大阪府建築基準法施行細則の一部改正(案)の概要 Ⅰ 背景・目的 建築基準法(以下「法」という。 )では、一定の建築物、建築設備及び昇降機等で特定行 政庁※が指定するものの所有者、管理者は、定期に資格を有する者にその状況を調査、検 査させて、その結果を特定行政庁に報告することを義務付けています。 この定期報告の対象となる建築物、建築設備及び昇降機等については、これまで大阪府 建築基準法施行細則を定め、知事が指定していましたが、今般の法改正(平成28年6月1 日施行)により、安全上、防火上又は衛生上特に重要なものについては、建築基準法施行 令(以下「政令」という。 )で一律に指定することとなり、それ以外のものは、知事が地域 の実情に応じて追加で指定することとなりました。また、これまで対象としていなかった 一定の防火設備についても政令で指定することとなり、それ以外のものは知事が指定する こととなりました。これに伴い、大阪府建築基準法施行細則の一部を改正します。 なお、今回の定期報告制度の見直しは大阪府内の特定行政庁で、定期報告対象建築物等 を統一して指定することとしています。 ※「特定行政庁」 建築主事を置く都道府県及び市町村で、その市町村の区域内(都道府県の場合は特定行 政庁以外の市町村の区域)での建築確認や検査、建築関係の許認可、違反建築物の防止な どの建築指導行政を行います。大阪府内では大阪府のほか次の市が特定行政庁です。 (特定 行政庁設置順) 大阪市・豊中市・堺市・東大阪市・吹田市・高槻市・守口市・枚方市・八尾市・寝屋川 市・茨木市・岸和田市・箕面市・門真市・池田市・和泉市・羽曳野市 Ⅱ 改正(案)の概要 (1)建築物について 法改正後の建築物の定期報告については、政令で指定される建築物に加え、知事が 指定する建築物が対象となります。現在知事が指定している建築物のうち、今回政令 で指定される建築物については、知事の指定から除外します。なお、除外された部分 は政令で指定されるため、定期報告は引き続き必要です。また、 「学校、体育館(学校 に附属するもの) 」 、 「個室ビデオ店等」 、 「事務所その他これらに類するもの」 、 「寄宿舎、 共同住宅(政令で定める高齢者、障害者等の就寝の用に供するもの以外のもの) 」につ いては政令で指定されませんが、現在知事が指定しており、大阪府における従来から の指定の考え方との整合を図るため、知事が指定する建築物として指定します。 (2)建築設備について 定期報告の対象となる建築物に設置されている建築設備については、定期報告の対 象として指定します。ただし、学校、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、 水泳場、スポーツの練習場及び共同住宅(非常用エレベーターを設置していないもの) の建築設備については、定期報告の対象としません。 (3)昇降機等について 現在知事が指定している昇降機(エレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降 機)及び準用工作物(観光用エレベーター、ジェットコースター、観覧車等)につい ては、今回政令で指定されるため、知事は指定しません。なお、昇降機及び準用工作 物は政令で指定されるため、定期報告は引続き必要です。 (4)防火設備について 今回の改正に伴い、新たに定期報告の対象に防火設備が追加されました。定期報告 の対象となる建築物に設置されている随時閉鎖又は作動できる防火設備(防火ダンパ ーを除く)が対象となります。ただし、共同住宅(非常用エレベーターを設置してい ないもの)の防火設備については、定期報告の対象としません。 (5)上記に係る定期報告の時期及び間隔について ○建築物 建築物の用途に応じ3つのグループに分類し、それぞれ3年に1度報告を行うもの とします。報告は4月1日から同年12月25日の間に行うものとします。ただし、平 成28年度の報告は平成28年6月1日から同年12月25日までとします。 ○昇降機等 4月1日から翌年3月31日の間に、毎年行うものとします。ただし、平成28年度の 報告は平成28年6月1日から翌年3月31日までとします。 ○建築設備 4月1日から同年12月25日の間に、毎年行うものとします。ただし、平成28年度の 報告は平成28年6月1日から翌年3月31日までとします。 ○防火設備 平成29年度より、4月1日から同年12月25日の間に、毎年行うものとします。 Ⅲ.施行期日等 ○平成28年6月1日とします。 ○所要の経過措置を設けます。
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