特別養護老人ホ - 社会福祉法人くわの福祉会

平成 27 年 03 月 28 日
平成 27 年度 特別養護老人ホ-ムおおつき事業計画
1.基本方針
特別養護老人ホームは、平成 11 年に開所し、今年 16 年目を迎える。開所当初は、
起床・排泄・食事などの支援を時間で行ういわゆる集団支援であったが、支援体制、
職員体制を変えていくと同時に、グループ化しながら利用者に寄り添った支援をする
個別支援に移行して既に 6 年が経過した。
4 年前の東日本大震災・原発事故によって避難してこられ、故郷に帰れぬまま亡くな
られた方も 12 名となり、
現在は 4 名の方が入所されている。
看取り介護を行う上では、
利用者のプライバシーを確保しながら安心して過ごせる空間・居場所が大切であり、
個室支援が不可欠である。したがって、新たな避難者受け入れは行わず相部屋を解消
していく方針である。
おおつきで大事にしていることの一つに、その人が望む生活やその人らしい生活の
実現がある。そのためには、入所される前はどんな生活をされていたのか、性格、嗜
好、信条、習慣などを知ることが大切である。家庭訪問を通して、あるいは面会時に
家族から聞き取り、おおつきに入所してもその人らしく、尊厳をもって最期まで生活
が継続できるような支援を今後も心がけていく。1
一方で、利用者の平均介護度も 4 以上となり、重度化していることが特徴的となり、
施設での看取りを希望される方も多くなっている。そのような状況の中、ご家族との
信頼関係を大切にし、安心して最期を迎えられるよう精一杯の関わりや支援を行って
きた。これらの看取り介護の支援を振り返ることで、日常の中に死が存在しない時代
を生きている若い世代も、生きることの意味や生き切ることの意味を深めていく機会
とする。
また、職員教育においては、ISO のマネジメントシステム、PDCA サイクルを利用し
た取り組みを基に、それぞれが組織の中での役割を明確にし、責任を果たせるような
育成に努めていくと同時に、ОJTへの取り組みを明確にし、各自が成長できるシス
テムを作っていく。また、既存の職員に対しても向上心や意欲、やりがいを持って役
割が遂行できるような職場づくりについても検討していく。そして、今年度も「介護
力向上講習会
東北ブロック」研修への参加を継続し、科学的根拠に基づいた自立支
援の取り組みを実践しながら、専門職としての意識を高めていく。
また、郡山医療生協や福祉会後援会をはじめとする多くのボラティア、地域の方々
との協力協同も積極的に進め、利用者への社会参加の保障と地域に開かれた施設づく
りをめざす。
周知のとおり、今年度は「住み慣れた地域で暮らす」地域包括ケアシステムへと大
きく転換する年となる。高齢者を取り巻く社会情勢もますます厳しくなり、豊かで安
心した生活が継続できないことも危惧される。このような状況下、特養としても、地
域を見据えた支援を行っていく必要がある。4 月からは申し込みも要介護3以上となり、
8 月からは一定以上の所得者にはこれまでの 1 割負担から 2 割負担が求められることに
なる。また、資産等の勘案により、居住費の補足給付が見直されるなど、入所、在宅
に限らず経済的に困窮する方も増加すると予想される。今後は困窮者への対応など、
地域の実情を理解した上で、社会福祉法人に求められる役割を意識していく。また地
域の要求・期待に応えられる特養をめざし、広い視野を持つ職員育成と支援の在り方
を考えていく。
2.基本目標と実施事項
(1)
.利用者の支援内容充実
(利用者一人ひとりが、人間としてその尊厳を保ち、心豊かに人生を全うする。
成育史、価値観を尊重し最期までその人らしい生活ができるように支援する。
)
①.利用者の人権、プライバシーを大切にする支援の充実。
②.利用者に尊敬と愛情をもった支援をめざし、利用者やご家族と職員の信頼関係
を向上させる。
③.豊かで生きがいのある日常生活をめざし、楽しい行事計画、利用者のニーズに
