平 成 27年 度 事 業 計 画 書 社会福祉 法 人 平成 27 年度合志市社会福祉協議会事業計画(案) 共通理念「やさしくて穏やかな福祉社会の創造」 理念解説 「やさしくて穏やかな福祉社会の創造」は合併後に合志市社会福祉協議会の組織理念とし て掲げました。 優しくて穏やかとは=「市民の誰にとっても安全で安心して暮らせる地域づくり」を合志市社 会福祉協議会事業遂行の最大にして最終目標とする意思表示です。また、福祉社会の創造 とは=「ノーマライゼーションの理念を基軸とし、専門家である職員(科学的根拠を修得し、福祉 従事者としての質実良兼(造語)の者)による支援と他の社会資源や市民相互の温かみのある 支援活動の総和が総合的に提供できる地域社会の実現」を意味します。 1、 基本方針 超高齢化社会に向かい、誰もが安心して暮らすことのできる社会システムを構築すべく 社会保障改革が進められるなか、平成27年度は、生活困窮、介護、高齢、児童、障害な ど各分野の社会福祉制度の見直しが行われます。 また、社会福祉法人のあり方見直しについては、地域の福祉課題を最優先に対応して いくという社会福祉協議会のあり方の原点を再認識し、地域福祉推進の中核的役割を果 たし市民の負託に応えることで、さらに市民の信頼を得るこが求められています。 このような現状のなか合志市では、宅地化における新興地域の開発は、現代社会にマ ッチした新たにして温かみのある地域社会の構築がもとめられ、人のつながり醸成や社会 的子育て、社会的介護、社会的教育など地域包括ケアの基盤整備が急がれます。 )では、このような状況のなか、国・ 合志市社会福祉協議会(以下「本会」という。 県はもとより合志市の政策動向ならびに社会福祉を取り巻く状況変化を踏まえ、 平成27年度は昨年度に引き続き、生活困窮者対策や地域包括ケアの考え方に 組み込まれる「自助・互助・共助・公助」の構成要素を整理しつつ社会福祉法 人に共通する課題(補助制度が充分に維持される保証がないことから、器具や 什器、福祉用品の買い替え整備、将来への資金投入と支出の目的を明らかにす る会計処理や、資金の地域貢献)への対応を強化するとともに、障害者総合支 援法の施行や子ども・子育て関連3法の本格施行に向けた検討、改正介護保険 法(平成 27 年4月)等、本年度を事業契機と捉えて社会福祉分野の諸改革に適切 に対応していく必要があります。 具体的には事業の実施において、貧困、社会的孤立、虐待など、地域におけ る複雑、多様化する生活課題・福祉課題について、生活困窮者自立支援事業・ 1 虐待防センター事業(いづれも合志市受託事業)では受託仕様書の内容以上に 本会として行うべき内容を精査し自己投資を持って社会貢献を強化します。 また、本年度からの介護保制度改正において、住民主体による多様な生活支援サー ビスが地域支援事業に位置づけられることから、希薄化する市民間の相互関係をどのよう に強めていくのか、増大する要援護者の介護、生活課題への対応をどのような仕組みで 支えていくのか、地域福祉の担い手の参加をどう促進していくか等、いくつもの課題へ対 応するため生活支援コーディネーターの設置が図られ、本会の地域福祉を根幹とした、 それぞれの支援サービスとの連続的な支援体系の構築に向けた地域包括ケアの基本理 念でもあるワンストップ支援に向けた取り組み再編を協議し、実現に向けて関係機関との 検討を行います。 また、引き続き本会の中期計画のである「地域福祉活動計画」(平成 25 年 4 月~30 年 3 月までの5ヵ年)を実効性のあるものと捉え本計画に盛り込むほか、災害ボランティアセン ター設置訓練や要援護者避難訓練への協力に加え、昨年同様に災害時避難所運営訓 練を実施し、もしもの時に備えた災害時に強い絆を発揮する地域づくりを推進します。 27年度は、現状の社会情勢を踏まえたうえで、地域福祉活動計画で示された事業推進 の3つの柱と、これまで本会が基本方針の推進方針を(1)地域福祉活動計画の推進(2) 組織の経営基盤強化推進に区分し、計画との整合性を図り、事業理念、基本方針、事業 方針、実施事業の構造的展開を実施することでより安定した効果的事業展開を目指しま す。(P6地域福祉活動計概要参照) 2、基本方針の要点(セーリングポイント) (1) 地域福祉計画・地域福祉活動計画の推進 ① 地域住民と協働・連携による安心の街づくりを推進します ② 多様化する福祉ニーズに対応する総合支援体制(支援サービス)の構築に努めます ③ 災害時に市民の絆が発揮できる訓練事業と支援者育成事業を推進します。 ④ 生活困窮者自立支援事業(平成 27 年 4 月施行)にの受託とオプション事業の取り組 み協議を進めます ⑤ 新たな子ども家庭支援事業を推進します。(地域における家庭的保育の支援を地 域の社会資源を活用し実施向けて検討します。) ⑥ 障がい児(者)とその家族支援を推進します。 (2) 組織の経営基盤強化推進 ① 新会計による拠点区分を「地域福祉推進事業」「れんがの家(障害福祉推進事業)」 「このみ坂保育園(総合保育推進事業)」の3拠点区分とし、それぞれの拠点ごとの 経営状況を明確にし、経営の安定化を図りさらなる効率化を目指します。 ② 情報公表と説明責任を果たし市民から信頼させる組織運営を目指します ③ 透明性を図るため経営情報と法人内留保資本の留保目的を明らかにする会計処 2 理を実施します。 (新会計への移行) ④ 法人内留保を新たな地域福祉事業への投資資産として活用を図ります (施設整 備・生活困窮者支援事業の実施・住民参加型福祉サービスぽっかぽかサービス等) 3、27年度事業方針(セーリングポイント) 事業方針では、基本方針を踏まえより具体的事業の方向性を示し、加えてこれまでの 事業の継続的実施を図るため、地域福祉計画・地域福祉活動計画(表 1)の構造的展開 を基軸とした事業実施にむけた取組を明示しました。(P6参照) 1) 総務・経営管理部門 ① 新会計システムへ移行し、地域福祉事業と収益事業ごとの経営評価をとおした将来 設計と資産管理を行います ② 市民ニーズに応じた事業の実施を行うための、調査、企画、事業実施、再評価の方 策過程を確立します ③ 当初予算については経常収入については100/95で積算、経常支出を 100/103 で積算することで不測の収入減及び事業量増大への対応を計り、経営の安定化を 図ります ④ 補助、委託事業については事業運営の大きな柱であり、合志市との協議をとおして 協定締結を目指します(提案事項) ⑤ 内部留保資金については、損益勘定留保資金と任意積立金を整理し、地域福祉事 業への再投資資金としての活用を図る他、将来の見通しを立て、確実な方法で積 み立て運用を図ります ⑥ 当期活動収支差額は、単年度事業活動収入額の5%以上を目指し、法人運営の安 定化を図るとともに次年度事業への再投資に備えます ⑦ 職員の待遇改善では、処遇改善事業を活用する他、福利厚生の充実、被服貸与、 互助会活動の支援、嘱託職員の期末手当を経営状況に応じ評価し、安定雇用の 促進を図ります ⑧ 人材確保のための職員支援方策(企業内保育、資格取得支援等)の実施に向けた 研究協議を実施します ⑨ 車輛事故の抑制を図るための、安全運転教室の開催、及び無事故運動への参加 を実施し職員の運転技術の向上と意識改革を図ります 2) 地域福祉部門 ① 地域座談会等を実施し、本会活動の普及と市民参加者への地域福祉推進の重要性 の意識定着を図ります ② 本来の包括ケアの考え方を、本会が実施推進する横断的包括事業の推進(これまで 3 は統合支援と表現してきた考え方で、一般的に言われる社会的包括や、地域包括ケ アの考えを基盤としながらも、子育て、障害支援等社会福祉協議会が実施するすべ てのサービス提供事業を連携させるやり方)手法で、点ではなく面で支える一極基盤 の仕組の構築を計画的・段階的に整備します。 ③ 1)個別支援・地域支援2)計画と実践 3)行政・社協と地域の 3 つのバランスが保てる よう地域福祉計画、地域福祉活動計画に沿った整合性のある取組を推進していきま す。 ④ 人材育成の仕組みを系統化し、パーソナルサポーター(市民が要援護者である市民 の広汎性のあるニーズに応えられるような人材の育成)の育成に努めます。世代・各 論課題とする「認知症支援」「独居支援」「子育て支援」「多胎児支援」「障がい児支援」 「孤立・閉じこもり支援」のサポーターの活用とフォローアップに努めます ⑤ 災害時ボランティアセンター設置訓練並びに災害時要援護者(高齢者、障害者、乳 幼児、妊婦、傷病者、日本語が不自由な外国人といった災害時に自力で避難するこ とが困難な人のこと)に特化した避難所運営訓練を実施することで、災害時支援ボラ ンティア並びに職員の育成及び福祉避難所協定施設との連絡調整を図ります ⑥ 市民後見、法人後見の実施に向けた取り組みを段階的に実施します。 ⑦ 改正介護保険法(平成 27 年 4 月)による地域支援事業の調整及び新たな社会資源の 開発等の充実強化の為の生活支援コーディネーター(市受託)の配置及び実働に向 けた取り組みを実施します。 