カメラは焦平面の周囲を周回します。 カメラの焦平面については、2 6ページの「カメラのコントロール」を参照してください。周 回は、X 、 Y 、Z の位置の値と、 X とY の回転の値に影響します。 参考:周回コントロールを使っていずれかの正射リファレンスカメラを変更した場合、カメラ メニューの表示名の横にアスタリスク(* )が表示され、その表示が真の正射ではなくなった ことを示します。 Â ドリー: このボックス内をドラッグして、カメラをドリーさせ、現行表示と相対的にZ 軸に沿っ て移動させます。 重要:3 D 表示ツールをダブルクリックすれば、ツールによって適用されたすべてのパラメータ がリセットされます。 3D 表示ツールのショートカット パン、周回、ドリーの各ツールは、キーボードコマンドや3 ボタンマウスなどで使うこともで きます: Â パン:Option キーとマウスの右ボタンを押しながら、キャンバス内をドラッグします。 Â 周回:コマンドキーとマウスの右ボタンを押しながら、キャンバス内をドラッグします。 Â ドリー: コマンドキー+Option キー+マウスの右ボタンを押しながら、キャンバス内をド ラッグします。 第 1 章 3 D 合成 21 3D コンパス キャンバスの左下角にある 3D コンパスは、方位を示すものとして、または、ショートカットデ バイスとして機能します。これにはアクティブとパッシブの2 つのモードがあり、ポインタがコ ンパス上に位置しているかどうかで切り替わります。パッシブモードでは、 3 つのワールド座標 軸(X 、Y、 Z )の向きを示しています。コンパスがアクティブモードのときは、リファレンス (正射と遠近)カメラへの色分けされたショートカットとして機能します。 パッシブモードの アクティブモードの 3D コンパス 3D コンパス 3D コンパスを使ってリファレンスカメラ表示を選択するには: 1 コンパス上にポインタを位置させます。 コンパスがアクティブモードになり、各リファレンスカメラ表示を表すラベル付きのアイコンが 表示されます。 2 アクティブにしたいカメラを表しているアイコンをクリックします。 キャンバス内の表示が、選択したリファレンスカメラ表示のものに更新されます。 3D コンパスを使ってシーンカメラ表示を選択するには: 1 3D コンパス上にポインタを置きます。 コンパスがアクティブになります。 2 Control キーを押しながら3D コンパスをクリックし、ショートカットメニューからシーンカメラ を選択します。 キャンバス内の表示が、選択したシーンカメラの表示に変わります。 参考:3 D コンパスのショートカットメニューでは、リファレンスカメラ表示を選択することも できます。 22 第1 章 3 D 合成 挿入表示 オブジェクトを移動すると、キャンバスの右下角に、別のカメラの視点からのシーンを表示する 挿入表示が表示されます。その時点で、アクティブカメラを介してシーンを表示している場合、 挿入表示には、遠近カメラの視点からのシーンが表示されます。それ以外のカメラを介してシー ンを表示している場合は、アクティブカメラから見たシーンが表示されます。挿入表示は、正射 表示に加えた変更の結果を確認するために利用できます。 挿入表示 挿入表示のサイズと、キャンバス内に表示されるタイミングについては、「Motion」の「環境設 定」で設定することができます。挿入表示の情報については、 「Motion 3 ユーザーズマニュア ル」の第1 章「 M otion の紹介」を参照してください。 3D グリッド 3D グリッドは、3D ワールドのグラウンド面を表しています。グラウンド面とは、その言葉通 り、シーンの「グラウンド」となるY が 0 の面のことを指しています。グラウンド面は、プラス Y 値とマイナス Y 値の「上」と「下」の境目となります。その中心は 0,0,0 になっています。 3D グリッドが有効 第 1 章 3 D 合成 23 3D シーンアイコン 3D シーンアイコンは、カメラ、ライト、エッジオン線を画面上に表示させるためのものです。 エッジオン線は、オブジェクトの縁がカメラのほうに向いている場合に描かれるもので、通常、 この状態のオブジェクトは見えません。つまり、この線によって、通常では見えないオブジェク トも選択できるようになります。3D シーンアイコンは、書き出されたイメージやムービークリッ プには表示されません。 エッジオン線インジケータ ライト カメラの表示アングル カメラ ∏ ヒント:カメラのシーンアイコンをダブルクリックすれば、 それが選択され、現行表示がその カメラの表示に切り替わります。 表示レイアウト 「Motion」では、3 D 空間でのオブジェクトの配置やアニメーション化をやりやすくするために、 キャンバス内で複数の表示をアクティブにしておくことができます。ステータスバーの3D 表示 ツールのすぐ上にある「表示レイアウト」ポップアップメニューでは、7 種類の表示レイアウト の中から使いたいものを選択することができます。各レイアウトは、ポップアップメニュー内で 1 つ: デフォルト設定で、キャンバス内に 1 つのウインドウが表示されています。 2 つ(横並び): キャンバス内に2 つのウインドウを横に並べた状態で表示します。 2 つ(縦並び): キャンバス内に2 つのウインドウを縦に並べた状態で表示します。 アイコンによって表されています: Â Â Â Â : 3 つのウインドウを表示します。上に2 つのウインドウを横並びに 3 つ(下に大ウインドウ) し、下に大きなウインドウがあります。 : 3 つのウインドウを表示します。左に2 つのウインドウを縦並びに Â 3 つ(右に大ウインドウ) し、右に大きなウインドウを表示します。 : 4 つのウインドウを表示します。左に3 つのウインドウを縦並びに Â 4 つ(右に大ウインドウ) し、右に大きなウインドウを表示します。 24 第1 章 3 D 合成 Â 4 つ: 同じサイズの4 つのウインドウを表示します。 「表示レイアウト」ポップアップ メニュー キャンバス内に複数のウインドウを開くには: m 「表示レイアウト」ポップアップメニューからレイアウトを選択します。 選択したレイアウトでキャンバスが表示されます。 アクティブな表示 複数の表示を使って作業しているときは、最後にクリックしたものがアクティブな表示になりま す。アクティブな表示は、黄色の枠線で示されます。画面上のコントロールが含まれているのは、 アクティブな表示だけとなります。 左上の表示がアクティブになっています。 第 1 章 3 D 合成 25 カメラ 3D モードでは、キャンバス内に見えるものは、すべてカメラの視点で写し出されたものであり、 カメラは、デフォルトのリファレンスカメラか、ユーザが作成したシーンカメラのいずれかにな ります。シーンを違う視点から見るために、特定のカメラを作成することもできます。シーン内 には、カメラを配置できるだけでなく、カメラをアニメーション化することも、ビヘイビアを適 用することもできます。複数のカメラを作成しておけば、時間の経過に応じてアクティブなカメ ラを切り替えることで、プロジェクト内に異なるアングルの「カット」を挟むこともできます。 シーンカメラを作成する ユーザが作成するシーンカメラは、出力時のレンダリングに使用されるものとなります。シーン カメラは、キャンバス内ではワイヤフレームのカメラアイコンで表示され、 「レイヤー」リスト や「タイムライン」にもオブジェクトとしてリストされます。 「Motion」プロジェクトにシーンカメラを追加するには: m 「オブジェクト」>「新規カメラ」と選択します(または、コマンド+Option + C キーを押します)。 カメラオブジェクトが「レイヤー」リスト、 「タイムライン」 、およびキャンバスに追加されます (キャンバス内ではワイヤフレームアイコンで表示されます)。ツールバーで3D 変形ツールがア クティブになり、カメラの HUD が表示され(表示されていない場合は F7 キーを押してくださ い) 、「インスペクタ」に「カメラ」タブが追加されます。 カメラのコントロール シーンカメラの情報は、カメラの HUD、または、 「インスペクタ」の「カメラ」と「情報」タブ で修正することができます。 インスペクタに表示されるパラメータ 「インスペクタ」の「カメラ」タブには 6 つのパラメータがあります: 26 第1 章 3 D 合成 カメラタイプ:使用するカメラのタイプを設定するポップアップメニューです。選択できるオプ ションは、 「フレーミング」 (デフォルト値)と「表示ポイント」の2 つです。フレーミングカメ ラは、その原点が焦平面にあります。カメラの焦平面とは、カメラのローカル Z 軸(または視 線)に沿った焦点距離と同じ位置にあり、ローカルZ 軸に対して垂直に交わる面のことです。表 示ポートカメラの原点は、投影の中央に位置しています。 カメラの焦平面 フレーミングカメラの原点 カメラの表示アングル カメラの表示アングル 表示ポイントカメラの原点と 投影の中心 フレーミングカメラ ∏ ヒント:フレーミングカメラの原点の位置は、周回する動きを出すのに便利です。カメラを回 転させると周回の動きになるためです。一方の表示ポイントカメラでは、旋回する動きになり ます。 表示アングル: カメラの表示アングルを設定するスライダと値スライダで、これは、カメラから 見た角度を指定するものです。値は、0 ∼ 180 度の間で指定できます。 第 1 章 3 D 合成 27 参考:フレーミングカメラで「表示アングル」パラメータをアニメーション化すると、結果は、 逆ドリーのエフェクトとなります。逆ドリーでは、カメラが移動する方向と逆の方向にズームイ ンします。一方、表示ポイントカメラの「表示アングル」パラメータをアニメーション化すると、 通常のカメラによるズーム効果が得られます。 表示アングル= 80° 表示アングル= 45 ° 表示アングル=45° 表示アングル=80° フレーミングカメラ 表示ポイントカメラ 近距離面: カメラからオブジェクトが見え始める距離を設定するスライダおよび値スライダで す。この距離より近くにあるオブジェクトは、このカメラの視点ではレンダリングされません。 遠距離面: カメラからオブジェクトが見えなくなり始める距離を設定するスライダおよび値スラ イダです。この距離より遠くにあるオブジェクトは、このカメラの視点ではレンダリングされま せん。 近距離フェード: 近距離面におけるぼかし方を設定するスライダおよび値スライダです。ぼかし 方は、近くにあるオブジェクトがフェードインする境界範囲を設定するものになります。 遠距離フェード: 遠距離面におけるぼかし方を設定するスライダおよび値スライダです。このぼ かし方により、遠くにあるオブジェクトがフェードアウトする境界範囲を設定します。 カメラの縮小/拡大 「インスペクタ」の「情報」タブにある「縮小/拡大」パラメータを使えば、カメラが見るも のを縮小/拡大することができます。「縮小/拡大」の値を変更しても、カメラの「表示アン グル」パラメータには影響しません。また、 「縮小/拡大」の値は、フレーミングカメラでの み作用します。 たとえば、身長が数センチほどに縮んだときのことを想像してみてください。周りにあるもの のサイズは実際には変わっていませんが、それまでよりははるかに大きく見えるはずです。逆 に、身長が15 メートルほどになると、周りのものは実際にはサイズが変わっていなくても、相 当小さく見えるはずです。カメラを縮小/拡大すると、これらの効果が得られます。 28 第1 章 3 D 合成 カメラを配置する カメラも、 「Motion」のその他すべてのオブジェクトと同じ変形情報を持っており、配置もほか のオブジェクトと同じように、画面上のコントロールを使って、あるいは HUD や「インスペク タ」の編集パラメータを使って行うことができます。画面上のコントロールについては、21 ペー ジの「3 D 表示ツール」を参照してください。さらに、カメラはウォークカメラツールを使って 配置することもできます。 参考:便宜上、正射カメラの表示を移動して、デフォルト以外の位置と向きから見たシーンを表 示させることもできます。 ウォークカメラツール ウォークカメラツールでは、ビデオゲームのように、キーボードやマウスでのナビゲーションを 使って、3D 空間内にカメラを配置することができます。 ウォークカメラツール ウォークカメラツールを使うには: 1 ツールバーでウォークカメラツールを選択します。 ポインタが変わり、ウォークカメラツールがアクティブになったことを示します。 キーを押しながらこれら 2 上下左右の矢印キーを使ってカメラを3D 空間内で動かします。Option のキーを押すと、カメラの動きが遅くなります。 3 キャンバス内でドラッグしてカメラの向きを指定します。 重要:カメラは、2 D グループ内でネストさせることはできません。2 D グループでカメラを作成 または追加しようとすると、次のダイアログが表示されます: 2D グループに追加されたカメラは、自動的に無効になります。 カメラをアニメーション化する カメラは、プロジェクト内のその他のオブジェクトで使うのと同じ方法を使って、キャンバス内 で直接アニメーション化することができます。カメラは、専用のカメラビヘイビアなどを含むビ ヘイビアを使ってアニメーション化することもできます。カメラビヘイビアについては、31 ペー ジの「カメラビヘイビア」を参照してください。 第 1 章 3 D 合成 29 アクティブカメラ 1 つのシーンに複数のカメラが含まれている場合、現行フレームで「レイヤー」リストや「タイ ムライン」で一番上にリストされているカメラがアクティブカメラになります。アクティブカメ ラは、書き出しに使用するデフォルトカメラになりますが、どのシーンカメラでも書き出すこと ができます。 amera2」がアクティブカメラになります。 この再生ヘッドの位置では「C 分離 「分離」コマンド(および分離ボタン)を使えば、その時点で選択されているオブジェクトと現 行表示を一時的にそろえ、シーンのその他すべてのオブジェクトを非表示にすることができま す。これは、遠くにあるオブジェクトやはっきりしないオブジェクトにアクセスするのに便利な 機能です。 分離ボタン オブジェクトを分離するには: 1 キャンバス、「レイヤー」リスト、または「タイムライン」のいずれかで、分離させたいオブジェ クトを選択します。 2 以下のいずれかの操作を行います: Â 「オブジェクト」>「分離」と選択します(または、 C ontrol +I(アイ)キーを押します)。 Â 「レイヤー」タブか「タイムライン」で、分離ボタンをクリックします。 30 第1 章 3 D 合成 選択したオブジェクトにそろうように現行表示が変化し、シーン内のその他すべてのオブジェク トが消えます。 キャンバス内のオブジェクト 分離後のオブジェクト オブジェクトが分離されると、一時的なカメラが作成され、カメラメニューにもその名前がリス トされます。このカメラの名前は、分離したオブジェクトと同じになっています。 分離表示を終了するには、以下のいずれかの操作を行います: m 「オブジェクト」>「分離」と選択します(または、 C ontrol +I(アイ)キーを押します)。 m 「レイヤー」タブか「タイムライン」で、分離ボタンをクリックします。 m カメラメニューから別のカメラを選択します。 複数の表示で「分離」コマンドを使う オブジェクトは表示の数だけ分離することができます。別のシーンカメラの表示で結果を確認 しながら、分離表示でオブジェクトを編集することもできます。1 つの表示でオブジェクトを 分離した後に、別の表示をアクティブにして別のオブジェクトを分離させることもできます。 カメラビヘイビア 「Motion」に用意されているほとんどのタイプのビヘイビアをカメラに適用できますが、カメラ 専用のカメラビヘイビアも用意されています。 カメラビヘイビアを追加するには: 1 「レイヤー」リストか「タイムライン」、またはキャンバスでシーンカメラを選択します。 2 ツールバーで「ビヘイビアを追加」アイコンをクリックしてそのままホールドし、ポップアップ メニューから「カメラ」を選択し、サブメニューからビヘイビアを選択します。 第 1 章 3 D 合成 31 カメラ専用のビヘイビアは、 「ドリー」 、 「スウィープ」、 「ズームイン/アウト」、 「レイヤーをズー ム」の4 つです。 ドリー カメラのZ 軸に沿って指定された距離だけカメラを移動します。 インスペクタに表示されるパラメータ ディスタンス: ドリー移動の距離を設定するスライダおよび値スライダです。 速度: 移動で使用する補間のタイプを設定するポップアップメニューです。 「一定」、 「イーズイ ン」 、「イーズアウト」 、 「イーズイン/アウト」、 「加速」 、 「減速」の中から選択します。 HUD に表示されるコントロール HUD には、 「インスペクタ」と同じコントロールが表示されます。 スウィープ 指定された弧に沿ってカメラを旋回させます。 インスペクタに表示されるパラメータ 開始: カメラの現行の向きと相対的にカメラの開始アングルを設定するダイヤルおよび値スライ ダです。0 以外の値にした場合、ビヘイビア開始と同時にカメラの向きがここで指定した角度に なります。 最後:カメラの「開始」パラメータの向きと相対的にカメラの最終アングルを設定するダイヤル および値スライダです。 速度: 回転で使用する補間のタイプを設定するポップアップメニューです。 「一定」、 「イーズイ ン」 、「イーズアウト」 、 「イーズイン/アウト」、 「加速」 、 「減速」の中から選択します。 座標軸:スウィープの基準となる座標軸を設定するポップアップメニューです。 「チルトX」 、 「周 回Y」、 「回転Z」の中から選択します。 HUD に表示されるコントロール HUD には、 「インスペクタ」と同じコントロールが表示されます。 ズームイン/アウト カメラの「表示アングル」パラメータをアニメーション化します。 インスペクタに表示されるパラメータ ズーム: カメラの「表示アングル」パラメータを修正するのに使用する均等値を設定するスライ ダおよび値スライダです。 速度: 移動で使用する補間のタイプを設定するポップアップメニューです。 「一定」、 「イーズイ ン」 、「イーズアウト」 、 「イーズイン/アウト」、 「加速」 、 「減速」の中から選択します。 HUD に表示されるコントロール 「インスペクタ」と同じコントロールが表示されます。 HUD には、 32 第1 章 3 D 合成 レイヤーをズーム カメラをターゲットオブジェクトのアンカーポイントの位置まで移動します。カメラがオブジェ クトのアンカーポイントに到達すると、カメラの位置がオフセットされて表示アングルが変わり ます。このビヘイビアでは、カメラが移動しているときに、ビヘイビアの「トランジション」値 を基準に、カメラの表示アングルをアニメーション化することもできます。このビヘイビアは、 フレーミングカメラで使うと効果的です。 インスペクタに表示されるパラメータ オブジェクト: カメラ移動のターゲットを設定するイメージウェルです。「レイヤー」リストか らオブジェクトをこのウェルまでドラッグします。 トランジション: ビヘイビアの経過時間の中のどこで移動しているカメラを停止し、 「表示アン グル」パラメータのアニメーションを開始させるかを指定するスライダおよび値スライダです。 「トランジション」を50% に設定すると、300 フレームの「レイヤーをズーム」ビヘイビアでは、 150 フレーム使ってカメラがターゲットオブジェクトまで移動してから停止し、残りの継続時間 では、カメラの「表示アングル」パラメータのアニメーションを実行します。「トランジション」 を100% に設定した場合は、300 フレーム全部を使ってカメラがターゲットオブジェクトまで移 動し、カメラの表示アングルのアニメーションは実行されません。継続時間が 100 フレームの 「レイヤーをズーム」ビヘイビアで、 「トランジション」を50% に設定した場合は、カメラは50 フレームでターゲットオブジェクトの位置に到達します。 速度: 回転で使用する補間のタイプを設定するポップアップメニューです。 「一定」、 「イーズイ ン」 、「イーズアウト」 、 「イーズイン/アウト」、 「加速」 、 「減速」の中から選択します。 ズーム: カメラの「表示アングル」パラメータを修正するのに使用する均等値を設定するスライ ダおよび値スライダです。 0 以外の値を指定すると、カメラの表示アングル(遠近)が初期表示 アングルと相対的に変化する程度を定義できます。 「ズーム」の値を 0 にした場合、 「表示アング ル」パラメータは変更されません。 HUD に表示されるコントロール HUD には、 「インスペクタ」と同じコントロールが表示されます。 第 1 章 3 D 合成 33 キャンバスへのドラッグ&ドロップ キャンバス上にオブジェクトをドラッグ&ドロップすると、そのオブジェクトは、現行カメラの 焦平面にあるシーンに追加されます。一方、 「レイヤー」リストにドラッグするか、 「ファイルブ ラウザ」のプレビュー領域にある「適用」ボタンをクリックして追加したオブジェクトは、0,0,0 の位置に配置されます。 カメラを使って使いやすい作業用表示を設定する 3D プロジェクトで作業しているときは、さまざまな視点からプロジェクトのレイアウトを検証 できるようにカメラを配置すると便利です。1 つの遠近カメラを頻繁に移動するのではなく、 シーンカメラを追加すれば「空間ブックマーク」として使用することができます。ただし、こ れらのカメラを書き出しに使うことはほぼないため、レンダリングの前に必ずこれらを無効に してください。 2D グループと3D グループの相互作用 3D グループタイプは、プロジェクトに今までにはなかった柔軟性を加えるものとなりますが、 同時に、グループタイプ間での相互作用がより複雑になります。 グループは、2 D または3D のいずれかですが、このグループのタイプはいつでも変更できます。 グループの 2D/3D タイプを切り替えるには: m 「レイヤー」タブか「タイムライン」でタイプを切り替えたいグループを選択し、以下のいずれ かの操作を行います: Â 「オブジェクト」>「3D グループ」と選択します(または、Control +D キーを押します)。 Â 「レイヤー」リストのステータス列にある2D/3D アイコンをクリックします。 2D アイコン 3D アイコン 34 第1 章 3 D 合成 ルート階層での動作 プロジェクトのルート階層での 2D グループの動作は、3 D グループ内にネストされているとき と異なります。(ルート階層のグループについては、12ページの「相対座標」を参照してくださ い。 )ルート階層にある 2D グループは、カメラがアニメーションした場合でもロックされてい ます。「レイヤー」リストの上にある 2D グループは常に前方にレンダリングされ、下の方にあ る2D グループは常に後方にレンダリングされます。隣り合うルート階層の3D グループは、深 度の順番を基準に相互作用します。 「レイヤー」リスト キャンバス内の結果 上の例では、2 D の「Foreground」レイヤーにある 2 つのグレイのボールは、常にシーン内の その他のどのオブジェクトよりも前方に合成されます。また、同じく 2D の「Background」レ イヤーは、常にシーン内のその他のどのオブジェクトよりも後方に合成されます。 「Group A」 と「Group B」は、3 D グループなので交わっていますが、同じルート階層にある 2D グループ とは交わりません。 