南海トラフ地震対策行動計画(案)の意見公募手続に寄せられた意見とそれに対する県の考え方 1.意見公募期間 2月 16 日(火)~3月 16 日(水) 2.意見数 4名 27 件 3.意見の概要 ・ハード整備に関する意見 ⇒ 18 件 (住宅の耐震化1件、緊急輸送道路指定1件、河川・堤防補強対策6件、植林による津波被害対策1件 学校等の高台移転3件、電力の自給体制1件、燃油対策2件、津波避難経路1件、液状化対策1件、中山間対策1件) ・ソフト対策に関する意見 ⇒ 9件 (防災人材育成4件、防犯対策1件、その他4件(南海トラフ地震対策に関する国への働きかけ、対応レベルなど)) 4.対応方針 (1)第3期行動計画(案)に盛り込まれているもの ⇒9件 (2)意見を踏まえて第3期行動計画(案)に追加・修正するもの ⇒0件 (3)今後、行動計画に位置付けるかどうか検討するもの(第3期行動計画のPDCA の中での検討を含む) ⇒1件 (4)その他(行動計画としてではなく別途検討していくものなど) ⇒17 件 5.意見の概要と意見に対する県の考え方 意見 ご意見の概要 No 1- (1) 【住宅の耐震化の補助対象の拡大について】 対応 方針 (4) ご意見に対する県の考え方 阪神・淡路大震災による木造建築物において、修復が困難な損傷を受けたものの割合を 比較すると、昭和 56 年以前に建てられたものは 57 年以降に建てられたものの約4倍とな 高知県では住宅耐震化事業(耐震診断、改修設計、 工事)において、補助対象を昭和 56 年以前の建物 っています。 としている。阪神大震災では、昭和 56 年以降に建 昭和 56 年以前に建てられた住宅で地震対策が必要なものは、平成 25 年時点の推計で県 築確認を行った建築物の多くも壊れたため、国が建 内に約8万戸あり、これらの住宅の耐震化が急務であることから、第3期行動計画では重 築基準法を改正した平成 12 年まで補助対象を拡大 点課題の一つとして位置付け最優先に進めることとしています。 ご意見については、阪神・淡路大震災において、昭和 57 年以降に建てられた住宅につい していただきたい。 ても被害が発生していることから、耐震性の有無を確認することは重要であり、今後の検 討課題と考えています。 1- 【大規模建築物の耐震化を促進するための緊急輸 (4) (2) 送道路指定について】 耐震改修促進法により、耐震診断結果の報告の義務付けをする建築物として、県や市町 村が計画で指定する道路の沿道の一定の高さを超えるものが位置付けられたため、県は同 耐震改修促進法の「大規模建築物等に係る耐震診 法に基づき市町村の区域を超える避難路を順次指定しているところです。なお、市町村の 断結果の報告の義務付け」に指定されるような建物 区域内の避難路は市町村で指定することとされており、県と市町村で指定を分担していま が倒壊した場合、緊急輸送道路を閉塞する可能性が す。 あることから、大規模建築物(アールシステムビル) 義務づけられますと、該当建築物の所有者から診断結果の報告を受けた所管行政庁は、 の耐震化を進めるため、高知駅周辺県道を緊急輸送 これを公表することとなるため、指定は慎重に行っています。 道路に指定していただきたい。 具体的には、指定は高知県道路啓開計画における救援ルートを踏まえ、広域的な避難や 支援物資の輸送のための道路の確保を目的に行っており、ご指摘の道路は長期浸水エリア 内で、現状では道路啓開計画における救援ルートが特定できていないため、指定していま せん。 今後、長期浸水エリアにおいて道路啓開計画における救援ルートを踏まえ、当該ルート の指定を県と高知市のどちらが指定するかも含めて、検討してまいりたいと考えています。 2- 【堤防補強対策について】 (1) ① (4) 国直轄事業で堤防補強対策を行っているが多 直轄高知海岸などで、堤防の耐震補強工事に採用している工法の大部分は、県内の会社 が開発した工法で実施されており、この工法は、短時間で現場施工が可能なことや狭隘な 額の費用が掛かる。堤防補強対策の工法である鋼 現場では安価に施工できる特徴があります。 