1 JA東京グループ 平成28年度 東京都要望 1.「都市

JA東京グループ 平成28年度 東京都要望
東京都農業協同組合中央会
1.
「都市農業振興基本法」による具体的施策の実施
東京都では、
「都市農業振興基本法」の成立を受け、都市農業振興と農地保全の施策に
おける具体策のひとつとして国家戦略特別区域法に基づく「都市農業特区」を提案して
いる。この提案が、区部、多摩地域の農業者にとって、地域の実情に即した農業を営み、
将来に希望が持て、安心して農業経営に取り組めるものであり、都市農業を振興する上
で農業者の負担が増すような事のないように実現することを要望する。
また、振興法の基本理念を実現するために、都市農業振興と都市農地保全における施
策を関係機関とも協議し、地方計画を策定していくことを要望する。
2.農業用施設用地等や畜舎並びにガラス温室に係る固定資産税(都市計
画税含む)を軽減する仕組みを創設すること
農家は農地の他に、農機具庫、作業場、直販所等の農業用施設用地、防風対策、堆肥
確保のための都市山林を所有している。
また、東京都特産のコマツナや花卉などのガラス温室や、家畜用の畜舎を建設し生産
を行っている。
こうした農業用施設用地等は高額な固定資産税が課せられ、ガラス温室や畜舎には構
築物としての固定資産税が課せられる仕組みとなっている。
本要望は現在、幅広い観点から検討をいただいているところではあるが、
「都市農業振
興基本法」に税制上等の基本的施策を講ずるものとすることが明記されたことに鑑み、
農業生産に必要な農業用施設用地等、ガラス温室並びに畜舎に係る固定資産税(都市計
画税含む)を軽減する仕組みの検討を引き続き行うことを要望する。
3.鳥獣被害対策を拡充すること
東京都では、東京都獣害対策基本計画に基づき農作物獣害防止事業を実施しているが、
近年、区部や多摩地区においてもカラスやハクビシン、タヌキ、アライグマなどによる
農作物鳥獣害被害が増加傾向にある。被害の把握に当たっては、生息状況調査等を行い、
詳細な被害状況を把握し、必要な措置を要望する。また、農家自ら設置している防除施
設により被害を防止していることもあるので、農家が設置する防除施設に対して予算措
置を講じて経費を補助することを要望する。
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4.農畜産物の放射線物質検査の対応
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故の発生以来、JA東京グル-プは東
京都と連携し、東京都産農畜産物等の計画的な放射線物質検査を実施してきた。
今後も、東京都産農畜産物等の安全・安心を確保するため、計画的な放射線検査の継
続実施を行うことを要望する。
5.学校給食への地場産農畜産物の導入
学校給食への地場産農畜産物の導入は、国の食育推進基本計画にも目標が掲げられて
おり、東京産の農畜産物の利用促進、食育の推進や国民理解の醸成に大きな役割を有し
ている。しかし、地域によって取り組みに温度差があり、東京全域に広がっていない状
況であることから、都民全体に学校給食を通じて、東京の農畜産物を提供できるように、
各教育委員会等とも連携し必要な支援を要望する。
6.地域の特性を活かした農業の振興
東京都の農業は、都市部だけでなく、奥多摩の山間地から、亜熱帯の小笠原まで、環
境を活かした農業が営まれている。そうした中、島しょ部では、離島という立地で、花
き・観葉植物やアシタバ、果樹の生産などを行い、島しょ部合計の農業算出額は296
千万円となっている。
しかし、農業者の高齢化や担い手不足の問題は顕著であり、今後の農業振興における
大きな課題となっている。
こうした事を踏まえ、都市部とは違う環境での農業振興策を要望する。
7.花卉と植木の地産地消の推進
東京産の花卉や植木等の緑化植物を活用して、公共事業における使用を通じ地産地消
を進め、都内の緑化をより一層推進することや、緑化植物の活用に向けた新たな取り組
み、消費拡大に向けた取り組みを推進し、東京が緑あふれるまちとなるよう要望する。
8.農業関係予算の拡充
東京の農畜産物を広く PR し、都市農業の理解と関心を深めることは、都市農業の振興
において重要なことである。こうした中、東京オリンピック・パラリンピックが開催さ
れることから、
「東京の食と農」を世界に発信するチャンスであり、改めて都民に東京産
の農畜産物や花、植木を PR する機会でもある。
このチャンスを生かす為には、都市農業における課題に対して、継続的な予算措置・
施策を講じるとともに、都市農業の基盤をしっかりと築きあげることが、来るオリンピ
ック・パラリンピックの成功につながり、都民の期待にも応えることになる。
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このことから、東京の農畜産物や東京食材の PR を、飲食店などさまざまな関係者が一
体となって取り組むとともに、下記の事項について要望する。
(1)東京の農畜産物ブランド化に向けて、新品種の開発などの試験研究予算を拡充す
ること。
(2)現場の第一線で農家に直接農業技術の指導や経営の相談を行っている普及指導員
は、農家にとって必要不可欠な存在であることから、普及指導員を増員すること。
(3)農業経営パワーアップ事業に代わる、新規事業においては、より農業者が使いや
すい柔軟な対応が図れるものとすること。
9.国及び政府に働きかけをお願いしたい事項
以上
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