アイシ ン・エ ィ・ダ ブ リュ 環境報告書 2 0 15 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 春版 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 CONTENTS ご あ いさつ 1. 環 境 マ ネ ジメント 04 1.1. 経営理念・方針 04 1.2. ISO14001国際規格への対応 08 1.3. 環境教育 09 1.4. 環境会計 10 2. 設 計・開 発 の 取 り 組 み 11 2.1. オートマ チックトランスミッション 11 2.2. A / T 用 E C U(コントロ ー ラー ) 12 2.3. ナビ ゲ ーションシステム 13 2.4. E V・ハ イブリッド 車 用 駆 動 システム 15 2.5. 環 境 負 荷 物 質 使 用 量 低 減 の 取り組 み 17 3. 18 生 産 の 取り組 み 3.1. 生 産 工 程 へ の 取 り 組 み 18 3.2. 物 流 の 改 善 23 3.3. リ マ ニ ュファ ク チャリング 活 動 24 3.4. 省 エ ネル ギ ー 27 3.5. 廃 棄 物 低 減 と ゼ ロ エ ミッ シ ョン の 推 進 29 4. 31 環境保全活動 4.1. 仕 入 先・グル ープ 企 業 との 連 携 31 4.2. 化 学 物 質 管 理 34 4.3. 土 壌・地 下 水 問 題 へ の 対 応 36 4.4. 大 気 38 4.5. 水 質 保 全 活 動 39 4.6. 騒 音 41 4.7. 緑 化 42 5. 45 社会貢献活動 環境データ 47 会社概要 52 02 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 ご あいさつ 「環境報告書2015年度春版」をお届けするにあたり、ご挨拶申し上げます。 さて、世界の自動車市場を概観しますと、2010年代後半には世界全体での自動車販 売台数は1億台を超えることが予測されております。世界中の方々が自動車の利便性を 享受することは喜ばしいことですが、これに起因する環境への負荷が懸念されます。弊 社は製品をお客様へ供給することを通じて、お客様車両の燃費向上や利便性向上を図 り、世界の環境負荷の低減に努めてまいりたいと考えております。弊社は経営理念の 一つに「自然・社会への貢献」を掲げ、良き企業市民として、様々な活動を通じて社会 の持続的発展へ寄与してまいります。 事業活動を通じての環境取組においては2011年度よりアイシングループ全体で第五 次環境取組プランを定め、グループ全体で環境保全活動を展開しております。本年度 はこのプランの最終年度にあたり、製品はもちろんのこと、生産活動を通じて目標達成 に努め、環境へ貢献していきたいと思います。詳細については本文中で述べさせて頂い ております。是非ご覧下さい。 なお、2016年度から開始される第六次環境取組プランについても本年度中にプラン を策定、このプランを通じてより一層の環境への貢献を図りたいと考えております。 最後ではございますが、本報告書を通じて、弊社の環境保全への取組みをご理解頂 くとともに、皆様の率直なご意見を頂ければ幸いです。 2015 年 6月 取締役社長 03 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 1. 環境マネジメント 環 境 マ ネ ジ メント 1.1 経 営 理 念・方 針 自然・社会への貢献を目指した企業活動 「 品 質 至 上 」の 経 営 理 念 のもと「 自 然・社 会 へ の 貢 献 」を 達 成 する為 に、 「 環 境 方 針 」を 定 め、 全 員 参 加で環境保全活動に取り組んでいます。 働く人々の喜び 自然・ 社会への 貢献 お客様の 感動 品質至上 私たちは、最良の商品を通して、お客様や社会へ貢献し、 企業の発展と働く人々の幸せを実現することを基本とします。 自 然・社 会 へ の 貢 献 私 たちは、商品はもとより、事業活動のあらゆるプロセスで「自然・社会との調和」を目指し、 オ ープンでフェアな企業活動を通して、住みよい地球と豊かな社会づくりへ貢献します。 環境方針 1. 