平成20年度 一般問題 1 電界の強さの単位として、正しいものは。 解 説 電界と電圧関係 下図で示すように、2つの平行に置いた金属体の電極間に電圧V〔V〕を印加すると その電極間に、電界Eが発生する。 電極板 その大きさEは、電極間の電圧Vに比例し、 電極間の距離 ℓ に反比例する。 電界E〔V/m〕 E= V 〔V/m〕であらわされる。 ℓ〔m〕 直流電圧V〔V〕 〔F〕ファラド : 静電容量Cの単位。 〔H〕ヘンリー : インダクタンスの単位 〔A/m〕アンペ アパーメーター : 磁界の強さの単位。 解 答 2 答え イ 〔V/m〕 図のような回路において、スイッチSをa側に入れてコンデンサCを充電し、次にb側に入れて コンデンサを充分に放電する場合、抵抗Rによって熱として消費されるエネルギー〔J〕は a b S 1000V 解 C 10μF R 説 コンデンサは、一般に電流を進める性質があるのは周知されている。(進相コンデンサ) その他に、工業機械として鉄板等のスポット溶接に多く使用されている。 コンデンサには電気エネルギーを蓄える性質がある。 コンデンサC〔F〕に電圧V〔V〕を印加すると、蓄えられるエネルギーW〔J〕は W = 解 CV2 〔J〕 2 で、表わされる。 答 題意により、コンデンサC〔μF〕に1000〔V〕で充電され、(エネルギーを蓄え)スイッチSを b側へ切り替えることにより、抵抗Rによってエネルギーが消耗される。 そのエネルギーW〔J〕は W = CV2 1010-6 10002 = = 5 〔J〕 2 2 答え ハ 5〔J〕 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 3 図のような直流回路において、スイッチSを閉じても電流計には電流が流れないとき、 抵抗Rの抵抗値〔Ω〕は。 b 6Ω 2Ω 4Ω 4Ω A ○ 3Ω a c S R 8Ω 2Ω 12V 図20-3-1 解 2Ω d ⇒ 12V R 8Ω 図20-3-2 説 この回路はブリッジ回路といわれ、題意の図20-3-1で電流計に電流が流れないということは、 図20-3-2のように書き替えられ、接続点bと接続点d間の電位差Vbd がない。(Vbd=0〔V〕 ) この現象をブリッジ回路が平衡したといい、次の関係が成り立つ。 図20-3-2の菱形の各辺の抵抗をそれぞれ Rab,Rbc,Rcd,Rad とすると Rab×Rcd = Rad×Rbc あるいは 解 Rab Rad = Rbc Rcd ・・・・ ① ・・・・・・・② となる。 答 上式①を変形して Rcd = RadRbc 82 = = 2+R=4〔Ω〕 Rab 4 R=2〔Ω〕 4 答え イ 2 図のような直流回路において、閉回路a→b→c→d→e→a にキルヒホッフの第二法則を適用した 式として、正しいものは。 I1 1Ω I2 c I1+I2 d 2Ω b 10V 10V a 解 1Ω e 説 題意の様な複雑な電気回路を計算処理するのに、キルヒホッフの法則 がある。 ① 第1法則 : ある1点(分岐点または接続点)に流入する電流の和は、流出する電流に等しい。 (流入した電流は、全て流出する。途中で分流しまたは消失することはない。) Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ② 第2法則 : 1つの閉回路において、電圧降下の代数和はその回路の起電力に等しい。 (加えられた電圧は、その閉回路で全て電圧降下となる。) 1つの閉回路とは、上図に示した右半分の回路でも、また左半分の回路でもあるいは 外周回路のみでも適応できる。 解 答 題意の図の右半分の回路に、キルヒホッフの第2法則を適用すると 電圧降下 Vbc : I2〔A〕×2〔Ω〕 Vde: (I1+I2) 〔A〕×1〔Ω〕 起電力 Vab : (de 間の電流はI1+I2〔A〕) 10〔V〕 ① 目的の任意の回路において、任意の回転方向(上図の回転矢印:この図では右回転)を決める。 ② 目的の任意の回路の電流方向と任意の回転方向と同方向の場合の 電圧降下(この図ではVab)を+Vab とする。 同様にVde はこの回路の電流(I1+I2)方向と任意の回転方向と同一であるため 電圧降下は+Vde なる。 ③ この目的の任意の回路の起電力はVab(=10V)であり、更に任意の回転方向(上図の回転 矢印:この図では右回転)と同一方向であるので、Vab は+10Vとなる。 したがって、 Vab=Vbc+Vde=(I2×2)+(I1+I2)×1=2I2+I1+I2=I1+3I2=10〔V〕 答え ハ 5 図のような三相交流回路において、抵抗R=10〔Ω〕 、リアクタンスX=10〔Ω〕である。 回路の全消費電力〔kW〕は。 R 200V 3Φ3W 200V X R X R 電源 X 200V 解 説 ① R,L,C回路で電力を消費するのはR〔Ω〕にのみ作用し、LやC(XL やXc)は電力を消費せず 電流を遅らせたり進めたりするだけである。 ゆえに、この1相のR〔Ω〕の消費電力P1はRの両端に加わる電圧で決まる。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ② 3相電力P3は1相の電力P1の3倍であるという3相電力の基本的考えを使って計算する。 P3=3P1 三相回路(平衡負荷)の計算をするときは、各相同じなので1相のみを扱って計算する。 ① 上図から1相の抵抗Rに加わる電圧Vsは 三相3線式の 相電圧Vsと線間電圧VLの関係は 3 VS=VL VL または、 VS= である(この関係は覚えておかなければならない。 )( 3 =1.73) どちらも同じ意味の式であるが、式を覚える場合は上式のような 3 掛け算の式で覚える方が間違いが少ない。 