産学連携で起こす イノベーション - Japan Patent Office

特許ウォーカー
知財でつくるクオリティ・オブ・
ライフマガジン
東京ウォーカー責任編集
地方発、
世界へ
TA K E F R E E!
産学連携で起こす
イノベーション
vol.4
ヒット商品で学ぶ知財
ツナグヒト
マンガでわかる知財 行け行け 寿司漫画
数字で見る知財
vol.4
COVER
"信州発世界"を目指し、日々、研究に取り組む
人々。
信州大学では、
学生が産学連携に携わる
ことのできる環境を整えている。
Contents
04
地方発、世界へ
産学連携で起こす
イノベーション
06
Spiber 株式会社 関山和秀
08 信州大学 杉原伸宏、
柏原秀雄
10 山口大学 佐田洋一郎
03
IP SCOPE ヒット商品で学ぶ知財
13
数字で見る知財
14
マンガでわかる知財
超快適 マスク/ユニ・チャーム株式会社
特許情報が1億件突破!!
累積蓄積文献件数の変化
行け行け 寿司漫画
室木おすし
18
ツナグヒト
経済産業省 特許庁
審査第一部 意匠課 企画調査班
菊地拓哉
19
Topics
・ロボット分野特許、上位10社中8社が日本企業
先進技術分野で世界をリード
・
トムソン・ロイターが選ぶ、最も革新的な100社
日本は40社で、2年連続世界最多を記録!
I P S C P E
ヒ ッ ト 商 品 で 学 ぶ 知 財 NO.003
11年10月の発売以降、マスク市場をリードしている「超快適 マスク」。
その誕生は、各部門の密接な連携と自由な意見交換に秘められていた!
超快適 マスク
ユニ・チャーム株式会社
特許
第 5436262 号
(やわらかストレッチ耳かけ)
第 5318002 号
(エンボス加工)
登録意匠 第 1411778 号
登録商標 第 5599626 号(名称)ほか
ココが
商 標!
商標は上級審である審判での審
理を経て、2年かけて登録。
一般
用語に近く、
登録までの過程は
容易でなかったが、
特長を強く
想起させる商標を得た利益は計
り知れない。斜めから見たマス
ク装着図の図形商標も登録。
ココが
ココが
意 匠!
特 許!
本体端のエンボス加工に施した
カーブで耳かけ部の不織布が均
等に伸びる、「やわらかストレ
ッチ耳かけ」が登録された。開
発にかかった期間は約3年。4万
人以上の顔データを用いた500
以上のサンプルを制作し、
完成。
本体端にあるエンボス加工のカ
ーブ形状、緩やかなカーブがつ
いた耳かけ部カット形状など。
耳かけ部が斜め下に向かって伸
び、装着時に耳が痛くなりにく
い独特の形状は従来の商品には
見当たらず、
登録に至った。
開発、
マーケティング、知財の
〝三位一体〟
が形となったマスク
3
「超快適 マスク」は、03 年に日本で初めて花粉用
整理する。整理された結果は、グローバルマーケ
に発売した立体型不織布マスク「超立体 マスク」
ティング本部へ。同部の加賀谷さんは「受け取っ
に続くシリーズとして発売。隙間を作らず、
ウイル
た結果は知識として蓄積し、商品の PR や調査に
ス飛沫や花粉を遮断する従来品の利点を生かしつ
活用。
再認識した特長を最大限に市場に届けます」
つ、より気軽に使えるプリーツタイプとして開発
。名前やパッケージに込められた知恵も守
と話す「
「やわらかストレッチ耳かけ」や、
された。
マスク
る」とは、知的財産本部の難波さん。名称の他、
本体端のエンボス加工をカーブさせた点で特許を
マスクの装着図など登録商標は複数に及ぶ。
取得。耳が痛くならないことに加え、顔とマスク
模倣品対策も万全だ。これは「超立体 マスク」
の間を隙間なくフィットさせる意匠も登録した。
の際の対策が功を奏している。当時アジアなどで
注目すべきは、開発、マーケティング、知的財
模倣品が作られたことから、各国で権利を取得。
産各部門の密な連携だ「
。マーケティング部門が市
税関には差止申立書を提出し、流入を防いだ。ま
場戦略を練り、開発部門がいいものを作る。そこ
た、展示会などに知財部門担当者が直接足を運び、
『なぜ』を何度も繰り返
に隠された発明に対し、
類似品をチェック。トップメーカーとして追随さ
し、思考を整理することが我々の仕事」と知的財
れる立場だと認識した上での努力も怠らない。
産本部の下江さん。
特許出願書類作成においては、
16 年 1 月には、サイド加工部に特許を取得した
開発部門が作ったサンプルだけでは理解できない
「小顔にみえマスク 」も発売。
「開発、マーケテ
こともある。その場合は納得できない部分のパー
ィング、知財は三位一体」と下江さん。そのさら
ツのサンプルを再度依頼し、さらに細かく思考を
なる連携で、快適に使えるマスクを追求する。
教 え て くれ た 人!
