平成26年度事業報告 - Silver

平成26年度事業報告
1. 事業概要
平成26年度は、行政の要請により、シルバー人材センターの拠点である事
務所を9月に旧舞鶴市民病院に移転し、更なるシルバー事業の発展の礎としま
した。移転作業には、延べ120名の会員がボランティアにより、机やイス、
テーブルなどを搬出入していただきました。
移転した新事務所は、会員交流サロンをはじめ、互助会室、ワークプラザ(作
業室)、サークル活動推進室など、まさに、
「会員の、会員による、会員のため」
の拠点となる施設になりました。
合わせて、本年2月からパソコンシステムを変更し、より効率的な会員の就
業検索ができるよう、事務システムの効率化を図りました。
事業の状況については、契約金額が、昨年度に引き続き、3億円を突破し、
家庭で49万円減少したものの、公共が844万円、企業が291万円増加し
た結果、前年度比1,086万円増の3億2,467万円になりました。特に、
除草や剪定の契約が増加したことや、海フェスタ京都などイベントでの受注増
が増額の要因となりました。
会員数は741人で、新聞折り込みや口コミなど会員確保に努めた結果、昨
年より25人増え、平成23年度からの減少傾向から一転、増加に転じました。
企画提案方式による事業については、平成25年度から引き続き、サルやア
ライグマ、クマなどの有害鳥獣駆除対策と子育て支援対策を市役所の各部署と
一緒になって展開する「山びこ事業」と「産声サポート・子どもふれあい農園
事業」の2つの事業に取り組みました。
会員が独自の創意と工夫により企画し、自ら実施する独自事業については、
会員が制作した手芸品や野菜、ハーブ製品などを販売する「ふれあいショップ」
や「喫茶ふれあい」の開業、また経験豊かな会員が講師となり、市民を対象と
した年間講座の「アートフラワー」、「着物リフォーム」、「子ども絵画」を実施
しました。
また、
「安全・安心なシルバー事業」の構築を図るため、安全・適正就業対策
委員会を中心として、就業中や就業途上の事故ゼロを目標に、安全パトロール
や安全資器材の充実、作業前の安全点検やミーティングの徹底、刈払機等の取
扱い講習会などを実施し、さらには「シルバーまいづる」での啓発など事故防
止に努めましたが、傷害4件、賠償7件の合わせて11件の傷害賠償事故が発
生しました。そのうち、除草中の飛び石による駐車中の自動車ガラスの損傷が
6件あり、そうした状況を受け、除草班全員を対象とした安全研修会を開催す
るとともに、除草班世話役、グループ長によるオリジナルの「飛び石防護柵」
を作成し、今後に活用することとしました。
ボランティア活動については、10月の「シルバー普及啓発促進月間」の一
環として、シルバー人材センターの存在を広く地域社会に周知するため、地域
班を中心に学校や通学路、公園等の除草や清掃、剪定作業を実施し、212人
の会員が参加しました。
女性委員会については、昨年11月から、第一線で活躍中の女性会員を中心
に、女性の視点でシルバー人材センターを活性化させるべく準備会を設けて検
討を進め、平成27年4月より、女性委員会を発足し、①女性会員の増強及び
就業機会の拡大②子育て支援、家事生活援助等の充実・強化③女性会員の活性
化などを主眼にして事業を推進していくこととしました。
また、会員同好会の作品や会員が講師を務める市民向け講座での受講生作品
を一堂に展示する「シルバー作品展」を初めて企画し、3月26日~29日ま
で4日間で延べ423人が来場しました。
さらに、当センターが今後取り組むべき課題や事業運営の方向性を明らかに
し、中期的な視点に立った運営の指針とするため、平成27年度~31年度の
5年間の「中期計画」を策定しました。
「会員の拡大」
「就業機会の確保・開拓」
「安全・適正就業の推進」
「会員による自主的運営の推進」
「独自事業の充実」
「財
政基盤の充実・強化」の6つを重点課題として、今後、計画的に取り組むこと
としております。
以下、平成26年度の事業実施状況について報告します。
2. 事業実施状況
(1)会員の状況
年度中の入会員98人、退会員73人で、平成27年3月31日現在の
会員数は741人となり、前年度に比べ25人、3.5%、増加しました。
会員の平均年齢は、全体平均で71.2歳、男性70.9歳、女性71.7
歳となっています。
会員総数
男性
女性
平成 27 年 3 月 31 日
741 人
499 人
242 人
入会員数
98 人
60 人
38 人
退会員数
73 人
48 人
25 人
平成 26 年 3 月 31 日
716 人
487 人
229 人
増 減 数
25 人
12 人
13 人
前 年 比
3.5%
2.5%
5.7%
平均年齢
71.2 歳
70.9 歳
71.7 歳
(2)業務量
平成25年度実績に比し、契約件数で76件、契約金額で1,086万
4千円、就業延人員で1,035人増加となり、契約金額から、材料費、
事務費を差し引いた配分金は、2億8,130万円となり、854万円増
加しました。
項目
契約件数
(件)
契約金額
(千円)
就業実人員
(人)
就業率
