「平常」が取り戻される中でのギャップも課題に 「社会

P f i z e r
C o r p o r a t e
C i t i z e n s h i p
2013 年 の 社 会 貢 献 活 動 をご 報 告します
延べ17か所で22回、1,200名以上の医療従事者が参加
「平常」が取り戻される中でのギャップも課題に
3年目の「東日本大震災 こころのケア支援プロジェクト」活動報告
社会から信頼され、必要とされる団体になるためには?
「社会資源としてのピアサポート」を議論したワークショップ
ヘルスケア関連団体
(VHO)
ワークショップとファイザーの支援活動
14年間で306件のプロジェクトに助成
中堅世代の心身のヘルスケアのための市民活動
ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援
R e p o r t
2013
ファイザーのスローガン「 Working together for a healthier world より健康な世界の実現
のために」は、病と闘う患者の皆様や医療従事者の皆様の信頼に応え、革新的な治療薬の開発に
専念するだけでなく、医薬品の提供だけでは十分に果たすことができない課題にも取り組むことで、
より高い QOL
( 生活の質 )を世界中の多くの方々にお届けするというファイザーの取り組みを表現
しています。
弊社は社会を構成している企業市民として、
”真に実効性のある社会貢献プログラムは何か”という
視点から社会貢献活動を展開しています。一方的な援助や一過性の支援ではなく、長期的な視野
に立った継続的な活動になるようにと考え、経済的な支援のみならず、人的な支援やファイザーの
多様な資源を活用した貢献を心がけています。特徴的な社会貢献活動として「ヘルスケア関連団体
のネットワークづくりへの支援(VHO-net)」
(患者団体などの相互連携の支援 )、
「 ファイザープロ
グラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」
(NPO等への助成 )などが
あります。また、東日本大震災の被災地に向けた支援の一つとして、被災者の PTSD
(心的外傷後
ストレス障害)の治療を支援することを目的とした「東日本大震災 こころのケア支援プロジェクト」
も継続して実施しております。詳細は次ページ以降をご参照ください。
2013年の活動を報告するこの企業市民レポートで、ファイザーの社会貢献に関する考え方と
活動についてご理解を深めていただけますと幸いです。
2014年3月
ファイザー株式会社 代表取締役社長
梅田 一郎
会社概要
1
設立
1953年8月1日
従業員数
5,093名
事業内容
医療用医薬品の製造・販売・輸出入
所在地
本社:東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル
ファイザーの社会貢献活動の概要
ファイザーは、社会を構成している企業市民として
“真に実効性のある社会貢献プログラムは何
か”という視点から社会貢献活動を考えてきました。その結果、すべての人が健康で心豊かに生きら
れることを目標に、患者さんや障がいのある方々、そのご家族、医療関係者だけでなく、市民団体、
災害被災者等への支援など幅広い社会貢献活動を展開しています。
ヘルスケア関連団体への
支援
患者団体
障がい者団体
家族団体
P5~8
市民活動への助成
ファイザー︵日本 ︶
グローバルファイザー P18
など
中堅世代の
人々
P9~12
社員のボランティア活動
医学記事賞
一般生活者
P16
P17
など
地域社会
P13~15
ヘルスリサーチへの助成
社会的な受け皿がないために
心身のケアを受けられない人
マスコミ
など
保健医療分野の
研究者
目次
ページ
1 ――「Working together for a healthier world より健康な世界の実現のために」
ファイザー株式会社 代表取締役社長 梅田 一郎
2 ―― ファイザーの社会貢献活動の概要
3 ―― 延べ17か所で22回、1,200名以上の医療従事者が参加
「平常」が取り戻される中でのギャップも課題に
3年目の「東日本大震災 こころのケア支援プロジェクト」活動報告
(VHO)
ワークショップとファイザーの支援活動
5 ―― ヘルスケア関連団体
社会から信頼され、必要とされる団体になるためには?
「社会資源としてのピアサポート」を議論したワークショップ
9 ―― ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援
・青梅精神障害者当事者ビジネスグループ「ぶ~け」
[ 東京都]
・特定非営利活動法人 月と風と
[兵庫県]
・中堅世代の心身のヘルスケアのための市民活動 14年間で306件のプロジェクトに助成
13 ―― 社員による社会貢献活動
マッチングギフトプログラム /災害支援ボランティア特別休暇制度/ペットボトルキャップの回収/
2013年度 ファイザー・ファーマ サマー・サイエンス・スクール開校/サンタクロース・ボランティア
16 ―― 医学・医療に関する優れた報道を表彰 「第32回ファイザー医学記事賞」
17 ―― 公益財団法人 ファイザーヘルスリサーチ振興財団による医師、研究者、医療関係者への研究助成
18 ―― Global Pfizer 世界各地で展開する企業市民活動
2
延べ17か所で22回、
1,200名以上の医療従事者が参加
「平常」が取り戻される中でのギャップも課題に
3年目の「東日本大震災 こころのケア支援プロジェクト」活動報告
東日本大震災による被災者のこころのケアを担う現場の医療関係者を支援するため、ファイザー
は2011年7月から、
「東日本大震災 こころのケア支援プロジェクト」を続け、
この3年で1,200名以上
の医療従事者の方々が参加しました。
講演会の様子
ニーズを把握しながら講演会を開催
ケートによってニーズを確認しながら、うつ病をはじ
めとするトラウマケアの病態、診断、治療に関する講
ファイザーは、東日本大震災の被災地に向けた支
演会を継続的に実施しました。これまでに延べ17か
援の一つとして、2011年7月から、被災者への心的外
所で22回開催し、1,200名以上の方々が参加してい
傷後ストレス障害(PTSD)の治療を支援することを目
ます。
的に、岩手県、宮城県、福島県を中心に「東日本大震
災 こころのケア支援プロジェクト」を展開しています。
被災地の実情に合わせた長期的なケアを
大災害の被災者は、トラウマ体験による心的外傷
テ ーマは当初、
「 被災者の心理的影響の基本的理
後ストレス障害