ユニ・チャーム株式会社
知的財産本部
下江成明さん(左)
グローバルマーケティング本部
加賀谷香織さん(中)
知的財産本部
難波憲男さん(右)
4
地方発、
世界へ
産学連携で起こす
イノベーション
地 方 創 生の要として、近 年ますます 注 目 を 集めるのが、大 学 を 中 心とした産 学 連 携 。
大 学と地 域が一体となり、同じ目 標へと向かい共に歩む。そこにあるのは、志と技 術 を 持った人々。
世 界 初の次 世 代バイオ素 材で地 元 活 性 化 を 図ったり、モノづくりの技 術 をベースに、
地 域に新たな 産 業 を 生み出したり。知 財 を もとに地 域に革 新 を もたらす 、その取り組みを 探ってみた。
5
山口大学
信州大学
Spiber
P.10
P.8
P.6
株式会社
「在学中の飲み会でのふとした話が現実に。
『 人類にとって理想の未来 』
を実現するための
権利を手に、
無限の可能性に挑んでいます」
株式会社
取締役兼代表執行役
関山和秀
●名称/Spiber 株式会社
●本社所在地/山形県鶴岡市覚岸寺水上234-1
●資本金など/146億4,332万円
●従業員数/111人
(15年3月現在)
●事業内容/新世代バイオ素材開発
倍の比強度とナイロンを上
鉄鋼の
回る伸縮性を持つ最強の天然繊維、ク
ない。﹁人類にとって理想の未来をつく
学での研究成果をもとにした開発では
される。が、同社が志すのは、単に大
研究所から生まれたバイオベンチャー
拠点を置く慶應義塾大学先端生命科学
ら、石油を使わず低エネルギーで生産
成する方法を編み出した。この方法な
配列を組み換え、クモの糸の繊維を生
ンパク質の源であるアミノ酸のDNA
在学中、関山さんは微生物を使ってタ
企業だ。取締役兼代表執行役の関山和
でき、地球に負荷をかけない。深刻化
る﹂という大きな目標を掲げている。
秀さんは、慶應義塾高校在学時にバイ
界の注目を集めるのが、山形県鶴岡市
オテクノロジーの世界的第一人者、冨
ば、地球規模の課題を解決できるので
はないか。高校時代から﹁人類にとって
する資源や環境の問題から開放されれ
本当に役に立つ事をしたい﹂
と胸に秘め
塾大学環境情報学部に進学。冨田教授
研究を始める。 年には実用化を目指
07
し、同社を設立した。
ていた思いと見事に合致した。
の研究室に所属し、クモ糸人工合成の
田 勝教授の研究に感銘を受け、慶應義
にあるSp iber 株式会社。同市に
人工血管など多分野での実用化が期待
た新世代の素材﹁QMONOS ﹂で世
大。衣類、宇宙服、自動車や飛行機、
強くて軽く、さまざまな形に変えら
れる﹁QMONOS ﹂の用途は無限
Company
Profile
モの糸。これを初めて人工的に生成し
夢の新素材で世界を救う
慶應大発のベンチャー企業
Spiber
4
6
らうなどして研究にいそしむ毎日だっ
要だと考えたから。当初は奨学金をも
起業したのは、本気で実用化を目指
すには億単位の研究費や専門技術が必
終的に人類の役に立つという信念の
せること。自分たちが進めたほうが最
源に頼らない素材を一日も早く普及さ
とは思っていない。
﹁目指すは、
化石資
下、この分野を先導するために押さえ
促進や産業集積を図っている。また、
置。合成クモ糸繊維を核に、事業化の
原着色素が繊維内に均一に分散、
美しい色調を保つ技術で染色する。
かし、権利の取得で技術を独占しよう
たが、 年にDNA タグ︵※注 ︶の
構築方法に関する特許を出願後に転機
ておくべきものの一つが特許です﹂
。
ルから 億円の資金を調達。﹁可能性が
や出願の内容は投資を受ける際の重要
未知のベンチャー企業にとって、特許
産、学、官との連携にも積極的だ。
年には小島プレス工業、慶應義塾大
プレス工業と業務提携。エンジニアリ
同年、内閣府主導の革新的研究開発推
ク モ 糸 繊 維 関 連 産 業 集 積 会 議 ﹂を 設
学、山形県などと連携し﹁山形県合成
ングや生産技術の土台が確立された。
進プログラム︵ImPACT ︶の一つ
ト
Sp iber は基礎研究、小島プレス
にSp iber の研究が選定。国が認
ク
工業はそれをスケールアップするため
パ
の技術を提供し合う。通常は苦労して
くなった事に加え、研究開発に携わる
めた研究開発となり、支援を受けやす
は、慶應義塾大学先端生命科学研究所
人材も集まりやすく。ImPACT で
ン
たどり着いた研究成果や、それに伴う
るが、これに関しては両者ともフルオ
などと協力して高機能タンパク質素材
をはせれば、地域に人や知識が集まり
を設計、応用する研究を実行。すでに
新たな産業が生まれる。知財をもとに
全て共有しているというから驚く。そ
かを隠していたら進めない。自社の利
した研究が地域活性化へとつながる。
こにあるのは揺るぎない信頼関係だ。
益だけを守るのではなく、根本的なビ
利化され、技術革新の発信地として名
ジョンを理解し合えていることで開発
﹁QMONOS ﹂はモノづくりの根
本を改革する夢の素材。そこに込めら
特許出願中の案件も。新たな技術が権
も進み、新たな特許の取得にもつなが
携をするならば、知財はもちろん、何
っています﹂
。以降、
人工合成クモ糸に
れたのは人類に対する思い。﹁どうした
に考え取り組んでいます﹂
。
大学の研究
ら世界平和を実現できるか、毎日真剣
室から生まれたアイデアが地球のあり
次々と取得し、権利を強化。現在も多
力を維持していくため、国際特許も含
くの特許を出願中だ。今後、国際競争
関する繊維や、その製造方法の特許を
﹁理想とする社会を実現するために連
ープン、つまり秘密ゼロ。特許技術は
イ
特許をどう守るかという問題が浮上す
車系の大手自動車部品メーカー、小島
14
な審査判断材料の一つになります。あ
る意味、ベンチャーにはそれしかない
かもしれません﹂
。 年にはトヨタ自動
地域との連携を生かして
鶴岡市の活性にも貢献
が訪れた。同年、ベンチャーキャピタ
1
方を変える日も、遠くはないはずだ。
(株)
ゴールドウインとの共同研究開発を始
15年9月、実用化に向けて
動。THE NORTH FACE のプロトタイプ
「MOON PARKA」
を発
表。
表地糸は天然型クモ糸タンパク質由来のポリペプチドを含む紡糸
胸の黒いロゴの刺しゅう糸は、
紡糸工程の前段階で着色。
より安価で、
従来にない強度とタフネスを実現。
左
液を独自の方法を用いて紡糸し、
自在に着色でき、
発色が鮮や
えてから紡糸。
かなことも特長 2. 15年5月に竣工した
本社研究棟は、
慶應義塾大学先端生命科学
研究所などが入る山形県鶴岡市先端研究産
業支援センター(鶴岡メタボロームキャン
量産に向けての研究が進めら
に隣接。
パス)
れる 3.「QMONOS」は 繊維 の 他、加工
によりパウダーやフィルムなどにも
特許 第5407006号ほか
「QMONOS」
に色素を加
1. パウダー状の
12
めてグローバルな知財戦略は必須。し
※1:生物のDNAゲノム
(遺伝子情報)
の配列に導入されているプログラム
7
1
2
09
3
ココが 特許!