開発から販売に至る企業活動に適した環境マネジメントシステムを構築し、本方針に基づ いた 目的および目標を設定し、計画的な実践と見直しにより、環境マネジメントシステムの継続的改 善を進める。 2. 国 、地 方 公 共 団 体 の 環 境 に関 する規 制( 法 規 制 、公 害 防 止 協 定 等 )及 び 当 社 が 同 意 するその 他 の 要 求 事項を遵守し、汚染の予防活動を展開する。 3. 資 源 、エネルギーの有効活用、環境負荷物質低減を図るための活動を実施する。 4. 環 境 方 針を文書に定め、全従業員に周知徹底し実行を促す。 5. 環 境 方 針を含め、環境保全活動を公開する。 04 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 1. 環境マネジメント 2014年度環境取り組みプラン達成状況 2014年は、2014年環境取り組みプランに沿い年度計画を策定し活動を推進してきました。各項目 取り組み方針に基づき活動し、その結果全ての項目で目標を達成することが出来ました。詳細は、以下 をご参照下さい。 区 分 項 目 低燃費技術の追求で 車両燃費向上に貢献 [行動目標] 主な取り組み 2014年度目標 ・多段A/T1機種の開発・量産開始 ・多段・HV駆動システムの展開 ・高効率A/T、 CVTの展開 ・高効率A/T3機種の開発・ 量産開始 ・顧客へ年1回LCAデータ報告の実施 ・ラージ、ミディアム、コンパクト用A/T 及び、CVTの4車系に対する対応完了 ・迷走・渋滞回避によりCO₂排出量の低減 ・迷走・渋滞回避機能を付加した 新製品の開発・量産 顧客と連携した LCA評価の推進 [行動目標] 低炭素社会の 構築 ITS関連技術で道路 交通における総合的な CO₂削減の推進 [行動目標] ・省エネ活動の徹底 ・温室効果ガス排出量の低減 [売上あたり原単位] ・輸送効率の追求 ・CO2排出量の低減 [売上あたり原単位] 資源の 有効活用に配慮した 製品設計の推進 [行動目標] 2014年度活動結果 ・車両性能向上に向け燃費向上効果の見積もりと、 機能実現に向けた設計、 作りこみ完了 ・省エネ認定制度を軸とした既存設備及び 新規設備への確実な省エネの盛込み ・全社エアー漏れ撲滅活動と恒久対策展開 ・燃費向上機能を付加した新製品の 開発・量産 評価 ○ ○ ○ 2001年度比 ▲34.4% 2001年度比 ▲36.1% ○ 2006年度比 ▲10.3% 2006年度比 ▲12.7% ○ ・原動設備小モジュール化 ・物流のムダロス削減 ・他社混載物流推進 ・小型軽量化を追求した駆動システム開発 ・資源枯渇、 入手性を考慮した製品開発 ・廃棄物の3R活動推進 [台あたり原単位] ・小型車軽量化A/T4機種の 開発・量産開始 ○ 2003年度比 ▲40.9% 2003年度比 ▲48.1% ○ 2009年度比 ▲23.0% 2009年度比 ▲26.8% ○ 2006年度比 ▲33.1% 2006年度比 ▲37.3% ○ ・排出物低減 ・資源の有効利用 [台あたり原単位] 循環型社会の 構築 ・スクラップ量の低減 ・加工切り粉量の低減 ・部品廃却不良の低減 [台あたり原単位] ・排出物低減 [売上あたり原単位] リマン活動を通じて 資源の有効利用推進 [行動目標] ・梱包材使用量の低減 ・防錆袋廃止の横展 ・荷姿改善 [台あたり原単位] ・アジア・北米・ヨーロッパのリマン事業推進 ・再使用部品の拡大推進 05 ・北米にてCVTリマン開始 ・A/T構成部品の再利用率向上 ・CVT構成部品の再使用拡大 ○ AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 区 分 項 目 ・製品含有化学物質の 把握/管理/低減 自然共生社会の 構築 ・生産における 化学物質管理強化と 環境への排出低減 [ハイブリッドユニット 台数当たり原単位] 1. 