3)福祉事業部門 ① 補助事業を活用して整備したスペーシアれんがにより、就学前、就学期、就学期終 了後まで一貫した療育体制を整備するほか、就労支援事業の認可実施を促進し、乳 幼児期から壮年期までの一貫した支援体系を整備を段階的に進める。 ② 専門支援者である職員が 1)権利擁護 2)制度理解(介護保険・障害者総合支援・児 童福祉等の支援法の理解)3)地域福祉の総合的理解ができるよう、各課の専門相談 員の育成を行います。(ジェネリックスソーシャルワーカーの育成) ③ 本年度から新たに受託する生活困窮者支援事業では熟練、並びに有資格者を相 談員に配置するほか、本会地域福祉事業及び要援護者支援事業との連携を強化し、 これまで積み重ねてきた要援護者支援の経験を遺憾なく発揮することで、生活困窮 者支援に留まらず、広義の要援護者支援事業へと展開します。 ④ 新たな介護予防・日常生活支援総合事業の展開に向けて、新たに生活支援課を創 設し生活支援コーディネーターを配置し(市受託)、これまでの介護予防地域支援事 業を整理することで事業の効率化に向けた検討を行います。 また、地域包括支援センターブランチ機能、介護予防・日常生活支援総合事業、地 域権利擁護事業等地域福祉と密接に関わらなければならない事業を生活支援課事 務とし地域福祉との関連付けを強化します。 4 4、合志市社会福祉協議会事業設計図 地 域 福 祉 計 画 ・ 25 年度~ 地 29 年度 事業理念 域 基本方針 福 祉 事業方針 活 動 計 画 実施事業 ※本会が目指す理想の地域づくりを共通理念(事業理念)として掲げ、これを達成すべ く大きな道筋(基本方針)と、基本方針をより具体化した事業方針で示す内容をそれ ぞれの事業へと反映させていく事で、更に高い理念達成を具現化していく過程を図 案化した。 5 ※表1 ※1、2,3地域福祉計画に示された主な事業概要(行政と共同で進める5年計画) 計画の柱 柱その1 地域の支え合い活 動の推進 主 要 事 業 1、 行政区での福祉座談会を開催し、住民自らの支え合い活動推 進を支援(各地区2回を基本パターンとして実施) 2、福祉座談会の効果や成果等の広報 1、役員会への参加など座談会後の継続支援 2、支え合い活動の項目ごとの事例紹介や活動の手引の作成 3、社協会費還元等での活動助成の仕組み検討 1、広報やホームページ、事例集等での市民への周知 1、地域福祉の拠点整備 柱その2 1、 行政内での地域福祉の重要性の確認 地域人材・事業所 2、 人材育成の必要性の周知、啓発活動 活躍の仕組みづく 3、 福祉の相談や福祉支援制度の周知 り 1、 各種ボランティアや支援員の育成講座開講 2、 ボランティア活動や生活支援活動の機会提供 3、 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用した人材活 用 1、 事業所、店舗等での認知症や子育て支援等の地域貢献活動 に関する協力・要請 2、 地域貢献活動の広報と顕彰 柱その3 各種連携・統合 1、 行政、社協、福祉関係者の地域福祉への理解による統合力の 充実 2、 医療及び介護の連携など連続した仕組みづくり 3、 関係機関の連携と行政のコーディネート 1、 専門ケアと地域支え合いとの連携による切れ目ない支援の仕 組みづくり 2、 行政及び社協による相談やコーディネート 1、 防災・防犯等の充実(自主防災の充実) 2、 住宅や住環境のユニバーサルデザインの推進 3、 移動手段の確保 6 5、包括統合ケアに向けた将来展望 市民総合安心サポートセンター 合志市社会福祉協議会安心生活創造事業所 合志市社会福祉協議会地域包括支援センター 合志市社会福祉協議会生活困窮者サポートセンタ 合志市社会福祉協議会認知症サポートセンター 合志市社協介護予防日常生活サポートセンター 合志市社協自殺者予防サポートセンター 合志市社協ボランテイア市民活動支援センタ 合志市社会福祉協議会福祉後見センター 合志市社協市民総合相談センター 連携 連携 一 元 管理 社会福祉協議会こども支援センター 社会福祉協議会障がい者支援センタ 安心生活創造事業、地域包括支援センター、生活困窮者自立支援事業、新 たな介護予防・日常生活支援総合事業の展開、認知症地域支援体制等構築事 業、自殺者予防支援、ボランティアセンター(市民活動支援センター事業) 福祉後見支援センターを総合的に展開実施することで、市民にとってのワン ストップ支援、住民参加型福祉サービスの展開、包括的総合相談窓口の設置 並びに事業全体の効率的運営を目指します。 7
© Copyright 2024 ExpyDoc