原着タンパク質繊維の
製造方法
特許 第5407006号ほか
ージュがかった色で、驚くほど軽く
人工クモ糸
「QMONOS」
の原糸。
ベ
タンパク質はたった20
タンパク質。
柔らかい。
自然のクモの糸の原料は
微生物
のDNAの配列をデザインし、
種のアミノ酸で構成されている。
そ
分であるタンパク質
(フィブロイン)
発酵によって原料となるクモ糸主成
糸を生み出す。
何千回と試行
を生成、
を確認できたのは、関山さんが研究
錯誤を重ね、
最初にごくわずかな糸
を始めてから約1年後だった。
3
ココが 特許!
人造ポリペプチド繊維及びその製造方法(ベース生地の糸)
特許 第5540166号ほか
原着タンパク質繊維の製造方法(黒糸のロゴ刺繍糸)
産学官・社会連携推進機構
リサーチ・アドミニストレーションセンター長
杉原伸宏(左)
産学官・社会連携推進機構
リサーチ・アドミニストレーションセンター 知的財産室
柏原秀雄(右)
University
Data
●名称/国立大学法人 信州大学
●所在地/長野県松本市旭3-1-1他
●学部/人文学部、
教育学部、
経済学部、
理学部、
医学部、
工学部、
農学部、
繊維学部
●学生数/10,970人
(15年5月現在)
するのがリサーチ・アドミニストレー
ションセンターで、大学の研究力強化
との共同研究を含む、大学の研究で生
チ・アドミニストレーション室、企業
を目的に、競争的資金の獲得と運営、
長野県内五つのキャンパスごとに、
自治体や地元企業・団体と連携を行う
連携は多分野にわたり、共同研究は現
イエンス、ナノテク・材料、IT と、
学連携コーディネーター室からなる。
転など、大学研究者と企業をつなぐ産
を行う知的財産室、技術相談や技術移
まれた知的財産の権利化や管理・活用
﹁産学連携や共同研究は、大学の強み
成果として出願される特許は年間
150 件ほど。これら産学連携を支援
在400 件近く。また、これら研究の
研究関連の各種分析などを行うリサー
﹁信州大学﹂
。地域ブランド、ライフサ
キャンパスごとの産学連携
の取り組みも
〝信州発世界 〟
「知財は大学の研究力強化の
ために欠かせないもの。
地域企業と連携し、
知財の
創出と実用化を目指します」
信州大学
8
のメリットを生かし、医療現場で働く
業振興会だ。附属病院を併設する大学
カーなどで組織する信州メディカル産
と県内の精密機器・医療関連機器メー
と始まった取り組みの一つが、医学部
くりが盛んな地。その技術を生かそう
杉原さん。もともと長野県は、モノづ
アドミニストレーションセンター長・
大きなミッション﹂とは、リサーチ・
地域の産業界の今後を共に考えるのも
います。一方、
地域密着の研究もあり、
出すか、用途を生み出すかを重視して
得意なため、材料をいかに新しく作り
を伸ばすのが課題。本学は材料研究が
される。
研究を行う中で特許を出願し、
学中に企業と連携する研究室へと配属
の理系学部を中心に、多くの学生が在
産学連携の共同研究を利用した学生
への知財教育も興味深い。工学部など
する、知財の好例といえよう。
いる。技術の面から伝統や郷土に寄与
登録し、郷土の味を守る一端を担って
安定した生産技術を確立。製法特許も
乾燥機を開発。
おいしさはそのままに、
工学部が干し柿を製造する気熱式減圧
定的な品質確保が年々困難に。
そこで、
暖化による気候の変動に悩まされ、安
年、高齢化による生産者不足や地球温
ラボ。南信州の名産﹁市田柿 ﹂は、近
だ。県内各地に点在するキャンパスに
審査を受け、実用化まで目の当たりに
レンタルラボを設け、多数の企業が常
医師や看護師らのリアルな声を地域の
多くの支援を実施。知財活動の手助け
駐するからこそ実現可能な取り組みと
モノづくり企業に伝え、共同で研究・
もその一つだ。﹁地元企業と共同研究を
いえる。学生は、製品化までにさまざ
することも少なくない。知財をもとに
進める上で、知財保護をどうするかな
まなハードルがあることを学び、企業
開発を進める。すると、
現場が本当に必
どの知財相談、情報提供などの知財サ
の考え方で物事を見る機会を得られ
トータルに体験できる仕組みは画期的
ポートは重要な役割﹂とは、知的財産
した製品が、実際に市場に出るまでを
室の柏原さん。﹁共同研究などで公的資
として携わる医学部 年生の根岸さん
る。実際に、企業のラボで実験補助員
要とする物が生まれる。
〝信州発世界〟
金を活用する場合、特許出願している
を目指す取り組みのため、信州大学は
か否かは、大きな要素。国の競争的資
や知財活動の推進は、大学の研究力強
らに強くして製品化へつなげる。知財
研究費をもとに研究を進め、知財をさ
金の獲得には、知財が必須。獲得した
許につながるかもと分かった時には、
わりました。自分たちが行う実験が特
会えることもあり、知財への意識も変
生かせる場。特許を出すシーンに立ち
は、﹁研究所は授業で習った事を応用し
なったさらなる展開に期待が集まる。
唯一の国立大学として、地域と一体と
伝統産業の継承から〝信州発世界〟
の医療機器プロジェクトまで。長野県
責任と興奮を感じました﹂と話す。
化に欠かせません﹂と、杉原さん。
製法特許を取得し
伝統産業の継承に一役