環境マネジメント 主な取り組み 2014年度目標 ・BNSTフリー化の推進(カナダ規制対応) ・PFOAフリー化の推進 (米国規制対応) ・ハイブリッドユニット生産時の スチレン排出量低減 2014年度活動結果 評価 ・BNSTフリー代替材の開発・切替完了 代替材の開発/切替 ・PFOAフリー化は2015年内 期限に対し推進中 ○ 2008年度比 ▲44.8% ○ アイシングループにて開催の ・環境シンポジウム、 環境展示会 ・エコツアー活動への連携した企画・参加 アイシングループにて開催の ・アイシングループ連結環境 シンポジウム参加 (8月) AWからは36名出席 (AWグループ会社含む) ・北陸地区湿地の環境保全活動 (7月) アイシンG会社から約35名が参加、 水路草刈り実施 ○ ・環境マネジメントシステム認証状況確認 ・未認証仕入先に対する点検実施 ・騒音・振動、 排水・汚水等の環境リスクがある工程を もつ仕入先の点検実施 ・法令、顧客要請に基づく環境負荷物質の確実な切替フォロー ①環境マネジメントシステムの 認証状況確認 ②新規仕入先のEMS構築確認 ③環境リスク2社現地点検実施。 全社合格 ④法令、顧客要請に基づく切替実施 ○ 環境教育活動の 充実と推進 ・階層別教育を通じた環境教育の実践 ・AW連結会社環境担当者への環境関連 セミナー開催 ・階層別教育を通じた環境教育の 実践完了 (3月∼5月:新入社員、 技能研修生、 新任主事対象、 内部監査員教育の実施) ・AW連結会社環境担当者への 環境関連セミナー→6月及び 11月開催済み ○ グローバル環境 マネジメントの強化 ・AW安全環境ホームページ構築による 情報の共有化活動 (海外含む) の実施 ・国内・海外AWグループ会社との安全環境連絡会議 開催によるレベルアップ活動 ・国内AWグループ生産会社への環境マネジメント システム監査 ・国内AWグループ会社と 「AW グループ連結安全環境会議」 を 6月、 11月開催し、 環境異常・ 苦情事例と未然防止活動展開 ・国内外AWグループCO₂目標の 設定依頼完了 ・国内AWグループ生産・非生産会社への 環境マネジメントシステム相互監査完了 ○ ・拠点所在地を中心に、 社員/家族及び地域を 巻き込んだ自然環境保護活動の企画及び運営 ・地元小学校への 「アイシン環境学習プログラム」 提供 ・拠点所在地中心で実施する、社員/家族及び 地域を巻込んだ自然環境保護活動の実施。 (安城:油ヶ淵浄化デー参加、 矢作川クリーン作戦開催 田原:菜の花プロジェクト開催) ・地元小学校へのアイシン環境学習 プログラムの提供 (安城:8校、 岡崎:3校、蒲郡:2校) ○ ・革新技術への取り組み活動の推進 ・協力会社との共同開発した 加工装置が日本鍛圧機会工業会 「MF技術大賞」 受賞 ※MF;Metal formingの略で 金属を加工・成形すること ○ アイシングループ 一体となった生物 多様性の取組実施 [行動目標] グリーン調達ガイド ラインに基づいた 仕入先環境活動支援 環境経営 地域社会と連携した 環境に関する 社会貢献活動の推進 環境技術・ノウハウの フィードバックによる 産業界への貢献 積極的な情報提供と 地域社会に向けた コミュニケーションの 実施 2008年度比 ▲27.7% ・環境報告書 (6月・11月発行) に よる情報提供実施済み ・積極的な地域コミュニケーションの実施 ・環境報告書による情報提供 (春・秋) 実施 ・積極的な地域コミュニケーションの実施 (地域懇談会、 水環境懇談会等) 06 ⇒本社、岡崎・岡崎東合同、田原地区の 各拠点にて各拠点地区町内会との 地域懇談会及び定期的ヒアリング による情報受発信実施済 ⇒各種団体(矢作川沿岸土地改良区連合、 油ヶ淵漁協等) との水環境懇談会 (7月、1月末)実施済 ○ AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 1. 環境マネジメント 推進体制 環境方針を具現化するために、方針管理のしくみのなかで職制活動として展開しています。事業 活 動 の 中で特 に重 要な項 目 に対して、環 境 委 員 会 の 各 分 科 会で重 点 的 に審 議 する体 制をとって います。また、AWグループとして活動を展開するために、情報を共有化しています。 経営理念 長期計画ビジョン 長期経営計画書 環境方針 1ケ年経営計画書 環境委員会 目的・目標 運営委員会 年度目的・目標 全社監査 年度環境活動計画 エネルギー分科会 廃棄物・リサイクル分科会 材料ロス低減分科会 化学物質低減分科会 物流合理化分科会 製品環境負荷物質低減分科会 職制活動 AWグループ 部業務実施計画書 内部環境監査 情報の共有化 (国内&海外グループ) 活動の展開 国内グループ向け 環境目標ガイドライン (生産会社・非生産会社) 効果の確認 07 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 1. 