副学長、学部長からの応援メッセージ

第406号
2016年(平成28年)3月25日
上 智 大 学 通 信
卒業するみなさんへ
Eyes Wide Open
Michio Hayashi, Dean, Faculty of Liberal Arts
Dear Fellow Students, Congratulations! The
diploma you just received is the proof of
your hard work. I truly hope that you enjoyed every bit of
your time at Sophia while discovering and cultivating your
potentials as much as possible. But the life ahead of you is
still full of difficulties and complications. Continue to stay
ambitious and adventurous, but don t also forget to rest or
retreat if necessary. The key to success is to keep your
eyes always wide open with a 360-degree vision. At crucial
points in your life, you may decide to keep going straight
or steer toward a totally different direction. Whatever the
choice, the things you have learned and experienced here
at Sophia should provide you with a good foundation to
make the best move. I wish you all the best for the new cha
pters of your life.
再生の息吹と
ともに
神学部長 光延一郎
卒業、おめでとうございます。みなさん
が入学されたのは、「3・11」の傷から日
本社会が立ち直ろうと歩み始めた頃でした
ね。その中で上智大学100周年も祝われま
した。しかしこの間、世界はそれほど明る
くなったとも感じられません。格差や競争
が激化して社会が不安定になり、恐れと不
安、そして暴力への傾きが加速しているよ
うに思えます。でも私たちソフィアンは、
どこにいても、
人の尊厳と人権が生かされ、
互いが互いを受け入れあう世界の実現に眼
差しを向けたいものです。昨年帰天された
元経済学部教授の山田經三神父は、日本は
世界のために本当の‟JAPAN”にならね
ばと言ってました。そのココロは、Justi
ce for All, Peace for All Nations(すべ
ての人に正義を、すべての国々の平和を
!)
。この遺言を世界中に運んでくれるよ
うにと、みなさんのはばたきのために祈っ
ています。
副学長、
学部長からの応援メッセージ
ご卒業(修了)おめでとうございます。3人の副学長と9人の学部長からい
ただいた応援メッセージを「寄せ書き」にしてお届けします。
最新の大学の情報は、Webサイトなどで積極的に発信していきますので、
これからも母校を応援してください。教職員一同、皆さんの今後のご健闘とご
健康を心よりお祈りいたします。
文学部長 大塚寿郎
ご卒業おめでとうございます。この日を
迎えられたのは、皆さんの努力があったか
らです。
でも、皆さんの努力が果たした役割は一
部にすぎないと言うこともできます。世界
には自由に教育を受けることが許されない
国があります。それができる国に生きてい
るのは、
努力のせいではありません。また、
努力したくても経済的理由で勉学を続けら
れない人もいます。皆さんの多くは誰かに
経済的に支えてもらったはずです。さらに
小・中・高等学校で、知識を与え、能力を
引き出してくれた人たちがいたのでは。で
なければ大学での努力は活かされなかった
でしょう。大学に通える健康でさえ与えら
れたもの。努力で得られません。
ですから、大学で学ぶ機会を与えられた
ことへの感謝の気持ちを胸に、今度は「与
える人」として社会で活躍してくれること
を期待しています。
ソフィアンとしての
矜持をもって
今、巣立っていく君へⅢ
総合人間科学部長 久田 満
地方の男子校出身でどちらかというと不器用な君が、優秀
な女子学生が圧倒的に多いなかでゼミ長に選ばれた時は、失
礼ながらちょっと驚いてしまった。でも普段の授業や各種イ
ベント、そして卒論の提出日が迫った緊張感に満ちた日々で、
君が見せてくれた同期生に対するさり気ない心配りから、選
ばれた理由が分かった気がしたよ。あれも「for others, with
others」の精神と言ってもいいかもね。君自身の卒論も素晴
らしい出来栄えだったし。4年間の大学生活で学べることは
必ずしも社会人としてすぐに役に立つことばかりではないけ
ど、総合人間科学部は、というより私が育てたいのは、頭脳
明晰な科学者というより、他者に対する優しさを行動で表せ
る人材なんだ。だから君を社会に送り出せて私もうれしい。
卒業おめでとう!
法学部長 矢島基美
ご卒業、おめでとうございます。心から祝福いたします。
本学での生活は、いかがでしたか。向き合って甲斐のある
学問に触れ、敬うに足りる恩師に出会い、終生にわたって付
き合える友と交わり、あるいは、学生時代でなければ味わえ
ない体験をすることができましたか。
省みて、そのひとつであれ、思い浮かぶとしたら、それは
何よりのことです。いずれも、人生の次なるステージに向け
た宝物であり、何よりも皆さんがソフィアンたることの証で
あるといえるからです。
その宝物をいつまでも大切にして、そんな宝物をもち合わ
せている自分をどこまでも信じて、新たな道を切り拓いてい
ってください。
行け混濁の 闇打ち啓き……
新しいスタート
経済学部長 山田幸三
ご卒業おめでとうございます。卒業は社会へ旅立つ新たな
スタートです。日本の社会は大きな変化のプロセスにありま
す。グローバリゼーションとダイバーシティの高まりは、そ
感謝の気持ちを
胸に
(2)
の象徴的な現象と言えるでしょう。これまでの常識に過度に
とらわれず、新しいものの見方や考え方で挑戦していく姿勢
を大切にしてください。同時に、イギリスの経済学者アルフ
レッド・マーシャルが述べた、
“cool head but warm heart”
を忘れないでほしいと思います。現代社会の現実を直視し、
上智大学で学んだ知識や原理と経験を活かして、より良き人
生と社会の実現を目指して考え、行動し、わが国と世界の諸
問題の解決に貢献してください。
今後のご活躍をお祈りします。
外国語学部長 谷 洋之
今日卒業される皆さんの多くが入学された2012年、学生セ
ンター長を務めていた私は、新入生全員に校歌を覚えてほし
いと考え、オリキャンのプログラムに「校歌指導」を組み込
んでもらいました。1番から3番まで通しで歌われることは
ほとんどありませんが、
読み通してみると、
「ソフィアの鷲」
(1
番)に導かれながら自立していく「生命の群」(2番)が描か
れた、物語性あふれる良い歌詞だと思います。
表題は、言うまでもなく3番の歌い出しです。これまでの
常識では推し測ることのできない新たな事態が次々と起こっ
ている世界は「混濁の闇」かもしれません。が、本学で学ん
だ叡智をもってこれを打ち啓き、まずは自分の周りの人たち
のために、そしてゆくゆくはまだ見ぬ人々のためにも力を発
揮していってください。卒業おめでとう!