管杭工法や二重矢板工法を開発したのは高知の しかしながら、県内のすべての海岸で地震津波対策を行うには莫大な予算が必要なこと 会社であり、高知工科大学もあるので、できるな から、工事現場で発生する課題や改善点等を発注者として開発企業や学識者等と情報共有 ら 10 分の1の費用の工法を官民大学一体でぜひ し、さらに経済的な技術開発に向けた環境づくりに取り組んでまいります。 開発していただきたい。 ② クレーンの操作においては新潟県の業者を雇 (4) っているようだが、県内の業者を育てていただき 公共事業の発注に当たっては、県内建設業者への発注に努めるとともに、受注者に対し ては、県内建設業者の下請への活用を要請するなど、県内建設業者の育成に努めています。 たい。 ③ 高知新港から中国の安い鋼管や矢板を輸入し てもよいのでは。 (4) 県が発注する工事では、必要な品質と規格を満足していれば、外国産の鋼管杭も使用す ることは可能です。 外国産の製品を使用するかしないかは、工事受注者の判断となります。 平成 26 年と平成 27 年には、高知港を活用し、韓国から橋梁用資材として鋼管杭を輸入 した事例もあります。 1 ④ 県の海岸の町近くは、特に堤防補強に取り組ん (1) でいただきたい。 現在、人口や社会基盤が集積する県中央部を中心に地震津波対策を進めています。 その他の地域においても、背後人口や、防災拠点などについてエリアごとに評価し、重 要度の高いエリアから、順次、整備を進めてまいります。 (2-20「海岸等の地震・津波対策の推進」 ) ⑤ 堤防補強には鋼矢板二重締切工事が有効であ (4) ることが東日本大震災で証明された。しかし、材 現時点では、鋼板の代替材として CLT 材を堤防補強対策の資材として活用することにつ いては、困難と考えます。 料である鋼板の原料である鉄鉱石はあと 70 年で 掘り尽くされると示されている。CLT 板は強度や 耐用年数、ジョイント方法などの課題は多いが、 鋼板の代わりに使えないか、国に実験するよう働 きかけていただきたい。 2- 【河川の津波対策のため、土手の舗装や護岸のコン (1) (2) クリート化、排水路への水門の設置などについて】 河川の津波対策については、県都高知市の被害最小化に向け、浦戸湾内の河川堤防の耐 震化を優先的に実施するとともに、浦戸湾外についても、優先度の高いエリアから順次取 県や市町村管理の河川は、国直轄管理区域と比べ り組んでいます。 ると、あまり地震・津波対策がとられていないよう しかしながら、県が管理し、津波遡上が想定される河川は多くあり、すべての河川で津 に思う。例えば、土手の舗装や護岸のコンクリート 波対策を行うためには莫大な予算が必要です。 化、土手の陸側への広葉樹林帯の形成、排水路への このため、国に対し積極的な財政支援の提言も併せて行っています。 水門の設置、河口へ遊水地兼公園を作り民家は高台 今後も津波対策を効率的・効果的に進めてまいります。 の集合住宅へ移転をするなど、対策を進められない (2-21「河川等における津波浸水対策の推進」 ) か。 2- 【くろしお鉄道の土盛りへの植林による津波被害 (4) (3) の軽減について】 線路沿いに植木等の植栽を行う場合は、列車の安全運行のため、その枝葉等が線路に影 響を与えないように、一定程度離して行うことが必要ですが、土佐くろしお鉄道の土盛り 海岸に広葉樹林を作る取組は、東北をはじめ、日 構造の箇所は、鉄道を単線で走らせるために必要な最低限の用地幅で整備されており、広 本各地で行われており、農林水産省でも減災になる 葉樹林帯の整備を行うほどの余地がないのが実情です。 と発表している。しかし、高知県は山が海岸に迫っ 広範囲な用地買収を行ってまで整備することについては、地域の防災、減災対策をどの ているため、十分な距離の樹林帯は難しい。そこで、 ように実施していくことが望ましいかを含め、地域における総合的な検討が必要ではない 東日本大震災で高速道路の土盛りに駆け上がり助 かと考えます。 かった事例もあることから、くろしお鉄道の土盛り の両側に広葉樹林帯を作るのはどうか。津波そのも のの勢いを減らすことはもちろん、土盛り自体の流 出や、引き潮で人やモノが海に流れ出すのを防ぐこ とができるかもしれない。 