4 変圧器二次側1線にB種接地工事の意味

Ⅷ 電気の素朴な疑問
4 高圧変圧器の2次側1線に接地工事をする意味
電気設備技術基準に高圧変圧器の二次側低圧回路の一線に接地工事をすること。
接地工事の種別は「B種接地工事」と称し、その規定は多くの条件があります。
B種接地工事の目的は、変圧器内で高圧電路の絶縁が破壊されて
低圧電路に高電圧が侵入した場合(この現象を高低圧混触と言います)
その電路に接続されている配電線路や低圧機器に高電圧が印加され、
非常に危険であるため、変圧器高圧側から侵入しきた高電圧・電流を
変圧器の二次側で大地に放出し、低圧回路の高電圧・電流を緩和する為に
接地工事を行うものである。
一方、B種接地工事をすることにより弊害が発生するが、低圧電路に
高電圧が侵入した場合の方が人的・物的の被害がに甚大である。
図に示した模式図は、人体が低圧配電線路に接触した場合の感電電流を示した
ものである。
変圧器
感電電流
6,600V
200V
B種接地
×接触点
人体
人体接触点(大地)
電流は、閉回路が無ければ流れない。仮にB種接地がない場合は、上図の
漏電電流回路の閉回路がないため、人体が充電部に接触しても感電電流は
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Ⅷ 電気の素朴な疑問
人体には流れない。現実はわずかに流れます。
ただし、人体は帯電します。
この理由は、低圧電路の配電線特にケーブルが多く長い場合はその絶縁体が
大地間にコンデンサの作用をしたり、低圧機器の静電気の発生等で、漏えい
電流の閉回路を完成させる。
この弊害を防ぐ方法として
1)高低圧混触防止板(銅板)を変圧器内部の高圧コイルと低圧コイルの
中間に取り付け、これにB種接地工事を施した構造の変圧器が作成され
汎用されています。
変圧器の高圧コイルの絶縁が破壊された場合は、この混触防止板(銅板)
から大地に高電圧電流を放電し低圧配電線路への影響を除くことができる。
2) 高圧変圧器二次側の低圧回路へ、更に絶縁変圧器(低圧/低圧)を介して
低圧配線の回路を施して、必要箇所に必要容量の絶縁変圧器を設置する
方法もあります。
近年は、コンピュータ機器やライフラインをつかさどる機器や
医療機器の生命維持装置等の電源として、漏電や静電気による
漏電遮断器の誤動作等によるシステムダウンを防ぐため、
上記1)及び2)の方法を多く取り入られている。
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