応える支援の実現をめざす。
④.利用者の拘束廃止、感染防止の取り組みを引き続き充実させる。同時に業務改
善委員会と感染対策委員会を中心に利用者の安全と健康を確保する。
⑤.機能訓練指導員を中心にリハビリ機能の充実をめざす。
⑥.グループ支援の内容を充実させる。
⑦.ターミナルケア実践の教訓をもとに、さらに学習や基準作りを積極的に進める。
⑧.摂食嚥下の機能向上や口腔衛生管理に各職種が協働して積極的に取り組む。
(2)
.利用者の生活環境整備
①.入居者が快適に過ごせる環境づくりを進める。
②.誰もが個室での自分の生活を守れるように事業拡大を検討する。
③.利用者の生活能力、残存機能に対応できる効果的施設利用をめざし、環境整備
を具体化する。
(3)
.健康保持と機能維持
①.適切な医学管理
・協力医療機関との連携強化により、利用者の安全保持と健康維持につとめる。
・定期健康診断の実施と保健予防につとめる。
②.定期、必要時の往診を維持し、利用者の健康管理を充実させる。
③.管理栄養士による食事管理と豊かな食生活を実現する。
④.感染対策委員会を中心に感染防止対策を強化する。
⑤.空間放射能測定を基に必要な対策を講じ、安全な生活環境を提供する。
(4)
.入居者の安全確保
①.入居者の安全確保を図るため、防災訓練・消防防災体制を整備充実させる。ま
た、防災に関しては地元消防署や地域住民との協力関係を図る。
②.業務改善委員会を中心に、事故発生要因の調査と防止策を科学的に解明してい
く取り組みを充実させる。
(5)
.地域社会との交流
①.入居者家族との交流
・介護保険実施に伴う契約に際しては家族との合意と信頼関係を大切にする。
・施設行事への家族参加を呼びかける。
・定期的な家族家庭訪問を実施するとともに、経済危機によって国民の生活が益々
窮地に追いやられている現状のなか家族の生活も視野に入れ関係を構築する。
・利用者家族訪問を実施し、その後のご意見を頂く。
②.ボランティアや地域の方々の施設運営参加を呼びかけ具体化する。また、喫茶
コーナー・ボランティアによる日曜喫茶の継続、各種行事へ多くのボランティ
ア参加を呼びかけたい。尚志高校や大槻保育園をはじめとする学生さん・子供
さんの交流も積極的に進めたい。
③.高齢者福祉に関わる勉強会や家族と共に懇談会実施をめざす。
3.職員の教育・研修
(1)
.ISO システムを有効に生かした研修制度をめざす。
①.社協・県主催の外部研修に積極的に参加していく。
②.研修担当者を中心とした研修委員会を充実させ、内部研修計画の確立と実践を
目指す…技術研修を含む職場内制度研修の充実。
③.期中採用未経験者に対しての育成体制の整備
④.法人の理念や社会情勢、制度を含む定期的な学習会の実施 。
(2)
.福祉施設職員として必要資格取得を積極的に進める。
①.介護職員は介護福祉士、5 年以上の勤務経験者はケアマネージャーの資格取得を
めざす。
②.介護キャリア段位制度に積極的に取り組む。
4.職員の健康管理
(1)
.職員定期健康診断の実施
(2)
.腰痛防止などの学習会の実施
(3)
.快適な職場環境の整備に努める
①.安全で衛生的な職場づくり
②.メンタルヘルス
③.人間関係
④.放射能対策と必要な学習会
5.年間行事計画
平成 27 年 4 月 花見会
10 月 芋煮会
5 月 節句(ちまきづくり)
11 月 文化祭
6 月 小旅行
12 月 クリスマス会
7 月 七夕
平成 28 年
1 月 新年会
8 月 夏祭
2 月 節分
9 月 敬老会
3 月 ひな祭り
6.従事職員
(1)
.施設長
1 名(兼務)
(2)
.支援部長
1名
(3)
.生活相談員
3名
(4)
.介護員
46 名
(5)
.看護師
5.4 名
(6)
.機能訓練指導員
1名
(7)
.介護支援専門員
2 名(兼務)
(8)
.管理栄養士
1名
(9)
.事務員
3名
7.利用定員
(1)
.特養ホーム
80 人(他に避難者受け入れ4人)