解 答 単相の電力PとV〔V〕,I〔A〕,R〔Ω〕との基本的な関係式は 2 P=VI=I R= V2 R 〔W〕 である。 ここに、本問題に適用すると1相の電力P1は、電圧Vと抵抗Rが与えられているので P1の両端の電圧VSは VL 〔V〕 V L P1= 3 ゆえに 3 3相電力P3=3xP1=3x 2 2 2 1 1 VL 1 200 = = x R 3 R 3 10 1 200 2 x =4,000〔W〕=4〔kW〕 3 10 答え 3相電力P3= 3 VICOSθ ロ でも計算できるが、 この問題に関しては、Iおよび力率 COSθを算出するのに、 手間が掛かりそうである。特に COSθはインピーダンスをY-Δのどちらかに換算し、Iは相電流または 線電流に換算しなければならないので複雑になる。他にも別解答が考えられる。 6 図のような単相3線式配電線路において、スイッチAを閉じ、スイッチBを開いた状態から、次に スイッチBを閉じた場合、a-b間の電圧Vabはどのように変化するか。ただし、電源電圧は 105〔V〕一定で、電線1線当たりの抵抗は0.1〔Ω〕、負荷抵抗は3.3〔Ω〕とする。 0.1Ω a A a 105V Vab 0.1Ω 1Φ3W b 電源 3.3Ω 105V 0.1Ω 解 3.3Ω B 説 単相3線式配電線路の電圧降下の問題である。したがって、題意により ① スイッチAのみを閉じたときの配電線路状態。 (単相100V回路) Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ② スイッチAとBを閉じたときの配電線路状態(単相3線式回路)を等価な回路に書き直すと、それ ぞれは下図20-6-1および図20-6-2のようになる。 ここで、等価回路に書き直す場合のポイントは イ) 自分の見慣れた図に近づける。 ロ) スイッチの開閉状態でスイッチが「開」、又は「断線」等の場合は、 電流が流れないので、その回路部分は抹消(消す)する。(書かない) ハ) スイッチの「閉」状態の場合は、配線として接続した状態で書く。 ニ) 回路が「短絡」の場合は、短絡部のインピーダンス「0」と成るので、配線図中では インピーダンスを抹消(消す)して、配線で直結する。 ③ この問題の次のポイントは 題意の配電線路は、単相3線式である。 この事は中性線電流の流れ方(大きさ・方向)電圧の掛り方を理解していないと難しいが、 この配電線路の上辺と下辺の負荷のインピーダンスの大小関係が同じであることに着目すると、 中性線に電流が流れない。 すなわち、スイッチBも閉じた場合、上記 ロ)の考えにより 図20-6-2 のような 等価回路に書き表せる。つまり、中性線に電流が流れないので中性線の電圧降下が無い。 0.1Ω 0.1Ω a a I1〔A〕 1Φ2W 105 Vab1 3.3Ω 電源 0.1Ω I2〔A〕 b Vab2 105V 1Φ3W 電源 b 3.3Ω I2〔A〕 0.1Ω I1-I3=0 I3〔A〕 I3〔A〕 3.3Ω 105V 0.1Ω c 図20-6-1 解 ① 図20-6-2 答 図20-6-1から電流I1を求めて、電線路の電圧降下を算出しVab1を導く。 電源から見た抵抗R1は R1=0.1+3.3+0.1=3.5〔Ω〕 I1=105/3.5=30〔A〕 1線の電圧降下V1は 30〔A〕x0.1〔Ω〕=3〔V〕 Vab1=105-2〔本〕x3〔V〕=99〔V〕 ② 図20-6-2から電流I2を求めて、電線路の電圧降下を算出しVab2を導く。 電源から見た上辺の抵抗R2は R2=0.1+3.3+0.1=3.5〔Ω〕 ③ 電流I3も電流の値①と同じとなるが、図20-6-2で示すように、中性線電流は互いに反対方向に 流れて打ち消しあって 0〔A〕となり、中性線の電圧降下が発生しない。したがって I2=I3=(I1)=105/R1=105/R2=105/3.5=30〔A〕 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 1線の電圧降下V1は 30〔A〕x0.1〔Ω〕=3〔V〕 Vab2=105-3=102〔V〕 ④ 題意により、その差は Vab2-Vab1=102-99=3〔V〕 7 上がる。 答え ロ 約3〔V〕 上がる 図のような三相3線式高圧配電線路で、線電流は200〔A〕であった。この配電線路の電圧降下 (VS-Vr)〔V〕は。 ただし、電線1線当たりの抵抗は0.5〔Ω〕 、負荷の力率は0.9(遅れ) とし、線路のインダクタンスは無視するものとする。 200A 0.5Ω Vr Vr VS 200A VS VS 200A 解 0.5Ω 0.5Ω Vr 負荷:力率 0.9(遅れ) 説 三相3線式配線の線路の電圧降下の式は複雑である。 本来は、下記 参 考 に示すようにベクトル図から導き示されるのであるが、結果の式だけを暗記しよう。 単相 2 線式電圧降下の公式とセットで暗記するほうがよい。 r:線路の抵抗〔Ω〕 X:線路のリアクタンス〔Ω〕 イ 単相 2 線式電圧降下V2d V2d=2I(rCOSθ+x・sinθ)〔V〕 ロ 三相3線式電圧降下V3d V3d= 3 I(r・COSθ+x・sinθ) 〔V〕 有効分r・有効率 + 無効分X・無効率 解 答 答え ハ 156 題意では、線路のリアクタンス(インダクタンス)を無視するため、X=0〔Ω〕となり、 上記 ロ の式に題意の数値を代入すると VS v V3d = 3 I(r・COSθ+x・sinθ)= 3 I(r・COSθ) = 3 x200(0.5x0.9)= 155.7 〔V〕 参 VR θ Ir IX 考 I Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 8 図のような三相3線式配電線路において、末端P点から電源側を見た線路の1相当たりの抵抗r、 及び1相当たりのリアクタンスχは、それぞれr=0.6〔Ω〕 、χ=0.8〔Ω〕であるとする。 