「神奈川県の温室効果ガス排出量推計結果(2013年度速報値)」について

資
料
平成28年3月24日
「神奈川県の温室効果ガス排出量推計結果(2013年度速報値)」について
※ 温室効果ガスの排出量は端数処理(万トン単位で四捨五入)をしているため、各表の合計値と内訳が合わな
いことがあります。また、増減、増減率、構成比等は万トン以下の端数を含めて計算しているため、表中の数
値を用いた計算と合致しない場合があります。同様に、四捨五入の関係で構成比の合計が100%にならない場合
があります。
※ 推計にあたっては、推計方法の精度向上に努めており、毎年度必要な見直しを行っています。
1
温室効果ガス排出量について
○ 2013年度(平成25年度)の県内の温室効果ガス排出量(速報値)は7,729万 t-CO2
(二酸化炭素換算。以下同じ。)であり、全国の排出量(14億800万 t-CO2 )の5.5%
にあたる。
○
前年度と比べると0.9%減少しており、1990年度と比較すると、6.7%増加して
いる。(表1)
○ 県内の温室効果ガス排出量の96.3%を二酸化炭素が占めている。(表2)
表1
神奈川県の温室効果ガス排出量の推移(単位:万t-CO2)
区分
1990年度
温室効果ガス
排出量
2011年度
排出量
2012年度
対1990年度
増減率
(%)
2013年度(速報値)
増減率(%)
増減率(%)
排出量
排出量
対1990年度
対前年度
対1990年度
対前年度
二酸化炭素
6,854
7,354
7.3
7,525
9.8
2.3
7,442
8.6
-1.1
その他ガス
(注1)
386
276
-28.4
277
-28.2
0.3
286
-25.9
3.2
7,240
7,631
5.4
7,802
7.8
2.2
7,729
6.7
-0.9
合 計
(注1) CH4、N2O、HFCs、PFCs、SF6、NF3
表2
区分
温室効果ガス
神奈川県・全国の温室効果ガス排出量(2013年度)
神奈川県(2013年度(速報値))
排出量
(万t-CO 2 )
構成比(%)
全国(2013年度(確報値))(注2)
対全国比(%)
排出量
(百万t-CO 2 )
構成比(%)
二酸化炭素
7,442
96.3
5.7
1,311
93.1
その他ガス
286
3.7
2.9
97
6.9
7,729
100.0
5.5
1,408
100.0
合 計
(注2) 「2013年度(平成25年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について」(環境省報道発表資料)を基に作成
1/10
2
県内の二酸化炭素排出量について
県の地球温暖化対策を進めるうえでは、県内の温室効果ガス排出量の約96%を占
める二酸化炭素の削減が不可欠であることから、二酸化炭素排出量について、さら
に詳しく説明します。
(1)排出量の推移
○ 2013年度の排出量は7,442万t-CO2で、前年度に比べて1.1%(83万t-CO2)減少し、
1990年度と比較すると8.6%(588万t-CO2)増加している。
○ 2013年度の排出量が前年度と比べて減少したのは、産業部門、家庭部門、運輸
部門のエネルギー消費量が減少したこと等による。
○ 2013 年 度 の 県 民 1 人あ た り の排 出 量 は 8.2t-CO2 で 、 前 年度 に比 べ て 1.2 %
(0.1t-CO2)減少し、1990年度と比較すると4.6%(0.4t-CO2)減少している。
図1 神奈川県の二酸化炭素排出量の経年変化(単位:万t-CO2)
2/10
(2)部門別排出量
○ 2013年度の排出量の部門別構成比は、業務部門(27.0%)及び産業部門(26.1%)
が大きく、次いで家庭部門(16.9%)、運輸部門(14.3%)の順になっている。
○ 1990年度からの伸び率は、業務部門(135.7%)と家庭部門(55.0%)で大きい
が、産業部門は37.3%の減少となっている。
表3 神奈川県の二酸化炭素排出量の部門別比較(単位:万t-CO2)
1990年度
排出量
(構成比%)
エネルギー
転換部門
発電所等
産業部門
製造業、農林水産
業、建設業等
820
自動車、鉄道、
船舶
対1990年度
増減率
(%)
1,065
(12.0)
(14.5)
3,091
2,283
排出量
(構成比%)
(45.1)
(31.0)
812
1,219
(11.9)
(16.6)
853
1,575
(12.4)
(21.4)
1,145
1,092
(14.9)
132
120
廃棄物部門
合 計
7,354
(100.0)
(100.0)
1人あたり
排出量
(t-CO 2 )