2D グループと3D グループの動作 2D グループと 3D グループでは多くの情報を共有していますが、グループやその子がプロジェ クト内の他のオブジェクトとどのように動作および相互作用するかは大きく異なります。 2 D グ ループと3D グループのいずれも互いの親や子になることができ、グループタイプの混在に関す る制限はありません。 「インスペクタ」の「グループ」タブ グループを選択すると、 「インスペクタ」に「グループ」タブが表示されます。 「グループ」タブ には、2 D と 3D のモードを切り替えることができる「タイプ」パラメータがあります。 2 D グ ループと3D グループとでは使用可能なパラメータが異なります。 「タイプ」パラメータを「3 D」に設定した場合、「平坦化」と「レイヤーの順番」パラメータも 利用できるようになります。 「平坦化」チェックボックスを選択すると、3D グループ内のすべて の要素が「カード」や「看板」のようにフラットになります。 「レイヤーの順番」チェックボッ クスを選択すると、グループの子が深度の順番(Z 軸に沿った位置)ではなく、「レイヤー」リ スト内の順番で並べ替えられます。詳細については、13ページの「レイヤーの順番と深度」を 参照してください。 第 1 章 3 D 合成 35 「タイプ」パラメータを「 2 D」に設定した場合、手動でグループのサイズを定義できる「固定解 像度」パラメータが利用できるようになります。デフォルトでは、固定解像度は無効で、グルー プのサイズはそのグループにあるレイヤーにより決まります。詳細については、 「Motion 3 ユー ザーズマニュアル」の第 2 章に記載の「グループのサイズを固定する」を参照してください。 参考: 「固定解像度」チェックボックスを選択すると、グループがアンカーポイントを中心に「固 定幅」と「固定高さ」パラメータで指定されたサイズにクロップされます。 2D グループの特性 2D グループは、以下の特性を持っています: Â 子はレイヤーの順番で合成されます。 Â フィルタは、ローカル空間グループに適用されます(つまり、イメージに対して「フラット」に)。 「渦巻き」フィルタを適用した 2D グループ内の チェッカーボード Â グループは 1 つのオブジェクトとしてライティングされ、子オブジェクトが個別にライティン グされることはありません。 参考:ルート階層にある 2D グループはライティングされません。 「四隅の角」パラ Â 2D グループは常にフラットであるため、「クロップ」、「ドロップシャドウ」、 メータがあります。 Â 固定解像度を設定することができます。 3D グループの特性 3D グループは、以下の特性を持っています: Â ネストされている子は、深度の順番(Z 軸に沿った位置による)で合成されます。 36 第1 章 3 D 合成 Â フィルタは、表示空間内でグループに適用されます。つまり、フィルタはグループを表示して いるカメラのレンズに適用された状態でグループに適用されることになります。 「渦巻き」フィルタを3 つの異なるアングルから適用した 3D グループ内のチェッカーボード Â ライトは子オブジェクトに対して個別に照らされます。 「ド Â 3D グループの場合は、「平坦化」パラメータが有効になっているときに限り「クロップ」、 ロップシャドウ」 、「四隅の角」パラメータが利用できるようになります。 平坦化されたグループ内のオブジェクトを操作する 平坦化されたグループ( 2 D グループと平坦化された3D グループを含む)内で、オブジェクト をZ 軸に沿って移動すると、オブジェクトはカメラに近付いたり遠ざかったりするように見え るのではなく、大きくなったり小さくなったりするように見えます。 プロジェクト内でオブジェクトを見つけられなくなったときは、そのオブジェクトの位置を 0,0,0 に設定します。平坦化しているグループでは、そのオブジェクトは中央に位置します。 「分離」コマンドを使って、現行表示をその平坦化されているグループの軸にそろえることも できます。この状態では、グループ内のオブジェクトも調整しやすくなります。 「分離」コマ ンドについては、30ページの「分離」を参照してください。 ラスタライズ処理 一部の操作および特定のフィルタまたはマスクを適用することによって、グループがラスタライ ズされます。グループがラスタライズされると、ビットマップイメージに変換されます。ラスタ ライズの結果は2D と3D グループでは異なります。2D グループがラスタライズされた場合、グ ループ内のオブジェクトに適用されていたブレンドモードはグループ外のオブジェクトに対し ては効果がなくなります。さらに、3D グループがラスタライズされた場合、グループ全体がグ ループ外のオブジェクトと交差しなくなります。ラスタライズされた 3D グループは、1 つのオ ブジェクトとして扱われ、プロジェクト内のその他の要素と合成される際には、深度の順番(Z 軸に沿った)ではなく、レイヤーの順番( 「レイヤー」タブ内の)が使われることになります。 参考:3 D グループがラスタライズされると、プロジェクトのカメラとライトはラスタライズさ れたグループ内のオブジェクトとそれまで通り相互に作用します。 第 1 章 3 D 合成 37 以下のパラメータを変更すると、グループがラスタライズされます。 2D グループ Â 「ブレンド」(「不透明度」、「ブレンドモード」、「不透明度を保持」)を変更する Â Â Â Â Â Â ドロップシャドウを有効にする 四隅の角を有効にする クロップを有効にする フィルタを適用する マスクを追加する グループの外側にライトを追加する 3D グループ Â ブレンドを変更する Â 特定のフィルタを適用する Â マスクを追加する Â 「平坦化」パラメータが有効になっているときに、3D グループの外側にライトを追加する 操作によってグループのラスタライズがトリガされると、以下のようになります: Â ラスタライズインジケータ(LED に似た外観)が「情報」タブのパラメータの横に表示されます。 ラスタライズ処理なし、LED 表示なし 「通常」ブレンドモードによって ED が表示されています ラスタライズされ、L Â 「レイヤー」タブおよび「タイムライン」レイヤーリストの 2D または3D グループのアイコン (グループ名の左)の周囲に小さなアウトラインが表示されます。 ラスタライズ処理なし グループアイコンの周囲に表示された ラスタライズインジケータ 重要:3 D パーティクルエミッタ、3D リプリケータ、フラットではないテキストオブジェクト は、ラスタライズ処理では3D グループとして扱われます。 38 第1 章 3 D 合成 2D グループと3D グループのラスタライズ処理の例 どのグループもラスタライズされていません 一番上のグループがラスタライズされています 上の例では、2 つのグループが合成されています。1 つ目のグループ(「レイヤー」リストの一番 上にあります)には、1 頭の象が写っているイメージが含まれています。2 つ目のグループには、 象の家族のイメージが含まれています。上の左側の例では、1 頭の象のイメージ(一番上のグ ループ)の「ブレンドモード」が「ビビッドライト」に設定されています。グループがラスタラ イズされていないので、ブレンドモードはグループを通り越してバックグラウンドで作用してい ます。 右側の例では、一番上のグループがラスタライズされているので、イメージのブレンドモードが グループを通り越していません。 どのグループもラスタライズされていません グループ A がラスタライズされています 上の左の例では、グループA もグループ B もラスタライズされていないので、2 つのグループが 交差しています。 上の右の例では、 グループ Aがラスタライズされたため、グループ A とグループ B は交差しません。 重要:グループのブレンドモードが「そのまま」で、いずれかのグループの子に異なるブレンド モードが設定されている場合、その子はラスタライズされません。 第 1 章 3 D 合成 39 ライティング モーション・グラフィックスのプロジェクトにライティングを適用すれば、作品の奥行きや視野 を広げることができ、また、合成のためのよりリアルな環境を作ることができます。 「Motion」のライティングシステムは、3D グループおよびその子にのみ動作します。 プロジェクトにライトを追加するには: m 「オブジェクト」>「新規ライト」と選択します(または、コマンド+Shift +L キーを押します)。 ライトオブジェクトが、 「レイヤー」リストと「タイムライン」、およびキャンバスに追加され (キャンバス上ではワイヤフレームアイコンで表示されます)、ツールバーで3D 変形ツールがア クティブになります。 3D グループが存在しないプロジェクトにライトを追加した場合、次のダイアログが表示されま す: 「2D を維持」を選択すると、ルート階層に3D グループが1 つでもない限り、ルート階層におけ るライトの効果はありません。デフォルトでは、ライトが追加されると同時にグループやオブ ジェクトに濃淡が描写されます。 ライトがアクティブになる状況 ライトは、以下のオブジェクトの子になったときにアクティブになります: Â プロジェクト(たとえば、ライトをプロジェクトのルート階層に位置させる) Â 平坦化された3D グループ 重要:ライトを含む 3D グループを2D グループに移動すると、そのグループの「平坦化」パラ メータが有効になっていない限り、次のダイアログが表示されます: ライトの効果に影響のある設定 シーンに追加したライトの効果に影響があるのは、ライトそのものとオブジェクトのライティン グの 2 つの設定です。 ライトそのものの設定は、プロジェクト内でライトを選択し、 「インスペ クタ」の「ライト」タブでパラメータ値を修正することで調整できます。オブジェクトのライ ティング設定は、プロジェクト内でライト以外のオブジェクトを選択し(イメージ、ムービーク リップ、シェイプなど)、そのオブジェクトの「情報」タブにある「ライティング」パラメータ を修正することで調整できます。 40 第1 章 3 D 合成 ライトの情報(ライトソースそのものの特性)は、ライトのタイプ、強度、カラーの3 に分類で きます。電球、太陽、ディスコの照明などでは、それぞれまったく異なる照明効果がありますが、 ライティング設定ではこれらの違いをシミュレーションすることができます。 複数のタイプのライトを組み合わせる 各タイプのライトは、それぞれ固有の属性を持っています。希望する効果を得るために、複数 のタイプのライトを組み合わせた方がいいこともあります。ライトを含むほとんどのシーンに は、奥行きを出すため、または完全な暗闇を避けるためのアンビエントライトが含まれている 必要があります。 実世界のライトと同じように、複数のライトを使ってカラーをミックスすることもできます。 たとえば、赤と青のスポットライトで白いオブジェクトを照らした場合、両方がミックスされ るとマゼンタになります。 ライトのパラメータ ライトを作成するか、「レイヤー」タブでライトオブジェクトを選択すると、 「インスペクタ」に 「ライト」タブが追加されます。 「ライト」タブには、以下の各パラメータが含まれています: ライトのタイプ: 4 つのカテゴリからライトを選択できるポップアップメニューです。 Â アンビエント: アンビエントライトは、ライトを全方向に放射します。このタイプのライトに は位置はなく、キャンバス内でも表示されません。アンビエントライトは、シーン内のすべて のオブジェクトをすべての方向から均等に照らします。また、アンビエントライトは、ハイラ イト部分に影響しない唯一のライトです。アンビエントライトの最も一般的な使い方として は、全体を塗りつぶすエフェクトやカラーの投影があります。 参考: 「Motion」にはグローバルなアンビエント属性がないため、完全な暗闇を避けるために はアンビエントライトを追加することをお勧めします。 第 1 章 3 D 合成 41 Â 指向性: 指向性ライトは、無限大の距離から指定された方向に光線を並行に放射します。この ライトの場合は、回転のみがその効果に関係します。指向性ライトのアイコンと変形コント ロールを組み合わせて使えば、シーン内でライトが移動する方向を視覚化することができま す。指向性ライトは、一方の端が取り外された円柱のような形をしています。円はライトの後 方を表し、線はライトが移動する方向を表しています。 指向性ライト 指向性ライトの使用例 空間内の1 点から外に向けて全方向にライトを放射します。 Â ポイント: ポイントライトは、3D オプションで、オブジェクトのライトとの近さを基準に、減衰を追加することもできます。こ れは、 「Motion 」のデフォルトライトで、白熱灯電球と似たような明かりを得ることができ ます。 ポイントライト 42 第1 章 3 D 合成 ポイントライトの使用例 Â スポット: スポットライトは、円錐形のライトソースからライトを放射し、照らされたオブ ジェクト上では楕円状のパターンで表示されます。ライトによって影響を受ける範囲を制限し たいときにスポットライトを使えば、高い精度でその効果を得ることができます。 スポットライト スポットライトの使用例 カラー: ライトのカラーを選択できる標準のコントロールセットです。 強度: これは、ライトの「ディムスイッチ」です。たとえば、指向性ライトの強度を100% にし てまっすぐ赤いオブジェクトを照らすと、オブジェクトの見た目は赤になります。強度を下げる と、オブジェクトとシーンが暗くなります。ただし、強度を100% 以上に設定すると、シーンが 露出オーバーになり、最終的にはオブジェクトが白くなります。 「強度」スライダを使えば、0 ∼ 400 の間で値を設定できますが、実際には強度には上限はありません(4 00 より大きな値にする ときは、値スライダを使います)。 参考:複数のライトでオブジェクトを照らすと、それらが組み合わさってオブジェクトの見た目 の明るさも相応に上がります。たとえば、2 つのスポットライトが空間内でオーバーラップし、 かつ同じ方向を向いている場合、それぞれのライトの強度が100% に設定されていると、結果は 強度が200% のスポットライトを 1 つ使うのと同じです。 減衰の開始:ライトの減衰がどこで始まるのかを調整するスライダおよび値スライダです。実世 界では、ライトは、ソースから距離が遠くなるほど暗くなります(すなわち、エフェクトが薄ま ります) 。通常、減衰はライトの中央から始まります。「減衰の開始」を設定すると、いくつかの コントロールがライティング用に追加されます。このパラメータは、「位置」パラメータを使う タイプのライト(ポイントとスポット)にしか適用されません。 第 1 章 3 D 合成 43 下の例では、ライトがシーンの原点より少し上に位置しています。カードが並んだ輪が 3 つあ (この例では視覚的 り、それぞれライトから 200、500、1000 単位の距離に位置しています。 に見せるため、カードの輪の中心にある「電球」としてライトソースをシミュレーションして います。 )ライトの「強度」は 100% に、「減衰」は 10% に設定されています。「減衰の開始」 が 0 に設定されている場合(下の左側) 、ライトは最も内側の輪に到達する前にすでに減衰し 、内側の輪は 100% 始めます。一方、 「減衰の開始」が200 に設定されている場合(下の右側) の強度で照らされ、外側の輪も少し明るくなります。 「減衰の開始」を 0 に設定 「減衰の開始」を 200 に設定 、内側と中間の輪は 100% の強度で照ら 「減衰の開始」の値を 500 まで上げると( 下の左側) され、外側の輪も今までより明るくなります。さらに、 「減衰の開始」を 1000 に設定すると (下の右側)、すべての輪が100% の強度で照らされます。 「減衰の開始」を 500 に設定 44 第1 章 3 D 合成 「減衰の開始」を 1000 に設定 次の例では、左のイメージには強度が100% のライトが、右のイメージには強度が500% のラ イトがそれぞれ配置されています。右のイメージでは、外側の輪も少し明るくなっています が、最も内側の輪は露出オーバーになっています。右のイメージで「減衰の開始」を1000 ま で上げると、すべての輪が露出オーバーになります。 「強度」を 100 に、 「減衰の開始」を 0 に設定 「強度」を 500 に、「減衰の開始」を0 に設定 減衰: ポイントライトとスポットライトの減衰レートを、 「減衰の開始」設定を基に制御するス ライダおよび値スライダです。この値を低くすると、ライトの減衰に長い距離を要し、結果とし て、ライトがイメージ内のさらに遠くまで届きます。逆に値を高くすると、減衰がより早い時点 で始まります。 スポットの「コーン角度」 :「ライトのタイプ」で「スポット」を選択したときにのみ利用できる ダイヤルおよび値スライダです。スポットの「コーン角度」は、ライトの中心から外側に向かっ て測定されます。角度は、0 ∼ 90° の間で設定できます。ターゲットとライトとの距離が、この パラメータによる結果に影響してきます。ライトが近い場合は、オブジェクトを広く見るために スポットの「コーン角度」をよりワイドにする必要があるかもしれません。逆に遠い場合は、オ ブジェクトを特定するためにスポットの「コーン角度」を狭くする必要があるかもしれません。 スポットの「ソフトエッジ」 :「ライトのタイプ」で「スポット」を選択したときにのみ利用でき るダイヤルおよび値スライダです。スポットの「コーン角度」同様、このパラメータも0 ∼90° の間で設定できます。開始点は、スポットの「コーン角度」の外側の端で始まります。このパラ メータを0 に設定すると、ライトのエッジがハードになります。低い値に設定すると、ライトに 照らされた範囲の境界が少し柔らかくなります。値を高くすると、よりワイドで自然なフェード になります。柔らかさを加えるとライトが照らす範囲も広がります。アングルを調整して、希望 通りのエフェクトにしてください。 オブジェクトのライティング設定 「ライトの影響を受ける」すべてのオブジェクトは、シーン内のライトにどのように反応するか を制御する情報を持っています。これらの情報は、対象となるオブジェクトの「情報」タブにあ る「ライティング」セクションで調整できます。 第 1 章 3 D 合成 45 「インスペクタ」の「情報」タブには、以下の「ライティング」コントロールがあります: シェーディング: オブジェクトがシーン内のライトにどのように反応するかを設定できるポップ アップメニューです。「オン」に設定した場合、そのオブジェクトはライティングされます。 「オ フ」に設定した場合、そのオブジェクトはシーンライトを無視します。 「継承」 (デフォルト)に 設定した場合、そのオブジェクトは、親の「シェーディング」値を使用します。 参考:グループ内の子(ネストの深さに関係なく)の「シェーディング」パラメータを「オン」 に設定することもできます。この場合、その子オブジェクトに対して適用されていたグループ設 定よりも、この設定が優先されることになります。 ハイライト: ライティングされたオブジェクトにハイライトを表示させるかどうかを指定する チェックボックスです。このパラメータは、 「シェーディング」が「オフ」に設定されている場 合は効果がありません。 輝き: オブジェクトのハイライトをどの程度強く見せるかを設定するスライダおよび値スライダ です。値を高くすると、光沢感が増します。 希望通りの結果を得るには、オブジェクトの表面とライティングの 両方のパラメータを適正に設 定しておく必要があります。 ライティングの効果を拡張する 「Motion」のライトは、影を落としません。場合によっては、カメラが固定されていれば、オブ ジェクトの「ドロップシャドウ」パラメータを使うと効果的になることがあります。 「ドロップシャドウ」を使って作成した影のシミュレーション 46 第1 章 3 D 合成 影をシミュレートするもう一つの方法として、ライティングされるオブジェクトの複製を修正す る方法もあります。 テキストオブジェクトの複製を修正して作成した影のシミュレーション 通常、ライトソースは見えません。しかし、ポイントライトとイメージやシェイプを組み合わせ れば、ライトソースそのものが見えているようにシミュレートすることもできます。 ライトとシェイプを使って見えるようにしたライトソースのシミュレーション 参考: 「マッチムーブ」ビヘイビアを使えば、ムービークリップ内のライトによって、シミュレー トしたライトソースを動かすこともできます。 「マッチムーブ」ビヘイビアについては、5 8ペー ジの「「マッチムーブ」のワークフロー」を参照してください。 第 1 章 3 D 合成 47 2 2 モーショントラッキング トラッキングビヘイビアを使用すると、オブジェクトのマッチムーブ やクリップのスタビライズを行ったり、フィルタエフェクトをトラッ キングしたりすることができます。 モーショントラッキングについて モーショントラッキングは、キャンバス内の要素(ムービークリップにおけるシェイプまたは参 照ポイント)の動きを記録し、記録された動きのデータをキャンバス内の別の要素に適用する方 法です。たとえば、モーショントラッキングのテクニックを使用すると、ポストプロダクション グラフィックスを動いているバスの側面に「固定」したり、人物の顔にぼんやりした円を「ト ラッキング」して第三者の匿名性を保持したり、スタントマンの頭を主演男優の顔と「置換」し たりすることができます。 「Motion」には、一連の自動化されたトラッキングビヘイビアが用意されており、これを使用し て次のようなさまざまなことができます: Â ムービークリップでの要素のマッチムーブ: 背景要素のトラッキングデータ(看板など)を、 合成された前景要素(ロゴのグラフィックスなど)に適用することができます。そのため、両 方の要素が 1 つにロックされたように見えます。このテクニックをマッチムーブといいます。 Â キャンバスでのアニメーションオブジェクトのマッチムーブ: アニメーションオブジェクト のモーションデータをプロジェクトの別のオブジェクトに適用することができます。たとえ ば、スモークパーティクルエミッタを宇宙船のアニメーションに吸着させると、宇宙船の移動 に合わせてロケットの排気跡が「跡を追う」ようにすることができます。 Â ムービークリップでのカメラの動きのスタビライズ: トラッキングデータを適用して、ムー ビーやイメージシーケンスでの不要なカメラの動きまたはジッタを取り除くことができます。 たとえば、手持ちカメラのショットをスムーズにすることができます。 Â ムービークリップのスタビライズ解除: 動きをスタビライズされたムービーの前の状態に戻 します。このテクニックは、前景のエフェクトを追加するためにクリップをスタビライズした ものの、元のカメラの動きを最終的なコンポジットに戻したいときに便利です。 49 Â フィルタの位置パラメータのトラッキング: トラッキングデータをフィルタの位置パラメー タに適用することができます。たとえば、 「光線」フィルタの中心点が、ムービークリップ内 を移動する閃光ビームの後を追うようにすることができます。閃光ビームのトラッキングデー タは、フィルタ全体ではなく、フィルタの単一パラメータ( 「中心」 パラメータ)に適用されます。 Â シェイプまたはマスクのコントロールポイントのトラッキング: ムービークリップ内の参照 ポイントのトラッキングデータをシェイプまたはマスクのコントロールポイントに適用する ことができます。たとえば、このテクニックを使用すると、ムービークリップ内を移動する要 素をマスクし、その要素を分離して追加のエフェクトを適用することができます。 