基礎数学 C レポート 2 解答例 (2015/04/16) 問題 2 (10 点) n ≥ 1 が 2 の倍数であるとき,an = 1,それ以外のときは an = 0 と する.この数列 an に対して,連続性の公理 R17-2 を適用して得られる実数 b は 1/3 に等しいことを示せ.ただし,級数の収束・発散はまだ定義していないので,等比 級数の和の公式は使用を禁止する (ヒント: 等比数列の N 番目までの和の公式はも ちろん使用してよい.はさみうちの原理をうまく利用しよう). 答え 1 sN := ∑∞ n=1 an /2n とおく.公理 R17-2 から定まる実数 b は,不等式たち sN ≤ b ≤ sN + 1/2N for all N = 1, 2, . . . (1) をみたす唯一つの数である. さて,N が偶数の場合,sN = 1/22 + · · · + 1/2N は公比 1/4,初項 1/4,項数 N/2 の等比数列の和だから, ( ) 1 1 1 − 4N/2 1 1 sN = · = 1− N . (2) 4 3 2 1 − 14 また N が奇数の場合 (N ≥ 3 の場合のみを考えることにする),sN = 1/22 + · · · + 1/2N −1 は公比 1/4,初項 1/4,項数 (N − 1)/2 の等比数列の和だから, ( ) 1 1 1 − 4(N −1)/2 1 1 sN = · = 1 − (N −1) . (3) 4 3 2 1 − 14 ところで N → ∞ のとき 1/2N → 0 だから,N → ∞ のとき sN → 1/3 がわかる. はさみうちの原理を不等式 (1) に用いれば,b = 1/3 となる. 答え 2 実数 1/3 が不等式 (1) をみたす,つまり sN ≤ 1/3 ≤ sN + 1/2N for all N = 1, 2, . . . (4) を示せば,b の唯一性から b = 1/3 がしたがう.この不等式たちをチェックする. Case 1. N が偶数のとき. sN は (2) で与えられる.sN ≤ 1/3 は明らかである.一方, sN + 1 1 2 1 = + · N N 2 3 3 2 より,確かに 1/3 ≤ sN + 1/2N である. Case 2. N が奇数のとき. sN は (3) で与えられる.sN ≤ 1/3 は明らかである.一方, sN + 1 1 1 1 = + · 2N 3 3 2N より,確かに 1/3 ≤ sN + 1/2N である. 以上のことから,(4) が示された.
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