2- 【沿岸部の小・中・高校、公民館や公共住宅、沿岸 (4) (4) 部の住民の高台移転について】 高台移転の取組は、まずは、避難行動に支障が大きい保育所・幼稚園等について、県単 独の補助制度を設けて積極的に推進しているところであり、小・中学校については、所管 ① 第一に、次世代を担う沿岸部の小・中・高校、 する各市町村の意見をお聞きしながら推進策を検討することとしています。 次に公民館や公共住宅を高台に移転させる。その また、高等学校については、県立高等学校再編振興計画の中で「学校の特性や地域の実 後は沿岸部の住民を優先的に高台移転させては 態を踏まえながら、適地への移転やそのための統合の可能性も含め、対応を検討する」と どうか。 しています。なお、前期実施計画では再編統合が決定している高知市内と高吾地域の対象 校において、いずれも津波浸水予測地域から浸水予測地域外へ統合することとなっていま す。 さらに、公民館等の社会教育施設については、所管する市町村が判断すべきものと考え ており、今後、津波浸水区域内における公民館の状況と併せて、市町村における検討状況 を把握してまいりたいと考えています。 加えて、県営住宅については、県営住宅整備方針等の中で、高台移転の必要性を含めて 検討していきます。 また、市町村営住宅の高台移転については、それぞれの管理者が策定する公営住宅整備 方針や再編計画などの中で検討していくこととしています。 ② 高台移転は山を切り開くことになるので、森林 (4) 率(特に自然林)を維持するために、高台移転後 移転跡地の有効活用について、重要な視点と考えるため、今後、ご意見を踏まえ検討し てまいります。 の跡地は太陽光発電設備か広葉樹林帯を作って はどうか。 ③ 高台移転の建物は、すべて CLT 工法で建てて いただきたい。 (4) 高知県では県産材の利用拡大に向けて、県有施設の木造化・木質化に取り組んでいます。 そうした中、CLT は新たな建築資材であることから、モデル建築物の整備を通して設計 や施工に関する技術やノウハウを蓄積し、改善等を図りながら進めているところです。 公共施設を整備する際には、その施設の目的や規模などを勘案しながら、CLT を始め県 産材の利用を引き続き積極的に推進してまいります。 2 2- 【多彩な発電方法を強みにした発電の自給体制の (4) 県では、平成 23 年3月に「高知県新エネルギービジョン」を策定(平成 23 年度~平成 27 年度)し、全国的にも優位な日照時間や森林資源を活用することで太陽光発電や木質バ (5) 整備について】 発電方法が多彩であることは、災害に対する高知 イオマス発電など再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでいます。 現在、このビジョンの改定(平成 28 年度~平成 32 年度)作業を進めており、その中に 県の強みになる。現在行っている小水力発電やバイ オマス発電、太陽光発電に加え、洋上風力発電や微 盛り込むこととしています。 小風力発電、燃料電池発電を強力に推進すれば、将 来は発電の自給体制を整えることができるのでは ないか。 2- 【石油タンクや農業用タンクの地震対策について】 (1) (6) ① タナスカ、中ノ島地区等の石油、ガス施設の地震津波対策については、平成 25 年 10 月 石油タンクが壊れると一帯が火の海になる。頑 に関係する専門分野の有識者による検討会を設置し、検討を進めています。検討会で石油 丈な固定と転倒しても流出しない装置の設置を タンク等の耐震性を照査したところ最大クラスの揺れであってもタンク本体に致命的な被 してはどうか。 害は無いことが分かりましたが、補強対策が必要となっています。今後、事業者と協議し ながら補強対策を順次実施していくよう取り組んでまいります。 また、一部の箇所では、液状化により護岸が沈下し、背後の地盤が変形することで、配 管類への影響が懸念されますが、これに対しては、各事業者が、停電しても作動する緊急 遮断弁の設置や揺れに対応できる柔軟性のあるパイプへの付け替えなど、自主的な安全対 策を進めております。 (2-26「燃料タンク等の安全対策の推進」 ) ② 農業用タンクは木材チップ燃料タンクへの転 (1) 換を推奨する。 ご指摘のとおり、重油ボイラーを木質バイオマスボイラーに転換すると農業用タンクを 削減することが可能となります。 