「Motion」では、以下の方法を使用することにより、クリップ内の1 つまたは複数の参照特性を トラッキングすることができます: Â 1 ポイント・トラッキング: ムービークリップ内の単一の参照パターン(小さいピクセル領域) をトラッキングして、位置データを記録します。 Â 2 ポイント・トラッキング:ムービークリップ内の2 つの参照パターンをトラッキングし、ト ラッキングされた 2 点間の関係を使用して、位置、調整、および回転のデータを記録します。 Â 4 ポイント・トラッキング: 4 コーナー固定ともいいます。ムービークリップ内の4 つの参照パ ターンをトラッキングして、位置、調整、回転のデータを記録します。4 つのトラックを使用 して、4 つの参照パターン(ピクチャフレームやテレビモニタのコーナーなど)間の関係を分 析します。このデータをイメージまたはクリップの各コーナーに適用して、クリップを「固 定」します。このため、ピクチャフレームやテレビモニタではクリップがロックされているよ うに見えます。 Â 複数ポイント・トラッキング: クリップ内の参照ポイントを希望の数だけトラッキングしま す。トラックは、「動きを分析」ビヘイビアおよび「スタビライズ」ビヘイビアに手動で追加 することができます。シェイプビヘイビアのサブカテゴリとして提供されている「ポイントを トラック」ビヘイビアをシェイプまたはマスクに適用すると、それぞれのシェイプのコント ロールポイントにトラックが自動的に割り当てられます。 「M 参考:「Motion」には3D ワークスペースが用意されていますが、 otion」でのトラッキング は平面的に行われます。つまり、Z 空間でのトラッキングは行われません。たとえば、クリップ 内の 2 つの特性を分析するとしましょう。さらに、そのクリップが3D 空間を移動しているとし ます。この場合、クリップにおける位置、調整、回転の変更は時間とともに記録されます。ただ し、実際の3D 変形は記録されません。 トラッキング対象のオブジェクトを、背景要素またはソース要素といいます。トラッキングデー タが適用されるオブジェクトを、前景要素または適用先要素といいます。 50 第2 章 モーショントラッキング トラックの動作 トラックは、ムービークリップ内のさまざまなフレームについてピクセルの領域を分析するもの であり、1 つのパターンを、キャンバス内での動きに合わせて「追跡する」ことを目的としてい ます。1 つまたは複数の参照フレームでピクセルのスナップショットを指定すると、 「Motion」 はそのスナップショットを指定した期間トラッキングし続けます。この期間は、トラッキングビ ヘイビアの長さ、定義された再生範囲の長さ、またはクリップの長さに基づきます。 「Motion」 では、このようなスナップショットを参照パターンといい、その領域は画面上のトラックの周り で自動的に定義されます。 トラック 参照パターンは、終始一貫し、細部がハイコントラストで簡単に識別可能であることが理想的で す。そうすれば、パターンのトラッキングが容易になります。 トラックは、その中心点の周りの検索領域内で多数の位置をサンプリングしながら、それぞれの 後続フレームまで進みます。サンプリングされた位置のいくつかは、ほかの位置よりも以前に設 計された参照パターンと厳密に「一致」します。トラックは、検索領域と参照パターンが(サブ ピクセルの精度で)最も厳密に一致する位置を探し出します。トラックは、分析されたフレーム ごとに、最も一致する距離を測定して、相関値を割り当てます。 トラックは、参照パターンの位置を検索するだけでなく、フレーム間でのパターンの変形(調整、 回転、またはシェイプ)も識別します。カメラのそばを通り過ぎる人物が着ている、シャツのそ でについているロゴをトラッキングするとします。その人物がカメラの前を通り過ぎるときに少 しだけ向きを変えると、参照パターンも回転します。トラックは、参照パターンだけでなく、パ ターンの調整や回転におけるあらゆる変更を探し出します。 所定のフレームに対してトラックの位置および相関値が決定されている場合、 「Motion」では、 この情報がキーフレームに記録されます。この処理は、トラック範囲の最後に到達するまで、フ レームごとに繰り返されます。 記録されたデータは、キーフレームとしてトラッキングビヘイビアに保存されます。このデータ を使用すれば、多数のプロジェクト要素にトラックを迅速に適用することができます。 参考: 「スタビライズ」ビヘイビアは、トラックを使用せずにクリップのフレーム全体の動きを 分析する高度なテクノロジーです。 「Motion」には、6 つのトラッキングビヘイビア(モーション・トラッキング・ビヘイビアのサ ブカテゴリに 4 つ、シェイプビヘイビアのサブカテゴリに1 つ、パラメータビヘイビアのサブカ テゴリに1 つ)が用意されています。 第 2 章 モーショントラッキング 51 モーション・トラッキング・ビヘイビア 「Motion」では、ビヘイビアを使用して、モーションデータを収集、保存、および適用します。 データはビヘイビアに(キーフレームとして)保存されるため、同じプロジェクト内のほかのオ ブジェクトに簡単に適用することができます。モーション・トラッキング・ビヘイビアを使用す ると、ビヘイビアまたはキーフレームによって作成されたアニメーションデータをオブジェクト 間で共有することもできます。モーション・トラッキング・ビヘイビアの適用のしかたは、ほか のすべてのビヘイビアと同じです。 トラッキングビヘイビアによって分析が実行されると、キャンバスにトラックポイントが表示さ れ、さらにビヘイビアにトラッキングキーフレームが作成されます。これらのキーフレームは、 オブジェクトに適用されるビヘイビア内で有効です。つまり、キーフレームはオブジェクトその ものには適用されません。 参考: 「スタビライズ」ビヘイビアのデフォルトモーション分析を使用した場合、画面上のトラッ クポイントおよびトラッキングキーフレームは作成されません。 「マッチムーブ」ビヘイビア、 「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビライズ解除」ビヘイ ビアによって記録または参照されるトラッキングデータを、オブジェクトキーフレームに変換す ることができます(該当する場合)。変換すると、トラッキングビヘイビアは取り除かれ、変形 キーフレームがオブジェクトに「変換」されます。ビヘイビアを変換する方法については、84 ペー ジの「トラックをキーフレームに変換する」を参照してください。 モーション・トラッキング・ビヘイビアには以下の4 種類があります: Â 動きを分析:このビヘイビアは、クリップからトラッキング情報を生成して追加する場合にの み使用します。 「マッチムーブ」ビヘイビアおよび「スタビライズ」ビヘイビアとは異なり、 「動きを分析」ビヘイビアでは、トラッキング対象オブジェクトを変更するはできません。 「動 きを分析」ビヘイビアによって集められたトラックは、 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用す ることにより、ほかのプロジェクト要素に適用することができます。 参考: 「動きを分析」ビヘイビアを適用することができるのは、フッテージ(Q uickTime ムー ビーまたはイメージシーケンス)のみです。 「動きを分析」ビヘイビアでは、希望の数だけトラックを生成することができます。 Â マッチムーブ: このビヘイビアは、前景要素を背景要素に「一致」させて、これら 2 つが1 つに ロックされているように見せる場合に使用します。このエフェクトは、以下の 3 通りの方法で 実現することができます: Â 1 ポイント(位置)トラッキング、2 ポイント(位置および調整または回転)トラッキング、 または4 ポイント(コーナー固定)トラッキングを使用することにより、前景要素を背景要 素に一致させることができます。ほかのトラッキングビヘイビアとは異なり、 「マッチムー ブ」では、コンポジット操作を実行することができます。あるいは、最終的なコンポジット を作成する前に、さらなる変更(ブラー、色補正など)を実行することができます。 Â 別のトラッキングビヘイビアに記録されたトラックを参照することができます。ビヘイビア のHUD または「インスペクタ」にある、トラッキングビヘイビアのポップアップメニュー から、参照されたトラックを選択します。 52 第2 章 モーショントラッキング Â オブジェクトのアニメーションデータ(ビヘイビアまたはキーフレームによって作成された アニメーションなど)を、ソースオブジェクトを分析することなく、プロジェクトの別の要 素にすばやく適用することができます。アニメーションソースオブジェクトを、ビヘイビア のHUD または「インスペクタ」の「ソース」ウェルにドラッグし、その動きを適用先オブ ジェクトに適用します。 参考: 「マッチムーブ」ビヘイビアは、ほぼすべてのオブジェクトタイプに適用することがで きます。 Â スタビライズ: このビヘイビアは、クリップでの不要な動き(カメラジッタなど)を取り除き ます。スタビライズは、クリップ内の水平または垂直の動き、あるいは水平と垂直の動きの組 み合わせに適用することができます。このエフェクトは、以下の 3 通りの方法で実現すること ができます: Â 「Motion」では、トラックを使用しなくても、クリップを分析して自動的にスタビライズす ることができます。この場合、「スタビライズ」ビヘイビアは、モーション分析を使用して クリップのフレーム全体を評価し、カメラの動きを記録します。このビヘイビアには、この ようにして記録されたデータを使用するための方法として、クリップのスムージング(カメ ラの一般的な動きは維持しつつ、不要なジッタを除去)と、クリップのロック(対象物をス このビヘイビアを使用すると、位置、調整、および タビライズ)の2 つの方法があります。 回転を分析して適用することができます。 Â 全フレームのモーション分析のほか、1 ポイント(位置)トラッキングや2 ポイント(位置 および調整または回転)トラッキング用に手動でトラックを追加することもできます。ま た、トラックを希望の数だけ追加することもできます。トラックを手動で「スタビライズ」 ビヘイビアに追加すると、自動モーション分析からではなく、トラックのデータを使用して クリップがスタビライズされます。この方法を使用した場合、トラックはフレーム全体を移 動するため、トラックポイントは各後続フレームの同じ位置に配置されます。 Â 別の「スタビライズ」ビヘイビアに記録されたトラックに読み込むことができます。別のト ラックを読み込むには、トラッキングビヘイビアの HUD または「インスペクタ」で、ト ラッキングビヘイビアのポップアップメニューからトラックを選択します。 参考: 「スタビライズ」ビヘイビアを適用することができるのは、フッテージ( Q uickTime ムー ビーまたはイメージシーケンス)のみです。 Â スタビライズ解除: このビヘイビアでは、トラッキングは実行されません。その代わり、「ス タビライズ解除」ビヘイビアでは、別のトラッキングビヘイビア(「スタビライズ」など)に よって記録された動きをクリップまたはオブジェクトに適用することができます。これによ り、クリップ内のカメラの振動を、ポストプロダクションで追加された前景要素に一致させる ことができます。トラッキングデータを読み込むには、トラッキングビヘイビアの HUD また は「インスペクタ」で、トラッキングビヘイビアのポップアップメニューからトラックを選択 します。 参考: 「スタビライズ解除」ビヘイビアは、ほぼすべてのオブジェクトタイプに適用すること ができます。 第 2 章 モーショントラッキング 53 「シェイプ」の「ポイントをトラック」ビヘイビア 「ポイントをトラック」ビヘイビアは、 「シェイプ」ビヘイビアのサブカテゴリの1 つであり、以 下を実行することができます: Â シェイプまたはマスク(ペイントストロークを含む)のコントロールポイントを、ソースク リップの参照特性にトラッキングする。たとえば、クリップ内の車の周りにマスクを描画し、 背景から車を分離しながら、移動する車にマスクのコントロールポイントをトラッキングする ことができます。さらに、エフェクトを切り離した車だけに適用し、周りのイメージにはエ フェクトを適用しないようにすることも可能です。 Â 「動きを分析」トラッキングビヘイビア、「マッチムーブ」トラッキングビヘイビア、または 「スタビライズ」トラッキングビヘイビアによって記録された既存のトラッキングデータを、 シェイプまたはマスクのコントロールポイントに適用する。 参考: 「ポイントをトラック」ビヘイビアを適用することができるのは、シェイプ(ペイントス トロークを含む)とマスクのみです。 「トラック」パラメータビヘイビア 「トラック」パラメータビヘイビアは、パラメータビヘイビアのサブカテゴリの 1 つであり、フィ ルタのパラメータ( 「ブラー(円) 」フィルタの「中心」パラメータなど)を、クリップの参照特 性にトラッキングすることができます。 トラッキングデータは、以下の2 通りの方法で取得することができます: Â 「トラック」パラメータビヘイビアをフィルタの位置パラメータに追加すると、ビヘイビア内 部からクリップが分析され、記録されたデータが位置パラメータに適用されます。 Â 別のトラッキングビヘイビアのトラッキングデータを、「トラック」パラメータビヘイビアで 参照することができます。参照されたビヘイビアの記録されたデータが位置パラメータに適用 されます。 参考: 「トラック」パラメータビヘイビアは、フィルタの位置パラメータでの使用を目的として います。 「モーショントラッキング」のワークフロー 以下のセクションでは、モーション・トラッキング・ビヘイビアを使用してトラックを生成する のに必要な手順について一般的な概要を説明します。後続のセクションでは、パラメータの詳細 を説明します。 微調整を行わない 1 パスでのトラッキングでは、ほとんどの場合、完璧な結果を得ることはでき ません。各種トラッキング方法の詳細およびヒントについては、82ページの「効果的なトラッ キングを行うための方法」を参照してください。 54 第2 章 モーショントラッキング 重要:トラッキング分析は、「スタビライズ」ビヘイビアの自動分析モードを除き、全ワークフ ローで現在の再生ヘッド位置から開始されます。トラッキング領域を定義するには、トラッキン グされたクリップに対して「アウト」点を設定します。 「アウト」点を設定するには、現在のフ レームに再生ヘッドを配置し、クリップを選択してから、 「マーク」>「再生範囲のアウト点に 。 マークをつける」と選択します(またはコマンド+Option +O キーを押します) 「モーショントラッキング」の一般的なワークフロー(「動きを分析」を使用) このセクションでは、「モーショントラッキング」の大半のビヘイビアに共通するトラッキング ワークフローについて一般的な概要を説明します。この例では、 「動きを分析」ビヘイビアを使 用します。 「動きを分析」ビヘイビアは、クリップのトラッキング情報を分析して保存します。このビヘイ ビアでは、トラッキングされたオブジェクトの変形は行われません。このデータは、他のトラッ キングビヘイビアによる参照が可能です。 「動きを分析」パラメータについては、 9 9 ページの「「動きを分析」のコントロール」を参照し てください。 「動きを分析」ビヘイビアを使用してクリップのトラックを生成するには: 1 「レイヤー」リスト、「タイムライン」、またはキャンバスで、トラッキングするフッテージを選 択し、ツールバーの「ビヘイビアを追加」アイコンをクリックして、ポップアップメニューから 「モーショントラッキング」>「動きを分析」と選択します。 参考:または、フッテージを選択して「ライブラリ」でビヘイビアを選択し、 「ライブラリ」の プレビュー領域にある「適用」ボタンをクリックするか、ビヘイビアを「ライブラリ」からフッ テージにドラッグします。 第 2 章 モーショントラッキング 55 トラックがフッテージに追加されます。デフォルトでは、キャンバスの中央にトラックが1 つ表 示されます。 2 背景のクリップを何回か再生し、適切なトラックポイントを決定して、トラッキングを開始する フレームに移動します。 3 キャンバスで、使用する参照ポイントまでトラックをドラッグします。 参考:画面上のトラックの使い方については、80ページの「画面上のトラックを調整する」を 参照してください。適切なトラッキング参照ポイントを選択する方法については、82ページの 「効果的なトラッキングを行うための方法」を参照してください。 「追加」ボタンをクリック 4 トラックを追加するには、「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 します。 新しいトラックがそれぞれキャンバスの中央に追加されます。 5 追加したトラックを、使用する参照ポイントまでドラッグします。 「タイムライン」またはミニタイムラインで、ト 6 特定の範囲のフレームをトラッキングするには、 ラッキングビヘイビアの始点と終点を調整します。 7 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 「分析」ボタン トラッキング分析が開始されると、進行状況ウインドウが開き、モーションパス上のトラックポ イントがキャンバスに表示されます。現在の再生ヘッド位置にあるトラックポイントが強調表示 されます。 現在の再生ヘッド位置にある トラックポイント 56 第2 章 モーショントラッキング ビヘイビアに含まれているトラッキングキーフレームが、 「キーフレームエディタ」に表示され ます。 「動きを分析」ビヘイビアではソースオブジェクトは変形されないため、 「キーフレームエディタ」 にはトラッキングキーフレームのみが表示されます。 「マッチムーブ」ビヘイビアまたは「スタ ビライズ」ビヘイビアを使用する場合は、トラッキングキーフレームのほか、ソースオブジェク ト( 「スタビライズ」の場合)または適用先オブジェクト( 「マッチムーブ」の場合)の変形カー ブが表示されます。 Y 位置の カーブ X 位置の カーブ 「キーフレームエディタ」には、 「信頼度」のカーブも表示されます。このカーブは、トラックの 精度を、 「インスペクタ」でのパラメータ設定に相対させて視覚的に表したものです。信頼度の カーブは、編集を目的とするものではありません。 キー 8 トラッキングを停止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、Esc を押します。 ∏ ヒント:トラックが参照パターンをトラッキングできていないと思われる場合も、即座には 「停止」ボタンをクリックしないでください。 そのまま数秒間分析を続けます。失敗した場合 は、トラッキングできなくなったフレームに再生ヘッドがジャンプします。 第 2 章 モーショントラッキング 57 「動きを分析」ビヘイビアに含まれている分析済みのトラックを、別のトラッキングビヘイビア に(別のトラッキングビヘイビアのHUD または「インスペクタ」にあるポップアップメニュー を使用して)読み込むことができるようになります。 「マッチムーブ」のHUD に表示される トラッキングビヘイビアのポップアップ メニュー 参考: 「スタビライズ」ビヘイビアで読み込むことができるのは、ほかの「スタビライズ」ビヘ イビアのトラックのみです。 データをビヘイビアに読み込む 「マッチムーブ」ビヘイビア、「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビライズ解除」ビヘ イビアを適用したときに、プロジェクトにフッテージまたはアニメーションオブジェクトが含 まれている場合、「レイヤー」リストのビヘイビアの下にある最も近いフッテージまたはアニ メーションオブジェクトが自動的にビヘイビアに適用され、ビヘイビアの「ソース」ウェルに 表示されます。このデータは、トラッキング分析が完了するか、トラッキングビヘイビアの ポップアップメニューから別のトラックを選択すると上書きされます。 アニメーションオブジェクトやトラッキングデータは、以下の 4 通りの方法でトラッキングビ ヘイビアに割り当てることができます: Â トラッキングビヘイビアのポップアップメニューから別のトラッキングビヘイビアを選択 する。 または「インスペクタ」の Â トラッキングビヘイビアまたはフッテージオブジェクトを、HUD 「ビヘイビア」タブにある「ソース」ウェルにドラッグする。 Â アニメーションオブジェクトを、H UD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブにある 「ソース」ウェルにドラッグする。参照されたアニメーションオブジェクトが、現在のビヘ イビアのソースとして適用されます。このオプションが適用されるのは、 「マッチムーブ」ビ ヘイビアと「ポイントをトラック」ビヘイビアのみです。 Â トラッキングビヘイビアまたはフッテージオブジェクトを、「レイヤー」リストの現在のト ラッキングビヘイビアに直接ドラッグする。参照されたトラッキングビヘイビアまたはフッ テージオブジェクトが、現在のビヘイビアのソースとして割り当てられます。 参考: 「ソース」ウェルを消去するには、項目をウェルの外までドラッグして、マウスボタン を放します。 「マッチムーブ」のワークフロー このセクションでは、4 コーナー固定をはじめとするいくつかの「マッチムーブ」ビヘイビアの ワークフローについて一般的な概要を説明します。 「マッチムーブ」パラメータについては、 100ページの「「マッチムーブ」のコントロール」を参照してください。 58 第2 章 モーショントラッキング 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用するには、プロジェクトに最低 2 つのオブジェクト(背景/ ソース要素、前景/適用先オブジェクト)が含まれている必要があります。ソースオブジェクト は、アニメーションオブジェクトまたは記録済みトラックとしての動きを提供します。ソースオ ブジェクトの動きは、適用先オブジェクトに適用されます。 「マッチムーブ」を使用して背景要素をトラッキングする 「マッチムーブ」ビヘイビアは、前景要素に適用され、背景要素の特性をトラッキングします。こ のデータは、前景要素に適用されるため、前景要素が背景のクリップのトラッキングされた特性 の動きと「一致」します。 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用して前景オブジェクトの「動きを合わせる」には: 1 背景のクリップを何回か再生して、適切なトラックポイントを決定します。 2 「マッチムーブ」ビヘイビアを前景要素に適用します。 トラック(「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブにある「アンカー」チェックボックス)が 1 つ有効化されます。この「アンカー」トラックによって、位置データが記録されます。 3 2 ポイント・トラッキングまたは 4 ポイント・トラッキング用にトラックを追加で有効化する必要 があるかどうかを決定します。 Â 2 ポイント・トラッキングの場合は、 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「回転の調整」 チェックボックス(「アンカー」チェックボックスの下)を選択します。 