このとき配電線のP点における三相短絡電流〔kA〕は。 ただし、変圧器の2次側の線間電圧は6.6〔kV〕であるとする。 22/6.6KV 3Φ3W r=0.6〔Ω〕 x=0.8〔Ω〕 電源 P点 解 説 三相短絡電流の意味は、上図において事故点Pで三相短絡した場合にどれだけの大電流が流れ、その短絡 電流を直近上位の開閉装置(遮断装置)により事故回線をいち早く確実に切り離す(開路=遮断)必要が ある。 その短絡電流の大きさはその事故点から電源側を見た場合、線路および変圧器の持つインピーダンスのみに より制限されるだけである。 ここに、1線当たりのインピーダンス Z, 抵抗r、及びリアクタンスxと1相当たりの相電圧Vs の関係により短絡電流が求められる。 解 答 1線当たりのインピーダンスZ〔Ω〕は Z= r2+X2 = 06 . 2+08 . 2 =1.0〔Ω〕 三相が短絡した場合の1線に加わる電圧VS〔KV〕は VS= 66 . 3 〔KV〕 三相短絡電流IS〔KA〕はIS= 66 . 3 〔KV〕/1〔Ω〕= 66 . 3 ≒3.8〔KA〕 答え ロ 9 3.8〔kA〕 消費電力120〔kW〕、力率0.6(遅れ)の負荷を有する高圧受電設備に高圧進相コンデンサを 施設して、力率を0.8(遅れ)に改善したい。必要なコンデンサの容量〔kVar〕は。 解 説 (平成16年類似問題) ① 力率の意味 交流回路において、周波数に影響を受ける誘導性リアクタンス及び容量性リアクタンスがあり それにより電流が遅れたり、進んだりする現象が発生する。 ◎ 誘導性リアクタンスは主としてコイル製品がほとんどで(電動機、蛍光灯安定器等) あり電流を遅らせる現象をする。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ◎ 容量性リアクタンスはほとんどがコンデンサであり電流を進める役目がある。 (誘導性リアクタンスと正反対の性質) ◎ 負荷全体として大半が誘導性リアクタンスであるため、配電線回路では電流が遅れる。 その結果、電力を供給しても100%の電力消費が出来ない。あるいは100%の消費電力を期待する ためには100%以上の電力を供給しなければならない。 この現象の率を力率という。つまり供給した電力(皮相電力S)に対して実際に有効に消費した電力(有 効電力P)の比率で表すことを力率(COSθ)という。 式で表すと 力率= 有効電力 皮相電力 COSθ= P〔W〕 S〔VA〕 また、電力を有効に作用する率 COSθに対して、電流を遅らせようとする率を無効率sinθ といい、COSθとsinθの関係は下記のように表される。 (COSθ)2+(sinθ)2=1 , COSθ= 1 (sin) 2 (有効率)2+(無効率)2=1 有効電力=消費電力 本問に照らしてベクトル図で表現すると 有効分は水平に描く θ 無効分は垂直に描く 無効電力 皮相電力 有効分と無効分の合成は斜辺である。 図20-9-1 水平分 =COSθ 斜辺分 垂直分 =sinθ 斜辺分 図20-9-1にコンデンサを接続し力率を改善した場合のベクトル図を下記に示す。 無効電力 Q1KVar 消費電力 P=120KW θ1 θ2 皮相電力 S1 改善後の 無効電力 Q2KVar 改善後の皮相電力 S2 必要なコンデンサ QKVar 図20-9-2 図20-9-2より、消費電力P〔KW〕の負荷の力率 COSθ1を COSθ2に改善するために 必要なコンデンサの容量Q〔KVar〕は Q=Q1-Q2 Q1=Ptanθ1 , Q2=Ptanθ2 =Ptanθ1-Ptanθ2 =P(tanθ1-tanθ2) 参 考 三角関数の知識 垂線 Q sinθ tanθ= = = 底辺 P cosθ 2 2 1 45° 1 60° 3 1 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 tan45°=1 COS45°= tan60°= 3 1 1 2 COS60°= 2 解 sin45°= 1 sin60°= 2 3 2 答 ① 図20-9-2より力率改善をするための必要コンデンサ容量は、図20-9-2の垂線部分 Q=Q1-Q2〔KVar〕 ここに、tanθ= sinθ 垂線 Q = = 底辺 P cosθ 力率改善前の力率及び無効率は、COSθ1=0.6、sinθ1=0.8、 力率改善後の力率及び無効率は、COSθ2=0.8、sinθ2=0.6、 sinθ1 06 . = cosθ1 08 . となるから sinθ2 06 . = cosθ2 08 . tanθ1= tanθ2= 08 . 06 . ② Q1=Ptanθ1=120・ ③ Q=Q1-Q2=120・( Q2=Ptanθ2=120・ 06 . 08 . 08 . 06 . - )=70〔KVar〕 06 . 08 . 答え 10 ロ 70〔KVar〕 同容量の単相変圧器2台をV結線し、三相負荷に電力を供給する場合の変圧器1台当たりの 最大利用率は。 解 説 3相電力を変圧器により出力させるには、基本的には単相変圧器を3台結線して(Y結線やΔ結線)するのが 一般的である。 (3相変圧器は、単相のコイルを3台結線して1つのケースの中に収めてあると解釈する 理解しやすい。) 他に単相変圧器を2台用いて下図の右のように3相出力をV結線で出力する方法がある。 