紘武館道場は35周年を迎えました。 松村先生、門下の皆様

紘武館道場は35周年を迎えました。
松村先生、門下の皆様、おめでとうございます。
紘武
道会 フランス紘武
道会 主宰・師範
ジャンピエール・レニエ
初めて私が紘武館の扉を開けたのが33年前ですが、まるで昨日のことのように思えます。あのときは
道のことを知ろうと思っていたのですが、それだけでなくある家族と出会うことになりました。 館長と先
輩が古伝を通して連結しひとつになった家族です。私はすぐにこの一員になりました。
あの頃は古伝の稽古が行われている場所があまりありませんでしたが、今では変わり、多くなりまし
た。神道夢想流
術を実践していると思っている人が、日本・外国を問わずたくさんいます。しかしそれ
は全然違うものであり、彼らは古伝に似たものを行っているだけなのです。それに彼らの先生は流派につ
いてもあまりよく知らない人ばかりです。大半の指導者は古伝を本やビデオなどで学び、一般大衆に教え
やすいように簡略化し、形を変えています。世界中には非常に印象的な名前のついたグループがあります
が、そこで行われている内容は、 印象的とはとても言えないものとなっています。これでは伝統など何も
ない
道の拡大でしかありません。
真の伝統は、白石範次郎先生に始まり乙藤市蔵先生、そして私たちの館長へと綿々と途切れなく受け継
がれている紘武館道場でしか見つからないと思っています。館長はこの伝統を永続させるために門下生の
指導に身を奉げておられます。古伝はただの
道の一流派なだけではなく、一個人の育成と成長に一生涯
関わる流派なのです。古伝は人生の教育法と、表から奥まで、簡単なものから複雑なものまで、そして付
属武術をも備える真の財産であります。
私たちはこの日本伝統武道を日々厳しい態度で稽古し続け、そして武道の真の財産を全体的にかつ完全
に修得しなければなりません。(私はそのレベルからはまだ遠いですが……)私たちの目的は古伝を、技
術的にも精神的にも哲学的にも、今まで伝えられた通りに変化させずに次世代に伝える事にあります。私
たちは 単に技がスムーズにできるように稽古をしたり資格を得て教えるだけではなく、先達が示し伝え
てくれた真の道をそのまま次の世代に受け渡していかなければなりません。
これが紘武館道場と紘武
道会の真の目的であると信じています。