Â 4 ポイント・トラッキングの場合は、 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「タイプ」ポッ 「マッチムーブ」を使用して 4 コーナー プアップから「四隅の角」を選択して、6 3ページの「 固定する」に進みます。 4 トラックを開始するフレームに移動します。 5 キャンバスで、トラック(複数可)を、トラッキングしたいポイント(複数可)までドラッグします。 キャンバスでトラックをドラッグすると、トラックの周りの領域が拡大されます。これにより、 適切な参照パターンを簡単に見つることができます。 前景要素は、パーティクルエミッタ(赤い花の放出) です。 キャンバスでトラックポイントをドラッグすると、 トラックの周りの領域が拡大されます。 6 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 前景要素が背景要素にトラッキングされます。 第 2 章 モーショントラッキング 59 7 2 ポイント・トラッキングを使用する場合は、(「調整」行にある)「位置」ボタン、「調整」ボタ ン、または「回転」ボタンのオン/オフを切り替えて、トラッキングパラメータを追加(または 削除)します。 次の例では、「ビヘイビア」タブの「調整」行で「位置」のみが有効になっています。そのため、 白い楕円形のシェイプについては、 2 つのトラックの位置に基づく調整、回転の変更は行われま せん。 次の例では、 「ビヘイビア」タブの「調整」行で「位置」 、 「調整」 、およびI「 回転」が有効になっ ています。このため、2 つのトラックの位置に基づいて、白い楕円形シェイプの位置、調整、お よび回転が変更されます。ただし、シェイプがピクチャフレームに物理的に吸着されているとい う錯覚は維持されたままです。 参考:4 ポイント・トラッキングを使用する場合は、コーナー固定されたオブジェクトに調整お よび回転が自動的に適用されます。 「マッチムーブ」を使用してアニメーションデータをプロジェクト要素に適用する 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用すると、トラッキング分析をまったく行わずに、ソースオブ ジェクトのアニメーションを即座に適用先オブジェクトに適用することができます。ソースオブ ジェクトは、ビヘイビアまたはキーフレームによってアニメーション表示することができます。 次の例では、モーションパス上にアニメーション表示された「魔法の杖」 (矩形のシェイプで構 成)を使用します。杖のアニメーションにパーティクルエミッタが追随するようになっており、 杖の先から幻想的なきらめきが飛び出します。 60 第2 章 モーショントラッキング ソースオブジェクトの変形を適用先オブジェクトに適用するには: 1 「マッチムーブ」ビヘイビアをプロジェクトの要素に適用します。 この例では、 「マッチムーブ」ビヘイビアが非アニメーションのパーティクルエミッタに適用さ れています。 「マッチムーブ」ビヘイビア 「レイヤー」リストの「マッチムーブ」の下にある最も近いアニメーションデータ(キーフレー ムやビヘイビアによる位置または回転の変更など)が自動的にソースとして適用され、 「ソース」 ウェルに表示されます。この例では、アニメーション表示された杖がソースアニメーションとな ります。 「ソース」ウェル 重要:アニメーションオブジェクト、ビヘイビア、およびフッテージは、 「ソース」ウェルにド ロップすることができます。 「タイプ」パラメータが「変形」に設定されているこ 2 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 とを確認します。 3 「マッチムーブ」ビヘイビアが適用されたオブジェクトを、キャンバス内の任意の位置に配置し ます。 第 2 章 モーショントラッキング 61 この例では、パーティクルエミッタが杖の先に配置されています。 これで、パーティクルエミッタと杖が同じアニメーションパスを共有するようになりました。 4 プロジェクトを再生します。 パーティクルが杖の動きに一致します。 62 第2 章 モーショントラッキング 適用先オブジェクトのアニメーションについて 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用すると、オブジェクトのアニメーション(ソースオブジェ クト)を別のオブジェクト(適用先オブジェクト) に即座に適用することができます。ソース オブジェクトは、ビヘイビアまたはキーフレームによってアニメーション表示することができ ます。同様に、適用先オブジェクトもアニメーション表示することができます。 適用先オブジェクトのアニメーションをマッチムーブで無視するのか、マッチムーブに追加す るのかを指定することができます。このためには、適用先オブジェクトの「ビヘイビア」タブ で、 「変形」ポップアップメニューからオプションを選択します。 「変形」ポップアップメニューから「ソースに吸着」を選択すると、適用先オブジェクトのあ らゆるアニメーションが無視され、適用先オブジェクトはソースオブジェクトのアニメーショ ンにロックされます。 「ソースに合わせる」を選択すると、適用先オブジェクトのあらゆるア ニメーションが、 (フレーム 0 から始まる)ソースオブジェクトのアニメーションに追加され ます。 「ソースに吸着」および「ソースに合わせる」については、 1 00ページの「「マッチムー ブ」のコントロール」を参照してください。 「マッチムーブ」を使用して4 コーナー固定する 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用すると、背景のクリップの 4 つのポイントをトラッキングし て、その動きを前景要素の 4 つのコーナーに適用することができます。 4 コーナー固定には、 2 通りのワークフローがあります。最初の例では、4 コーナーのトラックによって、前景要素が背 景要素に固定されます。2 つ目の例では、4 コーナーのトラックを使用する前に、前景要素をコー ナーに固定します。 参考:「動きを分析」ビヘイビアや「スタビライズ」ビヘイビアでも 4 ポイント・トラッキング を実行することができます。詳細については、71ページの「マッチムーブ以外の 4 ポイント・ トラックをコーナー固定に使用する」を参照してください。 グループをコーナー固定する際には、特別な考慮事項が必要となります。詳細については、 97 ページの「トラッキングおよびグループ」を参照してください。 オプション 1:固定されたイメージを参照ポイントにロックする このワークフローは、変形または「固定」されたイメージが、トラッキング対象となる背景の 「フレーム」(または参照パターン)と同じサイズである場合の 4 コーナー固定に適しています。 次の例では、前景のイメージをピクチャフレームの背景のクリップに固定します。 4 つのトラックを使用してイメージをトラッキングするには: 1 再生ヘッドを、トラックを開始するフレームまでドラッグし、「マッチムーブ」ビヘイビアを前 景要素に適用します。 第 2 章 モーショントラッキング 63 2 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「タイプ」ポップアップメニューから「四隅の角」を 選択します。 「四隅の角」オプションは使用で 参考: 「マッチムーブ」が3D グループに適用されている場合、 きません。3 D グループをコーナー固定するには、「インスペクタ」の「グループ」タブで、「平 坦化」チェックボックスを選択します。 キャンバスの前景オブジェクトの各コーナーにトラックが表示されます。 「インスペクタ」のデ フォルトのトラックリスト(「アンカー」および「回転の調整」)が、「左上」 、 「右上」、 「右下」、 および「左下」の各トラックで置き換えられます。 3 キャンバスで、各トラックを、背景要素の「コーナー」までドラッグします(この例では、ピク 。 チャフレームのコーナーが 4 コーナートラックポイントとなります) 「動きを分析」のトラックと同様、トラックをドラッグすると、キャンバスに拡大画面が表示さ れます。 4 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 64 第2 章 モーショントラッキング 前景要素が背景要素上で「固定」されます。 参考:この例では、トラッキングされたイメージを複製して変形したコピーを使用して、テーブ ル上に反映されています。 トラックを微調整するには、前景要素を微調整(調整、回転の変更など)しなければならないこ とがあります。「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「変形」ポップアップメニューからデ フォルトの「ソースに吸着」オプションを選択した場合、トラッキングされたオブジェクトを変 形することはできません。トラッキングされたオブジェクトを変形するには、 「変形」ポップアッ プメニューから「ソースに合わせる」を選択します。 5 トラッキングデータを適用した後で前景要素を変形するには、「インスペクタ」の「ビヘイビア」 タブで、 「変形」ポップアップメニューから「ソースに合わせる」を選択し、さらに「インスペ クタ」の「情報」タブで調整を行います。 「ソースに合わせる」変形オプションおよび「ソースに吸着」変形オプションについては、100 ペー ジの「「マッチムーブ」のコントロール」を参照してください。 オプション 2:トラッキングの前にオブジェクトをコーナー固定する このワークフローでは、 「情報」タブの「四隅の角」パラメータを使用して、 「マッチムーブ」ビ ヘイビアを適用する前に、前景オブジェクトを背景のピクチャフレームに固定します。 要素の4 つのコーナーを調整して要素をコーナー固定するには: 1 コーナー固定する前景要素を選択します。 第 2 章 モーショントラッキング 65 2 ツールバーで、選択/変形ツールから四隅の角ツールを選択します。 四隅の角ツール 3 前景要素の各コーナーを適切な位置までドラッグします。 キャンバスでコーナーをドラッグすると、 「情報」タブの「四隅の角」チェックボックスが選択 されます。 ∏ ヒント:前景オブジェクトの不透明度をさらに低くして、背景のクリップ上の参照ポイントを よく見えるようにすることもできます。また、スナップを無効にして、調整中のイメージを キャンバスのガイドラインにスナップされないようにすることもできます。 4 トラックを開始するフレームに移動し、「マッチムーブ」ビヘイビアを前景要素に適用します。 「タイプ」ポップアップメニューから「四隅の角」を 5 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 選択します。 66 第2 章 モーショントラッキング キャンバスの前景オブジェクトの各コーナーにトラックが表示されます。 「インスペクタ」のデ フォルトのトラックリスト(「アンカー」および「回転の調整」)が、「左上」 、 「右上」、 「右下」、 および「左下」の各トラックで置き換えられます。 6 必要に応じて、キャンバスの各トラックをドラッグし、「インスペクタ」の「トラックのプレ ビュー」で位置を微調整します。 重要:前景のイメージのシェイプを変更せずにトラックを微調整またはオフセットするには、 「変 形」ポップアップメニューから「ソースに合わせる」を選択します。 7 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 前景要素が背景要素上で「固定」されます。 オプション 3:コーナーを固定する前にオブジェクトを変形する このワークフローでは、 「情報」タブにある「縮小/拡大」、 「回転」、および「位置」の各パラ メータを使用して、 「マッチムーブ」ビヘイビアを適用する前に、前景オブジェクトを背景のピ クチャフレームに合うように変形します。 イメージを変形してコーナー固定するには: 1 コーナー固定する前景要素を選択します。 第 2 章 モーショントラッキング 67 2 画面上の変形コントロールまたは「インスペクタ」の「情報」タブを使用して、前景要素の縮小 /拡大、位置、または回転を、「フレーム」に合うように調整します。 3 トラックを開始するフレームに移動し、「マッチムーブ」ビヘイビアを変形された要素に適用し ます。 4 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「タイプ」ポップアップメニューから「四隅の角」を 選択します。 5 以下のいずれかの操作を行います: Â 前景のイメージに影響を及ぼすことなくトラックを調整するには、「変形」ポップアップメ ニューから「ソースに合わせる」を選択し、トラックを参照パターン上に配置します(この例 の場合はピクチャフレームの内側の 4 つのコーナー)。 Â トラックを調整して前景のイメージに反映させるには、「変形」ポップアップメニューから 「ソースに吸着」を選択し、トラックを参照パターン上に配置します。 6 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 前景要素が背景要素上で「固定」されます。このワークフローでは理想的な結果が得られない場 合があるため(たとえば、前景要素を背景のイメージに合うように適切に縮小/拡大または移動 できないなど)、前景のイメージへのマスクの適用や前景のイメージのクロップが必要となるこ とがあります。 68 第2 章 モーショントラッキング マスクとトラッキング トラッキングデータが適用されたオブジェクトにマスクを追加すると、データが自動的にマス クに適用されます。以下のイメージでは、前景のイメージが背景のクリップ上の4 つのポイン トにトラッキングされていますが、さらに(イメージを不均等に調整することなく)ピクチャ フレームに合うようにマスクを適用する必要があります。 変形/トラッキングされた前景要素 変形/トラッキングされ、マスクが 適用された要素 前景のイメージにはマスクが追加されていますが、時間の経過と共にマスクの位置および調整 の変更をアニメーション表示して、背景のクリップに変更点を反映しなければならない場合も あるでしょう。 参考:マスクを使用する代わりに、 「インスペクタ」の「情報」タブにある「クロップ」コン トロールを使用して、トラッキングデータが適用されたオブジェクトをクロップすることもで きます。 マスクのコントロールポイントをクリップにトラッキングしたり、既存のトラッキングデータ をマスクのコントロールポイントに適用したりすることができます。詳細については、76 ペー ジの「 「ポイントをトラック」のワークフロー」を参照してください。 第 2 章 モーショントラッキング 69 4 コーナー固定をオフセットする ソースフッテージによっては、前景要素の最終「固定」サイズからオフセットされた参照ポイン トを使用して、要素をコーナー固定しなければならない場合があります。このためには、 「ソー スに合わせる」オプションを使用して、トラックをオフセットします。次の例では、トラッキン グ対象の参照パターンが、コーナーではなく、フレームの内側に配置されています。 コーナー固定されたイメージの最終的な トラッキング参照ポイントが サイズがオレンジ色のアウトラインで 視覚的に示されています。 オレンジ色の円で囲われています。 トラック参照ポイントがフレームの内側のエッジと重なっていないため、 4 つのトラックからイ メージをオフセットする必要があります。そうしないと、コーナー固定された最終的なイメージ が小さすぎてしまいます。 70 第2 章 モーショントラッキング 次の例は、前景のイメージに影響を及ぼさずにトラックをオフセットする方法を示しています。 前景のイメージからオフセットされた参照ポイントをトラッキングするには: 1 上記のワークフローのいずれかを参照し、 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用して4 コーナー固定 を設定します。 2 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「変形」ポップアップメニューから「ソースに合わせ る」を選択します。 3 キャンバスで、オフセットされた参照ポイントまでトラックをドラッグします。 イメージは影響を受けず、元の位置にロックされたままです。 4 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 前景要素が背景要素上で「固定」されます。 マッチムーブ以外の4 ポイント・トラックをコーナー固定に使用する このセクションでは、 「動きを分析」ビヘイビアの 4 ポイント・トラックを参照する追加の4 コー ナー固定のワークフローについて説明します。 参考:このワークフローは、「スタビライズ」ビヘイビアを使用して実行することもできます。 第 2 章 モーショントラッキング 71 「動きを分析」を使用して 4 ポイント・トラッキングを記録するには: 1 トラックを開始するフレームに移動し、「動きを分析」ビヘイビアを背景要素に適用します。 デフォルトでは、キャンバスにトラックが1 つ表示されます。 「動きを分析」および「スタビライズ」の 4 ポイント操作では、左上コーナーから時計回りにト ラックを配置する必要があります。これにより、変形を適用した際、要素が適切に配置されます。 トラック 1 トラック2 トラック 3 トラック 4 2 トラック(トラック1)を、背景要素の左上コーナーの目的の参照パターンまでドラッグします。 3 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「追加」をクリックして 2 番目のトラックを追加し、 追加したトラック(トラック2)を背景要素の右上コーナーの目的の参照パターンまでドラッグ します。 4 3 番目のトラック(トラック3)を追加し、それを背景要素の右下コーナーの目的の参照パターン までドラッグします。 5 4 番目のトラック(トラック4)を追加し、それを背景要素の左下コーナーの目的の参照パターン までドラッグします。 6 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 トラックが生成され、データがビヘイビアに保存されます。 参考:後で使用する場合に備えて、トラッキングビヘイビアを「ライブラリ」に保存することが できます。 記録された 4 ポイント・トラッキングを前景要素に適用するには: 1 「マッチムーブ」ビヘイビアを、コーナー固定する前景要素に適用します。 2 「動きを分析」のデータが自動的に適用されない場合は、トラッキングビヘイビアのポップアッ プメニューから、 「動きを分析」の既存の4 ポイント・トラックを選択します。 「タイプ」ポップアップメニューから「四 3 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 隅の角」を選択します。 4 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 「動きを分析」ビヘイビアの 4 ポイント・トラッキングデータが前景要素に適用されます。 参考: 「マッチムーブ」ビヘイビアを 4 ポイント・トラッキングで使用する場合、 「インスペク タ」の「ビヘイビア」タブで「タイプ」ポップアップメニューから「四隅の角」を選択すると、 トラックが正しい順番で自動的にキャンバスに配置されます。 72 第2 章 モーショントラッキング 「スタビライズ」のワークフロー このセクションでは、「スタビライズ」トラッキングビヘイビアを使用して、ムービーまたはイ メージシーケンスをスタビライズする方法の一般的な概要を説明します。 「スタビライズ」パラ メータについては、 1 05ページの「「スタビライズ」のコントロール」を参照してください。 「スタビライズ」ビヘイビアを使用する場合、以下の 3 通りの方法でクリップを分析することが できます: Â クリップのフレーム全体を即座に評価し、アニメーションデータを画面上のトラックを使用せ ずに抽出するデフォルトの高度なモーション分析テクニックを使用する。 Â キャンバス内の参照パターン(ピクセルの小さなグループ)を分析する画面上のトラックを使 用する。 「マッチモード」ビヘイビアおよび「動きを分析」ビヘイビアで使用されるトラック と同じものです。 Â 高度なモーション分析と画面上のトラックを組み合わせて使用する。 重要:「スタビライズ」ビヘイビアでの画面上のトラックの使い方については、9 3ページの「ト ラックをスタビライズに追加する」を参照してください。 これらを確認したら、2 つの方法で適用できます。クリップをスムーズにして、カメラの一般的 な動きを維持したまま不要なジッタを取り除くか、または、クリップをロックして対象物をスタ ビライズします。スムージングは、変換、回転、または調整に影響を及ぼすことができるため、 特定の操作においては、ほかのトラッキングビヘイビアよりも柔軟性が増します。 「スタビライズ」ビヘイビアは、主に、クレーンやジブアームの不安定な動きから不要な揺れを 取り除いたり、歩きながらの撮影から手ぶれを除去したり、自動撮影時の振動を少なくしたりす る場合に便利です。 参考: 「スタビライズ」ビヘイビアの利便性と同様に、ショット内の対象物を正しくスムージン グまたはロックしても、イメージ内のモーションブラーがそのまま残る点に注意してください。 これがコンポジット方法に影響するかどうかは、場合によります。 「スタビライズ」ビヘイビアを使用してクリップをスタビライズするには: 1 「スタビライズ」ビヘイビアを、スタビライズするクリップに適用します。 参考:ほかのビヘイビアのワークフローとは異なり、 「スタビライズ」ビヘイビアの自動モード を使用すると、現在の再生ヘッド位置からではなく、クリップ全体が分析されます。 2 分析のオプションを設定します: a HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「方法」ポップアップメニューからオ プションを選択します: Â カメラの振動などの問題を取り除くには、「スタビライズ」を選択してイメージをロックダ ウンします。 Â クリップでのカメラの動きをスムーズにするには、「スムーズ」を選択します。 第 2 章 モーショントラッキング 73 b「枠線」ポップアップメニューからオプションを選択します: Â スタビライズされたフッテージのサイズを維持するには、「標準」を選択します。スタビラ イズされたイメージが変形されると、動きを伴う黒の枠線がクリップのエッジの周りに表示 される場合があります。 標準の枠線では、スタビライズされたクリップの サイズは維持されますが、クリップのエッジの周りに 黒い枠線が作成されます。 参考:黒い枠線の修正方法については、9 5 ページの「スタビライズによって生じた黒い枠線 を取り除く」を参照してください。 Â クリップをキャンバスの最大サイズまで拡大するには、「ズーム」を選択します。「ズーム」 を選択すると、スタビライズされたクリップのエッジの周りに黒い枠線が表示されなくなり ます。 拡大された枠線では、スタビライズされたクリップが 調整されるため、クリップがキャンバスのエッジから 動くことはありません。 c 「方向」ポップアップメニューからオプションを選択します: Â スタビライズされた変形を X およびY 次元に適用するには、「水平と垂直」を選択します。 