IL IL I I I IL I VL VL 低圧側 変圧器のΔ接線 VL VL 解 IL 高圧側 低圧側 変圧器のV接線 IL= 3 I 〔VA〕 IL:線電流 VL IL I IL 高圧側 VL VL IL=I〔VA〕 、I:相電流 答 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 式の説明上 VL=Vと書き換える 上図の変圧器のΔ接線の出力S3は 上図の変圧器のV接線の出力SVは S3= 3 VLIL= 3 V 3 I=3VI〔VA〕 利用率= = SV= 3 VLIL= 3 VI〔VA〕 三相出力 単相変圧器3台の容量 3VI =1 3VI 利用率= 三相出力 単相変圧器2台の容量 (100%) = 3VI =0.866 2VI 答え 11 ハ 3 2 定格電圧100〔V〕 、定格消費電力1〔kW〕の電熱器を、電源電圧90〔V〕で10分間使用 したときの発生熱量〔kJ〕は。 ただし、電熱器の抵抗の温度による変化は無視するものとする。 解 説 ① 電力量を熱量に換算する問題である。その関係式を記憶しておく必要がある。 発熱量 ② ジュール 1〔 J 〕= ワットビョウ 1〔W s 〕 基本換算式である。 電熱器の消費電力P〔W〕 、使用電圧V〔V〕、抵抗R〔Ω〕、電流I〔A〕との関係式で、どれを適用 するかである。 P= 解 V2 =VI=I2R R 〔W〕 答 今回、P= V2 R を使用するに当たり、この式の意味を確認してみると 電力Pは使用電圧Vの2乗に比例することになる。 2 V1 倍になる。 V 2 つまり、電圧変化後の消費電力P2は元の 2 100 V1 P2=P1 =1・ =0.81 V 2 90 2 この関係を題意の数値に適用すると 〔kW〕 一方、10分間の発熱量H〔J〕は、1〔J〕= 1〔Ws〕、10〔分〕は600〔s〕から 0.81〔kW〕X600〔s〕=486〔kWs〕=486〔kJ〕 答え ハ 486 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 12 図はある変圧器の鉄損と銅損の損失曲線である。この変圧器の効率が最大となるのは 負荷が何%のときか。 銅損 損失 鉄損 〔W〕 0 解 25 負 50 75 荷〔%〕 100 説 ① 変圧器の損失は、2種類に大別される。 鉄損 : 負荷に関係なく一定である。無負荷損とも言う。 さらに、鉄損はヒステリシス損(鉄心の磁気飽和のひずみによるもの) うず電流損(鉄心に発生し、熱・振動・音となる)に分かれる。 銅損 : 負荷損または、抵抗損とも言う。 巻線自体の銅線の抵抗によるジュール熱(I2・r)が発生する。 つまり負荷(負荷電流I)の2乗に比例する。 ② 変圧器の効率 η は η= 解 出力 出力 出力 = = 入力 出力+損失 出力+鉄損+銅損 答 ③ 上式の効率 η が最大となるのは、損失が最小になるとき、つまり鉄損=銅損 である。 ④ 題意のグラフから読み取ると、負荷が50〔%〕のときが鉄損=銅損で効率が最大である。 答え 13 ロ 50 図Aのような光源から1〔m〕離れた a 点の照度が100〔Lx〕であった。 図Bのように光源の光度を4倍にし、光源から2〔m〕離れたb点の照度〔Lx〕は。 光度4I 光源 光度I 光源 2m 100〔Lx〕 a 点 解 1m b点 ● ● 図 A 図 B 説 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 点光源の光度I〔cd〕カンデラ、その被照面の垂直面の照度E〔Lx〕 、2点間の距離h〔m〕 の間には、次の式の関係がある E= I h2 〔Lx〕 照度E〔ルックス〕は、光度I〔カンデラ〕に比例し、2点間の距離h〔m〕 に反比例する。 解 答 図 Aでは 14 E= I h2 =100 〔Lx〕 , 図 Bでは E= 4I 2h 2 = I h2 =100 写真の単相誘導電動機の矢印で示す部分の名称は。 ロ 固定子鉄心 ニ 回転子鉄心 ニ 解 答 15 解 〔Lx〕 答え 全体を回転子 イ 固定子鉄心 写真に示す照明器具に関する記述として、適当なものは。 答 天井埋込型照明器具は、このSB形として規格、照明器具自体に天井内との断熱・遮音効果を 負担させ、天井断熱材等をカットせずに施工でき、省エネや遮音効果に適している。 答え ニ 16 解 ディーゼル発電装置に関する記述として、誤っているものは。 説 近年の自家発電設備の種類として、 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ① ディーゼル機関による発電設備 ④ ② 太陽光発電設備 ③ 風力発電設備 燃料電池による発電設備 等があり、それぞれ用途により非常用電源または保安用電源として設備されるものと 近年のエコ対策の一環として常用電源の一部として脚光を集めているものがあり、研究開発の途上に あるものもある。 それぞれには、発電規模の大きさや目的に応じた性能を生かせながら、初期設備コストや運転維持コスト (ランニングコスト)さらに保守・耐用年数等を、また地下資源エネルギーの枯渇を考慮しながら、 発電設備そのものの技術開発や周辺機器の高度開発技術を早め、導入していく必要がある昨今である。 ① ディーゼル機関による発電設備のシステム (小規模発電設備として、多く用いられている。 ) 排気ガス:熱損失 機械損失 7~9〔%〕 30~35〔%〕 フライホイール:回転ムラを滑らかにする 燃料 (軽油) ディーゼルエンジン 冷却水 発電機 冷却水(排水):熱損失 20~25〔%〕 ディーゼルエンジン発電装置システム ディーゼルエンジンの動作工程 ① 吸気 : シリンダー内に空気を吸入する。 ② 圧縮 : 吸気した空気を圧縮して高温化する。 ③ 爆発 : 高温・圧縮し噴霧状にした燃料をシリンダー内へ噴射して、急速燃焼(爆発)させ(点 火プラグが不要)、シリンダーと連結したピストンにより回転運動に変換する。 ④ 排気 : 燃焼ガスを排気する。 答え 17 解 イ イ 送電線路に関する記述として、誤っているものは。 説 配電線や送電線に電流を流すと、 電線路の電線自体の抵抗と線路リアクタンスの影響を受け、電圧降下が発生し、線路抵抗と 電流によりジュール熱が発生し、電力損失しなる。 