行動計画には、「燃料タンク等の安全対策の推進」の中に、「重油代替暖房機(木質バイ オマスボイラー、ヒートポンプ等)導入への支援等によるタンクの削減」を位置づけてい ます。 県としましては、園芸農家の皆様のご理解をいただきながら、重油代替暖房機への転換 を図ることで、農業用タンクの削減に取り組んでまいります。 (2-26「燃料タンク等の安全対策の推進」 ) 2- 【津波避難路の設置及び夜間の避難対策等につい (4) (7) て】 山への避難路や高規格道路への階段については既に整備を進めております。また、太陽 光発電を備えた街路灯の設置については、今後、市町村から整備の要望があれば、引き続 山への避難路の設置と併せて高規格道路に登る き支援してまいります。 ための階段の設置をしていただきたい。また、夜間 の避難に備えて、太陽光発電を備えた街路灯の設置 や通路に貼る蛍光シートも併せて整備していただ きたい。 2- (8) 【海岸部の液状化対策について】 (4) 地面に間伐材の丸太を打ち込むと海岸部の液状 間伐材の丸太による液状化対策については、平成 26 年 5 月に高知市内で「施工及び実 証調査」が実施され、現在建築中の高知市新庁舎で採用されていると聞いてます。 化対策になるとの新聞記事があったが、その後の対 現在、高知県内の港湾・海岸施設の整備にあたり、間伐材を利用して液状化対策を実施 策は進んでいるのか。 する現場はありませんが、今後、土質条件等、当該工法の特徴を活かせる現場があれば、 検討を進めてまいります。 2- 【防災専門機関等と情報共有し、どのような対策と (4) (9) 効果があったかについて】 県では、南海トラフ地震対策を推進するにあたり、有識者にアドバイザーとして助言を いただくとともに、防災に関して大学関係機関と連携協定を結んでいます。こうした取組 高知大学防災推進センターや京都大学防災研究 が、防災対応力の向上につながっていると考えます。 所、国の機関と情報共有し、どのような対策があり、 どのような効果があったか。 2- 【南海トラフ地震対策の推進に関する国への働き (10) かけについて】 南海トラフ地震が3連動で発生すれば、日本の経 済的被害額は 220 兆円を超えると試算されている。 (4) 高知県知事が発起人となり、南海トラフ地震により甚大な被害が想定される県が連携し、 「南海トラフ地震による超広域災害への備えを強力に進める9県知事会議」を立ち上げ、 国に対し、被害を軽減するための政策提言活動を行っています。今後も引き続き、南海ト ラフ地震対策を加速化するため、様々な機会を捉え政策提言活動を行ってまいります。 地震後の対応より、事前対策を講じた方がはるかに 少ない金額で対応できると言われている。また、対 策が地域の産業活性化につながり、何より多くの人 が亡くなる悲しみや日本の問題の人口減に対応す ることができるため、国へ働きかけてもらいたい。 〔9県知事会議参加県〕 東海・東南海・南海・日向灘の4つの地震が連動発生した場合に、地震動及び大津波により甚大な被 害が想定される県 (静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県) 3 3- (1) 【山間部の対策について】 (1) 県では、被災後、速やかな復旧・復興ができるよう、復興の基本的な考え方を整理して データから沿岸部に比べて、山間部の対策が遅れ います。今後、各分野の取組を進めるうえでは、頂いたご意見にありますように、沿岸部 ているとことが読みとれる。比較的震度も小さく被 と山間部で支援体制を整備するなど、復旧・復興をイメージしながら取り組んでまいりま 害が少ないと予想される山間部と被害の大きい沿 す。 (4-1「復興組織体制・復興方針の事前検討」 ) 岸部の「縦のライン」を整備することで、意識格差 の改善も期待できるのではないか。 高知市へのアクセスなどを考えて、いの町の山間 部に復興拠点を作ることや、山間部に農産物の種や 農作業機械を一定数備蓄することで逸早く一次産 業の復興につながる。 3- (2) 【命をつなぐ対策について】 (1) 人間の根幹で不安の大きい部分である。○○計画 行動計画の策定にあたっては、取組を時系列で示すとともに、県民の皆様に分かりやす い表記に努めているところです。