(%)
就業延人員
(人)
平成 26 年度
4,507
324,674
690
93.1
70,338
平成 25 年度
4,431
313,810
670
93.6
69,303
増減数
76
10,864
20
△0.5
1,035
前年比(%)
1.7
3.5
3.0
△0.5
1.5
(3)企画提案方式事業の実施
【山びこ事業】
有害鳥獣による農作物の被害を防止するため、サルの追い払い事業や、
捕獲アライグマの処理事業、里山の荒廃が進む現状と鳥獣生息の意義を理
解するための子ども教室や里山の環境回復を図るためのドングリ苗の育
成のサポータ事業などを舞鶴市と連携して実施。
(ア)
サルの追い払い事業
農作物被害を防止するため、市内のサル5群に対し、出没場所に出
向き、花火等でサルを威嚇し、追い払うパトロール事業を実施。
(イ)
捕獲アライグマの処理事業
舞鶴市アライグマ防除実施計画に基づき捕獲されたアライグマにつ
いて、体長計測、仮保管施設から致死処理施設間の運搬作業を実施。
(ウ)
ドングリサポーター事業
クマの餌であるドングリを山に増やし人里に下りて来ないようにす
るため、会員からいただいたドングリの実を舞鶴市立与保呂小学校3
年生の総合学習の授業で鉢植え実習をするとともに、環境回復の大切
さを理解する「自然環境教室」を実施。平成27年度は、鉢植えで育
った苗木を奥山に植え替える事業を予定。
【産声サポート・子どもふれあい農園事業】
新たに出産を控えた家庭とシルバー世代を結びつけ、家事・育児支援を
行うとともに、次なる世代を担う子どもたちの健全な育成を図るため、
「産
声サポート」や、
「子ども教室」
「子どもふれあい農園」などの事業を実施。
(ア) 産声サポート事業
舞鶴市の夏休み学童クラブの指導員、公民館やNPO法人が実施する
若い母親向け講座の子ども託児や個人宅での子ども預かりなどを実施。
(イ) 子ども教室事業
子どもの健全育成を図るため、多様な技能を持つ会員が講師となり、
「子ども物づくり教室」や、「子ども絵手紙教室」「竹細工教室」「昔の遊
び教室」などを開催。
(ウ)
子どもふれあい農園事業
子どもたちに、土に触れる体験や野菜作りの楽しさ、収穫する喜び
を体験させるため、本年度もシオン幼稚園園児にサツマイモの植え付
け・育成・収穫などを支援。
企画提案方式事業の状況
区分
山びこ
事業名
実施日
就業延
就業実
人員
人員
サルの追い払い
4 月~ 3 月
956 人
19 人
捕獲アライグマの処理
4 月~ 3 月
11 人
2人
ドングリサポーター
9 月~10 月
4人
4人
971 人
25 人
4 月~ 3 月
219 人
57 人
4 月~ 3 月
21 人
10 人
4 月~10 月
7人
2人
247 人
69 人
計
産声サポ-ト
産声サポート
子ども教室
・子ども
子どもふれあい農園
ふれあい農園
計
(4)技能講習会の開催
高齢者の雇用に繋げるために、シニアワークプログラム(SP)事業と
して「造園管理アシスタント講習会」を京都府シルバー人材センター連合
会と連携して実施したほか、会員の技術、技能の向上を図り、就業機会の
開拓及び安全就業の確保等を目的として、各種技能講習会を開催しました。
講習会の実施状況
項目
講習会名
SP
造園管理
事業
アシスタント
安全
草刈機取扱安全
技能
松の木剪定
講習内容
剪定技能・知識
実施月日
10 月 1 日~
10 月 10 日
参加延人員
12 人
取扱基本操作と実技
5 月 20 日
21 人
取扱技術と安全作業
6 月 17 日
25 人
取扱技術と安全作業
10 月 28 日
20 人
剪定技術と安全作業
4月 7日
16 人
剪定技術と安全作業
10 月 24 日
11 人
安全
健康講座
ヨーガ講座
2 月 20 日
23 人
適正
除草班安全研修会
講演「安全管理のABC」
2 月 13 日
98 人
網戸張替え
張り替えの技術とポイント
6 月 19 日
6人
障子張替え
張り替えの技術とポイント
11 月 27 日
6人
緑地管理
公園管理とコンプライアンス
3 月 16 日
50 人
技能
(5)安全・適正就業の推進
○ 事故発生状況
就業中の事故が9件、就業途上の事故が2件の合わせて11件の事故
が発生しました。うち、賠償事故が7件、傷害事故が4件で、傷害事故
については、作業中の転倒による負傷が2件、交通事故による負傷が2
件ありました。
○ 安全・適正就業
就業中や就業途上の事故ゼロを目標に、安全・適正就業対策委員会の
開催、安全パトロール、安全資器材の充実、作業前の安全点検及びミー
ティングの徹底、刈り払い機等の取扱い講習会を実施し、事故防止に取
り組みました。
① 安全・適正就業対策委員会 定例会議 計4回
② 安全管理教育、草刈機取扱安全技能講習会等 計6回
③ 安全標語の募集等、安全意識向上のための普及啓発事業
○安全標語募集(5月1日~5月31日) 17名 47点の応募
○安全就業に対する研修会への参加
④ 会員の健康保持・健康管理のための健康講座等の開催
⑤ 安全パトロール 計8回
○作業中の危険防止策の指導と安全保護具着用等の確認