1 個人面接 2 集団面接 3 集団討論 4 模擬授業

○8月13日(木)現在、第一次選考試験の結果を一部の自治体が発表しています。すべての自治体の
発表を待って、
「教職支援室便り9月号」に本学現役・既卒者の第一次選考試験合格者数を掲載します。
○北海道を皮切りに第二次選考試験が始まりました。大分県は第三次選考試験まで実施しますが、ほと
んどの自治体は第二次選考試験で終了します。その結果は、10月中旬から10月下旬に発表になりま
す。今回は、第二次選考試験の内容を紹介します。
教員採用選考試験においては、教育者としての使命感、豊かな人間性や社会性、様々な体験に裏付け
られた確かな指導力などを備えた、優れた人材を確保することが重要な課題となっており、人物評価を
重視した選考になっています。第一次選考試験では、筆記試験が中心でしたが、第二次選考試験では、
ほとんどの自治体が、個人面接、集団面接、集団討論、模擬授業、場面指導などの面接試験を実施し、
人物重視の選考試験が行われます。また、適性検査を実施している自治体もあります。
面接試験には、個人面接等にそれぞれ3~4名の面接員が入るので、1名の合格者を決めるのに12
名程度の面接員が評価することになります。
1 個人面接
個人面接は、すべての自治体で実施しています。質問の内容は、冒頭に1分程度の自己PRをした後、
願書などに基づいて受験者の履歴、ボランティア活動歴、具体的な志望動機などの個人的な質問に始ま
り、教科指導や生徒指導について具体的な対応など幅広く質問されます。
個人面接は、個人の資質や能力に深く迫る最も重要な面接形態です。その応答の内容、反応の仕方、
言語などから受験者の人柄や能力等を評価しようとするもので、合否は個人面接によって決まるといっ
ても過言ではありません。受験者 1 名に対して、面接員3~4名が順に質問していきます。1名当たり
の面接時間は15~20分です。「明るさ、快活さが伝わってくるか」「情熱や気迫が伝わってくるか」
「教育に対する意欲や使命感があるか」といった点でも評価されます。
2 集団面接
集団面接は、4~6名の受験者を同時に面接するものです。実施方法は、同一の質問を受験者全員に
投げかけ、並んでいる順や指名順に一人ずつ答えを求める場合が多いようです。また、挙手によって答
えを求める場合もあります。
受験者は、面接員の質問を的確に捉え、他の受験者の回答に影響されることなく、自分なりの答えを
明快に伝えることが必要です
3 集団討論
集団討論は、5~10名の受験者の集団討論の様子を面接員3~4名が評価するものです。集団討論
室に入ると、面接員から集団討論題が示されます。例えば、「生徒一人一人の心に響き、共感しあえる
生徒指導はどうあればよいと考えますか。具体的な例をあげながら、皆さんで話し合って下さい。(宮
崎県)」と書かれた用紙が配付され、7分程度で自分の意見をまとめます。その後、1番から順に2分
間の意見を発表後、面接員から自由に20分間討論するよう指示されます。討論後、10分間程度、面
接員から質問があります。
4 模擬授業
模擬授業は、ほとんどの都道府県で英語(各教科)の模擬授業が行われていますが、道徳や学級活動
の模擬授業を行うところもあります。模擬授業は、他の受験者を生徒と見立てたり、面接員が生徒役に
なったりして、教室において模擬授業を行うものです。なお、学習指導案を課している自治体もありま
す。
● 宮崎県二次:英語の模擬授業
宮崎県の場合は、受験者1名、面接員4名で、別室でテーマについて15分構想(移動時間も含む)
し、模擬授業を行う部屋に入って、10分間授業を行います。その後、5分程度面接員から質問があ
ります。昨年の題材は、次の通りです。
中学校の英語がスタートして2カ月が経ち、一般動詞を学習するようになった頃、小学校の外国
語活動では会話を楽しんでいましたが、音声と文字が一致せず、単語を覚えることにつまずきを感
じている生徒が数名います。この生徒のつまずきを解決するための授業を行ってください。
5 場面指導
場面指導とは、現実に起こりうる場面(生徒指導、悩み相談等)を想定し、その場面において、受験
者が教員として実際にどのような指導や対応をするかを問う面接試験の一形式です。例えば、「あなた
は中学2年生の学級担任です。ある生徒から、先日まで仲良しだったクラスの友達5人と、LINEの
グループ内で連絡を取り合っていたのですが、最近になってこのグループから外され、連絡が取れない
状況になったとの相談を受けました。あなたは、この生徒に対して、どのように指導を行いますか」と
いった場面で、生徒役の面接員に対して指導・援助します。
宮崎県の場面指導は、別室で構想時間が7分(別室で思考、移動、面接室前で待機)与えられ、面接
室に入室後、受験番号、氏名を述べ、場面指導を3分間行います。
6 適性検査
教員の資質として要求される諸々の特性について、客観的に調べるために実施されます。主にクレペ
リン検査、Y-G性格検査などが行われています。
第一次選考試験の結果が発表になってから第二次選考試験対策を行っても十分な対応ができないた
め、7月27日(月)から個人面接、集団討論、模擬授業、場面指導等の第二次選考試験対策を始めま