※
8.6
8.1
対前年度
-8.6
1,864
62.7
1,259
8.5
118.5
2,011
18.3
3.0
55.0
-4.8
135.7
7.9
-6.9
-5.3
-11.2
-6.9
8.6
-1.1
-4.6
-1.2
(14.3)
126
117
-4.6
5.0
(1.7)
(1.6)
9.8
7,442
2.3
(100.0)
8.3
-7.1
1,066
-1.7
(15.0)
-5.5
-37.3
(27.0)
1,125
7,525
5.0
(16.9)
(24.8)
7.3
28.0
(26.1)
(17.6)
84.6
対前年度
1,939
-32.5
1,322
対1990年度
(14.1)
(27.7)
50.0
増減率(%)
1,050
-6.1
2,087
(1.6)
6,854
対1990年度
排出量
(構成比%)
(13.3)
-9.2
(1.9)
増減率(%)
22.0
-4.6
(16.7)
2013年度(速報値)
1,001
-26.1
業務部門
運輸部門
排出量
(構成比%)
2012年度
29.8
家庭部門
サービス関連産業、
公的機関等
2011年度
(100.0)
-3.4
2.2
8.2
部門別排出量は、発電及び熱発生に伴うCO2排出量を各最終消費部門に配分した排出量
エネルギー
転換
12%
廃棄物
2%
エネルギー
転換
13%
廃棄物
2%
業務
12%
産業
45%
エネルギー
転換
14%
廃棄物
2%
運輸
15%
運輸
17%
家庭
12%
2013年度(速報値)
2012年度
1990年度
運輸
14%
産業
28%
業務
25%
家庭
18%
産業
26%
業務
27%
家庭
17%
図2 神奈川県の二酸化炭素排出量の部門別構成比の変化(1990年度、2012年度、2013年度(速報値))
3/10
表4
神奈川県の二酸化炭素排出量の部門別経年変化(単位:万t-CO2)
1990
1995
2000
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
820
855
847
935
869
972
988
1,024
1,081
1,065
1,001
1,050
産業
3,091
2,493
2,421
2,471
2,499
2,611
2,396
2,294
2,091
2,283
2,087
1,939
家庭
812
929
992
1,094
991
1,203
1,160
1,076
1,104
1,219
1,322
1,259
業務
853
931
1,003
1,216
1,187
1,428
1,353
1,329
1,432
1,575
1,864
2,011
運輸
1,145
1,312
1,284
1,178
1,109
1,081
1,048
1,057
1,126
1,092
1,125
1,066
132
138
133
124
111
112
110
122
115
120
126
117
6,854
6,657
6,680
7,017
6,766
7,407
7,056
6,902
6,949
7,354
7,525
7,442
エネルギー転換
廃棄物
合 計
3,500
3,000
業務
2,500
産業
2,000
家庭
1,500
運輸
エネルギー転換
1,000
廃棄物
500
0
1990 1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
図3
神奈川県の二酸化炭素排出量の部門別推移(単位:万t-CO2)
2.5
業務
2.0
家庭
エネルギー転換
1.5
合計
運輸
廃棄物
1.0
産業
0.5
1990 1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
図4
神奈川県の二酸化炭素排出量の1990年度比の推移(1990年度=1.0)
4/10
<各部門の2013年度の排出量の特徴>
【 エネルギー転換部門 】
・前年度と比べて5.0%増加。
・1990年度と比べて28.0%増加。
・1990年度からの排出量の増加は、電力等のエネルギー需要の増加に伴い電気事業者等からの
排出が増加したことなどによる。
【 産業部門 】
・前年度と比べて7.1%減少。
・1990年度と比べて37.3%減少。
・1990年度からの排出量の減少は、製造業からの排出量が減少していることなどによる。
【 家庭部門 】
・前年度と比べて4.8%減少。
・1990年度と比べて55.0%増加。
・1990年度からの排出量の増加は、家庭用機器の大型化・多様化や普及率の増加、世帯数の増
