平成 25 年度 長期社会体験研修 報告書 第 18 集 和歌山県教育センター学びの丘 和歌山県教育委員会 平成25年度研修員からの報告 【研修先】 かわべ天文公園 【期 間】 平成25年4月~平成26年3月 【学校名】 日高町立比井小学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 稲田 徹也 【研修内容】 ・出張観望会に同行し、望遠鏡の設置の他、観望する星に照準 やピントを合わせ参加者が星を観望する補助をした。 ・ 「夏の星座」 「冬の星座」の学習プラネタリウムシナリオを作 成した。 ・4次元デジタル宇宙映像ソフト「mitaka」をダウンロードし、 これを使った授業指導案を立てたり、プラネタリウムソフト 「ステラナビゲーター」と「パワーポイント」を使って「月 の動き」や「夏の大三角と星の動き」 「冬の大三角」などの教 材を作成したりした。 ・公園内の樹木の名前や特徴、名前の由来などを調べ樹木ネー ムプレートを製作し設置した。 ・休日・祭日に望遠鏡や双眼鏡を使って来園したお客さんに昼 間の月を見てもらった。 ・アメダスを見学しに来た地元小学生に、アメダスのデータが 天気予報や警報発令にどう生かされているかを説明した。 ・りすのえさやり体験のお客さんの対応をした。 ・ホームページビルダーを使って、かわべ天文公園のホームページを作成した。 ・プラネタリウムチケットのもぎり、観望会チケットの販売、園内放送を行った。 ・科学実験をテーマとした小学校の出張授業に同行し、熱気球を上げる実験やペットボトルの中に雲を作る提示実験を行った。 ・12 億分の1の太陽系の模型を製作し、コスモポート内に展示した。 【研修成果】 上記のような研修を通して、以下のような専門技能、専門知識を学ぶことができた。 ① 出張観望会の補助を通し、望遠鏡の設置の仕方、ファインダーの合わせ方、観望する星への照準の合わせ方などを身に付け ることができた。また事前にどのような準備が必要かを学ぶことができた。 ② 教材づくりを通して、天文ソフトからの画像の取り出し方、動かし方などを学ぶことができた。 ③ 樹木ネームプレートの設置を通して、樹木の名前や由来、分類の調べ方や低価格での紫外線による色落ち対策の方法などを 学ぶことができた。 ④ 来園者の方々に昼間の月を観望してもらうことで、相手の興味や関心を考えながら見ず知らずの来園者の方に働きかける面 白さを知ることができた。 ⑤ 科学実験をテーマとした出張授業に同行するにあたり、児童の興味を引きそうな科学実験ネタを数多く集めることができた。 ⑥ 観望会や模擬学習プラネタリウムのシナリオ作りを通じて恒星、惑星や星座の基礎的な知識を身に付けることができた。 ⑦ 見学に訪れた小学生にアメダスのデータが和歌山地方気象台管区の天気予報にどのように生かされているかを説明するこ とにより、天気予報がどのように行われているか具体的に知ることができた。 ⑧ 太陽系の模型を製作し、グーグルアースの衛星写真上での距離の測り方や画像の保存の仕方などを学ぶことができた。 また接客業務を初めて体験し、職員の方がチケットのもぎり方、アナウンスの仕方など一つ一つに細心の注意を払い、相手に決 して不快感を与えないようにしていることを実感した。専門員の方々は、来客者の心に残る体験をしてもらうため、天体に関係す る勉強を日々怠っていない。特に専門的な内容を一般の人に分かりやすく伝えるため様々な工夫をされていることは教材研究に共 通するものがある。児童の目線に立った教材研究に活かしていきたい。 【研修先】 公益財団法人南方熊楠記念館 【期 間】 平成25年4月~平成26年3月 【学校名】 白浜町立白浜第一小学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 菊原 淳 【研修内容】 ○常時活動における研修 ・南方熊楠についての学習 ・展示室の清掃とトイレの清掃 ・来館者の案内と展示品の説明 ・入館受付や書籍販売 ・番所山緑地帯の清掃・水やり・剪定・草刈り等 の整備 ・足の不自由な人に対する昇降機操作や高齢 な来館者の送迎 ・粘菌の学習や世話と粘菌培養用の寒天作り ○館内での研修 ・特別展の準備や案内文・展示台の作成 ・展示ケース内の説明文の作成や展示品の撮影 ・屋上や館内外の破損箇所や備品の修繕 ・来館者プレゼントの貝殻拾い・洗浄・整理 ○番所山緑地帯整備での研修 ・番所山緑地帯の樹木名入り立て看板の作成と設置 ・番所山緑地帯の棚や柵作りと花の苗植えや霧のシャワーの設置 ・番所山緑地帯に来る野鳥の巣箱作りと設置 ○冊子やガイドブック作成等での研修 ・毎月の学校配布用「記念館だより」の作成 ・小学生のための南方熊楠探険クイズの作成 ・小学生のための副読本の作成と製本 ・小学生のための展示案内文の作成 ・英語版の記念館ガイドブックの作成 ・県内小中学校への案内文の作成 ・館内放映中の DVD からの文字おこしや資料室のフロッピーディスクの整理 ・南方熊楠俳句賞応募者のチェック ○広報活動に関する研修 ・記念館パンフレット・チラシの配布 ・小中学校社会見学へのガイドブックの配付 ・地元小・中学校への「記念館だより」配布 ・白浜商工祭への出展 ・きのくに共育支援メニューフェアーへの出展 ○企画運営に関する研修 ・コンソーシアム和歌山「わかやま学講座」への企画書作り ・きのくに共育支援メニューフェアーへの参加申し込み書作り ・花博記念協会助成金交付申請書の作成 ・花博記念協会助成金交付のためのプレゼンテーション作り ・子どもゆめ基金助成金交付申請書の作成 【研修成果】 たくさんのことを研修しました。