数ある産学連携の中でユニークなも
のの一つが、伝統産業と工学部とのコ
9
3
1. 多摩川精機(株)のラボでは、医学部 招 聘研究者の田中俊行さん
(右)
らにより、血液中のタンパク質疾患マーカーをターゲットにし
「迅速・高感度臨床検査システム」
の研究開発が進められている
た
2. 企業の研究室に実験補助員として参加する医学部の荒井太洋さ
(左)
、
根岸尚宏さん
(右)
医学部 招聘研究者の上原雅行さん
(中
と、
ん
央)3. 信州の豊かな自然環境から学ぶフィールド型の教育が特徴
的。
写真は15年リニューアルの松本キャンパス中央図書館
3
内を減圧して低温で乾燥することで、
天日
干し柿の製造方法
術の精度を高めることが目的。
信州伝統の味
「市田柿 」
を安定的に生産し
立った状態で手術をする医療従
乾燥では30∼40日要していた乾燥時間
特許 第5728722号
現在、
特許出願中。
工学部が開発。
庫
たいとの地域の声を受け、
ココが 特許!
事者の体の負担を軽減させ、手
1
2
ココが 意匠!
登録意匠 第1514700号他
立位体位保持器具
医学部や附属病院と企業の共同
研究で生まれた体位保持器具。
台座に乗る者の腸骨を安定させ
左右一対の支持パッドにより、
ると共に、アームレストが肘や
前腕を支える。
長時間にわたり、
(最長8日)
を、最短4日
に短縮。15年4月に
にて生産機を10台導入、平成27年度の生
製法特許登録を取得。
現在、JAみなみ信州
産量は35tに達した。
知的財産センター長
佐田洋一郎
University
Data
●名称/国立大学法人 山口大学
●所在地/山口県宇部市常盤台2-16-1他
●学部/人文学部、
教育学部、
経済学部、
理学部、
医学部、
工学部、
農学部、
共同獣医学部、
国際総合科学部
●学生数/10,314人
(15年5月現在)
化を進め、それを広く活用することで
地域の経済や社会が発展すること、ま
は教育と研究に主眼が置かれていた
を務める佐田洋一郎さん。かつて大学
年の国立大学法人法に伴い、大学が
究活動を活用することで外部から資金
が、今はそれだけでは十分でない。研
ードは〝地方創生〟だ。
﹁学内の多くの
イクル﹂の確立が求められている。こ
たな技術革新を創出する﹁知的創造サ
04
研究成果から生まれた知的財産の権利
を導入し、教育環境の充実を図り、新
キャンパスにある知的財産センター。
ています﹂と、設立時からセンター長
日本の大学でも先駆けて、産学連携
事業の推進や知的財産教育を手掛ける
た当校が地域に貢献することを目指し
﹁山口大学﹂
。その拠点は宇部市 ・ 常盤
大学の研究は使ってこそ
学生への知財教育も強化
「知財とは知識でなく、
意識 。
そこを改革し、
大学、
企業、
地域を元気にすることが目標。
知財文化の発信源を目指します」
山口大学
法人化した 年に設立された。キーワ
03
10
ココが 特許!
血管病予防に効果を有する食品組成物
特許 第5186679号、第5504405号
「血管の異常収縮」
研究の第一人者、
小林 誠教
られている
脳梗塞などの血管病を突発し、
突然死の主因として恐れ
授が、
青魚の油に含まれるシス体構造
(生体分子の立体配
の成分を組み合わせる方法でEPAの体内吸収効率を上
列の一種)
のEPAと、
その吸収を促進するウコンなど7つ
特許を取得。
げることに成功し、
この技術によって作られ
「小林式EPA」
をサプリメントに配合した。日ごろから
た
摂取することで、
血管病を予防することができる。
生分解性表土保護シートおよび
植生シート
多機能フィルターは、
不織布が主体の養生マ
特許 第4524485ほか
れが、同校が知的財産に取り組む理由
食防止と保水機能で降雨から法面︵※
︶を保護し、緑化促進する環境保全
する、いわば営業チームの役割を果た
究成果︶を企業のニーズとマッチング
架け橋となり、大学のシーズ︵種=研
て連携。この機関は、大学と産業界の
ティー ・ エル ・ オー﹂
の社長を兼務し
佐田さんは大学の技術移転機関﹁山口
学と連携協定を結んだことから政府開
山口大学がインドネシア・ウダヤナ大
能フィルター株式会社が誕生。 年、
学公連携によるベンチャー企業、多機
式会社が共同で開発した。その後、産
元学長と、山口県下松市の綜合緑化株
根菌︵※ ︶を研究していた丸本卓哉
型養生シート。同校農学部教授で、菌
だ。その実現をスムーズに行うため、
リシーを確立。法人化以前は教授陣が
す。特許の権利についても、独自のポ
1
件化調査に採択、バリ島の緑化事業を
発援助︵ODA ︶の海外協力事業の案
指し共同開発中だ。﹁大学の研究成果が
展開。現在もアジア各国への進出を目
個々に管理していたが、現在は基本的
意図もあり、大学は責任を持ってその
は初。菌根菌の特許は元学長が先に持
の理想。同じ信念があってこそです﹂
。
権利は双方で共有するのも、産学連携
研究者だけでなく、学生への知的財
産教育にも力を注ぐ。 年度より大学
財教育を必修化。知財の意識を持った
ス
医学部の研究が商品化されたのが機
能性サプリメント
﹁エパゴールド﹂
。血
パ
システム︵YUPASS®︶を有し、学