(PTSD)、悲嘆反応、うつ病、アルコー
解」などが中心でしたが、やがて「ストレスと睡眠」
「認
ルなどへの依存、原疾患悪化などを引き起こすとい
知行動療法」などが関心を集める岩手県と、
「 放射能
われています。そこで、日本トラウマティック・ストレス
による影響とストレス」
「子どもの PTSD」に注目する
学会と共催、また日本医師会、国立精神・神経医療研
福島県というように、地域による違いが出てきました。
究センター の後援をいただき、被 災者のこころのケ
2年目に入ると
「中長期的な心理的な影響」のように
アにも関わることになる医療従事者
(医師、歯科医師、
復興期のこころのケアへと移行しました。
看護師、薬剤師、心理士、保健師等 )を対象に、アン
3
最近では医療システムが復活し、落ち着きを取り戻
感じ、勤労世代は被災地で従来以上の業務負担に苦
しみ、育児中の女性は放射能が子どもの健康に与え
る影響に不安を感じています。このように今後もメン
タルヘルスへの課題は大きく、被 災地域の実情に合
青森県
おいらせ●
久慈●
盛岡●
宮古●
岩手県
釜石●
大船渡●
新潟県
宮城県
石巻●
塩竃●
仙台●
名取●
●
県北 南相馬●
会津●
●只見
郡山●
白河●
わせた長期的なケアが必要です」と語ります。
2011年10月19日
忘れられてしまう方がいないように
2013年2月28日
秋田県
山形県
2012年12月19日
福島県
いわき●
2011年9月20日、
2012年10月24日
は大震災による被害はほとんどありませんでしたが、
2012年9月27日
2011年7月の集中豪雨によって甚大な被害が発生、
2012年6月15日
2012年6月5日
ケアが十分できなかった経験から、万が一の際のこ
ころのケアに備えたいと開催することになったのです。
2012年10月26日、
2013年10月30日
近年、各地で大きな自然災害が頻発していますが、そ
2011年12月2日、
2012年11月22日
2012年7月31日
2011年11月22日
2011年12月14日、
2012年11月21日
2013年3月5日
埼玉県
東京都
死者も出ました。この時に被災者へのメンタルヘルス
2012年1月23日
2011年12月9日、
2012年1月29日
茨城県
地・只見町で講演会を実施したことです。この地域に
2011年7月27日
2012年9月24日
栃木県
2013年で 特 筆すべきことは、福島県西部の山間
の被災地でもトラウマティック・ストレスへの対応が
求められていることがうかがわれます。
このプロジェクトに中心的に関わるファイザーの高
田雅史は、
「3年目に入り徐々に参加者が減っていくか
と思いましたが、そんなことはありません。むしろ、時
間が経つにつれて関心が 薄れ、埋もれてしまう方が
出ないような注意が必要になってきています。また、
今後の災害対策のために、これまでの活動をまとめて
いきたいと思います」と言います。
千葉県
神奈川県
ファイザーは、これからも現地の医療従事者の方々
のニーズに応えながら、
「こころのケア支援プロジェク
ト」に取り組んでまいります。
「東日本大震災 こころのケア支援プロジェクト」講演会開催
地域
(2011年7月~2013年12月)
しつつあります。しかし、多くの被災者が新たな生活
や仕事に順応していくなかで、取り残されてしまって
いる方々との差が広がってきていることは見逃せませ
※ファイザーでは「東日本
大 震 災 こころのケア支
援プロジェクト」のほか
にも、従 業 員の 被 災 地
でのボランティア活動を
応援するため、災害支援
ボランテ ィア特 別 休 暇
制度を設けています
(14
ページ参照 )
。
ん。自殺予防が大きなテーマになってきていますし、
支援の長期化による支援者サイドのこころのケアも
課題になってきています。
福島県立医科大学医学部 災害こころの医学講座
の前田正治教授は、
「 福島では原発事故の影響で、世
代ごとの心理的な課題の違いが浮き彫りになってき
ています。高齢者は子どもや孫の世代との温度差を
「こころ の ケ ア 支
援プロジェクト」に
つ い て は、
「 うつ と
不 安 の 情 報 誌 D・
PLUS」に毎号掲載
されている。
4
ヘルスケア関連団体
(VHO)
ワークショップと
ファイザーの支援活動(VHO:Voluntary Healthcare Organization)
社会から信頼され、必要とされる団体になるためには?
「社会資源としてのピアサポート」を議論したワークショップ
第13回ヘルスケア関連団体
(VHO)
ワークショップが、2013年10月26~27日、都内のファイザー
研修施設で開催されました。各団体が行ってきた
「ピアサポート」を整理すると共に、昨年のワーク
ショップで議論したことをさらに展開し、今回は、社会の中におけるピアサポートという視点によって
議論を深めました。
VHO ワークショップの様子
社会から求められる団体になっているか?
志医師と聖マリアンナ医科大学の箕輪良行医師から
「医療者側から見た患者団体の役割」と題した講演
「ヘルスケア関連団体ワークショップ」
(主催:VHO-
で、それぞれ患者団体との連携をした経験から、医療
net)
は、疾病や障がいの違い、組織や団体の規模や歴
の役割と患者団体の役割、メリット、問題点、期待に
史を越えてさまざまな団体のリーダーと医療関係者が
ついての基調講演がありました。
集い、問題を共有しながら新たなネットワークづくりを
また、2013年に始まった医療関係者との連携によ
行う場として、
2001年にスタートしました。
ワークショッ
る「信頼されるピアサポートプロジェクト」についても
プでは、毎年テーマを決めて分科会と全体会で話し合
報告がありました。これは、各団体のピアサポート活
いを行います。今回のテーマである
「社会資源としての
動を整理してウェブサイトで公開し、フィードバックを
ピアサポート」は、昨年の「
『共に』~ピアサポートの未
しながら社会資源として活用できるように詰めていく
来」からさらに踏み込み、それぞれの団体が行っている
ものです。
ピアサポートを社会資源の一つとして捉え、それが社
午後の分科会では、各団体がピアサポートとして行
会
(医療関係者、行政、一般市民 )
から必要とされる活
っている相談・交流会・会報を9つのグループに振り分
動になっているか。社会から信頼され、本当に必要とさ
け、相談と交流会はそれぞれ4グループが、会報につい
れる団体になるにはどうしたらよいか、という大きな課
ては1グループが議論するという形で始まりました。
題を提示しました。例えば、医療の現場には医師、看護
「社会資源」の根底には「地域」の日常の困難さを