加(1990年度2,847,812世帯、2013年3,933,787世帯で約38%の増加)などにより、電力等の
エネルギー消費が増加したことなどによると考えられる。
【 業務部門 】
・前年度と比べて7.9%増加。
・1990年度と比べて135.7%増加。
・1990年度からの排出量の増加は、事務所等の延床面積の増加に伴う空調・照明設備の増加、
オフィスのOA化の進展等により電力等のエネルギー消費が増加したことなどによると考え
られる。
【 運輸部門 】
・前年度と比べて5.3%減少。
・1990年度と比べて6.9%減少。
・1990年度からの排出量の減少は、鉄道からの排出量が増加した一方で、自動車や船舶からの
排出量が減少したことによる。
【 廃棄物部門 】
・前年度と比べて6.9%減少。
・1990年度と比べて11.2%減少。
・1990年度からの排出量の減少は、一般廃棄物の焼却量が減少したことによる。
5/10
参
①
考
温室効果ガス排出量の推計方法について
○ 県内の温室効果ガス排出量の推計は、資源エネルギー庁公表の「都道府県別エネルギー
消費統計」を主な基礎資料として使用し、環境省の「地方公共団体における地球温暖化対
策の計画的な推進のための手引き」の手法をベースとして行いました。
○ 今回お知らせした神奈川県の2013年度速報値は、「都道府県別エネルギー消費統計」の
2013年度「暫定値」を使用しています。その算定基礎データとなっている「総合エネルギ
ー統計」が平成27年4月に1990年度に遡って改訂されたことに伴い、今後、「都道府県別
エネルギー消費統計」が改訂された場合には、本統計についても1990年度に遡って数値を
改めることとします。
②
電力の二酸化炭素排出係数の変動による影響について
○ 県内の二酸化炭素排出量の約4割は、電力の使用に伴うものです。
電力の使用に伴う二酸化炭素排出量は、電力の消費量に二酸化炭素排出係数(注3)をか
けて算出しますが、この二酸化炭素排出係数は、年度毎の発電電力量に係る電源種別の割
合により変動します。
そこで、電力の二酸化炭素排出係数の変動が与える影響を除いた排出量の推移を見るた
め、東京電力の二酸化炭素排出係数を用いて、その値が1990年度から一定であると仮定し
た場合の二酸化炭素排出量を推計し、実際の排出量と比較しました。
(注3)販売電力量あたりの発電に伴い排出される二酸化炭素の量を示す係数
<二酸化炭素排出量全体>
二酸化炭素排出
係数を一定にし
た場合(折れ線
グラフ)
実際の排出量
(棒グラフ)
図5 神奈川県の二酸化炭素排出量の推移(単位:万t-CO2)
<電力の二酸化炭素排出係数を1990年度で一定と仮定した場合との比較>
6/10
<二酸化炭素排出量全体のうち電力使用分>
実際の排出量
(棒グラフ)
二酸化炭素排出
係数を一定にし
た場合(折れ線
グラフ)
図6 神奈川県の電力使用に伴う二酸化炭素排出量の推移(単位:万t-CO2)
<電力の二酸化炭素排出係数を1990年度で一定と仮定した場合との比較>
7/10
③
エネルギー消費量の推移について
表5 神奈川県の部門別エネルギー消費量の比較(単位:PJ(注4))
1990年度
2011年度
エネルギー エネルギー
消費量
消費量
2012年度
2013年度(速報値)
対1990年度
増減率(%)
エネルギー
増減率
消費量
(%)
対1990年度 対前年度
エネルギー
消費量
増減率(%)
対1990年度
対前年度
エネルギー
転換部門
131
163
24.9
153
17.5
-6.0
160
22.4
4.1
産業部門
352
259
-26.4
236
-33.1
-9.1
218
-38.1
-7.5
家庭部門
109
138
26.1
139
27.3
1.0
131
20.4
-5.5
業務部門
107
182
70.1
201
87.8
10.4
224
109.2
11.4
運輸部門
166
157
-5.3
161
-3.3
2.2
152
-8.6
-5.5
合 計
865
900
4.0
890
2.9
-1.1
885
2.3
-0.5
(注4) PJ(ペタジュール)は、熱量の単位。1PJは1015ジュール。
2.5
2.0
業務
エネルギー転換
家庭
1.5
合計
運輸
1.0
産業
0.5
1990 1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
図7 神奈川県の部門別エネルギー消費量の1990年度比の推移(1990年度=1.0)
2013年度(速報値)
エネルギー
転換
18%
運輸
17%
業務
25%
産業
25%
家庭
15%
図8
神奈川県のエネルギー消費量の部門別構成比
8/10
表6
