【資料 5】 下水道事業への地方公営企業法の適用について(上下水道事業の統合) ◇経営健全化の取組 下水道事業は、都市基盤として公共性が高い重要な事業であると位置づけられて おり、本市においても、これまで市の重点施策の一つとして積極的に整備を進めて きた結果、平成26年度末には下水道普及率は97%となりましたが、これまで集 中的に投資を行ってきたことにより、多額の市債を抱えることとなっております。 また本市の下水道事業は、施設拡張の時代から維持管理の時代へと移り変わってお り、これまで整備してきた多くの管渠等の施設に対して、今後、改築更新という再投 資が必要であるとともに、全国的な人口減少や節水機器の普及により有収水量の減少 が見込まれるなど、下水道経営にとっては大変厳しい状況にあります。 下水道事業はその規模及び特殊性から、地方公共団体の財政運営に与える影響が大 きく、行政改革及び財政健全化に取り組む中で経営基盤の強化が急務となっており、 今後とも安定した事業運営を継続していくためには、経営の健全性や計画性・透明性 の向上を図ることが求められており、地方公営企業法の適用はその取り組みの柱の1 つといわれています。 このように、下水道事業を取り巻く環境が変化している中で、引き続き下水道整備 の促進と市民サービスの向上を図りながら、下水道事業の経営健全化・効率化を推進 するため、本市においても、平成28年度より、地方公営企業法の適用を開始するこ ととしました。 1 ◇上下水道事業統合の考え方 下水道事業は地方財政法上の公営企業であるものの、地方公営企業法においては 任意適用事業であったため、本市ではこれまで法の非適用事業として、一般会計と 同様の現金主義に基づく費用と収益を現金の収支という事実で認識する手法で事業 を行ってまいりました。しかし、公営企業を継続して経営し、住民生活に必要不可 欠なサービスを持続的に提供していくためには、自らの経営・資産等の状況を的確 に把握し、経営基盤の計画的な強化と財政マネジメントの向上等に取り組む必要が あります。 上下水道事業の統合においては、次のようなメリットが考えられます。 ①水道事業の採用している会計システムを共有することができる。 ②上下水道事業ならびに包括的業務委託等が総合的に実施することができる。 ③事業相互の人員の共通化を図ることができる。 ④緊急時の応援体制を円滑に行うことができる。 ⑤公営企業会計を含めた技術の継承等を図ることができる。 このことから、平成23年度の法適化基本計画策定時には、下水道事業の法適用方 式は財務規定のみの一部適用を予定していましたが、その後において、今後市が目指 す上下水道事業の統合にあたっては、水道事業と同様の適用方式が望ましいとの判断 から、本市の下水道事業に地方公営企業法の全部を適用する方式に切り替えることと しました。 これに伴い、現行の「水道事業所」を廃止し、名称を「上下水道部」に統一するこ ととし、現行の「業務課」を「上下水道総務課」へ、 「施設課」を「上下水道施設課」 へそれぞれ改めることとしております。そして、現行の「下水道運営審議会」ならびに 「水道運営委員会」については、新たに「上下水道運営審議会」へ統合することとしま した。 2 ◇法適化に伴う条例等の整備について 本年4月からの下水道事業への地方公営企業法の適用に伴い、 「湖南市水道事業及 び下水道事業の設置に関する条例」をはじめ、現行の「湖南市付属機関設置条例」 に[湖南市上下水道運営審議会]を位置づけるなど、関連8条例の一部改正及び関連 2条例の廃止について、去る12月の湖南市議会定例会へ上程し、可決・承認をい ただきました。 ○湖南市上下水道運営審議会の設置に伴う運営規程の制定について 【趣旨】 湖南市付属機関設置条例第4条の規定基づき、湖南市上下水道運営審議 会の運営に関し必要な事項を定めるもの。 湖南市付属機関設置条例 別表(第2条、第3条関係) 執行機関 付属機関 担任事務 委員の定数 湖南市上下水道運営水道事業及び下水道事業に関する重要な事 上下水道事業管理者 15人以内 審議会 項についての調査審議に関する事務 湖南市上下水道運営審議会運営規程(案) 【内容】 1. 審議会は、条例別表に定める委員の定数をもって組織する。 2. 委員は次に掲げる者の中から管理者が委嘱する (1)学識経験者 (2)受益者を代表する者 (3)(1)及び(2)に掲げる者のほか、管理者が必要と認める者 3. 委員の任期は、2年とする。 3 ◇湖南市上下水道料金センター(窓口)の設置について 上下水道部では、今回の下水道事業への地方公営企業法の全部適用を機として、上下 水道料金等の取り扱いに関する市民(使用者)への更なるサービスや利便性の向上を図 るため、平成28年4月から上下水道総務課内に「湖南市上下水道料金センター」を設 置し、料金収納窓口の明確化と、更なる徴収業務の一元化を図ることとしています。周 知方法としては、市ホームページ及び広報4月号に掲載するとともに、水道メーター検 針時のお知らせ票の通信欄を利用した周知を予定しており、4月以降の上下水道料金関 係の各種通知書等の問い合わせ先についても同様に改めることとしました。 4
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