師、保健師、コメディカルがいますが、ヘルスケア関連
解決していくための社会資源でなければならないこ
団体はこれらと並ぶことのできる存在なのか、
そうした
と、ピアサポートに医療関係者などを広く巻き込んで
存在になるにはどうしたらよいのかということです。
いくにしてもあくまでも当事 者が主体でなければ社
「地域」の日常的な困難さを解決してこそ
東 京女子医科大学八千代医療センタ ー の大橋高
5
会資源としてのピアサポートにはならない、完治しな
い疾患とともにどう生きるのかなど、それぞれのグル
ープで終了時間を超えて議論が深まりました。
2日目の午前中は、各グループ10分間のまとめの発
表と質疑応答。午後に全体討論と総括を行いました。
社会の中でのVHO-netの役割を見直す2日間でした。
分科会や休憩中の様子
i n t e r v i e w
震災で感じたネットワークの素晴らしさ
阿部 一彦
(社会福祉法人仙台市障害者福祉協会 会長・東北福祉大学 教授・VHO-net 世話人)
私は、生後6カ月でポリオになり、下肢障がいを
が多く、障がいや疾病の違いを超えて、フラットな
もっています。ポリオが流行した時代には、患者は
関係でのネットワークができたことが良かったで
個々人でリハビリに励み、社会で暮らすことをめざ
すね。
したため、
当事者団体がつくられてきませんでした。
その大切さを強く感じたのは、東日本大震災の
しかし、1990年代に入って患者が高齢になると、
時です。日本障害者フォーラム
(JDF)が開設・設立
筋力が低下して日常生活ができなくなる「ポストポ
した JDF みやぎ支援センターに、偶然にもVHO-
リオ症候群」を発症する方が多くなり、危機感か
net でいっしょに世話人をしている増田一世さん
ら全国に当事者の会ができ始めました。
(公益社団法人やどかりの里<埼玉>)
が支援員と
当時の私は、母校の東北大学で生化学の助教
して訪れた時です。大変な時でしたので顔を見て
授をしていましたが、ポストポリオの研究や活動
安心しました。さらに増田さんは、みやぎ支援セン
ができる東北福祉大学に移り、大学院に通いまし
ターの財源が厳しいことをファイザーさんに伝えて
た。その時、そこで出会った方を通じて VHO-net
くれました。ちょうどすぐに被災者に役立つ支援
の存在を知りました。ちょうど全国ポリオ会連絡
をと模索していたファイザーさんがその声に応え、
会ができたころで、VHO-net には、2002年、第2
会社と社員の皆さんの志を合わせた義援金を寄
回のワークショップから参加しました。
附していただきました。これからもネットワークの
参加すると、障がいや病気そのものの悩みは違
っても、会の運営の大変さなど、共感できること
力で、自分たちだからこそできる提言を社会にして
いきたいと思っています。
6
患者・障がい者・家族団体・医療従事者の枠組みを越えて
ヘルスケア関連団体
(VHO)
とネットワークづくりへの支援
疾 病や障がいに関わる民間団体には「患者団体」
「障がい者団体」
「家族団体」
「セフルサポートグルー
い、協力できる関係を作っている
のです。
プ」
「支援者団体」などがあり、それぞれ独立した活動
そこでの成果をもとに、2004 年1月に関西地区で
を行っています。しかし、より良い医療・福祉の実現に
地域交流会が開催されたのをきっかけに、現在では
は、規模や歴史の違いを越え、また、医療・疾患、当事
全国9地域でそれぞれの課 題を解決していくための
者・家族・医療従事者といった枠組みを越えた連携や
地域学習会が開かれ、その報告会も年に一度開催さ
交流も必要です。
れています。
フ ァイザ ー はこうした団体を「ヘルスケア関連団
地域学習会からは、いくつものプロジェクトが生ま
体」
(Voluntary Healthcare Organization、略称:
れました。過去には、患者の視点で疾患や治療につい
VHO)
と総称し、それぞれの団体の自主性と主体性を
て一冊にまとめた「患者と作る医学の教科書プロジェ
尊重しながら、ネットワークづくりのサポートをして
クト」やスムーズで適切な診察のために患者が日々の
います。
『患者と作る医学の教科書』
記録を記入する「受診ノート作成プロジェクト」があり
その一つとして、それぞ
ました。現在は、医療関係者との連携による「信頼さ
れの VHO のリ ー ダ ー が
れるピアサポートプロジェクト」や、医療系大学など
つな が ることを 目 指 し、
から各団体への講演依頼をコーディネートする「患者
2001年から年に一度開か
講師プロジェクト」などの活動を行っています。
れているのが VHOワーク
ファイザーは、VHOワークショップや地域学習会な
ショップです。共通のテー
どの会場の提供、設営などの準備、交通費や宿泊費
マで 話し合 いをすること
の負担、分科会の記録などを受け持ち、ネットワーク
で、それぞれの体験や知識
づくりを支える事務局として、
「 ともに生きるための側
を学習し、互いに励まし合
面からのサポート」を続けています。
ヘルスケア関連団体ワークショップ
(これまでのテーマ)
第1回 [2001年]
テーマ「活動に駆り立てるもの、越えるもの」~出会いを中心に~
第2回 [2002年]
テーマ「ひとりの気づきはみんなの気づき」~会の運営・後継者育成、資金調達、PR活動など~
第3回 [2003年]
テーマ「自分づくり、ひとづくり」~人材育成を中心に~
第4回 [2004年]
テーマ「未来に向けて、充実と広がり」~今、あなたにできること~
第5回 [2005年]
テーマ「つなぐ」~医療関係者とのより良い関係~
第6回 [2006年]
テーマ「患者力」~医師とのパートナーシップ~
第7回 [2007年]
テーマ「情報活用術」~収集と提供の方法を考える~
第8回 [2008年]
テーマ「つたえる」~正確な情報を伝えたい人たちに~
第9回 [2009年]
テーマ「つづける」~ chance・challenge・change ~
第10回 [2010年]
テーマ「集う・たのしむ・見つける」~これまでを振り返り、未来のために~
第11回 [2011年]
テーマ「もったいない!VHO-net の活かし方」
第12回 [2012年]
テーマ「『共に』~ピアサポートの未来」
第13回 [2013年]
テーマ「社会資源としてのピアサポート」
7
ヘルスケア関連団体
(VHO)
とネットワークづくりのための様々な支援
ファイザーは、ヘルスケア関連
ワークショップ等の開催支援
団体
(VHO)
の自主性と主体性を
VHO-net ワークショップ
地域学習会
地域学習会報告会 など
尊重し、自立を願いながら、日常
