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《薬局サーベイランスコメント》
『第 11 週（3 月 14 日～20 日）の推定患者数は 679,513 と 5 週連続で減少。第
12 週以降は春季休暇に入って更に大幅に減少すると予想される』
2016 年 3 月 22 日
済生会中津病院感染管理室
安井良則
薬
局
サ
ー
ベ
イ
ラ
ン
ス
（http://prescription.orca.med.or.jp/syndromic/kanjyasuikei/index.html）からの 2016 年
第 11 週（3 月 14 日～20 日）の 1 週間当たりのインフルエンザの推定患者数は 679,513
となり、5 週連続で前週の値よりも減少し、かつ 2 週連続して前週よりも 20 万人以上
と大幅な減少となっています（図 1）
。各都道府県別の第 10 週の人口 1 万人当たりの 1
週間の推定受診者数をみると、福井県、北海道、愛媛県、秋田県、長野県、富山県、岐
阜県、徳島県の順となっており、北海道、秋田県、福井県を除く 44 都府県では前週よ
りも減少がみられました。第 12 週（3 月 21 日～3 月 27 日）は殆どの学校が春休み期
間中となるため、インフルエンザの推定患者数は今後もこの大幅な減少が継続するもの
と予想されます。
2015 年第 36 週から 2016 年第 11 週までの累積の推定患者数は 9,164,677
（9,165,000）
であり、年齢群別では 5～9 歳（21.6%）
、10～14 歳（13.4%）
、40～49 歳（12.8%）
、
30～39 歳（12.2%）
、0～4 歳（10.9%）
、50～59 歳（7.6%）
、20～29 歳（6.7%）
、60
～69 歳（5.6%）
、15～19 歳（5.3%）
、70 歳以上（3.9%）の順となっています（図 2）。
2 週連続して全ての年齢群において前週よりも減少しています。
国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報
（https://nesid3g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data2j.pdf）によると、これまでのインフル
エンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス（3,951 検体解析）は、
A/H1pdm 57.6%、B 型 31.9%、A/H3（A 香港）亜型 10.5%の順となっています（図 3）
。
また、直近の 5 週間（2016 年第 7 週～第 11 週；これまでに 659 検体検出報告）では、
A/H1pdm 52.2%、B 型 45.1%、A/H3（A 香港）亜型 2.7%の順となっていて、A/H1pdm
と B 型の混合流行が継続しています。
今シーズンのインフルエンザの流行は立ち上がりが遅かったものの、第 5 週（2 月の
第 1 週）以降本格的な流行が 5 週間に渡って継続し、第 10 週、第 11 週（3 月の第 1
週、第 2 週）と漸く患者数は大幅に減少し、本格的な流行から脱しました。学校の春休
み期間に入ってインフルエンザの推定患者数は更に大きく減少していくものと考えら
れます。しかし、例年の同時期の患者発生状況と比較するとまだ患者発生数の多い状態
が続いており、今しばらくはインフルエンザの患者数の推移には注意が必要です。
インフルエンザ推定患者数各シーズン別週別推移（各シーズン第36～第15週まで）
1,600,000
1,400,000
1,200,000
1,000,000
2009/2010
2010/2011
2011/2012
800,000
2012/2013
2013/2014
600,000
2014/2015
2015/2016
400,000
200,000
0
36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 1
2015年
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15
2016年
図 1．過去 5 シーズンと今シーズン（2015/2016 シーズン）の第 36～第 15 週までのイ
ンフルエンザ推定患者数の週別推移
インフルエンザ累積推定患者数年齢群別割合（2015年第36～2016年第11週）
356,472 , 3.9%
513,224 , 5.6%
995,866 , 10.9%
695,527 , 7.6%
0-4
5-9
10-14
15-19
1,983,044 , 21.6%
1,173,004 , 12.8%
20-29
30-39
40-49
50-59
1,118,448 , 12.2%
60-69
1,232,472 , 13.4%
70-
609,96
2,
6.7%
486,658 , 5.3%
図 2．インフルエンザ累積推定患者数年齢群別割合（2015 年第 36～2016 年第 11 週、
累積推定患者数= 9,165,000）
2015年第36週～2016年第10週インフルエンザウイルス検出割合
572, 14.5%
A(H1)pdm
A(H3)
630, 15.9%
B(系統不明)
B(ビクトリア系統)
2274, 57.6%
59, 1.5%
B(山形系統)
416, 10.5%
図 3．
2015 年第 36～2016 年第 11 週インフルエンザウイルス検出割合（総検出数=3,951）

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