この電力損失を軽減するため、同一送電容量の場合、電圧を高くし電流を少なくする。 ロ 長距離送電線路には、抵抗、リアクタンス以外に対地間静電容量が無視できない程度に大きくなり、 負荷の末端側では軽負荷時や無負荷時には、送電端電圧が上昇することがある。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ハ 交流回路と直流回路の相違・特徴は色々有るが 直流 : 送・配電線路では、リアクタンスが発生しない。 ⇒ 送電路の電圧降下が軽減される。 : 負荷設備は、交流機器が大半であるので、交・直流変換装置が必要となる。 (ただし、近年のエコ対策として直流送電・配電し、直流負荷設備の開発を進めている。 ) ニ 電線に交流電流を流すと、その電流が導体断面に均一に流れるのでなく、電線の中心部より外側の 方が単位面積当りの電流が大きく流れる。 (この現象を表皮効果といい、直流では発生しない。) 電線サイズが250mm2以下程度ではほとんど無視しても支障が無い。 答え 18 イ 燃料電池の発電原理に関する記述として、誤っているものは。 電流 解 説 電流 負荷設備 水素 H2 - + 水 H 2O 燃料 電解質 空気中の酸素 O2 燃料電池発電設備 原理図 燃料電池は、水の電気分解と逆の反応を利用した方式で、燃料から取り出した水素(燃料)と空気中 から取り出した酸素(酸化剤)を化学反応させて電気と水を発生させる。 このため、発電時は低騒音で、負荷の変動に対する即応性がよい。 また、排出物や騒音等の公害に対して環境にやさしく、発電効率は35~60%と高い。 燃料電池の電解質の種類により、小規模型(家庭用)、大規模用(業務用)に大別される。 りん酸型 , 固体高分子型 : 小型で家庭用や自動車用として、利用が期待できる。 溶融炭酸塩型 ,固体電解質型 : 大規模用(業務用)分散型として開発が進んでいる。 解 答 19 答え ニ 内燃力発電装置の排熱を給湯等に利用することによって、総合的な熱効率を向上させる システムの名称は。 解 説 答え欄 イ:再熱再生システム : 大容量火力発電設備で多く採用されている。 ロ:ネツトワークシステム : 配電方式で、電路の事故時や計画停電時に対して停電に速やかに対応できる 配電網である。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ハ:コンバイントサイクル発電システム : ガスタービンの排熱を回収して蒸気を発生させ、それにより蒸気タービンにて 発電する。 ニ:コージェネレーションシステム : 熱電併給ともいい、ディーゼル発電設備により発電を行い、エンジン等からの 排熱を回収し給湯や冷暖房に利用することにより、総合的熱効率を向上させる。 解 答 20 答え ニ 公称電圧6.6〔kV〕、周波数50〔Hz〕の高圧受電設備に使用する高圧交流遮断器(定格電圧 7.2〔kV〕 、定格遮断電流12.5〔kA〕 、定格電流600〔A〕の遮断容量〔MVA〕は。 解 説 三相短絡電流Is〔kA〕 :送配電線路において、三相短絡事故点から電源側のインピーダンスに よって流れる三相短絡電流。 三相短絡容量Ps〔MVA〕 :送・配電線路において、線間電圧V〔V〕と三相短絡電流Isの関係 で表され、 Ps= 3 V・Is〔MVA〕 解 答 Ps= 3 V・Is= 3 ・7.2・12.5≒156〔MVA〕 答え 21 ニ キュービクル式高圧受電設備を開放型高圧受電設備と比較した場合の利点として、誤っている ものは。 解 説 キュービクル式高圧受電設備は、工場生産・現地据付の工程になり現場における施工期間が短縮される。また、 機器の配置・取付等はコンパクトに金属製の函体に収められており、外部からの影響による安全性が高い。 反面、細部を点検やチェックするのが困難な場合が多々ある。 答え 22 ニ 写真に示す矢印の部分の用途は。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 解 説 (平成24年類似問題) 変圧器は高圧から低圧に変換し、電力を出力するものであるが、その出力容量が大きくなると 低圧側の電流が多くなり、それに対応するために低圧側の配線(=導体)も次第に太いものに する必要がある。 その導体の材質として、小さな電流の範囲であれば絶縁電線を使用するが、 大容量・大電流になると導体に銅帯を使用する。 この銅帯と変圧器二次側導体と接続する場合、直接ボルトにて接続すると地震等により変圧器の ブッシングに荷重が加わる。これを緩和・軽減するための緩衝材として役目をするもので、 写真に示すような可とう導体を使用する。 答え イ 23 写真に示す矢印の部分の主な役割は。 解 説 この写真の全体は、高圧気中負荷開閉器(LBS)である。その用途は、高圧の負荷電流を開閉する。 負荷電流を切る際、開閉接点部にアークが生じる。このアークは手動開閉速度ではカットが困難で、 LBSのスプリングの素早い速度でアークを切る。また発生したアークを抑制しやく消す(切る)ため の目的でこの写真で示すいわゆる消弧バリアを取付ける。 答え 24 解 ニ 住宅に施設する配線器具の取り付け工事において、誤っているものは。 説 配線器具のうち、コンセントのシンボルはその用途により多種類が有る。下記にそれを示す。 (単相 125V15A 100V) 125V15A 接地極付 解 答 (単相 250V15A 200V) 250V15A 250V20A 接地極付 答え ハ Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 25 解 答 26 解 写真で示す工具の用途は。 答え ハ 引込柱の支線工事に使用する材料の組み合わせとして、正しいものは。 