CTA大口径望遠鏡用PMTの 性能評価と較正試験報告

CTA大口径望遠鏡用PMTの
性能評価と較正試験報告
!
松岡俊介,
梅津陽平,
小山志勇, 寺田幸功, 永吉勤(埼玉理), 猪目祐介, 山本常夏(甲南大理),
田淳子,
本晋平, 友野弥生, 西嶋恭司(東海大理), 大岡秀行, 荻野桃子,
高橋光成, 手嶋政廣, 中嶋大輔, 花畑義隆, 林田将明(東大宇宙線研), 折戸玲子(徳島大総
科)片桐秀明( 城理), 窪秀利(京大理), 郡司修一(山形大理), 澤田真理, 坪根善雄,馬場彩(青
山大理), 他 CTA-Japan Consortium
CTA計画 大口径望遠鏡
観測エネルギー帯
20 Gev
1 TeV
Large-Sized Telescope(LST)
Small-Sized Telescope(SST)
Medium-Sized Telescope(MST)
23 m
1855Pixels !
2015春季大会
全体報告(8):手嶋
1 Cluster = 7 PMTs
磁気シールド : パーマロイ(厚さ2mm)
PMT Image
光電子増倍管 7本
昇圧・分圧回路
プリアンプ
PMT開発の現状
光電子増倍管への開発要求(抜粋)
- LST初号機用PMTの開発・量産は既に
1.5インチ
光電面直径
(40mm)
終わっており2016年に望遠鏡に取付け予定
となっている
有効波長領域
- 現在納品されたPMT約2000本の全数試験
を行っており、932本の較正試験が終了
感度
光電面
・較正試験項目
標準動作ゲイン(4万)でのHV
パルス幅 :
▶
300 - 650 nm
平均量子効率
35%
スーパーバイア
ルカリ
10年間でゲインの低下20%以下
平均2.5 3 ns (FWHM)
▶ LSTのエネルギー閾値
After Pulse発生率
:
2 10-4以下
20 GeVを達成
-
CTA運用時では、PMTに対する
地磁気の影響が考えられる
- CTAのPMT性能評価として磁場に
対する応答が確認されていなかった
PMTゲイン,時間特性の磁場
依存性の検証及び
地磁気レベルの磁場による出力
電荷量変化がCTA要求を満たすか確認
Fractional Charge Resolution σQ/Q(p.e.)
本研究の目的
CTA要求曲線
40%
@10p.e.
15%
@100p.e.
1
10
100
Charge Q(p.e.)
Pmt Cluster
- 全数のPMTのCalが終了すると
7PMT + 読み出しBoardの試験へと移る
- クラスタでの試験において7本のPMT間で
走行時間に差が生じると後段のトリガー
Calibration Dataから各PMTの
ボードで問題が生じる
走行時間を新たに調査した
磁場依存性 : Set Up
磁場依存性測定のSet Up
・PMTの性能評価として磁場依存性
を検証
・地磁気による影響はCTA要求を
満たすのか確認
コイル
PMT
・出力される波形の時間特性の
磁場依存性を検証
コイルが作る磁場分布
光源
0.50
Magnetic Field [mT]
0.45
暗箱内
0.40
0.35
0.30
X, Y, Z方向に
磁場をかける
0.25
0.20
0.15
0.10
0.05
-4
-Z
地磁気
-3 -2 -1
0
1
2
3
Distance from the center [cm]
4
PMT
+Y
Dy1
+Z
+X
Dy2
-X
- 各磁場での平均波形をplot
- 磁場の大きさは
水色>マゼンタ>黄>青>緑>赤>黒
- Z方向は磁場により波高値が大きく
Voltage [mV]
磁場依存性
X方向
落ちている
Time [ns]
Y方向
Z方向
磁場依存性
Y,Z : require
X : require
・X,Y方向は0.42mTまで
Z方向は0.27mTまで
要求を満たしている
・地磁気の大きさはおよそ0.04 0.06mT
・今回の測定において、かけた磁場の下限値は0.12mTであり
その時のCharge Depositは2%以下
磁場依存性
・PMTの時間特性が磁場により変化するか調べた
Peak Time
Fall Time
Fall Time : Pulseの立ち下がりで
Peak波高値の10% 90%の間の時間
FWHM
Rise Time
Fall Time : Pulseの立ち上がりで
Peak波高値の10% 90%の間の時間
・どのパラメータも明らかな磁場依存性は見られない
PMT Calibration : Set Up
Low Voltage
アナログメモリ式ADC
Dark Box
Sampling Rate : 5GHz
Preamp
DRS4
PMT
filter wheel
Preamp
DRS4
PMT
Light
Preamp
PMT
Preamp
PMT
DRS4
DRS4
DAC , ADC
HV Ctrl PC
optical
fiber
Diffuser
PC
trigger line
Function
generator
Signal
line
HP
Pulser
Main PC
High Speed
Pulse
Laser
diode
較正試験結果
After Pulse発生率
Pmts
- 較正試験項目であるAfterPulse
発生確率、4万ゲインでのHV値、
パルス幅(FWHM)の結果
30
25
20
- AfterPulse発生確率0.02%以下
パルス幅平均3ns以下を満たしている
要求値
15
10
2015年春季物理学会
CTA報告90:永吉勉
5
0
0.05
0.10
Pmts
Pmts
平均
1037V
40
30
0.20
0.25
AfterPulse Rate(/p.e.)
4万ゲインでのHV
50
0.15
10-3
0.30
FWHM
160
140
平均
2.85 ns
120
100
80
20
60
40
10
要求値
20
850
900
950
1000
1050 1100 1150
Voltage@4e4Gain [V]
2
2.2 2.4 2.6
2.8
3
3.2 3.4 3.6 3.8 4
FWHM [ns]
Transit Time Distribution
PMT Cluster
Transit Timeがばらばらだと
トリガーボードで問題に
- 現在の試験項目に加え
Transit Timeを調査
- 測定済みの全PMTの到着時間を
調べた
トリガータイミングからprimary pulse
までの時間分布
132
- 波形記録用ADC(DRS4)の個性
が見られる
- trigger board上の遅延回路
(最大5.75ns)で対応可能
Transit Time [ns]
- 全体として3 - 4ns程度のばらつき
を持っている
130
128
3 4 ns
126
124
122
120
940
960
980 1000 1020 1040 1060 1080 1100 1120
Voltage@4e4Gain [V]
Summary
・性能評価試験
- PMTの磁場依存性を検証した
- 測定結果から見積もると地磁気(0.04 0.06mT)によるChargeの変化
への寄与は上限値2%程であり、CTA要求値に対し十分小さいことが
分かった
・較正試験報告
- 現在937本のPMTの較正試験が終了している
- 各測定項目において要求値を満たす結果が得られている
- Transit Time Spreadについては各PMTごとで数nsのばらつきは
見られるものの、後段のtrigger board上の遅延回路で
十分対応可能である。
- 今後も残りのPMTの較正試験を進めていく