Â スタビライズされた変形を X 次元に適用するには「 水平」を選択します。 Â スタビライズされた変形を Y 次元に適用するには、「垂直」を選択します。 74 第2 章 モーショントラッキング d「調整」オプションを有効または無効にします: Â 分析された位置データをクリップに適用するには、「位置」をオンにします。 Â 分析されたスケールデータをクリップに適用するには、「調整」をオンにします。 参考: 「調整」オプションは、 「枠線」ポップアップメニューの「ズーム」オプションには関連 しません。 参考: 「方法」 、 「枠線」、 「方向」 、および「調整」の各パラメータは、クリップを分析する前でも、 分析した後でも変更可能です。 3 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 参考:クリップは、定義されたパラメータに従ってスタビライズされます。 「Motion」のトラッ クとは異なり、デフォルトの「スタビライズ」分析では、 「キーフレームエディタ」にキーフレー ムは作成されません。ただし、スタビライズされたオブジェクトの変形は、キーフレームに変換 することができます。詳細については、8 4ページの「トラックをキーフレームに変換する」を 参照してください。 スタビライズに関連する問題を修正する方法については、93ページの「スタビライズエフェク トのトラブルシューティング」を参照してください。 参考:ビヘイビアが適用された大部分のオブジェクトと同様、スタビライズされたオブジェクト を選択すると、変形によって作成されたアニメーションパスがキャンバスに表示されます。 「スタビライズ解除」のワークフロー このセクションでは、「スタビライズ解除」ビヘイビアを使用して、カメラの振動や動きを終了 したクリップに再適用する方法の一般的な概要を説明します。 「スタビライズ解除」ビヘイビアは単機能で、別のトラッキングビヘイビア( 「スタビライズ」な ど)によって記録された動きをクリップやオブジェクトに適用します。これにより、背景のク リップのカメラの動きを前景要素に一致させたり、スタビライズされたクリップをスタビライズ 解除したりすることができます。 参考: 「スタビライズ解除」ビヘイビアを使用するためには、プロジェクトに記録されたモーショ ンデータを持つトラッキングビヘイビアが含まれている必要があります。 「スタビライズ解除」ビヘイビアを使用するには: 1 スタビライズ解除するオブジェクトを選択し、ツールバーの「ビヘイビアを追加」アイコンをク リックして、ポップアップメニューから「モーショントラッキング」>「スタビライズ解除」と 選択します。 2 以下のいずれかの操作を行います: Â HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、ポップアップメニューからトラッキ ングビヘイビアを選択します。 Â 分析済みのトラッキングビヘイビアを、 H UD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブ にある「ソース」ウェルにドラッグします。 動きが適用先オブジェクトに適用されます。 第 2 章 モーショントラッキング 75 「ポイントをトラック」のワークフロー 「ポイントをトラック」ビヘイビアは、シェイプおよびマスクでの使用を目的としています。 「ポ イントをトラック」ビヘイビアは、以下の方法で使用することができます: Â シェイプまたはマスクのコントロールポイントをクリップにトラッキングする。 Â 別のトラッキング分析からのトラッキングデータをシェイプまたはマスクのコントロールポ イントに適用する。 Â オブジェクトのアニメーションをシェイプまたはマスクのコントロールポイントに適用する。 参考:分析されたオブジェクトの動きを、 (シェイプのコントロールポイントではなく)シェイ プまたはマスク全体に適用するには、「マッチムーブ」ビヘイビアを使用します。 「ポイントをトラック」パラメータについては、1 09ページの「 「ポイントをトラック」のコント ロール」を参照してください。 コントロールポイントをクリップにトラッキングする このセクションでは、「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用して、シェイプまたはマスクの 頂点をクリップにトラッキングする方法の一般的な概要を説明します。 「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用してシェイプまたはマスクをトラッキングするには: 1 トラッキングするシェイプまたはマスクを選択し、ツールバーの「ビヘイビアを追加」アイコン をクリックして、ポップアップメニューから「シェイプ」>「ポイントをトラック」と選択します。 ビヘイビアがシェイプに追加され、シェイプ上の各コントロールポイントにトラックが表示され ます。トラックの順番は、シェイプを描画したときの順番と同じで、コントロールポイント1 が トラック1、コントロールポイント2 がトラック2、などとなります。 参考:トラックは、無効なシェイプのコントロールポイントには追加されません。 「ポイントを トラック」ビヘイビアをシェイプに適用しておけば、任意でコントロールポイントを有効にした り、無効にしたりすることができます。シェイプのコントロールポイントを使用した作業につい ては、「Motion 3 ユーザーズマニュアル」の第12 章「シェイプおよびマスクを使う」を参照し てください。 この例では、 「ポイントをトラック」ビヘイビアが、クリップ内で車の分離に使用されている 7 つのコントロールポイントで構成された大まかなマスクに適用されています。 76 第2 章 モーショントラッキング 参考:ペイントストロークには通常、大量のコントロールポイントが含まれている点に留意して ください。「ポイントをトラック」ビヘイビアをストロークに適用する前に、コントロールポイ ントを削除するか無効にして、ペイントストロークを単純にする必要があります。コントロール ポイントではなく、ストローク全体をトラッキングするには、 「マッチムーブ」ビヘイビアを使 用します。 2 トラックをそれぞれの参照パターンまでドラックします。 ドラッグすると、トラック周囲の領域が拡大表示されます。 3 トラックを無効にするには、「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、該当するチェックボッ クスを選択解除します。 参考:関連付けられたトラックを持たないコントロールポイントは変更されません。 4 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 マスクのコントロールポイントが参照パターンにトラッキングされます。この例では、移動する 車にマスクが適用され、車が分離された状態になっています。さらに、ブラーおよびサチュレー ション低下のエフェクトが、車に影響を及ぼすことなく、背景に適用されています。 変更前の元のクリップ トラッキングされたマスクにより、ショット内で車が 分離されています。これにより、個々のエフェクトを 車と背景に適用することができます。 参考:すべてのビヘイビアと同様、 「ポイントをトラック」ビヘイビアも「レイヤー」リストの 新しいシェイプにドラッグまたはコピー( Option キーを押したままドラッグ)できます。ビヘ イビアを新しいシェイプに適用すると、ビヘイビアはリセットされます。 第 2 章 モーショントラッキング 77 オブジェクトをアニメーションソースとして使用する このセクションでは、「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用して、オブジェクトのアニメー ションをシェイプまたはマスクの頂点に適用する方法の一般的な概要を説明します。このワーク フローの場合、使用するプロジェクトに、キーフレームまたはビヘイビアでアニメーション表示 されたオブジェクトが含まれている必要があります。 オブジェクトのアニメーションをシェイプまたはマスクのコントロールポイントに適用するには: 1 「ポイントをトラック」ビヘイビアを、 アニメーション表示するオブジェクトに適用します。 「レイヤー」リスト内、 「ポイントをトラック」ビヘイビアが適用されたオブジェクトの下にアニ メーションオブジェクトが存在する場合は、下位オブジェクトのアニメーションが、H UD およ び「インスペクタ」の「ソース」ウェルでの表示どおりに、自動的に「ポイントをトラック」ビ ヘイビアに適用されます。 この例では、 「ポイントをトラック」ビヘイビアが「ベジェ」シェイプに適用されています。ま た、ソースアニメーションとして使用されるラインが「スピン」ビヘイビアでアニメーション表 示されています。 ソースオブジェクト 「ポイントをトラック」ビヘイビアが適用された 「ベジェ」シェイプ HUD の「ソース」ウェルには、参照された ソースオブジェクトが表示されます。 参考:別のアニメーションオブジェクトを参照するには、そのオブジェクトを「ポイントをト ラック」ビヘイビアの「ソース」ウェルまでドラッグするか、 「レイヤー」リストのビヘイビア に直接ドラッグします。 ラインのスピンアニメーションを「ベジェ」シェイプに適用します。接線は、シェイプに沿って、 元のアングルで揃えられたままです。 2 ソースオブジェクトの変形に合わせて接線を揃えるには、「インスペクタ」の「ビヘイビア」タ ブで、「接線を揃える」チェックボックスを選択します。 78 第2 章 モーショントラッキング 頂点の接線はソースオブジェクトの変形と一致しているため、 「ベジェ」シェイプでは形状が変 更されます。 参考:デフォルトでは、 「変形」ポップアップメニューの「ソースに吸着」が選択されています。 「変形」ポップアップメニューについては、1 09 ページの「「ポイントをトラック」のコントロー ル」を参照してください。 「トラック」(パラメータ)のワークフロー パラメータビヘイビアの「トラック」を使用すると、フィルタの位置パラメータをクリップの参 照特性にトラッキングしたり、既存のトラッキングデータをフィルタの位置パラメータに適用し たりすることができます。たとえば、 「光線」フィルタの中心を、クリップ内を移動する光にト ラッキングすることができます。 参考:このビヘイビアは、「スクレイプ」、 「リング状ワープ」、 「光線」、 「スリットトンネル」な どの位置パラメータが指定されているフィルタにのみ適用できます。 パラメータビヘイビアの「トラック」については、110 ページの「 「トラック」パラメータビヘイ ビアのコントロール」を参照してください。 パラメータビヘイビアの「トラック」を使用するには: 1 キャンバスで、フィルタの中心点を参照パターン上に配置します。 この例では、ブラーの中心点が車のナンバープレート上に配置されています。 画面上のコントロールを使用して、 フィルタの中心点をトラッキング参照 パターン上に配置します。 参考:フィルタの画面上のコントロールを使用するには、 「レイヤー」リストでフィルタを選択 し、ツールバーの選択/変形ツールから項目を調整するツールを選択します。フィルタの使い方 については、 「Motion 3ユーザーズマニュアル」 の第10 章 「フィルタを使う」 を参照してください。 第 2 章 モーショントラッキング 79 2 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、Control キーを押したまま「中心」パラメータをク リックして、ショートカットメニューから「トラック」を選択します。 キャンバスに表示されているフィルタの画面上のコントロールがトラックに置き換えられます。 「ビヘイビア」タブが有効になり、「トラック」ビヘイビアのパラメータが表示されます。 参考: 「フィルタ」タブの「中心」パラメータの横にビヘイビア・アイコンが表示されます。こ れは、ビヘイビアによる影響を受けていることを示します。 必要に応じて、キャンバス内のトラックを調整します。トラッキングしたい参照パターンがフィ ルタの中心からオフセットされている場合は、 「トラックをオフセット」チェックボックスを使 用します。 「トラックをオフセット」パラメータの使い方については、9 1ページの「隠れたポイ ントまたはフレーム外のポイントをトラッキングする」を参照してください。 3 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「分析」ボタンをクリックします。 フィルタの中心がクリップにトラッキングされます。 参考:分析が終了すると、フィルタパラメータに変更を加えることができます。 画面上のトラックを調整する 「動きを分析」ビヘイビア、 「スタビライズ」ビヘイビア、および「マッチムーブ」ビヘイビアは、 共通する画面上のインターフェイスを共有しています。 トラックは、「トラック」という単一の画面上のコントロールで構成されています。 画面上のトラックのデフォルトの色は黄色です。対象物の色によっては、トラックの色を変更し、 キャンバス内でトラックを識別しやすくする必要があります。 トラッキング分析が開始されると、進行状況ウインドウが開き、トラックポイントがキャンバス に表示されます。トラックポイントは、キャンバスに表示される分析後のモーションパス(一連 の真珠のような外観のパス)です。現在の再生ヘッド位置にあるトラックポイントが強調表示さ れます。 80 第2 章 モーショントラッキング トラックを配置するには、以下のいずれかの操作を行います: m キャンバス内でトラックをドラッグします。 ドラッグすると、キャンバス内のトラックの周りの領域が拡大され、その位置が情報ウインドウ に表示されます。この領域は、トラックの位置を決定する際に視覚的な手助けとなりますが、検 索領域を表すものではありません。 参考:多くの相関トラックとは異なり、 「Motion」では、トラックの設定時に検索領域を手動で 指定しません。「Motion 」では、トラックポイントの周りのデフォルト領域が、サブピクセルの 精度で自動的に検索されます。 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブには、キャンバスでトラックをドラッグすると更新され る「トラックのプレビュー」領域が含まれています。 m 「トラックのプレビュー」領域をドラッグして、トラックの位置をさらに微調整します。 プレビュー領域をドラッグすると、キャンバス内のトラックも更新されます。 「トラックのプレビュー」領域の任意の場所を ドラッグして、トラックの位置を調整します。 赤のプラス記号(+)をドラッグする必要は ありません。 m 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブでトラックの開閉用三角ボタンをクリックし、「位置」コ ントロールを使用してトラックの位置を数値的に調整します。 第 2 章 モーショントラッキング 81 同時に複数のトラックを移動するには: m ドラッグして選択するか、Shift キーを押したままキャンバス内のトラックを選択して、選択した トラックを移動先の位置までドラッグします。 選択したトラックは白で表示されます。 参考:S hift キーを押したまま選択する場合は、画面上のトラックが移動してしまう危険がある ため、ドラッグして選択することをお勧めします。 画面上のトラックをオフにするには、以下のいずれかの操作を行います: m Control キーを押したままキャンバス内のトラックをクリックし、ショートカットメニューから 「選択したトラックを隠す」を選択します。 m 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、該当する「トラック」チェックボックスの選択を解 除します。 トラックをオフにすると、そのトラックは分析で使用されなくなります。 画面上のトラックをオンにするには: m 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、該当する「トラック」チェックボックスの選択します。 画面上のトラックの色を変更するには: 1 トラックを選択し、「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブをクリックします。 2 トラックの開閉用三角ボタンをクリックし、「カラー」コントロールを使用してトラックの色を 変更します。 トラックの「カラー」コントロール 効果的なトラッキングを行うための方法 ムービーやイメージシーケンスで適切なトラッキング参照特性を選択することは、正確なトラッ キングを実現する上できわめて重要です。トラッキングは、ほとんどの場合が試行錯誤です。1 つの参照パターンと 1 つの分析パスのみでトラッキングした場合、完璧な結果を得られることは ほとんどありません。成功したトラッキングの大部分は、自動トラッキングと手動トラッキング を組み合わせ、各種パラメータ設定を使用して検証を行い、クリップ内の異なる位置で参照ポイ ントをリセットしたことによるものです。 82 第2 章 モーショントラッキング 適切な参照パターンを見つける 適切な参照パターンを選択するには、まず、フッテージを何回か再生します。クリップを確認し ながら、以下の規則にできるだけ合致する参照パターンを見つけます: Â ドット、交点、コーナーなどの垂直エッジが含まれている(ラインおよび直線状の枠線はト ラッキング参照パターンには向きません)。 Â ハイコントラストパターンである。 Â ブライトネスやカラーの変化も含まれている(カラーまたはブライトネスの変化の不均等な 例:参照パターンを横切る鋭いエッジのシャドウ) 。 Â クリップのすべてのフレームに表示される(画面外に移動したり、ほかのオブジェクトによっ て隠されることがない) 。 Â クリップ内の同じ隣接領域にあるほかのパターンとは異なっている。 トラックを手動で操作する トラッキングキーフレームを手動で挿入するというテクニックもあります。たとえば、100 フレー ムをトラッキングする場合、10 フレームずつ手動でキーフレームを作成することができます。 記録ボタンを使用してトラッキングキーフレームを手動で作成するには: 1 記録を有効にします(A キーを押します)。 2 キャンバスで、トラッキングする参照ポイントにトラックを配置します。 トラッキングキーフレームがビヘイビアに作成されます。 参考:S hift +ピリオド( .)キーを押すと、1 0 フレーム分前方にジャンプすることができます。 また、S hift +カンマ(,)キーを押すと、10 フレーム分後方にジャンプすることができます。 3 トラッキングが完了するまで、手順 2 を繰り返します。 記録を有効化せずにキーフレームを手動で作成するには: 1 キャンバスで、トラッキングする参照ポイントにトラックを配置します。 2 以下のいずれかの操作を行います: Â 「動きを分析」、 「マッチムーブ」、または「スタビライズ」 (手動トラック)の場合は、 「オブ ジェクト」>「位置のキーフレームを追加」、または「オブジェクト」>「結果のキーフレー 。 ムを追加」と選択します(あるいはControl + K キーを押します) Â 「スタビライズ」(自動モード)の場合は、「オブジェクト」>「モーションベクトルのキーフ レームを追加」と選択します。 トラックを手動で変更する トラックポイントは、手動で変更することができます。 画面上のトラックポイントを手動で調整するには: 1 変更するフレームに再生ヘッドを配置します。 現在の再生ヘッド位置にあるトラックポイントが強調表示されます。 第 2 章 モーショントラッキング 83 2 以下のいずれかの操作を行います: Â キャンパス内で強調表示されているトラックポイントをドラッグして、位置を調整します。 Â 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「トラックのプレビュー」領域内をドラッグします。 参考:トラックの「位置」パラメータを使用して調整することができるのは、画面上のトラッ クのみであり、画面上のトラックポイントは調整できません。 微調整を行うには、ズームツールを使用して、クリップをズームインおよびズームアウトします。 ズームツール ズームはポインタに追随するため、キャンバスのトラックポイント上にポインタを配置し、ズー ムインする場合は右にドラッグします。ズームアウトする場合は左にドラッグします。通常の表 示に戻すには、 (ツールバーの右下部分にある)ズームレベルのポップアップメニューから 「100%」を選択します。 「キーフレームエディタ」でトラッキングカーブを調整することもできます。 「キーフレームエ ディタ」の使い方については、 「Motion 3 ユーザーズマニュアル」の第 6 章「キーフレームと カーブ」を参照してください。 トラックをキーフレームに変換する 「マッチムーブ」ビヘイビア、 「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビライズ解除」ビヘイ ビアによって記録または参照されたトラッキングデータを、変形されたオブジェクトのキーフ レームに「変換」することができます。トラッキングキーフレームがトラッキングされたオブ ジェクトに適用され、ビヘイビアがプロジェクトから削除されます。これにより、 「キーフレー ムエディタ」でアニメーションカーブを変更できるようになります。 イメージは変形されないため、 「動きを分析」ビヘイビアによって記録されたトラックをキーフ レームに変換することはできません。ただし、 「動きを分析」ビヘイビアのデータを参照する 「マッチムーブ」ビヘイビアや「スタビライズ」ビヘイビアはキーフレームに変換することがで きます。 トラッキングビヘイビアをキーフレームに変換するには: 1 変換する「マッチムーブ」ビヘイビア、「スタビライズ」ビヘイビア、または「スタビライズ解 除」ビヘイビアを選択します。 2 「オブジェクト」>「キーフレームに変換」と選択します(または、コマンド+K キーを押します)。 変換を確認するダイアログが表示されます。 3 「OK」をクリックします。 ビヘイビアが編集可能なキーフレームに変換され、トラッキングビヘイビアが削除されます。 ビヘイビアをキーフレームに変換する方法については、 「Motion 3 ユーザーズマニュアル」の第 5 章「ビヘイビアを使う」を参照してください。「キーフレームエディタ」の使い方については、 「Motion 3 ユーザーズマニュアル」の第6 章「キーフレームとカーブ」を参照してください。 84 第2 章 モーショントラッキング 適切なトラックが不正になる状況 分析の完了後、場合によっては、クリップの一部を再トラッキングしなければならないことがあ ります。この場合、不正なキーフレームをトラッキングするのではなく、不正なキーフレームを 削除してから再トラッキングすることをお勧めします。 「不正な」キーフレームを削除しないと、 トラックが引き続き古い参照ポイントを使用してしまう場合があります。 不正なトラッキングキーフレームを削除するには: 1 参照パターンをリセットするフレームに再生ヘッドを配置します。 2 「キーフレームエディタ」で、削除するキーフレームをドラッグして選択します。 3 「キーフレームエディタ」内をControl キーを押したままクリックし、ショートカットメニューか ら「カット」を選択します(またはDelete キーを押します) 。 