説 支線バンド 支線 亜鉛メツキ鋼より線 玉がいし 支線アンカー 解 答 答え イ Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 27 解 接地工事において、誤っているものは。 説 接地線を鉄柱等金属体沿って施設する場合は、 絶縁電線(OW電線を除く)、キャブタイヤケーブル またはケーブルを使用する 2m 以上 合成樹脂管等(CD 管を除く) で覆う 埋設深さ 0.75m 以上 接地極 埋設深さ 0.75m 以上 金属製柱等の場合 1m 以上離す 解 答 28 解 答え ハ 地中電線路の施設において、誤っているものは。 説 土冠 1.2m以上 (重量の圧力を受ける恐れの ケーブル埋設表示シート 無い場所は0.6m以上) 物件の名称、管理者名 フタ 電圧を明記。約2mごと トラフ トラフ トラフ 砂 ケーブル ケーブル ケーブル 地中電線路の施設制限 ① イ 直接埋設式 ロ 暗きょ式 ハ 管路式 により施設すること。 ② 電線にケーブルを使用すること。 ③ 直接埋設式により施設する場合は、コンクリート製の堅牢な管またはトラフ収めて、さらに上図の様に 施設すること。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 ④ 低圧地中電線が地中弱電電線と30cm以内に接近または交叉する場合は、堅牢な耐火性の ある隔壁を設けるか、地中電線を不燃性の管に納め、直接接触しないようにすること。 ⑤ 管路式により施設する場合は ◎ 管にはこれに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものを使用しなければ成らない。 (電技134条) ◎ 需要場所に施設する場合は、JISに適合するポリエチレン被覆鋼管等を使用する場合は、 埋設深さを地表面(舗装下面)から0.3m以上に出来る (日本電気協会-高圧受電設備規程による) 解 答 29 解 答え ロ 使用電圧300V以下のケーブル工事による低圧屋内配線において、誤っているものは。 説 ケーブル工事は、基本的には施設場所制限が無く配線できるが、キャブタイヤケーブルを除く 使用制限がある。 キャブタイヤケーブルの内ビニルキャブタイヤケーブルの施設場所制限として 使用電圧が300V以下の低圧屋内配線を展開した場所または、 点検できる隠ぺい場所に限る。 解 答 答え イ 問い30から問い34までは、下の図に関する問いである。 図は、高圧配電線路から自家用需要家構内柱を経由して屋外キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4620 適 合品)に至る電線路及び見取り図である。この図に関する各問いには、4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が 書いてある。それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。 〔注〕 図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 30 解 ①に示すケーブル終端接続処理に関する記述として、不適切なものは。 説 高圧ケーブルの端末では、大別すると下図に示すような方法で処理をしなければならない。 イ 絶縁テープ巻方式(屋内型及び屋外型) ロ ゴムとう管形方式(屋内型及び屋外型) ハ 耐塩害形方式 高圧ケーブルの端末処理の目的・意味は上記各方式において基本的には同様である。 下図の絶縁テープ巻き方式について、各部の意味を説明する。 ① ストレスコーン : 定格電圧における電位傾度のヒズミを均一化・緩和する。 ② 遮へい銅テープ・鉛テープ・導電性テープ : イ 電位傾度のヒズミを緩和し絶縁強度の低下を防止する。 絶縁テープ巻方式(屋外型) ③自己融着テープ巻(防水用) 銅管端子 芯線 絶縁体 ①ストレスコーン 鉛テープ 雨おおい ②銅テープ (屋外用) 三叉管 ケーブ外装 左図点線○部の拡大図 ブラケット イ (ケーブルを固定) ロ ゴムとう管形方式(屋内型) ハ 耐塩害形方式 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 31 ②に示す地中電路を施設する場合、使用する材料と埋設深さ(土冠)として、不適切なものは。 (材料はJIS規格に適合するものとする) 解 説 (平成23年類、25年同一問題) 問い28の解 説を参照のこと。 ポリエチレン被覆鋼管は、舗装下面から0.3m以上に埋設する。 解 答 答え イ 32 ③に示す引込ケーブルの保護管の最小の防護範囲の組合せとして、正しいものは。 解 説 高圧地中ケーブル引込み線において、ケーブルの立下げ及び立ち上がりの地上露出部分及び地表付近は、 損傷のおそれがない位置に施設し、かつこれを堅牢な管などで防護すること。 防護範囲は、地表から2m以上、地表下0.2m以上とすること。 (日本電気協会:高圧受電設備規定120節による。) 解 答 答え ニ 33 ④に示すケーブルの屋上部分の施設方法として、不適切なものは。 ただし金属製の支持物にはA種接地工事が施されているものとする。 解 説 「高圧屋上電線路の施設」電技解釈第95条により、ケーブルを使用する他 ① 電線を展開した場所において、造営材に堅牢に取付けた支持柱または支持台により支持し、 かつ、造営材との離隔距離を1.2m以上として施設すること。 ② 電線に造営材に取付けた堅牢な管またはトラフに収め、かつ、トラフには取扱者以外のもの が容易にあけることが出来ないような構造を有する鉄製または鉄筋コンクリート製その他 堅牢なふたを設けること。 ③ 高圧屋上電線路の電線が他の工作物と接近し、または交叉する場合は、離隔距離は60cm 以上でなければならない。 ④ 高圧屋上電線路の電線は、植物に接触しないように施設しなければならない。 