今後も、より一層分かりやすい計画となるよう努めてま の策定に終わらせず、具体的に課題を抽出し、明記 いります。 した方が安心できる。例えば、避難所不足対して公 民館の利用方法の見直しを図る、企業等との協定を 周知するなど。 3- 【人材育成について】 (3) ① (1) 防災士養成研修の受験者では、高齢者が多すぎ 県主催の防災士養成講座は、毎年 300 人の定員で実施していますが、定員を超える多数 の申込みをいただいており、止むを得ず抽選により受講者を決定しています。 て、若者が受験できない現状がある。助けられる 県といたしましても、より多くの防災士の養成及び活用が必要と考えており、今のとこ 側の人間が取得するより、災害時に活躍できる若 ろ、年齢制限を設けておりません。今後、より多くの防災人材の育成を図るため、開催回 い人材の取得率を上げていくため、防災士養成講 数を増やすことなども検討してまいります。 (1-4「防災人材の育成」 ) 座の上限年齢を定めて欲しい。 ② 企業に対するインセンティブなどの取組も必 (1) 要である。 企業における防災対策を進めるため、 「南海トラフ地震対策優良取組事業所認定制度」を 設け、防災に関する取組を進めていただいている事業所を認定しています。今後もより多 くの事業所に防災対策に取り組んでいただけるよう、この制度を周知してまいります。 (4-16「雇用の維持・確保」 ) ③ 啓発の取組となる「正しい知識」を学生に習得 (1) させるための活動など、災害時に活躍できる年齢 県民の皆様への啓発活動の中でも、世代に応じた役割の周知なども行ってまいりたいと考 にもっとスポットを当ててほしい。 えます。 (1-1「県民への情報提供、啓発の促進」等) ④ 計画(案)に様々な広報・取組が記載されてい (4) るが、県民への浸透は未知数である。 3- (4) 災害時に実際に活動していただける世代の防災知識の向上は重要と考えます。このため、 【対応レベルについて】 行動計画について、これまで県のホームページをはじめ、研修等で広く周知しています。 今後も引き続き、様々な機会を捉えて県の取組を周知してまいります。 (4) 港湾、河川等の津波に対する施設整備については、仮に L2 対応とした場合、膨大な経 計画レベルの多くは L2 で、港湾、河川、市街地 費がかかること、また、例えば、34 メートルの津波が来るからと言ってそれ以上の高さの 火災等の整備は L1 レベルなのはコストを考慮して 防波堤を作ることは非現実的であることから、L1 対応で進めています。L2 に対しては、 のことなのか、対応レベルの根拠が不明確に見え 被害を少しでも軽減できるよう構造物の粘り強い化を図ることとしています。 なお、平成 23 年9月の中央防災会議専門調査会において、 「L2 クラスを対象とすること る。 は、施設整備に必要な費用、海岸の環境や利用に及ぼす影響などの観点から現実的ではな い」と示されています。 また、市街地火災対策について、地震での津波浸水予測区域内にある地区の住民は、地 震の際に津波から命を守るために、津波浸水区域外の避難場所へ直ちに避難することを最 優先としていますが、火災対策を行う対象地域は、発生頻度の高い L1 地震での津波浸水 予測区域外として、対象地域を広げているものです。 4- (1) 【災害時の犯罪について】 (3) 県警では、本年も重点目標の1つに「南海トラフ地震等から県民を守る対策の推進」を 災害時には犯罪が必ず発生する。しかし、こうい 掲げるとともに、同目標達成のための取組の1つを「積極的な広報啓発活動の推進」と定 った情報はそのほとんどが表面化されていない。そ め、訓練や会合等における防災講話や広報媒体の活用等、様々な広報啓発活動に継続して のため、取扱いに十分注意したうえで、防犯の側面 注力しています。 からの防災意識啓発も必要だと感じる。 これまでは、発災時の行動要領や備蓄品の準備等「命を守る」ことに重点を置いたもの でしたが、東日本大震災においては、住民の避難に伴う盗難や災害に便乗した詐欺などの 犯罪が発生しており、今後は発災後の防犯対策を含めた広報啓発活動を行ってまいります。 4
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