管の異常収縮を抑えるEPA︵青魚に
発し、実用化。大学の特許が生活に取
NEDO︵※ ︶の助成を受け共同開
ー
内で特許を検索することも可能。特許
含まれる不飽和脂肪酸︶の効果を発見
ている。知財とは必ずしも理系だけの
ユ
の情報検索のスキルを学べるセミナー
品会社オリエンタルバイオ株式会社が
し、特許を取得した小林 誠教授と、食
目的としている。独自の特許情報検索
も開催し、学生や大学院生を各種イン
話ではない。経済や産業、マスコミ、
せい
ストラクターに認定する試験も実施し
人材を輩出し、地域を創生することを
っていましたが、その後の共同開発の
小さな企業で生かされ海外展開した例
権利化や活用を進めるべきと考える。
に大学に帰属。
﹁研究者を守る﹂
という
12
2
では初めて、全学部の 年生全員に知
1 13
金融など文系の業界にも必要な知識
初めて大学名のロゴと、公式キャラク
り入れられた典型事例だ。ブランド戦
ターを商標登録。オリジナルの菓子や
略による地域貢献も。同校では大学で
役立ちます﹂と、佐田さんは話す。
大学や地域の名が認知されると共に、
だ。﹁バランスよく身に付いた知財の知
企業や世界を変える特許
新しい取り組みも続々と
全国初の新しい試みも始まってい
る。 年 月から、大学が単独で取得
10
製造会社や酒蔵も潤う仕組みだ。
日本酒の商標も登録し、学内で販売。
大学の研究成果が企業の商品に生か
された最たる例が、
﹁多機能フィルタ
した特許約160 件を一定期間、無料
識は社会に出た際、きっとその発展に
3
ー﹂だ。これは、製品が持つ土壌の侵
※1:道路建設や山の掘削などにより形成される、
土や盛土によって作られた斜面 ※2:植物の根の表面や内部に着生、
共生する菌類 単位体積当たりの隙間の割合を表したもの
※3:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 ※4:岩石や土壌などにおける、
11
15
インドネシア バリ島にあるバト
ゥール山周辺の荒廃地の環境修復
のため、多機能フィルターシート
を利用。施工から15カ月後には、
一面緑に覆われている
ココが 特許!
をランダムに配した柔らかいフィルター構造
ット。植物の毛細根に似た極細の撥水性繊維
「ウェブ」
(※4)
により97∼98%の空 隙率
を
から土砂や濁水の流出を防ぎ、環境と調和し
キープ。自在に通気・通水して傾斜地や法 面
た緑化を実現する。培養資材や微生物資材を
組み合わせることで、
安定した植生も可能に。
1
開放。中小企業は 年、大企業は 年
の体制も整えた。 年度、山口ティー
ループとも連携協定を結び、企業支援
持つ金融会社・山口フィナンシャルグ
を得たという。傘下に山口銀行などを
の使命﹂と考える教授から多くの賛同
研究が世の中の役に立つことが研究者
えを教授陣に説明したところ、﹁自分の
還元するのは当然﹂との佐田さんの考
研究費は税金。ならば、それを社会に
を検討できるシステムだ。﹁国立大学の
の間、無料で利用でき、自社への導入
3
・エル・オーの技術移転活動に基づく
ライセンス収入は前年度の3 2 倍を
〟だという。大
〝長州ファイブ︵※ ︶
メージは、幕末に近代化をもたらした
会の還元、
活性化へつながります﹂
。イ
を普及しなくてはいけない。それが社
地域に向けて知財の知識や活用の方法
ましたが、全国の大学が拠点となり、
まで知財は首都圏の話だと思われてい
を強化するのが大学のミッション。今
ードしているといえよう。﹁地方の基盤
た地方創生の新しい形として日本をリ
欠。同校の取り組みは、知財を活用し
大学の研究力や教育力は今、地方の
創生や日本の国際競争力の挽回に不可
福井大学などと準備を進めている。
も始まり、すでに大分大学、新潟大学、
の大学への知財教育プログラムの提供
点校として文科省からの認定も。全国
同年には、知的財産教育の共同利用拠
記録、
今後さらなる上昇が見込まれる。
.
学から地域へ、地域から全国へ。目指
財教育・文化における長州ファイブに
すは一億総知財意識化だ。大学発の知
なるべく、今後も改革を進めていく。
12
※5:幕末に長州藩から派遣され、
井上聞多
(井上 馨)
、
遠藤謹助、
山尾庸三、
伊藤俊輔
(伊藤博文)
、
野村弥吉
(井上 勝)
長州五傑とも言われる
ヨーロッパに秘密留学した、5人の長州藩士。
で、
5
15
5
2
4
5
3
1.知的財産センターのスタッフ全14名、山口ティー・エル・オーのスタッフ全8名が
日々業務に邁進 2.YUPASS を用いた特許情報検索の支援などができるインス
「山口大学せんべい」
を大学ブラン
トラクターも養成 3.キャラクター「ヤマミィ」
「長州学舎」
は応募総数529点から選ばれ登録 4.大学
ドとして商標登録。日本酒の
独自の特許情報検索サーバーシステム
(YUPASS )
。約4,000万件の情報を蓄積 5.本人の骨髄細胞を培養、投与して肝臓組織を再生させる坂井田 功教授の世界初の
研究から、
石川県の企業により開発された
「最新型ロボット細胞培養システム」
大学の特許を無料開放する、
全国初の試みも。
企業支援を強化し、
地方創生の拠点に。
特許情報が 1 億件突 破!