解 答 答え ロ Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 34 解 ⑤に示す高圧受電設備の絶縁耐力試験に関する記述として、不適切なものは。 説 「電路の絶縁耐力」電技解釈第14条により、高圧電路・機器の絶縁耐力試験は ① ケーブル及び機器の場合 電路と大地間(多芯ケーブルの場合は芯線相互間)に、試験電圧が交流で 最大使用電圧の 1.5倍 の電圧を連続して 10分間 印加しこれに耐えること。 ② ケーブルのみの場合 試験電圧を直流電圧で印加してもよい。 交流電圧の2倍の電圧を連続して10分間印加しこれに耐えること。 解 答 答え ロ 35 高圧受電設備の定期点検で通常用いないものは。 解 説 高圧受電設備の定期点検には色々な点検項目があるが、基本的には安全のため構内を全停電する。 停電後も高圧ケーブル及び高圧機器には、残留電圧が有り感電する恐れがあります。 その残留電圧の有無を確認したり、放電したりするための安全確認器具が必要です。 イ 高圧検電器 : 残留電圧の有無を確認するための安全確認器具 ロ 短絡接地器具: 停電・放電後、誤って再投入した場合に作業者が感電しないよう、電源側の 上位の保護装置が作動するように、停電作業範囲の電源に近い場所に取り付ける。 ハ 絶縁抵抗測計: 停電し、高圧・低圧電路や機器の絶縁抵抗値を測定する。 ニ 検 相 器 : 電路の相順(相回転)を確認するときに用いる。 3相の配線工事をするときに使用する。点検作業では必要がない。 解 答 36 解 答え ニ 平均力率を求めるのに必要な計器の組み合わせは。 説 力率= 有効電力 で表さる。 皮相電力 また (皮相電力)2=(有効電力)2+(無効電力)2の関係がある。 ∴(有効電力)2=(皮相電力)2-(無効電力)2 電力量計 ⇒ 皮相電力 、 解 答 無効電力量計 ⇒ 無効電力 を導かれる。 答え ニ Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 37 変圧器の絶縁油の劣化診断に直接関係の無いものは。 解 説 変圧器の絶縁油は ① 絶縁効果を高める : 変圧器内の巻線間(低圧・高圧・大地)の絶縁強度を増加させる。 ② 放熱作用の促進 : 巻線(コイル)及び鉄心の熱を油の循環により、放熱効果をよくする。 変圧器は、負荷をかけるとコイルから発生する銅損と、電圧を印加すると鉄心から出る鉄損がある。 いずれも熱となり、変圧器全体を加熱する。これを軽減するため絶縁油を使用する。 絶縁油効力の劣化診断を、定期的に採油して試験・確認する必要があります。その方法は、 ① 絶縁破壊電圧試験 ② 全酸価試験 ③ 油の色のにごり(加熱・過熱や自然劣化による) 。 真空度測定は、真空遮断器(VCB)の真空バルブの真空度を確認する。 解 答 答え ロ 38 電気設備に関する技術基準において、交流電圧の高圧の範囲は。 解 説 電気設備に関する技術基準では、式の表のように区分・規程されている 低 圧 高 圧 特 別 高 圧 交 流 600〔V〕以下 600〔V〕を超え7,000〔V〕以下 直 流 750〔V〕以下 750〔V〕を超え7,000〔V〕以下 解 答 答え 39 解 7,000〔V〕超過 ロ 電気用品安全法の適用を受ける特定電気用品は。 説 「電気用品安全法の目的は、電気用品の製造、販売を規制するとともに、電気用品の安是性の確保につき 民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止する」こと にある。 電気用品は、2つに分類されている。 ① 特定電気用品 : 一般の使用者が、直接手に触れたり使用したりして、特に危険や障害の 発生を起こす可能性多い電気用品。 : ② PS 表示(マーク) 特定電気用品以外の電気用品 E PS E 解 答 答え ハ Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 40 電気工事業の業務の適正化に関する法律において、電気工事業者の業務に関する記述として、 誤っているものは。 解 説 (平成24年同一問題) 電気工事業者の義務 ① 主任電気工事士の設置 : 各営業所ごとに第1種電気工事士または、第2種電気工事士として 3年以上の実務経験のある者をおく。 ② 業務の登録及び変更 : 都道府県知事への登録(営業所が2以上の場合は経済産業大臣) 。 : 5年ごとに登録を更新する。 ③ 標識の掲示 : 営業所及び電気工事施工場所ごとに標識を掲示する。 ④ 帳簿の備付 : 営業所ごとに帳簿を備え、必要事項を記載し5年間保存する。 ⑤ 測定器具の備付 : 絶縁抵抗計(メガ)、回路計(テスタ)、接地抵抗計(アーステスタ) 注):電気主任技術者は、自家用電気工作物設置場所に選任するもので、電気主任技術者第3種以上の 資格が必要である。主任電気工事士と混同しないよう。 解 答 問題2.配線図 答え イ (問題数10、配点は1問当たり2点) 図は、高圧受電設備の単線結線図である。この図の矢印で示す10箇所に関する各問いには、4通りの答え (イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを1つ選びなさい。 〔注〕 図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 41 解 ①で示す機器の役割は。 説 単線結線図の最初に設置される高圧機器で、 ① 電力会社との保安上の責任分界及び財産上の分界点として、区分開閉器を設置する。 ② 保安上の責任分界として、構内における高圧地絡事故発生時は、速やかに構内のみ停電させるため、 この区分開閉器には地絡事故電流の検出装置(零相変流器ZCT) 及び地絡電圧を検出する零相電 圧検出装置(ZPD)が内蔵され、さらに事故時速やかに回路を開放(トリップ)させる機構が高圧 地絡継電器と連動されている。 