神奈川県のエネルギー源別エネルギー消費量の比較(単位:PJ)
2011年度
1990年度
エネルギー エネルギー
消費量
消費量
2012年度
対1990年度
エネルギー
増減率
消費量
(%)
2013年度(速報値)
増減率(%)
対1990年度
エネルギー
消費量
対前年度
増減率(%)
対1990年度
対前年度
石 炭
123
95
-22.3
93
-23.7
-1.8
92
-24.9
-1.6
石 油 ※ 1
418
342
-18.3
346
-17.3
1.2
364
-13.0
5.3
都市ガス ※ 2
68
174
156.7
178
162.7
2.3
166
145.0
-6.7
208
232
11.7
219
5.2
-5.8
212
1.8
-3.2
49
57
16.6
54
11.3
-4.5
52
6.1
-4.6
865
900
4.0
890
2.9
-1.1
885
2.3
-0.5
電 力
熱
合 計
※1 LPG を含む。
※2 LNG(液化天然ガス)を含む。
3.0
2.5
都市ガス
2.0
熱
1.5
1.0
合
計
電
力
石
油
石
炭
0.5
0.0
1990
1995
2000
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
図9 神奈川県の燃料別エネルギー消費量の1990年度比の推移(1990年度=1.0)
2013年度(速報値)
熱
6%
電
石
炭
10%
力
24%
石
都市ガス
19%
図 10
油
41%
神奈川県のエネルギー消費量の燃料別構成比
9/10
④
温室効果ガス排出量(種類別)の推移について
表7 神奈川県の温室効果ガス排出量の推移(単位:万t-CO2)
1990年度
温室効果ガス
排出量
2011年度
2012年度
対1990年度
増減率
(%)
排出量
2013年度(速報値)
増減率(%)
増減率(%)
排出量
排出量
対1990年度
対前年度
対1990年度
対前年度
二酸化炭素
6,854
7,354
7.3
7,525
9.8
2.3
7,442
8.6
-1.1
その他ガス
386
276
-28.4
277
-28.2
0.3
286
-25.9
3.2
CH 4
48
21
-55.1
21
-55.0
0.2
19
-59.6
-10.2
N2O
69
72
5.4
70
2.4
-2.8
71
4.1
1.6
HFCs
18
152
751.4
163
812.3
7.2
179
905.0
10.2
PFCs
84
21
-74.8
15
-82.2
-29.4
10
-88.4
-34.6
SF 6
167
9
-94.6
7
-95.6
-19.0
6
-96.3
-15.5
NF 3
0.4
0.5
31.4
0.5
27.1
-3.3
0.3
-24.0
-40.2
合 計
7,240
7,631
5.4
7,802
7.8
2.2
7,729
6.7
-0.9
CH4:メタン、N2O:一酸化二窒素、HFCs:ハイドロフルオロカーボン類、PFCs:パーフルオロカーボン類、
SF6:六ふっ化硫黄、NF3:三ふっ化窒素
⑤
全国の温室効果ガス排出量について
表8 全国の温室効果ガス排出量の推移(単位:百万t-CO2)
1990年度
温室効果ガス
排出量
2011年度
排出量
2012年度
対1990年度
増減率
(%)
2013年度(確報値)
増減率(%)
排出量
増減率(%)
排出量
対1990年度 対前年度
対1990年度 対前年度
二酸化炭素
1,154
1,261
9.2
1,296
12.2
2.8
1,311
13.5
1.2
その他ガス
116
94
-19.2
95
-18.0
1.5
97
-16.2
2.2
1,270
1,354
6.6
1,390
9.5
2.7
1,408
10.8
1.2
合 計
出典:「2013年度(平成25年度)の温室効果ガス排出量(確報値)について」(環境省報道発表資料)
工業
プロセス
6%
廃棄物
2%
工業
エネルギー
プロセス
転換
3%
8%
廃棄物
2%
エネルギー
転換
8%
廃棄物
2%
産業
33%
産業
33%
業務
12%
家庭
11%
産業
44%
エネルギー
転換
8%
運輸
17%
運輸
17%
運輸
18%
工業
プロセス
4%
業務
20%
業務
21%
家庭
16%
家庭
15%
1990年度
2013年度(確報値)
2012年度
図11 国の二酸化炭素排出量の部門別構成比の変化(1990年、2012年度、2013年度(確報値))
※グラフは環境省資料を元に県が作成(部門分けが県とは多少異なります。構成比1%未満の部門割愛)
10/10