活動へのサポートやネットワーク
づくりのた め の 様 々な 支 援 を
行っています。
日常活動への支援
ネットワークづくりへの支援
パソコン講習会
ウェブサイト制作サポート
勉強会 など
ウェブサイトVHO-net の運営
支援、情報誌「まねきねこ」の
制作・発行 など
◉ワークショップ等の開催を支援
づくりを支援するため、情報誌「まねきねこ」を制作・
発行し、ヘルスケア関連団体、医師会、行政などに配
年に一度の VHO ワークショップをもとに2004 年
布しています。誌名の「まねきねこ」は、第1回ヘルス
1月に関西地区で始まった地域交流会が全国に広が
ケア関連団体ワークショップで誕生したマスコットキ
り、勉強会として定着しました。そこでは、地域ごとの
ャラクターで、人を招き、ネットワークを広げようとい
課題の解決や情報交換などの強化、さらに全国規模
う意味がこめられています。
「 まねきねこ」は「VHO-
での活動と各地域の活動を併せてネットワークしてい
net」のウェブサイトからダウンロードし、どなたでも
くために活動が行われています。ファイザーは学習会
読むことができます。
を円滑に進めるための会場の提供や設営、ファシリ
テーション支援などを行っています。
◉日常活動への支援
パソコン講習会
ヘルスケア関連団体の運営に必要な会報やパンフ
レットの作成、表計算、パワーポイントの使い方など、
パソコンを基本操作から学ぶ5日間の講習会を開催
しています。
◉ネットワークづくりへの支援
ウェブサイトVHO-net の運営支援
ヘルスケア関連団体ネットワー キングの会
(VHOnet)
は、会員団体相互の理解を深めるとともに、より
多くの方々に各団体の活動を知ってもらうために、ワ
ークショップ、各種勉強会の報告、情報誌「まねきねこ」
と別冊
(地域難病連など)
の情報を掲載するウェブサイ
ト
「VHO-net」
(http://www.vho-net.org/)
を運営
しています。このウェブサイトの運営を支援しています。
情報誌「まねきねこ」の制作・発行
ファイザーは、ヘルスケア関連団体のネットワーク
ウェブサイトVHO-net
のトップペ ー ジ
(上 )と
「まねきねこ」表紙
8
ファイザープログラム
~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援
ファイザーでは、
「 心とからだのへルスケア」の視点を重視したより良い社会への寄与を目的とし
て、公的機関のサービスや社会資源が十分に整っていない分野で活動している市民活動・市民研
究を応援しています。
ファイザープログラム2013年度[ 新規助成 ]
精神障害者当事者ビジネスの推進
青梅精神障害者当事者
ビジネスグループ「ぶ~け」
[ 東京都 ]
経理担当チーフの澤田優美子さんが、すでに「観光英
語検 定試 験2級」の試 験に合格し、2014 年1月から
本格的な準備が始まった。青梅は都心から約2時間、
青梅梅林や由緒ある寺院などの観光資源に恵まれ、
元々外国人観光客が多いにもかかわらず、英語の通
訳案内が整備されていなかった。そこで、市の観光協
会とタイアップして事業の構築を図るとともに、内部
での人材育成に努めているところだ。澤田さんも「健
常者が入ると依存してしまったり、なんとなく健常者
と上下関係ができてしまったりするんです」と当事者
自身による事業の重要性を語る。
「メンバーの体調を考え、常にリザーブ要員を用意
しておかなければならない難しさはありますが、当事
者同士だからこそ辛さをわかり合えます。重症でも働
きたい人は多いので、それぞれの方の得意な分野を
生かしたビジネスを見つけ、いろいろな事業を展開し
代表の安島常貴さん
(右 )と事務・経理担当チーフの澤田優美
子さん
(左)
当事者だけでビジネスを創出・展開する モデルケースを目指して
ていきます」と安島さん。人件費にも使えるファイザー
の助成によって経理や運営などの基礎的な部門を強
化し、さらに新しいことに挑む力をつけていくという。
精神障害者に対する雇用支援の充実が求められるな
か、
「当事者」
にこだわるぶ~けの活動の意義は大きい。
青梅精神障害者当事者ビジネスグループ「ぶ~け」
は、東 京・多摩地域の青梅市を中心に2012年 4月、
地元の便利屋業者の協力を受けてハウスクリーニン
グ事業をスタートした。現在のメンバーは約15名で、
ジョブコー チと呼ぶ専門技術の外部指導者以外は、
現場作業からマネジメントまで、すべて当事者でこな
すのが特徴だ。
双極性感情障害のある代表の安島常貴さんは、
「当
事者自らがビジネスを展開し、雇用を創出することで
自信を持つとともに、社会的立場を改善していくモデ
ルケースになりたいですね」と語る。そのためにはし
っかりした給料を払いたいと、ハウスクリーニング作
業では時給1,200円を実現している。
ハウスクリーニング事業と並び、もう一のコア事業
にしようとしているのが英語観光通訳事業だ。事務・
9
ハウスクリ ー
ニングチ ーム
のメンバ ー と
作業の様子
ファイザープログラム2013年度[ 継続助成 ]
月と風と 劇場型銭湯2014
特定非営利活動法人 月と風と
[ 兵庫県 ]
「一 緒 にお 風
呂に入ると障が
い者と参加者と
の関係も縮まり
ますし、参加 者
同士も一気に
親しくなります。
助け合いながら、
寄り添いながら、
一緒に泣き、一緒
にぎゃははと笑い
たい
たまたま来てい
たおじさんと話
書を書くアートワーク
をするのも楽しい。お風呂の効果はすごいですよ」と
清田さんは言う。
初年度は20人以上が一緒に入ったために4回しか
実行できなかったので、2年目は1回を5人程度にして
「特 定 非 営 利 活 動
毎月実施する予定だ。また、重症心身障がい者がかつ
法人 月と風と」は、利
てお世話になったヘルパー や同級生などと連絡をと
用者の7 割が 24 時間
って一緒にお風呂に入る「お風呂同窓会」を実施する。
の見守りを必 要とす
さらに、一緒にお風呂に入ってくれた参加者や銭湯で
る在宅重症心身障がい者への福祉サービス事業を実
偶然出会ってお手伝いをしてくれた人にオリジナル手
施している。代表の清田仁之さんが、それまで働いて
ぬぐいを渡して友
いた福祉施設や NPO の活動が利用者以外への広が
達になる「フロ友」
りがないことに飽きたらず、2006年に設立。月に1回
づくり、次回の入
程度、障がい者を交えて事務所でワークショップや勉
浴料半額券「ふろ
強会を開いたり、焼き芋を食べるというイベントを行
チケ」を渡すなど、
ってきた。その一つとしてファイザーの助成で始めた
継続的で、より積
のが、重症心身障がい者を交えて、みんなで銭湯に行