地絡事故電流の検出範囲は、零相変流器ZCT取付け点より負荷側であり、電源側は検出しない。 ただし、零相電圧検出装置(ZPD)はこの高圧配線全域の地絡電圧を感知する。 ③ この開閉装置は、高圧気中負荷開閉器(PASまたはAS)いう。断路器(DS)でも遮断器(VCB) でもない。 解 答 42 解 答え イ ②の端末処理の際に、不要な工具は。 説 図は、高圧ケーブルの端末部であるが、その加工詳細は下図のようにする。そのための工具で 必要なもの : 不必要なもの : 解 答 43 ロ) 金切ノコニ ニ) ハンダゴテ は使用する。 ハ) ビニルパイプカッター、 答え ハ ③に設置する機器は。 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 解 説 単線結線図の機器配置の順序からは、変電設備内に入って先ず、取引用の電力計量装置(VCT)になる。その VCTの二次側からの配線は電力量計に至る。 ① 答え欄の写真、 イ、積算電力量計(デジタル式) ロ 積算電力量計(誘導型)30A,100V が読める。低圧用の電力量計 高圧用の電力量計は 電流は変流器(CT)の2次側から取出すため 電流は○○/5A、の表示がある。 電圧は計器用変圧器(VT)から取出すため 6,600/110V 表示がある ハ、力率計 : COSΦ 記号が見える。 ニ、無効電力計 : LEAD,LAG,単位 MVar で判定する。 ② 電力量計への配線接続端子の数は電流端子4ケ、電圧端子3ケである。 イ 電力量計(高圧用) 解 ロ 電力量計(低圧用) 答 44 解 答え イ ④の部分の電線本数(心線数)は。 説 上記、問い43の解 説で示したとおり。 解 答 45 解 答え ハ ⑤に設置する単相機器の必要最小数量は。 説 ⑤に設置する機器は、取付位置及びそれに連結されている配線・行き先(電圧計等)から見て、高圧の3相 電圧を変換し低圧3相電圧を取出していることがわかる。いわゆる計器用変圧器である。 高圧の3相交流電圧を低圧に変換する方法として、単相の変圧器(単相コイル)を結線する方法には、 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 変圧器の1次側コイル(高圧側)の結線方法と2次側コイル(低圧側)の結線方法の組み合わせにより、 次のような数通りがある。 ① 単相コイルを3台組み合わせる場合 Δ結線(三角結線またはデルタ結線と読む) Y結線(星型結線またはスター結線とも言う) ② 単相コイルを2台組み合わせる場合 V結線 Δ結線の変形(応用)で結線の形から見てΔ(三角形)の一辺を無くした形である。 いわゆる、V結線であり単相変圧器(VT)2台で3相電圧を変換し低圧3相電圧を取出す。 解 答 答え ロ 46 ⑥に設置する機器の組合せとして、正しいものは。 解 説 ⑥に設置する機器は、取付け位置及びそれに連結されている配線の状況から見て、計器用変圧器(VT)を 経由した電圧要素と変流器(CT)から電流要素が接続されている。 別の視点からすると、シンボルの基本形では は保護継電器、 は計器を示す。 したがって、高圧受電設備おいて測定器で、電圧要素と電流要素を必要な計測器は 電力計、力率計、電力量計がある。 解 答 47 解 答え ニ ⑦に部分に設置する機器の記号は。 説 (平成15、19年同一問題) ◎ 高圧自家用変電設備によく用いられる保護継電器として、大別すると ① 電流継電器 : ② 電圧継電器 異常電流にて作動するもの。 : 異常電圧にて作動するもの。 ◎ 保護継電器のシンボルの基本は その 例 で表すが、 の中に記号でその用途を分類している。 I : 電流で作動する。 U : 電圧で作動する。 : 方向性 > : 整定値より大きくなると作動する。 < : 整定値より小さくなると作動する。 : 地絡現象で作動する。 解 答 答え ニ 設問の機器⑦へ入っている信号は、CTからの電流である。 イ:不足電圧継電器,ロ:過電圧継電器,ハ:地絡継電器,ニ: 過電流継電器 Copyright Furumiya 平成20年度 一般問題 48 解 ⑧に設置する機器は。 設 (平成18類似問題、23年同一問題) イ. ロ. ハ. ニ. ⑧の示す位置は、3相変圧器の電源側(1次側=プライマリー側)であり、変圧器の過負荷保護のため ヒューズを入れてある。また、この変圧器を分離・開放する場合にも使用できる。 イ.断路器(DS) 解 ハ.高圧気中負荷開閉器(LBS) 答 49 解 ロ.真空遮断器(VCB) 答え ニ ⑨に設置する機器の役割として、誤っているものは。 説 ⑨に設置している機器は、電力用コンデンサの1次側にある。記号から直列リアクトルである。 その設置目的は、高調波によりコンデンサに異常電流が流れ過熱損傷する恐れがある。 ◎ これを防止・低減するためコンデンサ容量の6%あるいは13%のリアクトルを、コンデンサ回路に 直列に接続する。高調波は、奇数は(第3、第5、第7と順次有る)商用周波数(50,60HZ)に 対して、その3倍、5倍、7倍として重畳され、高次数の周波数に影響を受け易いコンデンサ等を 保護する。 ◎ その他、コンデンサの投入時に発生する突入電流や電圧波形のヒズミを抑制する効果がある。 コンデンサの残留電荷を放電する目的のコイル(放電コイル)は、コンデンサと並列に接続する。 解 答 50 解 答え イ ⑩に入る正しい記号は。 説 高圧機器である変圧器の外函(金属製ケース)に取付ける接地線の種類は A種接地工事(EA)である。 解 答 答え イ Copyright Furumiya
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