環境マネジメント 1.2 I S O14001国 際 規格への対応 環境保全への取り組みをより強固にするために、 また、透明性を確保し信頼性を高めるために ISO14001国際規格の認証を全社一括で取得しました。 ISO14001国際規格の認証取得状況 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社として全部門を対象に1999年7月24日に認証取得しました。 本社工場、工機部、試作部(共に安城市)、岡崎工場、岡崎東工場(共に岡崎市)、田原工場(田原市)、 蒲郡工場(蒲郡市)、オーキス・ジャパン株式会社(高浜市)の8サイトが含まれています。 ISO14001登録証 内部環境監査 経営層 環境管理責任者 見直し実施 結果報告 ISO14001 推進事務局 年間計画書 監査実施 監査チーム 監査結果集約 全部門 是正実施 全部門を対象に年1度以上の頻度で内部環境監査を実施し、 環境マネジメントシステムが適切に実施されているかをチェックしています。 有効性重視監査を2005年度から取り入れ、改善の機会を積極的に発掘し改善につなげています。 08 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 1. 環境マネジメント 1.3 環 境 教 育 環境保全活動を支える最も大切なものは人材であると考えています。環境保全のためには社員 一人ひとりが環境問題を認識し、それぞれの役割を自覚し全社員で取り組むことが重要です。 社員一人ひとりの力を成果に結び付けるために環境教育を継続的に行っています。 環境教育体系 対象者 主な内容 環境保全の基礎知識 新入社員 アイシン・エィ・ダブリュの環境方針 ルールを守ることの重要性 環境問題 新任管理監督者 環境管理の進め方 階層別の役割・責任・権限 運転と点検 環境重点設備従事者 メンテナンス 異常・緊急時の処置内容 環境重点設備従事者:環境に大きな影響を与える可能性のある設備や活動に従事する人 内部環境監査員教育 人数 1,000 900 内部環境監査員教育修了者数推移 891 850 923 954 823 800 763 750 687 700 650 628 600 548 550 500 441 450 400 460 382 332 350 300 250 200 175 211 223 230 150 127 100 50 0 1998 1999 2000 2001 2002 200320042005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 環境マネジメントシステムの運用状況を確認する上で、内部環境監査が重要です。 また、環境マネジメントシステムを効果的に運用する上で、運用の鍵となる要員が内部環境監査 員相当の力量を持つことが有効です。 私たちは、内部環境監査員の養成を継続的に行い、環境マネジメントシステムの継続的な向上 に努めています。 09 年 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 1. 環境マネジメント 1.4 環 境 会 計 環境会計は、事業活動に起因する環 境 負 荷を低 減 する目 的で支 出した『 環 境 保 全コスト』と その活動により得られた『環境保全効果(物量効果・経済効果)』 を把握し、環境保全への取り組み度 を評価するものです。 2014年の環境保全コストは93億円となりました。 これは売上高の約1%に相当します。 また、環境保全効果(経済効果)は24億円となりました。 今後も積極的な情報開示を進めるとともに、環境経営の視点からより効果的な経営管理ツール としてのレベルアップを図り、環境保全活動の効率化に繋げていきたいと考えています。 環境保全コスト 項 目 金 額 1.事業エリア内コスト 大気・水質・土 壌 汚 染など の 公 害を 防 止するた め のコスト 省エネのため のコスト リサイクル、廃 棄 物 処 理 のた め のコスト 13億円 2.上・下流コスト 製品の回収・再 商 品 化 の 費 用 、梱 包 材 のリサイクル 費 用 39億円 3.