あなたの夢はなんですか? 福島県いわき市 龍門寺住職 光英覚法 あなたには、今、どんな願いがありますか?願いという言葉を夢と置き換えてもい いでしょう。あなたは、今、どんな夢を抱いてますか? ここに『1歳から100歳の夢』という本があります。1歳から100歳まで、性別を問わ ず、育った環境も地域も違う様々な人の夢が語られています。自分の未来を語る夢も あれば、今生きている事への感謝をしながら、周囲の人たちや子や孫が幸せになって 欲しいという願いもありました。 この本には、夢や願いを語った人々の写真も載せてありました。その表情は笑顔で ありながら、とても真面目でした。その力強い眼差しを見て、私たちは夢や願いを持 ち続けなければならないと強く感じました。 本来、私たちは願いの中で生まれてきました。 『修証義』の第五章に、「願生」という言葉があります。願生とは、願いによってこ の世に生を授かったという意味です。その願いとは、両親や祖父母がきっと抱いたに 違いない、「あなたが無事に生まれてきて欲しい」という温かな願いです。また、覚 えていなくとも、自らが生まれたいという切なる願いをもっての誕生でした。私たち の命は、こうして願い願われていただいた命です。だからこそ、大事にしなくてはな りません。 いただいた命だからこそ、この命を輝かしつづける秘訣は、願いを持ち続けること にあります。たとえ失敗を繰り返そうとも、たとえ辛く悲しい出来事に出会ったとし ても、夢や願いを持ち続け、実現のために努力をしていく。その事が、あなた一人の 心を豊かにするだけではなく、周囲のみんなの人生をも明るくしていくのです。なぜ なら、夢や願の実現のためには、多くの人々の協力や関わりが欠かせないものだから です。 今、社会は不況の中で、混沌としております。しかし、こんな時代だからこそ、私 たちは、夢や願いを持ち、その実現に向けて歩みを進めてまいりましょう。
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