4 キャンバスで、トラックを参照ポイントまでドラッグし、「分析」をクリックします。 新しいトラックキーフレームが作成されます。 第 2 章 モーショントラッキング 85 ∏ ヒント:問題のあるトラックを複数処理する場合は、修正しないトラックをオフにして、「キー フレームエディタ」を簡略化することをお勧めします。さらに、 「キーフレームエディタ」でト ラックを微調整する場合は、グラフ内の表示を簡略化することをお勧めします。 以下のイメー ジには、簡単な4 コーナー固定のカーブが表示されています。 カーブのソロ化をすばやく実行するには、 「キーフレームエディタ」のパラメータリストで、 Option キーを押したままパラメータのチェックボックスを選択します。 トラッキングキーフレームのカーブをスムージングする 「キーフレームエディタ」パラメータリストのアニメーションメニューにあるキーフレームの間 引き機能を使用すると、トラックをスムージングすることができます。カーブをスムージングす る前に、 (バックアップとして)ビヘイビアを「ライブラリ」にコピーするか、プロジェクト内 でビヘイビアを複製することをお勧めします。 86 第2 章 モーショントラッキング トラックカーブをスムーズにするには: 1 「キーフレームエディタ」で、スムーズにしたいトラックのアニメーションメニューをクリック し、ポップアップメニューから「キーフレームを間引く」を選択します。 カーブが簡略化される 前には、キーフレームが すべてのフレームに表示 されています。 「キーフレームを間引く」ダイアログが表示されます。 キーフレームの間引きにより、間引きアルゴリズムが選択したパラメータのキーフレームに適用 されます。これは、カーブの形状をほぼ同じに保ったまま、パラメータのキーフレームの数を減 らします。間引きアルゴリズムは 2 通りの方法で調整できます。「エラーの最大許容度」を大き くすると、キーフレームの数が少なくなり、 「スムージング係数」を大きくすると、キーフレー ム値間のカーブがより滑らかになります。 この例では 5 を使用します。つまり、現在評価されているポイントを中心とした 5 つのトラック ポイントを使用して、現在のポイントの新しい、スムージングされた値を計算します。これは、 標準のガウス(釣鐘曲線タイプ)フィルタです。つまり、値を 5 に設定してフレーム 12 の値を 計算すると、フレーム10、11 、1 2、1 3、1 4 が考慮されます。値を 3 に設定すると、フレーム11、 12 、1 3 が考慮されます。「スムージング係数」を大きくすると、より多くのポイントがカーブ内 のポイントごとに考慮され、より多くの計算が実行されます。 第 2 章 モーショントラッキング 87 2 「キーフレームを間引く」ダイアログで、値を設定します。 ダイアログのスライダまたは値スライダを調整すると、それに合わせて「キーフレームエディタ」 のカーブが変更されます。 簡略化されたカーブに 含まれるキーフレームは 以前より少なくなって おり、かつスムーズに なっています。 3 「OK」をクリックします。 トラックカーブを平均化する 「平均化」パラメータビヘイビアを「キーフレームエディタ」のトラックカーブに適用してスムー ジングするという方法もあります。このビヘイビアにより、あるキーフレーム値から別のキーフ レーム値へのトランジションがスムーズになります。平均化された動きは、より流動的になり ます。 「平均化」パラメータビヘイビアをトラックカーブに適用するには: キーを押したままトラックカーブをクリックし、ショート m 「キーフレームエディタ」で、Control カットメニューから「平均化」を選択します。 トラックが平均化されます。これは、 「キーフレームエディタ」でキーフレームの背後に表示さ れる簡略化されたカーブを見ると確認できます。 「平均化」パラメータビヘイビアの使い方については、「Motion 3 ユーザーズマニュアル」の第 5 章「ビヘイビアを使う」を参照してください。 イメージの品質を保持する ほとんどローデータのイメージをトラッキングすることが理想的です。フッテージの品質が良い ほど、トラックの品質も良くなります。 「Motion 」からヒントを得る 「Motion」は、適切な参照パターンを「提案」できます。 m Option キーを押したままキャンバス内のトラックポイントをクリックし、マウスボタンを押して 提案されたトラックポイントを表示するには: 保持します。 88 第2 章 モーショントラッキング 提案されたトラックポイントが、黄色の小さなプラス記号で表示されます。 提案されたポイントのいずれかに向かってトラックを動かすと、トラックがそのポイントにス ナップします。 提案されたポイントが、クリップ内のトラッキング対象特性にとって必ずしも理想的な参照ポイ ントであるとは限りません。提案されたポイントは、単に、トラックポイント条件を満たす現在 のフレーム内のピッキング位置(ハイコントラスト領域など)にすぎません。 「Motion 」にヒントを与える 「動きを分析」ビヘイビアを使用すると、参照パターンの後方フレームにある目的の場所にトラッ クを導くことができます。このツールは、以下のようなタイプのクリップに適しています。 Â 高速で移動する特性を含むクリップ Â 比較的直線状のベクトルで移動する対象物を含むクリップ( 障害物の有無は問いません) Â スウィッシュパンを含むクリップ(パン変更のたびに「先読み」トラックのリセットが必要と なる場合があります) 重要:トラッキングに失敗してトラックを再配置する場合は、さらに、キャンバス内の先読みト ラックをリセットして、新しい参照ポイントから新しいモーションベクトルを指定する必要があ ります。 先読みフレームを定義するには: 1 キャンバスで、トラックを目的の参照パターン上に配置します。 第 2 章 モーショントラッキング 89 以下のイメージでは、トラックが車のフロントバンバー上の参照パターンに配置されています。 トラック 2 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「先のフレームを見る」スライダまたは値スライダを 使用して、トラックが先読みするフレームの数を指定します。 参考: 「先のフレームを見る」スライダの最大フレーム数は10 フレームです。ただし、隣接する 値スライダを使用して、さらに多くのフレーム数を入力することができます。 3 コマンドキーを押したままキャンバス内のトラックをクリックし、参照パターンがクリップ内で 移動している方向にドラッグします。 コマンドキーを押したままトラックポイントをドラッグすると、 「先のフレームを見る」パラメー タで指定したフレームが拡大表示されます。 4 先読みトラックを参照パターン上に配置したら、マウスボタンを放します。 参考: 「先のフレームを見る」は、逆順にトラッキングする(先のフレームではなく、前のフレー ムを見る)場合にも使用することができます。 90 第2 章 モーショントラッキング 遠近、大きさ、または回転のシフトによってイメージをトラッキングする サイズおよびアングルに大幅な変更が加えられたイメージに対しては、ほかにもいくつか試すこ とができる方法があります。1 つ目は、広範囲の検索領域を使用する方法です。 「Motion」では、 画面上のトラッキング検索領域を調整することはできませんが、 「インスペクタ」の「ビヘイビ ア」タブにある「検索サイズ」パラメータを使用することにより、デフォルトの検索サイズを大 「検 きくすることができます。トラック(トラック1 など)の開閉用三角ボタンをクリックして、 索サイズ」パラメータを表示します。 2 つ目は、「失敗の許容度」値を低くする方法です。「失敗の許容度」値を低くすると、トラック が不正な一致を検出する可能性が高くなります。値を大きくすると、一致の検出がより厳密にな ります。トラックの開閉用三角ボタンをクリックして、 「失敗の許容度」パラメータを表示します。 3 つ目は、クリップの中間フレームにジャンプし、クリップの最終フレームまでトラッキングす る方法です。その後、中間フレームまで戻って、クリップの先頭までトラッキングします。 隠れたポイントまたはフレーム外のポイントをトラッキングする さまざまなトラックパラメータ設定を検証する以外にも、画面外への移動や前を横切るオブジェ クトによって隠されたトラックポイントを修正する基本的なテクニックがあります。 以下のシーケンスは、オフセット・トラッキングの候補の例です。車が前方に移動しながら、1 本の木を横切っています。この木は、一時的に参照パターンを妨害しています。 参照パターンが隠れてしまったら、 「トラックをオフセット」チェックボックスを使用してトラッ クを動かし、元の参照パターンから別の領域の新しい参照パターンを選択します。元の参照パ ターンと新しいパターンの間のオフセットが計算され、生成されたトラックパスで連続性が維持 されます。 次の例では、トラックが木で隠れています。そのため、トラックを近くの参照パターンに移動し、 元の参照パターンが表示されるまでトラッキングを続行します。ある領域が検証される場合で あっても、ポイントは別の領域に保存されます。もう 1 つのトラッキングパターンでは、元のパ ターンと同じ方向に移動する必要があります。 画面上のトラックコントロールをイメージ中の障害物のない領域にオフセット(移動)するには: 1 オフセット・トラックを開始するフレームに移動します。 第 2 章 モーショントラッキング 91 分析中にトラッキングができなくなった場合、 「Motion」では、トラッキングに失敗したフレー ムまで自動的に戻ります。 「不正な」トラックポイントには、キャンバス内で「 x 」印が付けられ ます。 不正なトラックポイントを使用するか、失敗したトラックフレームより前の任意のポイントを使 用して、トラックを移動し、新しい参照特性を選択することができます。現在の再生ヘッド位置 にあるトラックポイントがキャンバス内で強調表示されます。 現在の再生ヘッドにあるトラックポイントが強調表示されます。 2 HUD または「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、「トラックをオフセット」ボタンを選択 します。 「トラックをオフセット」ボタン 92 第2 章 モーショントラッキング 3 トラックをキャンバス内の別の位置にドラッグします。 4 「分析」をクリックして、モーション分析を再実行します。 「Motion」が、新しいオフセット参照パターンの動きに基づいて、元のトラックポイントの軌道 を引き続きキーフレーム化します。 参考: 「トラックをオフセット」を使用する場合は、新しい参照パターンが元のトラッキング特 性にできるだけ近くなるようにしてください。オフセットされた特性が、元のトラッキングされ た特性と同じ動きを共有し、同じ対象物上に表示されるのが理想的です。 リタイミングされたフッテージをトラッキングする トラッキングタスクおよびリタイミングタスクを含むプロジェクトで作業する場合、より良い結 果を得るためには、以下のガイドラインを参照してください。 Â 「Motion」のトラックは、プロジェクトのフレームレートを使用して分析するため、トラッキ ング対象のフッテージのフレームレートとプロジェクトのフレームレートが必ず同じになる ようにしてください。たとえば、2 4 フレーム/秒(fps)でフッテージをトラッキングする場 合、プロジェクトのフレームレートは 24fps である必要があります。トラッキング分析が完了 したら、 「インスペクタ」の「メディア」タブにある「リタイミング」パラメータまたは「リ タイミング」ビヘイビアを使用して、クリップをリタイミングします。 Â トラッキング分析の前にフッテージをリタイミングしないでください。 Â フッテージをリタイミングした後でトラッキング分析を実行したり、さらにその後に再度フッ テージをリタイミングしたりしないでください。トラッキングに悪影響が及ぶ場合があります。 参考:クリップをリタイミングした後にどうしてもクリップをトラッキングしたい場合は、ク リップをリタイミングして書き出し、さらにそのクリップを読み込んでトラッキング分析を実行 することをお勧めします。 スタビライズエフェクトのトラブルシューティング スタビライズ操作の出力が満足のいくものでなかった場合、以下を試してみてください。結果を 改善できる場合があります。 スタビライズにはリアルなイメージが向いている 「スタビライズ」ビヘイビアで使用される自動モーション分析(トラックを使用しない分析)は、 リアルイメージで最も効果を発揮します。人工的なイメージ(テクスチャがないイメージなど) を「スタビライズ」ビヘイビアの自動モードで使用することはお勧めできません。激しいパンが 含まれたショットもお勧めできません。冗長なカメラデータを含むイメージが非常に良い結果を もたらします。 トラックをスタビライズに追加する スタビライズされたクリップに、スムーズになっていない、特にでこぼこした部分が含まれてい る場合は、トラックをクリップの非隣接部分に追加することができます。 自動モーション分析からのスタビライズデータが、画面上のトラックを使用して分析されたク リップの一部で上書きされます。 第 2 章 モーショントラッキング 93 スタビライズ操作の一部にトラックを使用するには: 1 スタビライズによるモーション分析が完了したら、クリップを再生して、トラッキング対象とな る部分を決定します。 重要:必ずクリップ全体を分析してから、トラックを追加するようにしてください。 「スタビラ イズ」ビヘイビアで最良の結果を得るためには、 「有意義な」データ(つまり広範囲にわたるフ レーム)が必要です。 2 トラック分析用に「アウト」点を設定します:分析を停止するフレームに再生ヘッドを配置し、 「マーク」>「再生範囲のアウト点にマークをつける」と選択します(またはコマンド+Option +O キーを押します) 。 3 トラックを開始するフレームに再生ヘッドを配置し、 「インスペクタ」の「追加」ボタンをクリッ クします。 4 キャンバス内のトラッキング対象の参照パターンにトラックを配置し、HUD または「インスペク タ」の「分析」ボタンをクリックします。 指定された再生範囲がトラッキングされ、キャンバスにトラックポイントが作成されます。また、 「キーフレームエディタ」でキーフレームがトラッキングされます。 参考:この方法を使用してクリップの非隣接部分を複数トラッキングする場合は、できる限り同 じトラックを使用してトラックを簡素化し、 「キーフレームエディタ」内が乱雑にならないよう にしてください。 この方法は、クリップの小さな部分にはお勧めできません。たとえば、2 5 フレームに対するデ フォルトのスタビライズ、10 フレームに対するトラック分析、10 フレームに対するデフォルト のスタビライズなどです。 スムージングパラメータを変更する クリップ内の動きをスムーズにする場合は、まず、スムージングパラメータを調整する必要があ ります。これらのパラメータには、 「変換(スムーズ) 」 、 「回転(スムーズ)」 、および「調整(ス ムーズ)」などがあります。スムージングパラメータの調整は、クリップを再分析しなくても実 行することができます。 高品質で再分析する 分析を行うときは、 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「品質」ポップアップメニューか ら「高品質」を選択します。これにより、時間がかかることもありますが、高品質の分析を実現 することができます。 分析データを編集する 上記の解決策がどれも役に立たない場合は、「キーフレームエディタ」の「信頼度」パラメータ を確認し、「信頼度」パラメータの値が低くなっているフレームを探します。これらのフレーム でイメージの変形が顕著な場合は、 「スタビライズ」ビヘイビアをキーフレームに変換します。こ れにより、スタビライズされたオブジェクトに変形キーフレームが作成され、 「キーフレームエ ディタ」で編集できるようになります。「信頼度」のカーブ値が低かったフレームでいつもと違 うスパイクを作成するキーフレームを削除してみましょう。 ビヘイビアをキーフレームへ変換する方法については、8 4ページの「トラックをキーフレーム に変換する」を参照してください。 94 第2 章 モーショントラッキング スタビライズによって生じた黒い枠線を取り除く 「スタビライズ」ビヘイビアを使用する場合、ショットのスムージングやスタビライズによって 生じた変形により、動きを伴う黒い枠線がイメージのエッジ周辺に表示されます。これは目的の エフェクトを得るためには必要なものですが、最終的なショットにこのような黒い枠線が表示さ れるのは避けたいものです。 この枠線は、2 通りの方法で処理することができます。 クリップをズームする 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブにある「枠線」ポップアップを使用すると、クリップを ズームすることができます。 クリップをズームするには: m 「インスペクタ」の「ビヘイビア」タブで、 「枠線」ポップアップメニューから「ズーム」を選択 します。 クリップがキャンバスの最大サイズまで拡大され、黒い枠線がスタビライズされたクリップの エッジの周りに表示されなくなります。 出力イメージを元のフレームサイズに合わせて縮小/拡大する 作成したイメージを元のイメージと同じサイズで出力する必要がある場合は、 「スタビライズ」分 析のあとにイメージを縮小/拡大するのが最も早い修正方法です。ただし、黒い枠線のすべての インスタンスがフレームのエッジの外側に来るポイントまでイメージを拡大しなければなりま せん。この方法の欠点は、どのくらい拡大するかにもよりますが、イメージがぼやけてしまうこ とです。 スタビライズされたイメージを縮小/拡大するには: 1 クリップを選択し、「インスペクタ」の「情報」タブをクリックします。 2 「縮小/拡大」パラメータを調整して、枠線がクリップのエッジに表示されないようにします。 エッジを歪める 最後に、イメージのエッジを引き伸ばしてギャップを埋める各種フィルタを検証してみましょ う。たとえば、 「スクレイプ」フィルタを使用すると、イメージのエッジを外側に引き伸ばすこ とができます。この解決策は、イメージのタイプに大きく依存するものであり、受け入れられる かどうかに関係なく、イメージの別の不具合が生じる可能性があります。 第 2 章 モーショントラッキング 95 以下のイメージでは、クリップのスタビライズに伴い、大きな枠線が作成されています。 次に、 「スクレイプ」フィルタを、スタビライズされたクリップが存在するグループに適用しま す。左のイメージは、フィルタを初めてグループに適用したときのクリップです。最初は、特に 役に立っているようには見えません。右のイメージでは、フィルタの中心と回転が調整され、イ メージの右側のエッジを引き伸ばすことによって黒いエッジが取り除かれています。 重要:このテクニックのエフェクトを有効にするには、フィルタをクリップではなく、クリップ のグループに適用する必要があります。 参考:場合によっては、 「スクレイプ」フィルタのエフェクトがクロップされないように、 「イン スペクタ」の「グループ」タブで、 「固定解像度」チェックボックスを選択しなければなりません。 一般的なガイドライン 「Motion」のトラックは、ソースイメージを使用して、トラッキング分析を行います。つまり、 トラックは、そのクリップに最適の検索領域、最適のカラー、最適のコントラスト、サブピクセ ル精度などを自動的に使用することにより、可能な限り最良のトラッキングデータを生成しま す。共通のトラッキング方法(フィルタテクニックの使用、トラッキング「ボックス」または検 索領域の手動によるサイズ変更、サブピクセルサンプリング数の指定など)は不要です。 もちろん、何もしなくても完璧なトラックを得られる、というわけではありません。以下のガイ ドラインを使用してください。トラッキング分析で何が効果があり、何が効果がないか簡単に判 断できます。 96 第2 章 モーショントラッキング 効果がないこと Â トラッキングの前にクリップまたはオブジェクトにフィルタを適用する。 Â トラッキングされたクリップをソロにする/分離する。このようにしても、トラッキング分析 のスピードは速くなりません。 Â 複数の「スタビライズ」ビヘイビアを追加する。このようにしても、分析されたクリップをさ らにスタビライズすることにはなりません。トラックは、分析されたクリップ(またはフィル タが適用されたクリップ)の結果ではなく、元のソースフッテージを分析するためです。 Â トラックをキーフレームに変換して再度スタビライズする。 Â 遠近、縮小/拡大、または回転を変更しないトラッキング参照特性を選択する。「Motion」の トラックは、遠近、縮小/拡大、および回転の変更を確実に処理できるように設計されてい ます。 効果的なこと Â トラッキングの前にフッテージからインターレース(フィールド)を取り除く。フッテージか らフィールドを取り除くには、 「プロジェクト」パネルの「メディア」タブでフッテージを選 択し、 「インスペクタ」の「メディア」タブをクリックして、 「フィールドの順番」ポップアッ プメニューからオプションを選択します。 参考:インターレースは、 「スタビライズ」ビヘイビアの自動分析モードを使用してスタビラ イズされたクリップに存在する場合があります。 Â クリップをスタビライズして書き出し、そのクリップを読み込んで再度スタビライズする。 Â フィルタが適用されたクリップまたはオブジェクトをシャープにするかぼかしてクリップを 書き出し、そのクリップを元のフッテージと同じグループに読み込み、フィルタが適用された クリップをトラッキングしてから、そのトラッキングデータをほかのトラッキングビヘイビア のソースとして使用する。 参考:ほかのフィルタテクニック(フィルタを使用してクリップまたはオブジェクトのノイズ の少ないカラーチャンネルを分離するなど)も役立つ場合があります。 Â 「表示」の解像度を低く設定する。このようにすると、トラッキング分析のスピードを速くす ることができます。 トラッキングおよびグループ グループをトラッキングする際には、特別な配慮が必要となります。 グループをコーナー固定する 「マッチムーブ」ビヘイビアを使用すると、グループをコーナー固定することができます。最良 の結果を得るためには、以下のガイドラインを参照してください。 「固定解像度」 Â 2D グループをコーナー固定するには、「インスペクタ」の「グループ」タブで、 チェックボックスを選択することをお勧めします。 「インスペクタ」の「グループ」タブで、 「平坦化」チェッ Â 3D グループをコーナー固定するには、 クボックスを選択する必要があります。対象グループの「平坦化」が有効になっていない場 合、 「マッチムーブ」パラメータの「タイプ」ポップアップメニューに「四隅の角」オプショ ンが表示されません。 「タイプ」ポップアップメニューから「四隅の角」を選択すると、「インスペクタ」の「情報」 タブにある「四隅の角」が有効になり、グループがラスタライズされます。ラスタライズにつ いては、37 ページの「ラスタライズ処理」を参照してください。 第 2 章 モーショントラッキング 97 上記のテクニックは、どちらを使用しても、動的なサイズ変更を伴います。結果が望ましくない 場合は、グループを書き出し、さらにグループを読み込んでから、オブジェクトをコーナー固定 してください。 