管理活動コスト EMS運用、環 境 教 育 、環 境 負 荷 の 監 視 測 定 費 用など 4.研究開発コスト 環境負荷低減 のた め の 研 究 開 発 費 5.社会活動コスト 自然保護、緑 化など 1億円 6.環境損傷コスト 環境汚染の修 復 費 用など 0億円 0億円 40億円 総計 93億円 環境とそれ以外の目的を明確に区分することが難しい設備投資や研究開発費などは一部推計を交えて算出 しております。 環境保全効果 項 目 地球温暖化防止効果 廃棄物低減効果 主な取り組み内容 CO 2原単位 の 低 減 廃棄物総排出 量 の 低 減など 確実な根拠に基づいて算出できる「実質効果 」の みに限 定して算 出しております。 10 経済効果 24億円 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2. 設計・開発の取り組み 2. 設 計・開 発 の 取 り 組 み 2.1 オ ート マ チックト ランス ミッション 私たちは、オートマチックトランスミッションの専門メーカーとして、A/T、CVT のラインナップ化 を推進し、 低燃費技術の開発や採用に積極的に取り組んでいます。 ※ FR、FF 用に加速性能と燃費の向上を両立する6 速 A/Tを量産しています。 トヨタ、フォルク A/T では、 スワーゲンをはじめ、 全 44 顧客 (2014 年 6 月現在) に納入されており、 車両燃費向上に貢献しています。 今後高まっていく燃費規制の水準に十分対応できる A/T として“クラストップレベルの低燃費” を達成するため、 「ロストルクの低減」、 「ロックアップ領域の拡大」、 「スタートストップ機能」など を織り込み、車両燃費を大幅に向上しています。2012 年には世界初のFF用 8 速 A /Tを、2013年 には新型 FF6 速 A /Tを量産化しトヨタをはじめボルボ、BMW など海外顧客も含めた高級車にふ さわしい加速性能と燃費の向上に貢献しています。 ※FR:後輪駆動車、FF:前輪駆動車 A/Tでの取り組み ※Lepelletier方式に基づく ●A/Tの構造 ●ギヤ比 トータル ギヤ比 新開発バルブボデーにより スタートストップ機能を実現 1 2 2.28 従来6速 新開発トルクコンバータにより 加速時のエンジン回転数UPを 抑制し燃費向上 6速 A/T A/T 5 6 7 5.18 3.84 4速 8 9 10 11 12 131415 7.89 3速 13.81 2速 1速 8.03 14.27 2.30 3.47 1.91 2.84 4.14 8速 デフ比 3. 329 4.98 6速 A/T 新8速 5速 4 2.73 2.15 3.66 新型6速 高効率オイルポンプ、 引きずり 低減クラッチ・ブレーキにより ロストルク低減 3 2.86 5.54 8.60 14.91 7速 デフ比 3.200 デフ比 2.839 ワイドレンジなギヤ比の採用や8速化により エンジン回転数を低減し燃費向上 ●ロックアップ領域 % ●燃費 km/l ロックアップ 領域の拡大 (NEDCモード) +7% +2% 良い スロットル開度 新型A/T 約1000rpm 従来6速 A/T 約1200rpm エンジン回転速度 従来6速 A/T rpm 新型6速 A/T 新型8速 A/T ・高効率オイルポンプや引きずり低減クラッチ・ブレーキの採用によりロストルクの低減による高効率化を実現しました。 ・さらに、新開発トルクコンバータにより、発進直後からロックアップスリップ制御を開始し、ロックアップ領域を拡大させることで、 燃費の向上を実現しました。 ・また、 新開発バルブボデーを採用することにより、 搭載性を損なうことなくスタートストップ機能が可能となり燃費向上に貢献しています。 ・ワイドレンジなギヤ比の採用や8速化により、従来A/Tに対しワイドレンジかつクロスレシオなギヤ比設定が可能で、加速性能・燃 費の向上に貢献しています。 11 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2.2 2. 設計・開発の取り組み A / T 用 E C U( コ ント ロ ー ラ ー ) 自動車の高機能化、高性能化が急速に進められる中、A/T用ECU(コントローラー) も高度な 技術を開発しています。