極的な関係づくり
代表の清田仁之さん
銭湯の前で参加者全員で記念撮影
くというプロジェクトだ。
を目指す。
言語でのコミュ
「孤 立は障がい者だけの問題ではなく、個人の孤
ニケーションが難
立、家族の孤 立、国家や民族の孤 立を考えると、社
しく、 何 を 考 え、
会問題のほとんど全ては孤立が原因になっているの
何を感じているの
ではないかと思います」と語る清田さん。
「 月と風と」
かを理解すること
の パ ン フレ
が 難しい 重 症 心
ッ トには 次
身障がい者だが、
の言 葉 があ
湯 船 に つか ると
る。
「助 け 合
体がほぐれてとても気持ちよさそうな顔をする。障が
いながら、
寄
い者と話したこともない人やあまり興味がない人でも、
り添 いなが
お風呂に入る気持ちよさは共有できる。そこから障が
ら、
一 緒に泣
い者への理解やコミュニケーションのきっかけづくり
き、
一 緒にぎ
にするとともに、自宅に閉じこもり、地域からも孤立し
ゃ ははと笑
がちな障がい者とその家族を支えようというわけだ。
いたい」。
アートプロジェクトの作品は事務所に
飾られている
2013 年 9月から刊 行 されている月刊 新 聞
「入浴タイムス」
10
ファイザープログラム
~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援
中堅世代の心身のヘルスケアのための市民活動
14年間で306件のプロジェクトに助成
助成決定団体によるプロジェクトの紹介の様子
ファイザーでは「ヘルスケア」を保健・医療・福祉・生
このプログラムは、社会的な意義が大きいにもか
活を一 体とした充実した人生に関するケアとして捉
かわらず公的機関などからの支援が受けにくい活動
え、ヘルスケアに関する社会的課 題に取り組んでい
への支援、過去の実績ではなくプロジェクトの独創性・
る市民活動・市民研究を支援することによってより良
試行性を評価し、最長3年間の継続助成制度、人件
い社会づくりに貢献することを目的に、2000年9月
費や家賃・光熱費などの事務局経費も助成金費目に
にファイザープログラムを創設しました。
するといった、他に例を見ないユニークな特徴を備え
た助成となっています。
ファイザープログラム2013年度の支援対象の分類
セクシュアル・
マイノリティ
2.8%
高齢者
2.1%
性暴力/性犯罪・DV被害者
1.4%
障がい児・者と市民
2.8%
その他
6.9%
介護者・看護者・
支援者
2.8%
市民・住民
16.6%
依存症当事者・
家族
2.8%
就労者
4.1%
不登校/
引きこもり/
ニート当事者・
家族、保護者等
5.5%
女性
5.5%
11
若者
2.1%
生活困窮者
6.2%
2013 年からは、助 成 対 象の重 点
課 題 を「中 堅 世 代(主に30・40・50
歳代 )の心とからだのヘルスケア」と
し、応募数145件の中から4段階の厳
正な選定過程を経て、8件の新規助成
(総額1,539万円)と、同じく8件の継
続助成(1,500万円)を決定しました。
障がい児・
者・家族
12.4%
いずれも、社会において様々な役割を
子育て親
11.0%
がいなどのために社会 参加に困難を
疾病患児・
者・家族
8.3%
た社 会生 活を送 れるようになるため
東日本大震災関連
被災児・者・家族
6.9%
担っている人々や、難病・長期疾病・障
抱える人々が、中堅世代として充実し
の取り組みです。
ファイザープログラムは、これまでの
14年間に、延べ3,454件
(新規3,221
件、継続233件)の応募の中から、新規助成・継続助成合わせて
306件のプロジェクトに対し、5億8 ,594万円を助成金として支
援してきました。
助成決定書の授与
「ファイザープログラム」2013年度助成対象プロジェクト一覧
新規助成
(助成1年目)
活 研
動 究
プロジェクト名
団体名
所在地
助成額
(万円)
1 ●
東日本大震災と原発不安からの心と体の健康回復プロジェ
クト
特定非営利活動法人 いわき緊急サポート
センター
福島
101
2 ●
共生・共助・連帯~中堅世代と限界集落化の村に元気をつく
る活動
特定非営利活動法人 さいたま自立就労
支援センター
埼玉
222
3 ●
薬物依存症者の子育て支援プログラム
特定非営利活動法人 ダルク女性ハウス
東京
276
ロービジョンの人々の理解と IT機器やシステムを活用した
職場環境改善提案
特定非営利活動法人 ハーモニー・アイ
東京
135
東京
165
4
●
青梅精神障害者当事者ビジネスグループ
「ぶ~け」
5 ●
精神障害者当事者ビジネスの推進
6 ●
中堅世代がん体験者の心とからだを元気にするネットラジ
オ・コミュニティ
特定非営利活動法人 ミーネット
愛知
260
7 ●
育ち合う中で生活困窮者が地域の担い手となるプロジェク
ト
特定非営利活動法人 岡山・ホームレス支援
きずな
岡山
248
8 ● ●
沖縄県北部圏域の療育ファミリーを総合的に支援するプロ
ジェクト
特定非営利活動法人 療育ファミリーサポート
ほほえみ
沖縄
132
助成総額
〔8件・合計〕1,539万円
(2013年度の助成期間は、2014 年1月1日~12月31日です)
継続助成
(助成2年目)
活 研
動 究
1 ●
プロジェクト名
団体名
発 達に障がいのある子ども・若者のための心とからだの講
座~ファシリテーターの養成および交流サロンの開催~
特定非営利活動法人 子ども&まちネット
所在地
助成額
(万円)
愛知
174
2 ●
中国帰国者に対する介護予防教室と地域ネットワーク形成
夕陽紅
(シーヤンホン)
の会
京都
145
3 ●
月と風と 劇場型銭湯2014
特定非営利活動法人 月と風と
兵庫
283
4 ●
臨床美術によるメンタルヘルスケア事業
特定非営利活動法人 沖縄県福祉ネットワー
ク協会
沖縄
100
(助成3年目)
5 ●
どんまいネットみやぎ推進プロジェクト
特定非営利活動法人 ほっぷの森
宮城
168
6 ●
薬物・アルコール依存症者の自立支援および 就労プログラ
ム開発モデル事業
特定非営利活動法人 潮騒ジョブトレーニング
センター
茨城
250
7 ●
刑務所を出所した薬物依存 症者の包括的な回復 支援プロ
ジェクト
フリーダム
大阪
200
8 ● ●
死の直後から寄り添い支える「wiz サポーター」派遣システ
ム構築プロジェクト
カウンセリングスペース『リヴ』
大阪
180
助成総額
〔8件・合計〕1,500万円
(2013年度の助成期間は、2014 年1月1日~12月31日です)
12
一人ひとりの思いをかたちに
社員による社会貢献活動