上智での思い出を大切に
ご卒業おめでとうございます
学術交流担当副学長 杉村美紀
総合グローバル学部長 寺田勇文
ご卒業おめでとうございます。卒業生の皆さんの門出を心
からお慶び申し上げます。卒業を迎えられ、皆さんそれぞれ
に上智大学での学生生活の日々をいろいろな思いで懐かしく
振り返られていることと思います。国内や国外でソフィアン
の皆さんにお会いすると、最近のキャンパスはどうですかと
大学の近況をよく尋ねられます。卒業生の皆さんが母校に思
いを寄せてくださり、在学時代の思い出を楽しそうにお話し
くださるのは何よりうれしく誇らしいことです。皆さんはこ
れから様々な道へ進んでいかれることと思いますが、機会が
ありましたら、皆さんもぜひまた大学に遊びにいらしてくだ
さい。上智での学びを糧に、ソフィアンとしてお元気にご活
躍くださいますよう、みなさんのご発展とご多幸を心からお
祈り申し上げます。
ご卒業おめでとうございます。21世紀に入り、日本でも世
界でもさまざまな新たな問題がもちあがっています。中東や
アフリカでは多くの人々が故郷を離れ、難民となり、新天地
を求めて移動を余儀なくされています。国内では貧富の差の
拡大が、私たちを取りまく日々の暮らしのなかで鮮明になっ
てきました。
これからは皆さんが主役です。本学での学生としての生活
は専門分野の知識を深めることだけではなかったはずです。
この世界について、語り合い、問題を指摘し、どうすれば改
善できるかを考える場でもあったと思います。そうした体験、
想い、知識の力を生かし、それぞれが選んだ進路、職業を通
じて、よりよい世界を実現するための一歩を踏み出してくだ
さい。さまざまな困難が予想されるとしても、これからの世
界を変えていくのは皆さんです。
心の粘土
真に教養ある人に
学務担当副学長 学生総務担当副学長
藤村正之
川中 仁
皆さんの大学生活が達成感や哀惜感を残
近年、高等教育の分野で、教養とは何か
ということをめぐって様々な議論がなされ
ています。教養とは、単に沢山の知識を蓄
えることよりも、人間としての幅の広さ、
深みということだろうと思います。それは
自分と異なるものに対する寛大さというこ
ともできるでしょう。
上智大学では、「他者のために、他者と
ともに」という教育精神のもと、教養を他
者性という概念で理解しています。他者性
には、他者に対する想像力をもつというこ
とにとどまらず、人のために何かをすると
いう利他性ということも含まれています。
他者性とは、決して自分を疎かにするとい
うことではありません。他者へと開かれて
いることこそが、真に自分を豊かにするこ
とにつながってゆくからです。
皆さんが、これからの人生の歩みをとお
して真に教養ある人となることを心から願
っています。
しつつ、終わりを迎えます。人生90年時代
となり、皆さんの行く手には、これまで経
験した以上に長い道のりがまっていて、気
が遠くなるかもしれません。これからの人
生に起る様々なことを経験していくにあた
って、こんなイメージ・トレーニングはど
うでしょう。心を粘土のように考えるので
す。粘土はほっておくと硬くなりますが、
じっくりこねていれば、柔らかい状態を保
てます。つらいとき、苦しいとき、心が硬
くなってこわばっています。そんなとき、
心を粘土だと見立てて、よいしょ、よいし
ょとこねてみてください。どうです、少し
ものごとへの構えが変わりませんか。皆さ
んが、そんな感じでときに肩の力をふっと
抜いて、柔らかい気持ちで、人生を歩んで
いくことを期待しています。
温故知新
理工学部長 築地徹浩
皆さん、ご卒業おめでとうございます。
心からお祝いを申し上げます。
この春から、
皆さんは社会に飛び立たれ、
あるいは大学院へ進学されると思いますが
上智大学で学んできたことを誇りに思い、
今後それぞれの場で生かしてほしいと思い
ます。これからは、「自分自身で考える」
ことがさらに要求されます。創造や独創力
が重要になり、新たなものを創り出してい
くことが必要です。
ご存知のように温故知新という言葉があ
ります。古きをたずねて新しきを知る意で
す。これから皆さんが創り出される独創的
な「新」が温故に支えられたものになれば
と念じています。これから新たな気持ちで
皆さんそれぞれの道を歩んで行って下さ
い。ご活躍をお祈りいたします。