成果もたくさんありました。 その中でも特に心に残る成果をいくつか述べます。 一つ目は、副読本の作成です。小学校4年生の社会の教科書に出てくる南方熊楠の学習の時間に使用できるようにしました。一 つ一つ手作りで1000冊製本し、それを白浜・上富田町内の全ての小学校に配布しました。先生方には役に立ったと言って貰っ ています。 二つ目は、英語版の記念館ガイドブックの作成です。南方熊楠記念館には多くの外国の方が訪れます。その時に、熊楠とはどう いう人物かということが分かるように配布する物です。長く英語から離れていたので、作った英語のガイドブックが正しい文なの かが分からず、大学の先生に添削をして貰う等悪戦苦闘をしました。 三つ目は、南方熊楠記念館だよりの作成です。これは毎月発行し、記念館の展示物の説明や特別展等のイベントを知って貰うた めに、一番近い白浜第一、第二小学校と白浜中学校に配布しました。展示物を小学生に分かり易く説明する文を書くのに苦労しま した。 四つ目としては、助成金交付のための申請書作りがあります。南方熊楠記念館は、極めて小規模な公益財団法人のため、研究等 の予算確保のため、いくつかの基金や協会に助成金をお願いしました。その中でも花博記念協会への助成金申請は、第一次審査、 プレゼンによる第二次を経て、100万円の助成を頂いたことは、大変嬉しい成果です。 展示品の新しい発見などもあり、微力ながら記念館の役に立ったのではないかと思っています。 【研修先】 特別養護老人ホーム田鶴苑 【期 間】 平成25年4月~平成25年9月 【学校名】 有田川町立鳥屋城小学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 竹内 秀昭 【研修内容】 ・利用者送迎の助手(乗り降りの介助・検温) ・移動時の介助 ・入浴後の髪を乾かす ・髭剃り ・お茶の提供(苑到着時、入浴後など) ・連絡帳の仕分け ・リハビリ体操と歌体操の補助 ・午後の運動の補助 ・コップ洗浄 ・カラオケ機械の操作 ・昼食配膳と片付け など 【研修成果】 ・体操の時間にラジオ体操を行ったところ利用者は、熱心に取り組んでくれた。 ・レクリエーションでは、ドリルやパズルの答え合わせを行い、点数をつけたり花丸をしたりして大変喜ばれ、ドリルやパズル のプリントをする利用者が増えた。 ・利用者の方々と色々お話しさせていただく中で、戦争や水害、津波の話また昔の生活の様子の話などは興味深く感じました。 【研修先】 有田川町立御霊保育所 【期 間】 平成25年10月~平成26年3月 【学校名】 有田川町立鳥屋城小学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 竹内 秀昭 【研修内容】 ・日常の保育活動(絵本の読み聞かせ、お絵かき、制作活動など) ・保小連携として、鉛筆の持ち方、ラジオ体操の指導、御霊小との交流活動への参加など ・当番活動(トイレ掃除、早番、早出、遅番、延長の子ども達の見守り) 【研修成果】 ・保育所での研修中に保育指針を読んだり、教育実践大会でお会いした保育士の方々の話を聞いたりして保育指針に書かれてい る内容は幅広くとらえられるものであることがわかった。それが保育所の取り組みの違いや独自性となることがわかった。 ・保小連携の取組として、年長児を対象とした就学前の指導を3学期に実施した。鉛筆の持ち方について、子どもたちは興味を もって取り組んでくれた。 ・朝の活動の体操の後、ラジオ体操の指導をした。皆一生懸命まねをして覚えようとしていた。今後も朝の運動に取り入れてほ しいと思う。 ・特に配慮を要する子どもについては、関わりの中で次第に表情もよくなり、保育士の言うことも聞く姿勢ができていった。 【研修先】 和歌山大学地域連携・生涯学習セン ター 【期 間】 平成25年4月~平成26年3月 【学校名】 星林高等学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 栗本 千香代 【研修内容】 ○センター主催の講座(土曜講座) ・セミナー(地 域発展セミナー) ・生涯学習フォーラム等の運 営、司会進行。主な業務としては講師との連 絡・調整、資料の準備、新聞社への対応、ア ンケート集計、ニュースの作成等。 ○和歌山大学と県立粉河高等学校が連携して開 ^ 塾」まなびの 設している高大連携事業「KOKO 郷大学側事務局を担当。 ○研修員企画「発達障害の理解からいじめをな くすために~青年期に焦点をあてて~」の事業内容を企画・運営管理。 ○和歌山大学地域連携・生涯学習センター紀要・年報作成、論文執筆、生涯学習ニュース作成。 ○なまけん会(生涯学習研究会)の連絡調整、司会進行。 ○社会教育学概説の授業、社会教育・生涯学習ゼミへの参加。 ○マナビィスト支援セミナーに参加。 【研修成果】 今回一年間の社会体験研修の機会をいただき、様々な事を経験し多くの事を得ることができた。一つには、今まで学校現場にお いては出会うことのなかった大学の先生や職員の方々、地域の方々、NPO 団体の方々など多くの人に出会い、お話しを聞く機会を 持つことにより、様々な物事の考え方があることを知る事ができ、視野が広がった。学校は地域社会の中のほんの一部であること、 地域には様々な課題があり、それを解決するために課題に向き合っている人々がたくさんいることを知った。この出会い、つなが りは私にとって今後の大きな財産になるであろう。 また、高校現場にいると偏差値や進学率等が重視される傾向にあるが、本当の意味での学びとは、人が人生を充実させるための 学習である事を学んだ。さらに、一生涯継続して主体的に学び続ける事が大事であり、人はいくつになっても成長することができ るということを強く感じた。 【研修先】 和歌山大学学生自主創造科学センター (クリエ) 【期 間】 平成25年4月~平成26年3月 【学校名】 和歌山工業高等学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 間藤 好紀 【研修内容】 ・工作機械講習会において、学生に講義、実技実 習を行ったうえライセンスを与える。 ・工作室や工作機械の保守点検を行う。 ・研究装置を製作する学生に対してアドバイスや 製作補助を行う。 【研修成果】 ・様々な学生に出会えたことにより、学生個々に 応じて、きめ細かく指導する大切さを実感でき た。 ・学生プロジェクトに関わることにより、旋盤、フライス盤、溶接の実際について詳しく知ることができた。 ・クリエ主催のイベントに参加することにより、一般の方と接することができ、言葉使いや、マナー等を見直すことができた。 【研修先】 公益財団法人 和歌山県国際交流協会 【期 間】 平成25年4月~平成26年3月 【学校名】 橋本高等学校 【職 名】 教諭 【氏 名】 祭貴 貴美子 【研修内容】 ○各種事業の企画運営 ・多言語サロン(年間5回) ・インターナショナルこども夏まつり(8/18) ・国際交流に関する作文と絵のコンテスト(夏 休み作品募集、12月15日表彰式) ・写真展「ブータンの笑顔」 (1/18~2/9) ・ドキュメンタリー映画上映「happy ~しあわ せを探すあなたへ」 (1/16、1/18、1/19) ・国際理解セミナー「食から考える世界のこと」 (1/28) ○各種事業のサポート ・インターナショナルカフェの運営補助 ・橋本高校文化祭写真展と民族衣装紹介 ・商工祭り、国際交流まつりの運営補助 ・海外ブラジル県人会子弟受入の学校訪問のサポート ○その他 ・来館者への対応、郵送印刷作業、図書の貸出しと返却作業等 【研修成果】 この1年間の研修で学校では経験できない多くのことを学び、見識を広めることができた。仕事の内容は学校での仕事と全く異 なり、慣れない中、大きな事業の担当を任され、責任の重さに不安もあり緊張もしたが、スタッフの方々のサポートや、多くの人 との出会いと協力によって、何とかやり遂げることができた。何事にも真摯に向き合い、人とのつながりを大切にしながら進めて いくと、いろいろなアイデアが生まれ、よりよいものに発展していった。いろいろな過程を経て事業をやり終えた時には、やりが いや充実感を感じることができた。 また、 「作文と絵のコンテスト」や「こども夏まつり」では、小学校や中学校へ作品募集の依頼に訪問したり、 「海外ブラジル県 人会子弟受入事業」では、高校を訪問しての生徒との交流やクラブ活動での日本文化体験のサポートなどを行ったりした。さらに 教員対象の「国際理解セミナー」では、授業に役立ててもらえるように参加型ワークショップの研修を行うなど、研修教員として 役割を生かす貢献ができたのではないかと思う。その中で違った角度から子どもを見ることができ、子どもたちが持っている可能 性や潜在能力を再発見できたことも今回の研修の成果である。 また年間5回実施した「多言語サロン」では、県民の方々にいろいろな国の人や文化を紹介する機会を提供したが、自分自身も たいへん興味深く、異文化に対する理解もさらに深まった。 この1年間の社会体験研修で、さまざまな分野で活躍している方々と出会い学んだことは、今後の自分の人生において貴重な財 産となった。研修で得た経験を今後の教育活動で還元していきたい。 これまで 18 年間の研修先
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