ファイザーは企業として取り組んでいる社会貢献活動のほかに、社員一人ひとりの社会貢献へ
の気持ちを応援するための制度として、
「 マッチングギフトプログラム」
「東日本大震災災害支援ボ
ランティア特別休暇制度」を設けています。また、全国の事業所が地域で行うボランティア活動を応
援していますので、その一部を紹介します。
社員の寄付金に会社が同額を上乗せして
届ける
「マッチングギフトプログラム」
災害支援マッチングギフトプログラムは、自然災害
も達への支援に取り組んでいる団体などに、総額90
万円をお届けしています。
2013年度マッチングギフトプログラム寄付先団体
(活動分野別・出費割合)
などの被害があった際に、社員が自主的に集めた寄
付金に、会社が同額を上乗せすることにより、社員の
動物愛護
21.8%
子どもの健全育成を
図る活動(国内)
4.4%
善意を2倍にして被災地域の最前線の救済活動を支
子どもの健全育成を
図る活動(海外)
73.8%
援するというものです。1999年に発 生したトルコ地
震において、献身的な救助活動を行うファイザートル
コの活動を知った社員から、
「 自分たちも応援したい」
という声が起こり始まりました。毎年のように世界
各地で発生する災害に対し、これまでに総額約1億
9,220万円をお届けしました。
マッチングギフトプログラムは、社員個人による寄
付も対象にしており、2013年度は発展途上国の子ど
※数字は、寄付総額に対する活動分野別寄付額の割合を
示す。また、分類は独自の分類による。
ファイザー自然災害義援マッチングギフトキャンペーン寄付金一覧
名称
トルコ北西部地震
発生年月日
社員寄付金額
会社寄付金額
1999年8月17日
¥2,130,399
¥2,130,399
¥4,260,798
寄付総額
¥3,822,888
台湾中部地震
1999年9月21日
¥1,911,444
¥1,911,444
インド西部地震
2001年1月26日
¥2,041,591
¥2,041,591
¥4,083,182
米国同時多発テロ
2001年9月11日
¥5,574,213
¥5,574,213
¥11,148,426
アルジェリア北部地震
2003年5月21日
¥639,629
¥639,629
¥1,279,258
イラン南東部地震
2003年12月26日
¥1,506,750
¥1,506,750
¥3,013,500
新潟県中越地震
2004 年10月23日
¥5,890,466
¥10,000,000
¥15,890,466
スマトラ沖地震津波災害
2004 年12月26日
¥6,834,470
¥8,165,530
¥15,000,000
ハリケーン・カトリーナ災害
2005年8月23日
¥2,906,023
¥2,906,023
¥5,812,046
パキスタン地震
2005年10月8日
¥2,395,318
¥2,395,318
¥4,790,636
ジャワ島中部地震
2006年5月27日
¥1,941,405
¥2,058,595
¥4,000,000
新潟県中越沖地震
2007年7月16日
¥1,294,248
¥1,505,752
¥2,800,000
カリフォルニア南部山火事
2007年10月8日
¥859,060
¥940,940
¥1,800,000
サイクロン”ナルギス”&四川大地震
2008年5月2日、12日
¥2,648,839
¥3,351,161
¥6,000,000
フィリピン台風
“ケッツァーナ”&スマトラ西部
パダン沖地震
2009年9月26日、30日
¥1,118,073
¥1,881,927
¥3,000,000
ハイチ大地震
2010年1月13日
¥2,725,125
¥2,774,875
¥5,500,000
東日本大震災
2011年3月11日
¥45,932,658
¥54,067,342
¥100,000,000
¥88,349,711
¥103,851,489
¥192,201,200
合計
13
東日本大震災の復興のための
災害支援ボランティア特別休暇制度
ファイザーは、
山の竹刈の様子
「参加する際、
『 熊本からの交通費を募金した方が
東日本大震災の
喜ばれるよ』と言われたこともありますが、現地は非
被 災地・被 災者
常に人手不足で、電話番だけでもいいからボランティ
支 援を目的とす
アがほしいというほどでした。募金も大切ですが、一
るボランテ ィア
度でもボランティアに参加しようと思った方は、是非
活動に従業員が
現地に行ってみて下さい!『自分が被災した場合、ど
参 加する際、最
うしてほしいか』など、現地の人々の立場に立った考え
大5日間 の 特 別
を持つことは重要だと思いました。
休 暇を付与する
被災地ではまだ苦しんでいる方が大勢います。一方
「災 害 支 援 ボラ
で、活動中に被災地の方から勇気や元気をもらう場
ンティア特別休
面が何度もありました。これからも無理をせずにでき
暇 制 度」を設け
る範囲で
ています。
長期的に
2013年9月にこの制度を利用した村上小百合は、警
ボランティ
戒区域の福島県南相馬をこの目で見て、自分に何がで
アに参 加
きるのか確認したいと思い、山の竹刈、がれきや家具
してい き
の撤去などの5日間のボランティアに参加しました。現
たいと 思
地の方から
「ボランティアに来てくれるだけでありがた
います」
と
い。福島のことを忘れないで。福島県産のものを買った
語 ってい
りして、
話題にしてほしい」
と声をかけられたと言います。
ます。
ボランティアに参加した仲間と
小さなことからコツコツと
ペットボトルキャップの回収
でペットボトルの回収を行っています。
回収に携わって一番感じることは集まってくるキャッ
プの量の多さです。単に廃棄物回収という意識ではな
く、資源の有効活用という意識・モラルが必要で、回
収されたキャップの管理(カビが発生しないように洗
浄し、回収して下さる団体への引き渡し)は有志の社
員がボランティアとして行っています。
これまで875,720個
(2013年10月現在)
が集まり、
回収したボトルキャップを囲んで
ポリオワクチンに換算すると約1,100人分のワクチン
ファイザー の医薬開発部門では、プリペイドカー
となって途上国の子どもたちの役に立っていることは
ド、書き損じハガキや古切手等の回収に加え、
「 ペッ
大きな喜びです。日頃の小さな活動ですが、少しでも
トボトルのキャップが途上国の子どもたちのワクチン
善き市民として社会に貢献できればと思い、今後も
になる」という活動に賛同し、2007年から部門全体
継続していきます。
14
一人ひとりの思いをかたちに
小学生に錠剤をつくってもらい薬の構造、安全性を知ろう!!