!
累積蓄積文献件数の変化
3
●日本の特許情報の累積蓄積文献件数の移り変わり
「J-PlatPat」サービススタート
中国特許文献の英文抄録追加
欧州特許文献の和文抄録追加
米国・韓国の意匠公報追加
1億30
万件
9,300
万件
7,770
2013年
万件
5,550
4,500
特許電子
図書館
(IPDL)
スタート
2015年
中国特許文献の和文抄録追加
2010年
万件
2006年
万件
2000年
米国公開特許明細書の追加
米国特許文献の和文抄録追加
1999年
-
15
3
る特許電子図書館︵IPDL ︶サー
は、IPDL を刷新し、新たな特許
ビスを1999 年に開始。 年 月に
13
﹁J PlatPat ﹂
で
特許情報を有効活用! 3www.j-platpat.inpit.go.jp/
1
−
情報提供サービス﹁特許情報プラット
「特許情報プラットフォーム
(J-PlatPat)
」
はインターネットを
通じて、
誰でも、
無料で特許情報の検索
いつでも、
どこからでも、
国内で発行された特許・実用新案・意匠・商標
ができるサービス。
出願の経過情報や外国公報も照会可能。
の公報類の検索に加え、
色彩や音など、
新しいタイプの商標にも対応。
﹂がス
フォーム︵J PlatPat ︶
J-PlatPatで特許情報をサーチ
−
特許・実用新案・意匠・商標の出願
や権利化に伴い生じる特許情報は、技
使 っ て み よう
タート。国内外の産業財産権に関する
1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013( 年 )
(備考)
世界で発行された特許文献(実用新案含む)を言語別に整理し、
重複を排除したもの。
複数の国に出願され、
公開された同内容の特許文献
日本語があるものは日本の特許としてカウント。
日本語がない場合には、
米国
(英語)
、
欧州
(英語、
仏語、
独語)
、
韓国
(韓国語)
、
中国
(中
について、
(言語)
特許庁作成
国語)
の順で該当する国・地域
の特許文献としてカウント。2013年の発行件数は暫定値。 (資料)
術やデザインの動向、商品やサービス
日本文献 13%
日本文献 55%
業のグローバルな事業展開や研究開発
0
上る。また、近年、世界の特許文献に
400,000
200,000
公報など、累積蓄積文献数は 億件に
600,000
の市場動向を把握するうえで重要な役
800,000
割を果たすもの。たとえば、企業が新
中韓文献 17%
おいて、
外国特許文献の割合が急増
︵左
1,000,000
記参照︶
。
世界で通用する安定した権利
1,200,000
しい技術開発で特許出願を視野に入れ
1,400,000
た際、同様の技術が既に特許出願や登
1,600,000
の設定のためには、外国語文献の調査
中韓文献 65%
1,800,000
も必要不可欠に。国内外の特許情報が
日本
録に至っているかの確認は、研究開発
米国
の重複防止や既存技術を活用した研究
欧州
企
詰まった﹁J PlatPat ﹂が、
韓国
開発の推進、紛争回避などに有効だ。
中国
の推進に、ますます活躍しそうだ。
その他
2,000,000
特許庁は、この特許情報をインター
ネットを通じ無料でユーザーに提供す
世界の特許文献
発行件数
( 件 )2,200,000
前 回 、弁 理 士の
打 越 佑 介さんに
知 財の重 要 性 と
弁 理 士の仕 事 内 容に
ついて伺ったおすし
引き続き今回も
お話 を 伺うことに
某会議室
ところで
打 越さん
❷ WEBで探す
弁 理 士さんに
仕 事 をお願い
したい時は
どのように探せば
いいのですか?
やっとまともな
質 問が⋮
それは大 き く
わけて
この つが
あり ま す
❶日本弁理士会の
「弁理士ナビ」で
探す
3
弁理士さんを探す方法
❸知人の紹介
へ∼
日本 弁 理 士 会って
何ですか?
日本 弁 理 士 会 というのは、
全ての弁 理 士が
登 録している団 体で、
とにかく 弁 理 士のことは
ここに聞 くのが
一番 というところです
電 話でも 直 接でも
大 丈 夫ですし、
無 料 相 談 もやっていま す
﹁ 弁 理 士ナビ﹂の使い方 も
教 えてくれま す よ
14
﹁ 弁 理 士ナビ﹂で
自 分に合う
弁 理 士さんを
探せるんですか?
はい
条 件 を 絞って
検 索できるんです
専 門 的 な 知 識が
必 要 なジャンルでしたら、
当 然 それに強い方 を
探せま す
逆にアイデアが
ふわふわしていて、
どうしていいか
わからないなんて方は
オールラウンダーな
弁 理 士 を 選ぶと
いいでしょう
へ∼
日本 弁 理 士 会
やる∼
ちなみにこんな 人が
おす すめみたいな
ことってあったり
し ま す?
う∼ん、
特に条 件が
ないのでしたら、
歳が近い方のほうが
話が合って
スムーズな
気がしま す
あとは
よい事ばかりでなく
知 財のリスクも
ちゃんと
話してくれる人が
よい弁 理 士だと
思いま す
なるほど
ためになり ま す
でも 打 越さん
そうは言っても
弁 理 士さんって
お高いんでしょ?
⋮
実は決 まった
金 額 というのが
弁 理 士にはなく 、
ご相 談の内 容にも
よるので最 初に
値 段 も 相 談 す ると
いいです ね
初 回 相 談 無 料の
弁理士も
たくさんいるので
ご安 心 ください
基 本 的に
金 額は特 許 等 を
出 願し受 理されて
いくらという 形で
決めているという
15
なるほど
今 回で謎だった
弁 理 士さん
という ものが
少し見 えてき ました
結 構 気 軽に
相 談できるんです ね
思いついたんですけど
いろんな 人の初 回 無 料 を
利 用 すれば、
永 遠に無 料 なのでは?