多段化(8速など)や新制御技術開発を通じて燃費向上に貢献するだけ でなく、ECUの小型・軽量化を推進し、原材料の低減を図ると共に、製品設計の共通化を進め、 生産工程で使用する治工具の低減・簡略化にも取り組んでいます。 また、ニュートラル・スタート・スイッチ( N . S . S W )一 体 E C Uは 、A / T のメカニ カル 部 品 で あるニュートラル・スタート・スイッチとA/T用ECUを一体化し、原材料を低減するだけでなく、車 両ハーネスの長さ、重量の低減を図り、燃 費 の 向 上 にも貢 献しています。 ECUの小型・軽量化 面積 質量(重さ) 治工具(数) −60% −79% −61% 従来 新ECU 従来 新ECU 従来 従来ECU 新ECU 新ECU ニュートラル・スタート・スイッチ (N.S.SW)一体ECU 車両ハーネス長 A/T−A/T ECU間、 車両−A/T ECU間の ハーネスを大幅に削減 −65% 従来ECU A/T用ECUとN.S.SWの一体化 ※Lepelletier方式に基づく 12 従来N.S.SW 従来 N.S.SW 一体ECU AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2.3 2. 設計・開発の取り組み ナビ ゲ ー ション システム カーナビゲーションシステムの仕組み ナビは、衛星から送られてくる電波を受信し、自動車に取り付けられたいろいろなセンサーからの 情報をもとに自車の位置や方向を特定して案内します。 GPSアンテナ ディスプレイ GPSレシーバー 方位センサー ナビゲーション コンピュータ 車速センサー 地図データ ●SDカード ●HDD ●DVD-ROM ●CD-ROM ナビゲーションルート案内による燃料使用量低減 迷 走・渋 滞 回 避による燃 費 向上の支 援 ボイスナビゲ ーションは 、目 的 地 に最 適 ル ートで到 達できる点で、総 合 的な燃 費 向 上 に貢 献し ています。迷 走 することによる無 駄 な燃 料 消 費を避 けることが できます。また、道 路 交 通 情 報シス テム ( V I CS)に対応した機能を盛り込むことにより、渋滞回避による燃費向上を図っています。 地図自動配信による燃料使用量低 減 目的地に到着するまでの距離が短くなれば、使用する燃料の量を減らす ●新東名開通前 ことができます。 道路は日々、変更されており、新しい近いルートをすぐに利用できれば良いの ですが、 従来のカーナビゲーション用地図の更新は、 年2回の更新版の情報の 発行に限られていました。 そこで、主要道路や自宅、及び目的地周辺の道路変更部分の地図差分 データを、携帯電話等を通じてカーナビゲーションへ自動的に配信する機能 を新規に開発し、2007年3月から運用を開始しました。 これにより、高速道路・有料道路は新規開通後最短7日、 その他の道路も、 従来の更新よりも短期間で案内に使用することができるようになりました。 例えば、弊社岡崎工場⇒御殿場アウトレットのルート案内では、開通後 7日以内に配信された新東名の地図データにより、213k m⇒207k mと 6km短いルートの案内が可能になりました。 (高速道路の料金改定も反映しています) 13 ●新東名開通後 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2. 設計・開発の取り組み エコトライアルによる燃料使用量低減 車は運転の仕方によって燃料消費量が変わります。継続的に燃費の良い運転をするには、エコ運転の 方法を知り、実践しなければなりません。 そこで、運転シーンの中でも日々同じ地点間の移動である通勤にフォーカスし、自分の過去の燃費と 競争することで、楽しみながらエコ運転を継続できるエコトライアル機能を製品化しました。 また地図上に過去の運転結果と今回の運転結果が表示されることで、どこでエコ運転に気をつけたら 良いかが分かり、より燃費を向上しやすいようサポートします。 走行した結果はスマートフォンでも確認することが可能です。 走行前 ナビ起動時にエコアドバイス発話 今回走行した結果 過去走行した結果を ゴーストで表示 走行中 燃費比較 走行中もパッと見てわかる ・エコ運転出来た地点 ・エコ運転出来なかった地点 ・EV走行出来た地点 を地図上で確認できる。 