3D グループにおける視差 Z 空間でオフセットされたオブジェクトを含む 3D グループをマッチムーブすると、視差がシミュ レーションされます。視差は、遠近の変化(カメラ位置の変更など)によって生じる、遠くの背 景対オブジェクトの視覚的な変化です。 視差エフェクトを取り除くには、「インスペクタ」の「グループ」タブで、トラッキングされた グループに対して「平坦化」チェックボックスを選択します。 トラックを保存する 「Motion」で提供されているほかのビヘイビアと同様、トラッキングビヘイビアも「ライブラリ」 に保存するこができます。ただし、トラッキングビヘイビアは、トラッキングされたソースオブ ジェクトを参照する必要がある点に留意してください。そのため、ソースフッテージだけでなく、 トラッキングビヘイビアを含むグループ全体を「ライブラリ」に保存することをお勧めします。 グループを「ライブラリ」に保存するには: 1 「ライブラリ」を開き、グループを保存するカテゴリ(「よく使う項目」カテゴリなど)を選択し ます。 2 トラッキングビヘイビアとそのソースフッテージ(トラッキング済みのもの)を含むグループを、 「レイヤー」タブ、「タイムライン」、または「インスペクタ」から「ライブラリ」下部のスタッ クにドラッグします。 グループが「ライブラリ」カテゴリに追加されます。 ビヘイビアを「ライブラリ」に保存するには: 1 「ライブラリ」を開いて、「よく使う項目」、「よく使う項目メニュー」、または「ビヘイビア」の カテゴリを選択します。 2 カスタマイズした後、保存しておきたいビヘイビアを「レイヤー」タブ、「タイムライン」、また は「インスペクタ」から、「ライブラリ」下部のスタックの中へドラッグします。 カスタマイズした項目を「ライブラリ」に保存すると、それらは「/ ユーザ / <ユーザ名> / ラ イブラリ/ApplicationSupport/FinalCutStudio/Motion/Library」フォルダに保存されます。 ビヘイビアを「ライブラリ」に保存する方法については、 「Motion 3 ユーザーズマニュアル」の 第5 章「ビヘイビアを使う」を参照してください。 グループを「ライブラリ」からプロジェクトに追加するには: 1 「ライブラリ」を開き、グループが含まれているカテゴリを選択します。 2 以下のいずれかの操作を行います: Â 既存のグループにグループをネストするには、ネスト対象のグループを、「ライブラリ」タブ の既存のグループにドラッグします。 Â 新しいグループを作成するには、対象のグループを、「ライブラリ」タブ下部の何もない領域 にドラッグします。 グループがプロジェクトに追加されます。 98 第2 章 モーショントラッキング ビヘイビアを「ライブラリ」からクリップに適用するには: 1 「ライブラリ」を開いて、「よく使う項目」、「よく使う項目メニュー」、または「ビヘイビア」の カテゴリを選択します。 2 ビヘイビアを、「レイヤー」リスト、「タイムライン」、またはキャンバスのクリップにドラッグ します。 プロジェクト内の別のトラッキングビヘイビアを参照するには: 1 「動きを分析」ビヘイビア、「マッチムーブ」ビヘイビア、「スタビライズ」ビヘイビア、または 「スタビライズ解除」ビヘイビアを追加します。 2 トラッキングビヘイビアの HUD または「インスペクタ」で、トラッキングビヘイビアのポップ アップメニューからトラックを選択します。 トラックがトラッキングビヘイビアに適用されます。 モーション・トラッキング・ビヘイビアのパラメータ 以下のセクションでは、各種トラッキングビヘイビアに用意されているパラメータの詳細を説明 します。 参考:クローンオブジェクトをトラッキングすることはできません。 「動きを分析」のコントロール 「動きを分析」ビヘイビアは、フッテージ(ムービーまたはイメージシーケンス)での使用を目 的としています。このビヘイビアは、 「従来型の」相関トラックと見なすことができます。つま り、クリップの参照パターン上に画面上のトラックを配置します。指定された参照ポイントでの クリップの動きが分析され、分析されたデータがビヘイビアに保存されます。記録されたデータ をプロジェクトのほかのオブジェクトに適用することができます。 「動きを分析」ビヘイビアでは、入力イメージは変形されません。このビヘイビアは、 「マッチ ムーブ」ビヘイビアおよび「スタビライズ」ビヘイビアによる参照が可能なトラックを生成する ためだけに使用します。 参考:「動きを分析」では、ほかのトラッキングビヘイビアを参照することはできません。 重要:「動きを分 析」ビヘ イビアを適 用することが できるのは、フッテー ジオブジェ クト (QuickTime ムービーまたはイメージシーケンス)のみです。 HUD に表示されるパラメータ 「動きを分析」のHUD には、モーショントラックを開始したり( 「分析」ボタン) 、トラックの方 向を反対にしたり( 「逆方向」チェックボックス)、およびオフセットトラックを指定したり( 「ト ラックをオフセット」チェックボックス)するための各コントロールが含まれています。オフ セットトラッキングを実行すると、トラックを新しい参照パターンに再配置することができま す。H UD に表示されるパラメータは、「インスペクタ」にも表示されます。これについては以下 で説明します。 第 2 章 モーショントラッキング 99 インスペクタに表示されるパラメータ 動き:「動き」パラメータには、トラッキング分析を開始したり、分析の方向を指定したりする ための各コントロールが含まれています。 Â 分析: モーショントラッキング分析を開始するには、「分析」ボタンをクリックします。「分 析」をクリックすると、トラッキングの進捗が示された進行状況ウインドウが表示されます。 分析を停止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、 Esc キーを押 します。 トラックの先頭は、 「タイムライン」におけるビヘイビアの先頭ではなく、現在の再生ヘッド 位置に基づきます。 Â 逆方向:「逆方向」チェックボックスを選択すると、クリップが現在の再生ヘッド位置からク リップの先頭フレーム(またはトラッキングビヘイビアの先頭フレーム)まで分析されます。 参考:逆方向分析を開始したいフレームまで再生ヘッドを移動する必要があります。 トラック:「追加」ボタンをクリックすると、 「動きを分析」ビヘイビアにトラックが追加されま す。デフォルトのトラックは1 つです。新しいトラックがキャンバスの中央に追加されます。 「トラックのプレビュー」、 「トラックをオフセット」、 「自動ズーム」、「自動ズームモード」、 「先 のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのパラメータ、およびトラックのサブパラ メータについては、 1 12 ページの「「トラック」のコントロール」を参照してください。 「動きを分析」ビヘイビアの使い方については、 5 5 ページの「「モーショントラッキング」の一 般的なワークフロー(「動きを分析」を使用) 」を参照してください。 「マッチムーブ」のコントロール 「マッチムーブ」ビヘイビアは、多種多様のオブジェクトタイプ(グループ、カメラ、シェイプ、 パーティクルエミッタなど)に適用することができます。 重要: 「マッチムーブ」ビヘイビアをグループに適用する場合は、「マッチムーブ」ビヘイビア適 用済みのグループにトラッキング対象のソースフッテージが含まれていないことを確認してく ださい。 HUD に表示されるパラメータ 「マッチムーブ」のHUD には、別のトラッキングビヘイビアからのアニメーションオブジェクト やトラッキングデータをこのビヘイビアに読み込んだり(「ソース」ウェルまたはトラッキング オブジェクトのポップアップメニューを使用)、モーション分析を開始したり( 「分析」ボタン) 、 トラックの方向を反対にしたり(「逆方向」チェックボックス)、トラックをオフセットしたり ( 「トラックをオフセット」チェックボックス)、適用先オブジェクトを 4 コーナー固定するかど うかを指定したり( 「タイプ」ポップアップメニュー)、適用先オブジェクトに適用する変形を選 択したり( 「調整」パラメータ)するための各コントロールが含まれています。H UD に表示され るパラメータについては、以下で説明します。これらのパラメータは、 「インスペクタ」にも表 示されます。 100 第2 章 モーショントラッキング インスペクタに表示されるパラメータ ソース: マッチムーブ対象のソースオブジェクトをこのウェルにドラッグします。ソースオブ ジェクトは、別のトラッキングビヘイビアでも、アニメーションオブジェクトでも、フッテージ オブジェクトでもかまいません。 「マッチムーブ」ビヘイビアをオブジェクトに追加すると、 「レ イヤー」リスト内のビヘイビアの下にあるアニメーションオブジェクト、記録済みオブジェクト、 またはフッテージオブジェクトのうち、最も近いオブジェクトがこのウェルに表示されます。 「ソース」ウェルを消去するには、項目をウェルの外までドラッグして、マウスボタンを放します。 フッテージ以外のオブジェクト(シェイプやマスクなど)を「ソース」ウェルにドロップすると、 「マッチムーブ」でトラックを使用できなくなります。 参考: 「マッチムーブ」ビヘイビアをマスクに適用すると、マスクされたオブジェクトがソース として自動的に選択されます。 Â トラッキングビヘイビアのポップアップメニュー: プロジェクト内のほかのトラッキングビ ヘイビアから取得したトラッキングデータのリストから選択します。 動き: 「動き」パラメータには、トラッキング分析を開始したり、分析の方向を指定したりする ための各コントロールが含まれています。 Â 分析: モーショントラッキング分析を開始するには、「分析」ボタンをクリックします。「分 析」をクリックすると、トラッキングの進捗が示された進行状況ウインドウが表示されます。 分析を停止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、 Esc キーを押 します。 トラックの先頭は、 「タイムライン」におけるビヘイビアの先頭ではなく、現在の再生ヘッド 位置に基づきます。 Â 逆方向:「逆方向」チェックボックスを選択すると、クリップが現在の再生ヘッド位置からク リップの先頭フレーム(またはトラッキングビヘイビアの先頭フレーム)まで分析されます。 参考:逆方向分析を開始したいフレームまで再生ヘッドを移動する必要があります。 タイプ: このポップアップメニューでは、 1 ポイント・トラッキング、2 ポイント・トラッキン グ、または4 ポイント・トラッキングを選択できます。 Â 変形: このオプションを選択すると、1 ポイント・トラッキングまたは 2 ポイント・トラッキン グを使用して、適用先オブジェクトを変形することができます。 Â 四隅の角: このオプションを選択すると、4 ポイント・トラッキングを使用して、適用先オブ ジェクトをコーナー固定することができます。このオプションを選択すると、 「方向」パラメー タと「調整」パラメータが使用できなくなります。 参考: 「マッチムーブ」が3D グループに適用されている場合、「四隅の角」オプションは使用 できません。3 D グループをコーナー固定するには、「インスペクタ」の「グループ」タブで、 「平坦化」チェックボックスを選択します。 方向:このポップアップメニューでは、記録された動きを適用先オブジェクトに適用するときの 次元(X と Y、X のみ、Y のみ)を指定することができます。 変形: このポップアップメニューでは、適用先オブジェクト(「マッチムーブ」ビヘイビアの適 用先オブジェクト)の動き方を選択することができます。 第 2 章 モーショントラッキング 101 Â ソースに吸着: このオプションを選択すると、前景オブジェクトが、記録されたオブジェクト またはアニメーションソースに「貼り付け」られます。 「ソースに吸着」は、ソースオブジェ クトを調整または回転する場合、あるいは、適用先オブジェクトをソースオブジェクトの特定 の位置に「貼り付ける」場合に使用します。トラックの適用前に適用先オブジェクトに存在し ていたアニメーションは消去されます。 参考:適用先オブジェクトがソースオブジェクトの動きに吸着されていても、適用先オブジェ クトの位置は変更可能です(ソースオブジェクトからオフセット)。適用先オブジェクトを調 整したり、回転させたりすることはできません。 次の例では、 「マッチムーブ」が赤い「pill」のシェイプに適用されており、アニメーション表 示された白い矢印がソースオブジェクトとして使用されています。白い矢印には「スピン」ビ ヘイビアが適用されており、矢印は時計回りにスピンしています。 「変形」ポップアップメニューから「ソースに吸着」を選択すると、赤いシェイプは矢印の動 きに一致するように、矢印の1 つの場所(この例では矢印の先端)にロックされます。 参考: 「ソースに吸着」を選択した場合は、トラッキングされたオブジェクトを変形すること ができません。たとえば、コーナー固定されたオブジェクトの調整、位置、または回転を変更 することはできません。 Â ソースに合わせる: このオプションを選択すると、適用先オブジェクトが、記録されたオブ ジェクトまたはアニメーションソースを「模倣する」ようになります。トラックの適用前に前 景オブジェクトに存在していたアニメーションがトラックに追加されます。 参考: 「ソースに吸着」と同様、適用先オブジェクトの位置を変更することができます(ソー スオブジェクトからオフセット)。さらに、適用先オブジェクトを調整したり、回転したりす ることもできます。 102 第2 章 モーショントラッキング 次のイメージでは、 「変形」ポップアップメニューから「ソースに合わせる」が選択されてい ます。赤いシェイプは白い矢印上の位置にはロックされていませんが、矢印のアニメーション を模倣しています。 「ソースに合わせる」を使用すると、 「インスペクタ」の「情報」タブでトラッキングされたオ ブジェクトを変形することができます。たとえば、コーナー固定されたオブジェクトの縮小/ 拡大、位置、または回転を変更することができます。 「四隅の角」を使用した場合と同様、 「ソー スに合わせる」でも、前景のイメージを調整することなく、トラックを調整することができ ます。 調整:このパラメータを使用すると、適用先オブジェクトに適用する変形のタイプを選択するこ とができます。 Â 位置: 有効にすると、ソース(または背景)オブジェクトの位置が適用先(または前景)オブ ジェクトに適用されます。 「位置」を有効にすると、 「アンカー」 (位置)トラックがオンにな ります。 Â 調整: 有効にすると、ソース(または背景)オブジェクトの調整が適用先(または前景)オブ ジェクトに適用されます。エフェクトを有効にするには、ソーストラックに、このパラメータ の調整データが含まれている必要があります。 「調整」を有効にすると、 「回転の調整」トラッ クがオンになります。 Â 回転: 有効にすると、ソース(または背景)オブジェクトの回転が適用先(または前景)オブ ジェクトに適用されます。エフェクトを有効にするには、ソーストラックに、このパラメータ の回転データが含まれている必要があります。 「回転」を有効にすると、 「回転の調整」トラッ クがオンになります。 アンカー: 1 ポイント・トラッキングまたは2 ポイント・トラッキングが有効になっている場合 ( 「タイプ」ポップアップメニューから「変形」が選択されている場合)に使用することができま す。このチェックボックスを使用して、「アンカー」トラックのオン/オフを切り替えます。こ の「アンカー」トラックによって、位置データが記録されます。 「調整」パラメータで「位置」を 有効にすると、「アンカー」トラックがオンになります。 第 2 章 モーショントラッキング 103 「マッチムーブ」ビヘイビアで別のビヘイビア( 「動きを分析」など)を参照すると、 「アンカー」 トラックは「開始点」トラックになります。トラックのサブパラメータが、ポップアップメニュー で置き換えられます。このポップアップメニューを使用することにより、参照されたビヘイビア ( 「開始点」トラックとして適用したいビヘイビア)からトラックを選択することができます。デ フォルトでは、参照されたビヘイビアのトラック 1 が「開始点」トラックとして適用され、ト ラック2 が「回転の調整」トラックとして適用されます。参照されたビヘイビアにトラックが1 つしかない場合は、トラック1 が両方の「マッチムーブ」のトラックに適用されます。 「マッチムーブ」で別のビヘイビアを 参照すると、参照されたビヘイビアの トラックが「マッチムーブ」の トラックに適用されます。 回転の調整: 1 ポイント・トラッキングまたは2 ポイント・トラッキングが有効になっている場 合(「タイプ」ポップアップメニューから「変形」が選択されている場合)に使用することがで きます。このチェックボックスを使用して、 「回転の調整」トラックのオン/オフを切り替えま す。回転および調整のデータは、 「アンカー」トラックと「回転の調整」トラックの間の関係を 使用して記録されます。 「調整」パラメータの「調整」または「回転」を有効にすると、 「回転の 調整」トラックがオンになります。 「マッチムーブ」ビヘイビアで別のビヘイビア(「動きを分析」など)を参照すると、「回転の調 整」トラックのサブパラメータがポップアップメニューで置き換えられます。このポップアップ メニューを使用することにより、参照されたビヘイビア(「回転の調整」トラックとして適用し たいビヘイビア)からトラックを選択することができます。 左上: 4 ポイント・トラッキングが有効になっている場合(「タイプ」ポップアップメニューか ら「四隅の角」が選択されている場合)に使用することができます。このチェックボックスを使 用して、左上のトラックのオン/オフを切り替えます。 右上: 4 ポイント・トラッキングが有効になっている場合(「タイプ」ポップアップメニューか ら「四隅の角」が選択されている場合)に使用することができます。このチェックボックスを使 用して、右上のトラックのオン/オフを切り替えます。 右下: 4 ポイント・トラッキングが有効になっている場合(「タイプ」ポップアップメニューか ら「四隅の角」が選択されている場合)に使用することができます。このチェックボックスを使 用して、右下のトラックのオン/オフを切り替えます。 左下: 4 ポイント・トラッキングが有効になっている場合(「タイプ」ポップアップメニューか ら「四隅の角」が選択されている場合)に使用することができます。このチェックボックスを使 用して、左下のトラックのオン/オフを切り替えます。 104 第2 章 モーショントラッキング 「マッチムーブ」ビヘイビアで別のビヘイビア( 「動きを分析」など)を参照すると、参照したビ ヘイビア( 「マッチムーブ」の各トラックに適用したいビヘイビア)からトラックを選択するポッ プアップメニューによって、「左上」トラック、 「右上」トラック、 「右下」トラック、 「左下」ト ラックのサブパラメータを置き換えることができます。 「トラックのプレビュー」、 「トラックをオフセット」、 「自動ズーム」、「自動ズームモード」、 「先 のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのパラメータ、およびトラックのサブパラ メータについては、 1 12 ページの「「トラック」のコントロール」を参照してください。 「マッチムーブ」ビヘイビアの使い方については、58 ページの「「マッチムーブ」のワークフロー」 を参照してください。 「スタビライズ」のコントロール 「スタビライズ」ビヘイビアでは、 「マッチムーブ」ビヘイビアおよび「動きを分析」ビヘイビア とは異なる方法を使用して、クリップ内の動きを分析します。通常、クリップのスタビライズに はトラックを使用しません。このビヘイビアは、高度な方法で動きを予測するものであり、ある フレーム内の全ピクセルが自動的に後続フレームにトラッキングされます。この分析に基づい て、動きのベクトルが計算されます。分析は、クリップ全体に対して、または関心領域(ROI) に対して実行することができます。R OI とは、分析対象クリップのうち、ユーザが定義した領域 を指します。 自動分析の結果、何らかの修正が必要となった場合、クリップの非連続時間領域に対してトラッ キングを手動で実行することができます。たとえば、フレーム 350 から 380 までの範囲に影響 するカメラバンプを追加する場合は、トラックを追加し、クリップの該当部分だけを分析するこ とができます。追加分析で記録されたデータは、クリップをさらにスムーズにするため、自動ト ラッキングで記録されたデータに追加されます。 「スタビライズ」ビヘイビアは、クリップ内での水平、垂直、または水平と垂直の動きを考慮す るだけでなく、位置、調整、および回転も検証します。 重要: 「スタビライズ」ビヘイビアを適用することができるのは、フッテージオブジェクト (QuickTime ムービーまたはイメージシーケンス)のみです。 「F inalCutPro」の「S moothCam」 「S moothCam」フィル タが適用され た「Final Cut Pro」のク リップまたはシ ーケンスを 「M otion」に書き出す場合は、「SmoothCam」フィルタを「M otion」の「スタビライズ」ビ ヘイビアに変換します。 「方法」ポップアップメニューから、デフォルトの「スタビライズ」オ プションではなく、 「スムーズ」を選択します。 第 2 章 モーショントラッキング 105 HUD に表示されるパラメータ 「スタビライズ」の HUD には、別のスタビライズトラックをビヘイビアに読み込んだり(「ソー ス」ウェルまたはトラッキングビヘイビアのポップアップメニューを使用)、モーション分析を 開始したり( 「分析」ボタン) 、クリップにスタビライズを適用するのか、スムーズを適用するの かを指定したり( 「方法」ポップアップメニュー) 、スタビライズクリップのサイズ決定の方法を 定義したり( 「枠線」ポップアップメニュー) 、分析されたクリップに適用する変形を選択したり ( 「調整」パラメータ)するための各コントロールが含まれています。HUD に表示されるパラメー タについては、以下で説明します。これらのパラメータは、 「インスペクタ」にも表示されます。 参考: 「方法」ポップアップから「スムーズ」を選択すると、H UD および「インスペクタ」で追 加のパラメータが使用可能になります。 インスペクタに表示されるパラメータ ソース:ビヘイビアのソースオブジェクトをこのウェルにドラッグします。ソースオブジェクト は、別の「スタビライズ」ビヘイビアでも、フッテージオブジェクトでもかまいません。 「ソース」ウェルを消去するには、項目をウェルの外までドラッグして、マウスボタンを放します。 Â トラッキングビヘイビアのポップアップメニュー:プロジェクト内のトラッキングデータ(ほ かのトラッキングビヘイビアから取得したもの)のリストから選択します。 参考:トラッキングビヘイビアのポップアップメニューからオプションを選択すると、トラッ クを追加するための「追加」ボタンが使用できなくなります。 動き: このパラメータには、トラッキング分析を開始する「分析」ボタンが含まれています。 Â 分析: モーショントラッキング分析を開始するには、「分析」ボタンをクリックします。「分 析」をクリックすると、トラッキングの進捗が示された進行状況ウインドウが表示されます。 