いやそれだと何 も
話がす すみませんよ⋮
出 願 もできないし
ところでおすしさん
知 財を有 効 活 用
するために
弁 理 士 とどのように
付 き 合 えばいいか
わかり ま すか?
違いま す
︱︱
え? 付 き 合い方?
うーんあだ名で
呼 び合うとか?
それは、
こまめに
連 絡 を とり
長 期 的な
付 き 合いを する
ということです
打 越さん
要 するにそれは
お中 元 、
お歳 暮の
催 促 ととらえて
いいんですか?
違いま す よ!
16
実は特 許 等 を
取 られた方や 企 業さんは
それっきりになってしまう
ことが多いのです
でも 権 利が
取れれば終 わり
じゃないんですか?
知 財の価 値 というのは
変 動 するので
その後のケアが
大 事だったり するんです
例 えば同じ特 許でも
さらに優れた特 許が出たら
価 値は下がり ま すし
逆に状 況によっては
価 値が上がったりも
するわけです
そんな 時に
こまめに連 絡 を
取り 合っていれば
す ぐに対 応でき ま すし
知 財の活 用 範 囲 を
徐々に広げ
価 値 を 守ったり 、
上げたりも
できるわけです
それにちょっとした
ことで連 絡 を
もらえると
弁 理 士 としては
うれしいもんなんです
なるほど
なんだか田 舎の
両 親みたいです ね
今 回はお話
とっても 勉 強に
なり ました
ありがとう
ございました
打 越さま
ありがとう
ございました
︱︱
こちらこそ
ありがとうございました
アドバイスに従って
ちょっとした
金 もうけの
アイデアが
思いついたら、
こまめに
連 絡し ま す ね
あ、
それは
結 構です
17
経済産業省 特許庁
審 査 第一部 意 匠 課 企 画 調 査 班
制度がいかに時代の要請に応えられる
ィブは、日々変化してゆくもの。意匠
ていきたいですね。また、クリエーテ
今後は、調査研究の成果を基に、意
匠権の効果や利点を積極的にPR し
は強調しておきたいです。
ザインの保護﹂だけでないということ
能性があります。単純な意味での﹁デ
でも、新しい形であれば保護される可
護すること。また、特許性がないもの
補完とは、機能的な意味がある形を保
といった効果もあります。技術保護の
ランドの形成、そして技術保護の補完
というだけでなく、信頼性の向上、ブ
た、意匠権には、デザイン模倣を防ぐ
簡単。そのため、保護が必要です。ま
デザインを創造する苦労というのは
大変なもの。しかし、偽物を作るのは
集などを作成する予定です。
用方法を広く知ってもらうために事例
の。それ故、立場や状況に合わせた活
それぞれ制度の使い方や目的が違うも
菊地拓哉
デザイン模倣対策だけでない
意匠権の多様な活用法をPR
学生時代、特許庁の意匠審査官によ
る講義を聞く機会があり、意匠審査の
仕事を知りました。もともとデザイン
審査官の話によると、意匠制度という
の歴史に強い関心があったのですが、
意匠審査官は、過去から現在までの幅
のは明治時代から続く歴史あるもの。
この仕事なら自分の関心を社会の役に
広い分野のデザインを調査するため、
立てられるのではと考えたことが、入
庁のきっかけでした。
入庁後は、建築・土木用品などの意
匠審査を担当していました。現在は審
査業務から一時的に離れ、日本・米国・
欧州・中国・韓国での意匠出願動向や
グローバル企業の意匠出願動向の調査
研究・分析などに携わっています。ま
た、現在は意匠制度の活用に関する調
意匠審査官。
入庁後、
建
きくち たくや 09年入庁。
築・土木用品などの意匠審査を担当。
現在は審査を
離れ、
国内外の意匠出願動向調査や意匠制度の活
用に関する調査研究などに従事。
総務部企画調査
課などを経て現職。
か、ということも常に考えていきたい
と思います。
帰庁。
調査研究のヒアリング内容をまとめるなど、
18:00
メールチェック後、
デスクワーク。
帰庁。
庁内にある食堂へ。
ランチタイムは、
意匠制度に関する調査研究のため、
中小企業にヒ
12:00
13:00
16:00
自宅を出発し、
横浜市内にあるデザイン事務所へ
8:00
査研究も行っています。意匠制度のユ
ーザーは、大企業、中小企業、デザイ
ナー、大学・研究機関など多様であり、
日々、進化するクリエーティブ
意匠制度のあり方を考えていきたい
003
意 匠 課 企 画 調 査 班 係 長 の 一日
をどのように活用しているかなどをヒアリングす
直行。
知的財産権制度
デザイン開発に関する話や、
のスケジュールを確認して仕事が始まる。
メールチェック後、一日
る。普段は9:30に登庁し、
秋から冬にかけては、
全国各地でヒアリ
アリング。
ングを行うため外回りが多いそう。
デスクワークを処理。20:00ごろ退庁。
お 気 に 入りの ア イテ ム
オン・オフを問わず、
デザインにまつ
わる資料には常に目を通すようにし
意匠課の仕事は、
常
ているのだとか。
に業界の最新の動向を押さえておく
必要があり、
幅広いジャンルのデザ
インについて学ぶようにしていると
気になる記事には付箋を貼り、
いう。
あとから見直すことも。
休 日 は ど ん な 風 に 過 ご し て る?