した。勉強会は、8月下旬まで、毎日10時から17時まで行います。
個人面接、集団面接、集団討論、場面指導は、山本が指導しますが、模擬授業については、学外の指
導者から、5日間指導して頂きます。みっちり対策を行ってから第二次選考試験に臨むことができます。
≪先輩の模擬授業VTR視聴≫
模擬授業は、10分間前後で行う自治体が多く、わずか10分間程度の模擬授業で面接員に自分に授
業力があることをアピールしなければなりません。そのためにも、模擬授業の対策も十分行う必要があ
ります。
そこで、模擬授業の指導を受ける前日に、先輩の模擬授業のVTRを視聴しました。VTRを視聴し
ながら、模擬授業のポイントを整理しました。
≪模擬授業の練習≫
7月28日(火)から模擬授業の指導に入りました。指導者から与えられた題材で10分間の模擬授業を
行い、その都度、アドバイスを受けます。
アドバイスの内容
・授業を英語で行うことを基本とする。
・テンポのある授業を行う。
・一人一人を見ながら(実際は空席)授業を行う。 ・望ましい学習習慣を徹底する。
・授業中、机間指導を行いながら大いに称賛する。 ・板書の工夫(色チョーク等)をする。
・気迫、表情の豊かさ、抑揚、間の取り方、生徒を引き付ける話し方に心がける。
≪個人面接の練習≫
8月3日(月)から個人面接等の指導に入りました。面接員からの様々な質問にしっかり応答できる
よう、先ず、ペアで練習(片方が面接質問集より質問)します。その後、集団面接の形で練習し、最後
に、個人面接を行います。どんな質問をされてもきちんと応答できるよう練習します。
文部科学省は、国内の教員の中から、各都道府県教育委員会が選考して推薦する教員について、更に
選考を行い、適任者を決定します。これらの教員を対象に研修を行った上で原則として2年間の期間で
文部科学大臣による派遣教員の委嘱を行い、毎年度当初に各在外教育施設に派遣しています。
本学卒の宮崎東中学校荒木光司教諭(平成12年3月卒)が五ヶ瀬中等教育学校勤務時代に、文部科
学省からドイツのデュッセルドルフ日本人学校に派遣され、今年の3月末に帰国されました。
私は今から3年前、在外教育施設派遣教員として、ドイツ・デュッセルド
ルフ日本人学校に赴任した。約12時間のフライトを終え、フランクフルト
空港に到着した日のことは、今でも鮮明に覚えている。入国手続きを終え、
バスで約3時間かけて赴任地のデュッセルドルフへ向かった。途中、車窓か
らはこれまで見たこともないほど広大な牧場や畑、どこまでも続く広く済ん
だ空を眺めながら、これから始まる3年間の生活に思いを馳せた。
帰国した現在思うことは、3年間の在外勤務は、私にとってこれまで味わ
ったことがないほど厳しく、自分を試される試練の連続であったということ
だ。学校の職員の多くは、独語もしくは英語のネイティブであり、会話のほとんどは当然独語と英語
で行われた。週1回の英語科職員とのミーティングも当然英語。毎回、会議の前日は資料作成や進行
について考え、眠れない日々が続いた。会議直前まで別室にこもって英文資料を音読し、極度の緊張
感の中、ネイティブ教員との議論を行った。また、それ以外でも突然通訳を依頼され、同時通訳で英
語を話さなければならなかったし、様々なエグゼクティブとも英語で交流する機会があった。とにか
くこの3年間、これまでないほど鍛えられ、自身の能力を伸ばす機会に恵まれた。しかし、英語がう
まく口をついて出ない度に、自分の英語力の乏しさに悔しさを覚え、帰宅後すぐに英文の文献等を音
読したり、CNN等の英語を聴き漁った。
毎日の通勤は、U-bahn という地下鉄を使っていたので、通勤中はずっとポッドキャストで英文ニュ
ースやオバマ大統領の演説等自身の興味に従って様々な英語を聴いた。授業もできる限り英語で行
い、積極的に英語力の向上と維持に努めた。その時に感じたことは、やはり英語力は学生時代に高め
られるだけ、高めておくべきだったという反省である。なぜもっと、自分は学生時代に英語を勉強し
なかったのかという後悔が、英語を使う場に身を置く度に思い起こされた。そして、最も大きな後悔
は、学生時代に海外に出て、様々な場所に行き、海外での生活を体験すべきだったというものだ。現
在は、海外に行かなくても十分、自らの意志で英語を学び、力をつけることができる時代である。し
かし、私自身が海外での生活を体験した今思うことは、やはり、たっぷりと自分の時間が確保でき、
多感な学生時代にこそ留学を含めた海外生活を体験すべきだったということだ。特に、今後、英語教
員を目指す公立大生には、できるかぎり学生時代に英語を真剣に学び、海外での生活を体験してほし
いと思う。そして、様々な国籍の人と語り合い、外から日本を見つめる機会を得て欲しいと願ってい
る。学生時代は、そうした幅広く奥深い経験ができるまたとない機会である。また、英語学習と同様
に多くの書を読み、議論し、学校祭等の行事に積極的に関わり、自分の持ち味を生かせる場を見つけ
てほしい。今後の公立大の発展には、そうした学生の前向きで意欲的な姿勢と、物おじせず海外に出
ていくバイタリティーあふれる人材が欠かせないと思う。