分析を停止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、 Esc キーを押 します。 「スタビライズ」ビヘイビア(トラック不使用)を使用すると、トラックが現在の再生ヘッド 位置からではなく、クリップの先頭から開始されます。 品質:このポップアップメニューを使用して、モーション分析の詳細レベルを定義します。品質 レベルには、「高速」と「高品質」の2 種類があります。 Â 高速: このオプションを選択すると、操作が高速で実行されます。ただし、モーション分析の 詳細レベルは下がります。 Â 高品質: このオプションを選択すると、より詳細な分析が行われますが、時間がかかります。 クリップに回転が含まれる場合は、このオプションの使用をお勧めします。 参考:このオプションは、 「F inalCutPro」での「SmoothCam」フィルタのデフォルト設定 と同じです。 領域をトラック: このチェックボックスを選択すると、キャンバスに赤いボックスが表示され、 分析したい対象物や領域を定義できます。領域以外の部分は無視されます。 「領域をトラック」の 画面上のコントロールは、シェイプの画面上のコントロールに似ています。 106 第2 章 モーショントラッキング キャンバスでトラック領域を調整するには、以下のいずれかの操作を行います: m 領域内をドラッグして位置を変更する。 m ハンドルをドラッグして領域のサイズを変更する。コーナーのハンドルで、幅と高さを同時にサ イズ変更できます。上と下の中央にあるハンドルは高さを、左と右の中央にあるハンドルは幅を サイズ変更できます。 m Option キーを押したままハンドルをドラッグして領域をその中心からサイズ変更する。 m 領域の中央にある回転ハンドルをドラッグして領域のアングルを変更する。 「領域をトラック」回転ハンドル 方法:このポップアップメニューを使用して、スタビライズをクリップに適用する方法を定義し ます。 Â スタビライズ: この方法を使用すると、ショット内の主な対象物の動きがロックされ、動かな くなります。そのため、トラッキングされている対象物の周りを背景が動いているように見え ます。 Â スムーズ: この方法を使用すると、フレーム内での動き全般を継続したまま、カメラの視覚的 な動きをスムーズにできます。この方法は、カメラの動きからジッタを取り除く場合に便利で す。このモードが有効になっている場合、スムージング可能な次元ごとに以下の3 つのスライ ダが提供されます。 Â 変換(スムーズ): X 次元とY 次元の両方で動きをスムーズにします。 Â 回転(スムーズ): イメージの回転をスムーズにします。 Â 調整(スムーズ): むらのあるズームをスムーズにします。 参考:確実にイメージをズームする場合以外、 「調整(スムーズ) 」に 0 より大きい値を設定し ないでください。 枠線:クリップをスタビライズした場合、スタビライズされたイメージに生じた変形により、動 きを伴う黒い枠線がクリップのエッジの周りに表示されることがあります。このポップアップメ ニューを使用して、エッジを処理する方法を定義します。 Â 標準: スタビライズされたフッテージのサイズが保持されます。動きを伴う黒い枠線は、ク リップのエッジの周りにそのまま残ります。 第 2 章 モーショントラッキング 107 Â ズーム: クリップがキャンバスの最大サイズまで拡大されます。これにより、黒い枠線がエッ ジの周りに表示されなくなります。ただし、スタビライズされたクリップが拡大されます。 方向:このポップアップメニューでは、記録された動きを分析済みのイメージに適用するときの 次元(X と Y、X のみ、Y のみ)を指定することができます。 調整: このパラメータを使用すると、スタビライズを適用する変形を選択することができます。 Â 位置: 有効にすると、分析されたイメージの位置にスタビライズが適用されます。 Â 調整: 有効にすると、分析されたイメージの調整にスタビライズが適用されます。 Â 回転: 有効にすると、分析されたイメージの回転にスタビライズが適用されます。 トラック:「追加」ボタンをクリックすると、 「スタビライズ」ビヘイビアにトラックが追加さ れます。デフォルトでは、トラックはキャンバスの中央に追加されます。 トラックを「スタビライズ」ビヘイビアに追加すると、以下のようになります: Â 「領域をトラック」パラメータが使用できなくなります。 Â 「逆方向」チェックボックスが使用可能になり、クリップを後方にトラッキングできるように なります。 「トラックをオフセット」、 「自動ズーム」 、 「自動ズームモード」、 「先 Â 「トラックのプレビュー」、 のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのコントロールが使用可能になります。 参考:別のビヘイビアをスタビライズのソースとして使用する場合、トラックを「スタビライズ」 ビヘイビアに追加することはできません。 「トラックのプレビュー」、 「トラックをオフセット」、 「自動ズーム」、「自動ズームモード」、 「先 のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのパラメータ、およびトラックのサブパラ メータについては、 1 12 ページの「「トラック」のコントロール」を参照してください。 「スタビライズ」ビヘイビアの使い方については、73 ページの「「スタビライズ」のワークフロー」 を参照してください。 108 第2 章 モーショントラッキング 「スタビライズ解除」のコントロール 「スタビライズ解除」ビヘイビアは、別のトラッキングビヘイビアでトラッキングされた動きを オブジェクトに適用する場合に使用します。このビヘイビアでは、トラッキング分析は実行され ません。 「スタビライズ解除」ビヘイビアは、多種多様のオブジェクトタイプ(グループ、カメ ラ、シェイプ、パーティクルエミッタなど)に適用することができます。 HUD に表示されるパラメータ 「スタビライズ解除」のHUD には、別のスタビライズトラックをビヘイビアに読み込むための2 種類のコントロール( 「ソース」ウェルおよびトラッキングビヘイビアのポップアップメニュー) が含まれています。これらのコントロールは「インスペクタ」のコントロールと同じであり、詳 細については以下で説明します。 インスペクタに表示されるパラメータ ソース:「スタビライズ」ビヘイビアをこのウェルにドラッグして、データを「スタビライズ解 除」ビヘイビアに読み込みます。 「ソース」ウェルを消去するには、項目をウェルの外までドラッ グして、マウスボタンを放します。 Â トラッキングビヘイビアのポップアップメニュー:プロジェクト内のトラッキングデータ(他 のトラッキングビヘイビアから取得したもの)のリストから選択します。 参考: 「スタビライズ解除」ビヘイビアは、キーフレームに変換することができます。詳細につ いては、84ページの「トラックをキーフレームに変換する」を参照してください。 「スタビライズ解除」ビヘイビアの使い方については、7 5ページの「「スタビライズ解除」のワー クフロー」を参照してください。 「ポイントをトラック」のコントロール 「ポイントをトラック」ビヘイビアを使用すると、シェイプまたはマスク(ペイントストローク を含む)のコントロールポイントを、ソースクリップ上の参照特性にリンクさせることができま す。さらに、 「動きを分析」トラッキングビヘイビア、 「マッチムーブ」トラッキングビヘイビア、 または「スタビライズ」トラッキングビヘイビアによって記録された既存のトラッキングデータ を、シェイプまたはマスクのコントロールポイントに適用することもできます。 HUD に表示されるパラメータ 「ポイントをトラック」のHUD には、アニメーションオブジェクトやトラッキングビヘイビアを ビヘイビアに読み込んだり(「ソース」ウェルまたはトラッキングビヘイビアのポップアップメ ニューを使用)、適用先オブジェクトの動き方を指定したり、モーション分析を開始したり( 「分 析」ボタン)、トラックの方向を反対にしたり(「逆方向」チェックボックス)、トラックをオフ セットしたり(「トラックをオフセット」チェックボックス)するための各コントロールが含ま れています。H UD に表示されるパラメータについては、以下で説明します。これらのパラメー タは、「インスペクタ」にも表示されます。 インスペクタに表示されるパラメータ ソース: トラックポイントのソースオブジェクトをこのウェルにドラッグします。ソースオブ ジェクトは、別のトラッキングビヘイビアでも、アニメーションオブジェクトでも、フッテージ オブジェクトでもかまいません。 「ソース」ウェルを消去するには、項目をウェルの外までドラッ グして、マウスボタンを放します。 第 2 章 モーショントラッキング 109 Â トラッキングビヘイビアのポップアップメニュー:プロジェクト内のトラッキングデータ(他 のトラッキングビヘイビアから取得したもの)のリストから選択します。 変形: このポップアップメニューでは、 適用先オブジェクトの動き方を選択することができます。 Â ソースに吸着: このオプションを選択すると、適用先オブジェクトが、記録されたオブジェク トまたはアニメーションソースに「貼り付け」られます。 「ソースに吸着」は、ソースオブジェ クトを調整または回転する場合、あるいは、適用先オブジェクトをソースオブジェクトの特定 の位置に「貼り付ける」場合に使用します。トラックの適用前に適用先オブジェクトに存在し ていたアニメーションは消去されます。 参考:適用先オブジェクトがソースオブジェクトの動きに吸着されていても、適用先オブジェ クトをソースオブジェクトからオフセットすることができます。 Â ソースに合わせる:このオプションを選択すると、適用先オブジェクトが、記録されたトラッ クまたはアニメーションソースを「模倣する」ようになります。トラックの適用前に前景オブ ジェクトに存在していたアニメーションがトラックに追加されます。 参考: 「ソースに吸着」と同様、適用先オブジェクトをソースオブジェクトからオフセットす ることができます。 接線を揃える:このチェックボックスの選択が解除されている場合、接線は元のアングルで揃え られた状態を維持します。このチェックボックスを選択すると、接線がソースアニメーションの 変形と一致し、シェイプがその形状に変わります。 動き:「動き」パラメータには、トラッキング分析を開始したり、分析の方向を指定したりする ための各コントロールが含まれています。 Â 分析: モーショントラッキング分析を開始するには、「分析」ボタンをクリックします。「分 析」をクリックすると、トラッキングの進捗が示された進行状況ウインドウが表示されます。 分析を停止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、 Esc キーを押 します。 トラックの先頭は、 「タイムライン」におけるビヘイビアの先頭ではなく、現在の再生ヘッド 位置に基づきます。 Â 逆方向:「逆方向」チェックボックスを選択すると、クリップが現在の再生ヘッド位置からク リップの先頭フレーム(またはトラッキングビヘイビアの先頭フレーム)まで分析されます。 参考:逆方向分析を開始したいフレームまで再生ヘッドを移動する必要があります。 「トラックのプレビュー」、 「トラックをオフセット」、 「自動ズーム」、「自動ズームモード」、 「先 のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのパラメータ、およびトラックのサブパラ メータについては、 1 12 ページの「「トラック」のコントロール」を参照してください。 「ポイントをトラック」ビヘイビアの使い方については、76 ページの「「ポイントをトラック」の ワークフロー」を参照してください。 「トラック」パラメータビヘイビアのコントロール パラメータビヘイビアの「トラック」ビヘイビアを使用すると、フィルタの位置パラメータをク リップの参照特性にトラッキングしたり、既存のトラッキングデータをフィルタの位置パラメー タに適用したりすることができます。 110 第2 章 モーショントラッキング HUD に表示されるパラメータ 「トラック」パラメータビヘイビアのHUD には、トラッキングビヘイビアをビヘイビアに読み込 んだり(ソースビヘイビアを指定するウェルまたはトラッキングビヘイビアのポップアップメ ニューを使用)、位置パラメータの動き方を指定したり、モーション分析を開始したり(「分析」 ボタン)、トラックの方向を反対にしたり(「逆方向」チェックボックス)、トラックをオフセッ トしたり(「トラックをオフセット」チェックボックス)するための各コントロールが含まれて います。H UD に表示されるパラメータについては、以下で説明します。これらのパラメータは、 「インスペクタ」にも表示されます。 インスペクタに表示されるパラメータ ソース: トラックのソースオブジェクトをこのウェルにドラッグします。ソースオブジェクトは、 別のトラッキングビヘイビアでも、フッテージオブジェクトでもかまいません。トラックを「ト ラック」パラメータビヘイビアに読み込むには、ビヘイビアを「ソース」ウェルにドラッグしま す。 「ソース」ウェルを消去するには、項目をウェルの外までドラッグして、マウスボタンを放 します。 参考:アニメーションオブジェクトを「トラック」パラメータビヘイビアのソースとして使用す ることはできません。 Â トラッキングビヘイビアのポップアップメニュー:プロジェクト内のトラッキングデータ(他 のトラッキングビヘイビアから取得したもの)のリストから選択します。 変形:このポップアップメニューでは、フィルタの位置パラメータの動き方を選択することがで きます。 Â ソースに吸着: このオプションを選択すると、フィルタの中心が、記録されたオブジェクトま たはアニメーションソースに「貼り付け」られます。「ソースに吸着」は、ソースオブジェク トを調整または回転する場合、あるいは、フィルタの中心をソースオブジェクトの特定の位置 に「貼り付ける」場合に使用します。トラックの適用前にフィルタの中心に存在していたアニ メーションは消去されます。 参考:フィルタの中心がソースオブジェクトの動きに吸着されていても、フィルタの中心を ソースオブジェクトからオフセットすることができます。 Â ソースに合わせる:このオプションを選択すると、フィルタの中心が、記録されたオブジェク トまたはアニメーションソースを「模倣する」ようになります。トラックの適用前にフィルタ の中心に存在していたアニメーションがトラックに追加されます。 参考: 「ソースに吸着」と同様、フィルタの中心をソースオブジェクトからオフセットするこ とができます。 動き:「動き」パラメータには、トラッキング分析を開始したり、分析の方向を指定したりする ための各コントロールが含まれています。 Â 分析: モーショントラッキング分析を開始するには、「分析」ボタンをクリックします。「分 析」をクリックすると、トラッキングの進捗が示された進行状況ウインドウが表示されます。 分析を停止するには、進行状況ウインドウの「停止」ボタンをクリックするか、 Esc キーを押 します。 トラックの先頭は、 「タイムライン」におけるビヘイビアの先頭ではなく、現在の再生ヘッド 位置に基づきます。 第 2 章 モーショントラッキング 111 Â 逆方向:「逆方向」チェックボックスを選択すると、クリップが現在の再生ヘッド位置からク リップの先頭フレーム(またはトラッキングビヘイビアの先頭フレーム)まで分析されます。 参考:逆方向分析を開始したいフレームまで再生ヘッドを移動する必要があります。 「トラックのプレビュー」、 「トラックをオフセット」、 「自動ズーム」、「自動ズームモード」、 「先 のフレームを見る」をはじめとするトラックリストのパラメータ、およびトラックのサブパラ メータについては、 1 12 ページの「「トラック」のコントロール」を参照してください。 「トラック」パラメータビヘイビアの使い方については、79 (パラメータ) ページの「「トラック」 のワークフロー」を参照してください。 「トラック」のコントロール すべての画面上のトラックには、以下のパラメータがモーション・トラッキング・ビヘイビアに 関係なく共通で提供されています。 トラックのプレビュー: このプレビュー領域には、選択されたトラックのトラッキング参照ポイ ントが拡大表示されます。このプレビューは、キャンバスでトラックの位置を調整すると更新さ れます。 「トラックのプレビュー」領域の任意の場所をドラッグしても、トラックの位置を調整 することができます。プレビュー領域内をドラッグすると、それに合わせて、プレビュー内では イメージが赤い十字形の周りを移動し、キャンバス内ではトラックが移動します。 トラックをオフセット: トラックの参照ポイントが一時的に非表示になっている、または画面上 から消えている場合、このパラメータを使用すると、元の参照ポイントと同じトラッキングパス を辿る別の参照ポイントを選択することができます。オフセットトラッキングについては、 91ページの「隠れたポイントまたはフレーム外のポイントをトラッキングする」を参照してく ださい。 自動ズーム: キャンバスでのトラック位置を決定する際、このポップアップメニューからオプ ションを選択して、拡大レベルを設定します。これにより、理想的なトラッキング参照パターン を検索するときにキャンバスを拡大することができます。以下の 4 つのオプションがあります: Â なし:キャンバス内でトラックを動かしても、拡大表示されません(トラックが表示されてい るだけの状態)。 Â 2x: キャンバス内でトラックを動かすと、トラックの周りの拡大表示が通常のズームレベル の2 倍になります。 Â 4x: キャンバス内でトラックを動かすと、トラックの周りの拡大表示が通常のズームレベル の4 倍になります。 Â 8x: キャンバス内でトラックを動かすと、トラックの周りの拡大表示が通常のズームレベル の8 倍になります。 自動ズームモード: 自動ズームされたトラックのキャンバス内での表示を設定するには、この ポップアップメニューからオプションを選択します。以下の 3 つのオプションがあります: Â 通常: 通常のパターンが表示されます。 Â コントラスト: コントラスト検出によるトラックパターンが表示されます。 Â エッジ: エッジ検出によるトラックパターンが表示されます。 112 第2 章 モーショントラッキング 「自動ズームモード」は、キャンバス内のトラックにのみ適用されます。また、 「インスペクタ」 の「ビヘイビア」タブの「トラックのプレビュー」には表示されません。 参考: 「自動ズーム」ポップアップメニューから「なし」を選択した場合、 「自動ズームモード」 設定による効果はありません。 先のフレームを見る: このスライダおよび値スライダでは、トラックによる分析の対象となる 「先の」フレーム数を指定することができます。つまり、参照ポイントの特定の位置を見るよう にトラックに指示することができます。参照ポイントがトラックから急に「離れる」場合がある ので、この機能は速い速度で動くオブジェクトを含むフッテージに特に便利です。 「先のフレー ムを見る」の使い方については、89 ページの「「Motion」にヒントを与える」を参照してください。 「トラック」リスト: ビヘイビアに含まれているトラックが表示されます。 「動きを分析」ビヘイ ビアおよび「スタビライズ」ビヘイビアでは、このリスト内のトラックを、「トラック 1」、 「ト ラック2」などと呼びます。 「マッチムーブ」ビヘイビアでは、トラックを、 「アンカー」および 「回転の調整」と呼びます。4 ポイント・トラッキングが有効になっている場合は、このような トラックを「左上」、 「右上」 、 「右下」 、および「左下」といいます。 トラックを無効にするには、チェックボックスの選択を解除します。トラックを取り除くには、 「取り除く」ボタンをクリックします。無効になったトラックは、トラッキングでは分析されま せん。 参考:「マッチムーブ」ビヘイビアからトラックを取り除くことはできません。 トラック名の隣にある開閉用三角ボタンをクリックすると、以下の追加パラメータが表示され ます: Â 位置: トラックのX 位置とY 位置が表示されます。X 位置は左の値スライダで、Y 位置は右の値 スライダで確認します。開閉用三角ボタンをクリックすると、ラベルの付いた位置値スライダ が表示されます。 Â 検索サイズ:このスライダまたは値スライダを使用して、トラックの検索領域のサイズを増減 します。 「M otion」では、キャンバスでトラックを設定する際に検索領域のサイズを指定しま せん。デフォルトの検索サイズを変更するには、このスライダまたは値スライダを使用しま す。 「検索サイズ」を200 パーセントに設定すると、トラックの検索領域がデフォルトの検索 領域のサイズの2 倍になります。 Â 失敗の許容度:このパラメータを使用して、トラックのエラーの許容度値または信頼度値を定 義します。つまり、トラックが参照特性に一致可能であると判断する際の「スコア」を定義し ます。スコアを上回った場合、トラックは一致を受け入れます。スコアを下回った場合、ト ラックは一致を拒否します。一致が拒否されると、「失敗時の動作」が有効になります。 Â 失敗時の動作: このポップアップメニューを使用して、トラックの信頼度値が「失敗の許容 度」の値を下回った場合の動作を指定します。以下のオプションがあります。 Â 自動再試行: トラックがより広範な検索領域で参照パターンを検索します。パターンが見つ からなかった場合は「予測」オプションに切り替えられます。「自動再試行」は、失敗時の デフォルトの動作です。 第 2 章 モーショントラッキング 113 Â 停止: トラックが参照パターンを見失った場合に分析を停止します。トラッキング進行状況 ダイアログの「停止」ボタンをクリックするか、E sc キーを押して分析を停止することもで きます。 Â 予測:トラックが参照パターンの一致を見つけるまで、新しい検索領域を予測します。キー フレームは作成されません。これは、前景オブジェクトの後ろを横切るトラッキング対象オ ブジェクトに最適です。 Â 予測とキー: 失敗が検出された場合、トラックが最後の2 つのキーフレームのベクトルに基 づいて位置を予測し、新しい領域でトラッキングを続行します。 Â 予測しない: トラックがそのままの位置で、クリップのフレームの進行に合わせて後続の一 致を検索します。一致の検索中にキーフレームが作成されることはありません。 Â 既存キーフレームを使用: このオプションを使用すると、キーフレームをトラックパスに合 わせて手動で作成することができます。作成したら、先頭フレームに戻ってトラッキングを 開始します。検索パターンにより、既存のキーフレームによって作成されたモーションパス が検索されます。 Â カラー: 画面上のトラックに新しい色を設定するには、このオプションをクリックするか、 Control キーを押したままカラーウェルをクリックします。または、スポイトをクリックし、 キャンバスで色を選択します。トラックのデフォルトの色は黄色です。トラックを選択する と、中心点が白になり、検索領域のフレームがカラーウェルで設定した色になります。個々の カラーチャンネル(アルファチャンネルを含む)を調整するには、開閉用三角ボタンをクリッ クします。 114 第2 章 モーショントラッキング
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