自宅では、
日本酒で晩酌をすること
が楽しみという菊地さん。食事を楽
しみつつ、日本酒のラベルデザイン
を見ながら過ごすのが至福の時。写
真は、
最近気に入っている
「タクシー
映画を想
という日本酒。
ドライバー」
像させる、
インパクトのあるラベル
がユニークな一本。
18
Topics
1.
vol.4
2016年3月25日発行
発行
特許庁
〒100-8915
東京都千代田区霞が関3丁目4番3号
部署名
特許庁総務部総務課
担当者
仁科雅弘
牧野祐也
北口雄基
寺澤 萌
>> 知 財トピ ック ス
ロボット分野特許、上位10社中8社が日本企業
先進技術分野で世界をリード
国連の世界知的所有権機関
(WIPO)
が、15年11月
先進技術分野におけ
企業の名が多く連ねられており、
「2015年世界知的所有権報告書」による
に発表した
る日本の高い競争力が浮き彫りとなったといえる。
と、95年以降のロボット工学分野に関する特許出願件
WIPOが95年以降の出願データからまとめた特許
日産、
数上位10社のうち8社が、
トヨタ、
ホンダ、
デンソ
日本、
米国、
独国、
仏国、
韓国が、3Dプ
マップによると、
日立、
安川電機、
パナソニック、
ソニーの日本企業で
ー、
ナノテクノロジー、
ロボット工学の三つの先進
リント、
韓国
その他はドイツのボッシュ、
あることが分かった。
技術分野のうち75 %を占めており、
それ以外の新興
同時に公表された3Dプリ
のサムスンが選ばれている。
国、
発展途上国の中では、
中国のみが唯一、
先進的な工
上位10社に日本
ントやナノテクノロジーの分野でも、
業国に迫る国とされている。
2.
トムソン・ロイターが選ぶ、最も革新的な100社
日本は40社で、2年連続世界最多を記録!
15年11月、
情報サービス企業大手のトムソン・ロイ
日立、
東芝、
三菱電機、NEC、
富士通、
ち、
ソニー、
パナソ
特許データを基に知財・特許動向を分析して世
ターが、
キヤノン、
セイコーエプソン、
オリンパスの電
ニック、
界中の企業や組織から革新的な100社を選ぶ
「トムソン・
機・精密機器関連、
トヨタ、ホンダの自動車関連、日東
ロイター Top 100 グローバル・イノベーター 2015」
を
電工、
信越化学の化学関連、NTTの15社が5年連続の
発表。
本アワードは、
独創的な発明のアイデアを知的財
受賞。
三井化学、
東レ、
矢崎総業など、12社が初めての
産権により保護し、
事業化を成功させることで世界の
受賞となった。
米国の5年連続選出企業は14社。
なお、
ビジネスをリードする企業・機関を選出するもの。
「Top 100 グローバル・イノベーター」は、
トムソ
トップ100社のうち日本企業は40社を占め、
初めて
「特許
ン・ロイターが保有するデータベースを使用し、
米国を抜いた昨年に続き世界最多となっている。
アジ
数」
、
「成功率」
、
「グローバル性」
、
「引用における特許
アは韓国3社、台湾1社を含めた44社で、次いで北米が
(分析対象
の影響力」
の四つの評価軸を基本としている
36社、ヨーロッパが20社。選ばれた日本企業40社のう
過去5年間。
「グローバル性」
は、
のみ過去3年間)。
TOP 100 グローバル・イノベーター
2014/2015 国別比較
TOP 100 グローバル・イノベーター2015 国別分布
お問い合わせ
TEL 03-3581-1101(内線2143)
FAX 03-3593-2397
編集・制作
株式会社KADOKAWA
〒102-8177
東京都千代田区富士見2丁目13番3号
編集人
野木原晃一
(株式会社KADOKAWA)
編集
(株式会社KADOKAWA)
須藤 純
寳田真由美
(笑)
取材・文
寳田真由美
(笑)
、
岡田知子
(BLOOM)
出典:Thomson Reuters Derwent World Patents Index®(DWPISM)
Editor’s note
特許庁担当者より
撮影
齋藤ジン
産業財産権制度130周年を機に発行した新マガジン
「TokkyoWalker」
。
これまで知財とは縁遠かった皆さ
デザイン
山際昇太
(陽々舎)
んに共感していただけそうな記事を発信することで、
知財を身近に感じていただけるよう工夫を重ねてきま
本誌が、
皆さんの創作活動やビジネス戦略の幅を
した。
印刷
大日本印刷株式会社
広げるきっかけとなれたならば幸いです。
Printed in Japan
本書の無断複製
(コピー、
並びに
スキャン、
デジタル化等)
無断複製物の譲渡及び配信は、
著作権法上での例外を除
本書を代行業者などの第三者
き禁じられています。
また、
に依頼して複製する行為は、
たとえ個人や家庭内での利
用であっても一切認められておりません。
本誌掲載
なお、
記事の内容は2016年2月現在のものです
19
>> 編 集 後 記
vol.1
Back Number
3www.jpo.go.jp/oshirase/
kouhou/tokkyo_walker.htm
vol.2
vol.3
「QMONOS」
@Spiber Inc.
が開発する人工クモ糸
を使った機織りの様子。
Spiber(株)
特許庁の英文名称である
「 Japan Patent Office 」の頭文字「JPO」をモチーフとして、
親しみやすさと信頼感を表現しています。
「j」は人を表し、ユーザーの声を聞き、ユーザーニーズに応えて
質の高いサービス提供をしていく姿勢を表現しています。
また、丸みを帯びて跳ねるその姿は、
次代に向かって様々な知的財産の取り組みに挑戦し、
飛躍、進化しつづける特許庁の姿勢を表現しています。
「ブルーの楕円」は、知性とグローバルな知的財産制度の構築を表し、
特許庁ロゴマーク
130周年バージョン
様々な知的財産施策を迅速かつ
的確に実施していく姿勢を表現しています。
今年は、
日本に特許制度ができてから130周年になりますので、
その節目も示しています。
発行/特許庁
編集・制作/株式会社KADOKAWA