2013年度 ファイザー・ファーマ サマー・サイエンス・スクール開校
(名古屋工場)
で、製薬企業の工場で実際につくっている錠剤がど
のようにできるのか? 錠剤は自分でもつくれるのか?
薬についての安全性は?などについて小学生に学ん
でもらいました。
前回よりもさらに内容を充実し、原料の配合によっ
て錠剤がどのように変わるかを各チームでいろいろと
実験しました。実験後には参加者からは、
「 錠剤の仕
組みが良くわかりました」
「 薬の安全性がわかりました」
「またサイエンス・スクールに参加したい。サイエンス
・
社員先生の丁寧な指導で錠剤をつくる子どもたち
スクール最高」などのコメントがあり、大好評でした。
愛知県武豊町にあるファイザー・ファーマ名古屋工
場では、2000年から毎年夏に小学生を対象に科学
の不思議、おもしろさを伝えるサマー・サイエンス・ス
ク ー ルを開催しています。今回は町内の小学5年生
52名を対象にして8月31日に開催しました。今年も
受付開始後、あっという間に定員が埋まってしまうほ
どの人気イベントでした。
科学実験のテ ーマは、昨年同様「錠剤をつくろう」
参加者全員で集合して
サンタクロースに扮して、入院中の子どもたちを訪問
サンタクロース・ボランティア
ザー・サンタが全国
6か 所の 病 院を訪
問し、延べ21名の
トナカイとツリ ー
が11か所の病院を
訪問しました。
現地では、重症、
難病の子どもたち、
ファイザー・サンタ、トナカイ、クリスマスツリーの面々
保護者の方々に満
毎年12月になると、社員がサンタクロース、トナカ
面の笑みで迎えていただきました。過去11年間でこ
イ、クリスマスツリーなどに扮して病院を訪問し、入
のプログラムを通して入院中の子どもたちに手渡さ
院中の子どもたちにクリスマスプレゼントを届けてい
れたプレゼントは約22,000個にのぼります。
ます。NPO法人
「難病のこども支援全国ネットワーク」
嬉しそうに笑顔で「ありがとう」という子どもたち
の活動に賛同して、2003年から始めた活動で、2013
から、毎年、社員もたくさんの「勇気」や「元気」をもら
年は12月3日から21日の期間中に延べ7人のファイ
っています。
15
医学・医療に関する優れた報道を表彰
第32回ファイザー医学記事賞
ファイザーは医学・医療の現実が、広く一般の方々に正しく理解されることを願い、医学・医療
記事を表彰する賞としては日本で唯一となる「ファイザー医学記事賞」を設けています。これまでの
受賞記事は170点以上にのぼり、単行本としても50冊以上が出版されています。
2013年度には、一般読者対象の全国紙に掲載さ
をいきいきと描いた1年間の連載記事です。発症して
れた医学・医療関連記事89点の中から、大賞2点、優
も本人らしさが失われるわけでなく、残された機能で
秀賞4点が選ばれ、同年10月1日に第32回ファイザ
どう生きていくか ―― 。誰もが当事者になり得る今
ー医学記事賞の発表および贈呈式が行われました。
日的なテーマに、様々な角度から迫っています。
大賞の『最期の迎え方』は、国民の6割が希望しつ
長年にわたり、医学・医療分野の報道に定評のある
つ現実には1割強にとどまる「自宅での最期」に切り
全国紙に加え、今年は地方紙が受賞しており、医療
込んだ連載。自宅で亡くなる方と家族、支える医師ら
や健康への関心が高まる中、全国的に医学記事への
を取材し、一例ごとに詳しく紹介する一方、周辺情報
要望、期待も大きくなってきています。医学・医療問題
やデ ー タも併せて掲載し、事例と客観性のバランス
と真摯に向きあい、地道な取材活動をされている全
が考慮されている点などが高く評価されました。
国の記者の方々の励みとなるように、また一般の方々
『認知症 明日へ』は、増え続ける認知症について、
患者と家族を実名・顔写真入りで紹介し、その生き様
に適切で質の高い医学記事が届けられることを願い、
当賞を継続して参ります。
第32回ファイザー医学記事賞 受賞記事
今回の受賞記事は次の6点です。一般の読者を対象にした全国の新聞に、2012年4月から2013年3月
までに掲載された医学・医療関連記事89点より選定。評価項目は、
(1)着眼点、
(2)構成、
(3)的確でバラ
ンスのとれた情報、
(4)
啓発性、
(5)
感動・説得力、の5つ。
大 賞 『最期の迎え方』
中国新聞社
(平井敦子、余村泰樹)
大 賞 『認知症 明日へ』
読売新聞東京本社 社会保障部
優秀賞 『認知症とわたしたち』
朝日新聞社 認知症とわたしたち取材班
優秀賞 『地域で診る 高知で学ぶ研修医たち』
高知新聞社
(門田朋三)
優秀賞 『こうのとり追って』
毎日新聞社
(斎藤広子、久野華代、須田桃子、
下桐実雅子、五味香織)
優秀賞 『
「原発と福島」第8部 地元医大の使命』
読売新聞東京本社
(地方部次長 今野英治
(現・前橋支局長)、福島支
局 北出明弘
(現・地方部)、福島支局 福元理央)
(五十音順・敬称略)
受賞者の皆さん
16
公益財団法人 ファイザーヘルスリサーチ振興財団
ヘルスリサーチに取り組む医師、研究者、医療関係者に向けて
累計704件、総額17億円の研究助成
ファイザーは、1992年3月、ヘルスリサーチの調査・研究・振興のために基金を拠出し、ファイザー
ヘルスリサーチ振興財団を設立しました。以来20年間にわたり、ヘルスリサーチに対する研究助成
事業を行うとともに、2005年より、研究者をはじめとした様々な分野の方々の交流の場を提供する
ヘルスリサーチワークショップを開催。ヘルスリサーチのさらなる発展に向け、活動しています。
ヘルスリサーチは、一人ひとりのクオリティ・オブ・ラ
イフ
(QOL)の向上を目的として、医療を構成する要
素を統合し、医療の受け手の観点から、一連の関連
要素を効率的・効果的な社会システムとして方向付け
する学際的な学問です。
これまでの助成金採択者の一覧は
下記ホームページをご参照ください。
http://www.pfizer-zaidan.jp/
fo/business/research_grant/
sponsorship/
財団では、ヘルスリサー チ研究への共同研究助成
事業として、これまでに累計で704件、総額17億円を
背景や役割、
将来への展望など、
日本におけるヘルスリ
助成し、その研究成果をわが国の保健医療福祉の向
サーチの包括的なお話を明快にしていただきました。
上に役立てています。
2013年度は、国際共同研究8件、国内共同研究21
件(年齢制限なし11件、満39歳以下10件)の合計29
件で、助成総額は、4,436万円でした。
「良い社会に向けて 」 第20回ヘルスリサーチフォーラム
第10回ヘルスリサーチワークショップ
ヘルスリサーチの裾野を広げていくために、医療関
係者だけにとどまらない多彩な人材による
“出会いと
学び”を目的として開催しているヘルスリサーチワー
クショップも、節目の第10回を迎えました。
『 縮む時
代の先に幸福な社会を拓く~ヘルスリサー チの巻き
ファイザーヘルスリサーチ振興財団では、助成研究
込み力』をテーマに、湯浅誠氏(社会活動家 )、阿部一
の成果発表であるとともに、一般公募による演題の研
彦氏(東北福祉大学総合福祉大学教授 )の基調講演
究発表の場でもある
「ヘルスリサーチフォーラム」を毎
を皮切りに、2日間にわたる分科会、全体討論が行わ
年開催しています。
第20回の節目を迎えた2013年度は、
れました。また、今回、新たな企画として、参加者によ
「ヘルスリサーチ20年-良い社会に向けて」
をテーマに、
る「ポスターセッション」を開催しました。
恒例の研究発表に加え、永井良三自治医科大学学長
今後もさらに工夫を凝らして、参加者個々の
“気づ
(当財団選考委員長 )
による特別記念講演「ヘルスリサ
きや成長のきっかけを得て今後の発展につなげる”場
ーチの考え方」を開催致しました。医学・医療の歴史的
としていきたいと考えています。
上:平成25年度研究助成贈呈式
左:第20回ヘルスリサーチフォーラム記念講演
17
世界各地で展開する企業市民活動 …グローバルファイザー
Global Pfizer
世界では何百万人もの人たちが、予防や治療が可能な病気でありながら、適切な治療が受けら
れないために亡くなったり、重症化しています。ファイザーはそれぞれの国で展開している社会貢
献活動に加え、各国政府や世界各地の NGO などと提携し、HIV/AIDS、がん、失明の原因となる
トラコーマ対策などに継続して取り組んでいます。
ファイザーのグローバルな企業市民活動の中から、代表的な取り組みを紹介します。
失明の最大の原因・トラコーマ撲滅のために
45か国以上の国でがんの発見と治療、禁煙の取り組みを支援
インターナショナル・トラコーマ・
イニシアティブ(1998年~)
グローバル・ヘルス・パートナーシップ
(2007年~)
世界最 大の失明の原因と言われる伝 染 性の眼
がんのコントロールや禁煙活動の世界的なモデ
病・トラコーマは、公衆衛生の改善や地域の保健教
ルを築くため、ファイザーは、45か国以上の国々で
育、抗菌薬による治療などによって撲滅することが
31のパートナーシッププログラムをサポートしてき
できます。
ました。がんの早期発見を目的とした標準的なス
ファイザーは1998年、
EdnaMcConnell Clark財
クリーニングの構築、がん治療を支援するNGO の
団とともにインターナショナル・トラコーマ・イニシ
組織能力の向上、禁煙のためのネットワー クの構
アティブ
(ITI)を設立し、世界19か国2億8 ,000万
築のサポート、医療者の育成、禁煙の奨励、非喫煙
人以上の患者さんに抗菌薬ジスロマックを提供し
者に対する受動喫煙からの保護などを進めていま
ています。モロッコでは2006年にトラコーマの撲
す。
滅に成功しました。
HIV/AIDS、マラリア、結核の予防や医療従事者の育成
発展途上国の HIV/AIDS患者の感染症治療のために
アフリカ感染症研究所
ジフルカン・パートナーシップ・
プログラム(2000年~)
(2004年~)
2004 年、ウガンダ共和国に HIV/AIDS、マラ
南 アフリカでスタ ー トしたこのプログラムは、
リア、結核の予防や処置のトレーニングのための感
HIV/AIDS の患者さんが罹りやすい真菌性感染
染症研究所(IDI)が設立しました。以来、アフリカ
症の対策として治療薬ジフルカン
(フルコナゾール)
27か国から訪れた約6 ,500人の医療従事者がこ
を、発展途上国の政府や NGO に寄付しています。
こで学び、これまでに3万人以上の HIV/AIDS患
また、現地の医療関係者に診断と治療のための訓
者さんのケアを行ってきました。
練も続け、これまでに63か国、2 ,400以上の地域
に12億米ドル以上の医薬品を提供しています。
18
スローガン
バ リュ ー( 価 値 規 準 )
integrity
(誠実と高潔)
respect
for people
quality
(クォリティ)
バリュー
(人間尊重)
(価値規準)
leadership
(リーダーシップ)
私たちは、
9つの価値規準を
遵守します。
customer
focus
(顧客志向)
performance
community
(業績改善)
(善き市民)
collaboration
innovation
(コラボレーション)
(革新)
企業としての、また社員としての活動の基盤に、9つのバリュー
(価値規準)があります。
ファイザーは、社員が遵守すべき9つのバリュー
(価値規準 )を掲げています。私たちは、この価値規準に則った活
動こそが企業の成長発展の源であると考え、日々の事業活動がバリューに基づいているかどうかを常に見直し、
実践しています。
バリューの一つである
“Community
( 善き市民 )
”は、
「 私たちが働き、生活している全てのコミュニティーをより良
くするために、積極的な役割を果たします」というものです。
ファイザー株式会社
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル 広報部
www.pfizer.co.jp
COM84E001A