走行後 14 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2.4 2. 設計・開発の取り組み EV・ハ イブリッド車 用 駆 動システム 私たちは、 EV用、ハイブリッド車用駆動システムの開発によって、自動車の排気ガスの減少、 燃費の向上をはかり、将来に向けた環境にやさしい車作りで社会に貢献します。 使用エネルギー比較(10・15モード) ガソリン車 100 ハイブリッド車 62 EV(電気自動車) 34 0 使用エネルギー (指数) 私たちはAT専門メーカーの経験・ノウハウと最新のモーター技術を融合させ、 コンパクトで高効率 なEV用駆動システム、ハイブリッドシステムを開発してきました。 EV駆動システムとしては、1986年の4輪ホイールモーター車の開発に始まり、1993年にはトヨタ 自 動 車 殿 のクラウンマジェスタEVに、1998年には同じく超小型EV 「e・com」に採用されました。 また、2000年から2011年にはトヨタ車体から市販された超小型EV(コムス)の駆動システムとして 使われました。 近年注目されているハイブリッド車用駆動システムとしては、2モータハイブリッドシステムFF用を 2機種、 FR用を3機種生産しています。 15 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2. 設計・開発の取り組み FF 2モータ ハイブリッドトランスミッション ●シリーズ ハイブリッドとパラレルハイブリッドの 長 所を融 合した、2モ ータ方 式 の ハイブリッド トランスミッションです。エンジン最適運転とブレーキエネルギーの回生などにより超低燃費を 達 成しています。 ●トヨタカムリハイブリッドに搭載されています。 ●カムリハイブリッドより小 容 量 のトヨタプリウス に 搭載されています。 FR 2モータ ハイブリッドトランスミッション/4WDハイブリッドトランスミッション [大容量] ● 高 級 乗 用 車 に相 応しい動 力 性 能と高 速 性 能および 燃 費 性 能 の 向 上を同 時 に実 現しています。 駆 動 用 モ ーター の 出 力 軸 に2 段 の 減 速 ギヤ比を選 択 可 能なダブルリダクション 機 構 の 採 用 に より、既存のFRプラットホームに搭載可能なコンパクト化を実現しました。 ●2006年3月に販売されたレクサスGS450h、 2008年 5月に販売されたトヨタクラウンハイブリッドに搭載 されています。 ● 4 輪 駆 動 ハ イブリッドトランスミッションは 、さらに 静粛性を向上させ、2007年5月に販売されたレクサス LS600hに搭載されています。 [中容量] ● 大 容 量 向 けをベ ース に駆 動 用 モ ータのリダクション ギヤを一 段 化し、高 効 率 、軽 量コンパクト 化を実現しました。 ●2013年1月に発売されたトヨタクラウンハイブリッド、 2013年5月に発売されたIS300hに搭載されています。 16 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 2.5 2. 設計・開発の取り組み 環 境 負 荷 物 質 使 用 量 低 減 の 取り組 み 地 球 環 境 保 護 の ため、欧 州では 自 動 車 の 廃 棄 時 に環 境 に悪 影 響を及 ぼ す物 質( 鉛 、水 銀 、 カドミウム、6価クロム)を規制する「ELV指令」が施行されるなど、環境負荷物質に対する規制 が国内外で制 定されています。 そこで、社 内 に『 製 品 環 境 負 荷 物 質 低 減 分 科 会 』を 設 置し、 製 品( オ ートマチックトランス ミッション、 ECU、ナビゲ ーション システム 等 )に 関 する環 境 負 荷 物 質 低 減を グロ ー バ ル に 展開する顧客と連 携し、早 期 に代 替 品 へ の 切 替を完 了させる取り組 みを進 め ています。 また、現 時 点で規 制 対 象となっていない製 品 につ いても、自 主 的 に代 替 技 術 の 確 立を推 進 しています。 環境負荷物質低減の取り組み 欧 州 廃 車 指 令(E LV指 令)適 合のため の 活 動 ●鉛 ・アルミ電解コンデンサ用ビニルスリーブ、Oリング用アクリルゴム等の材料に含まれる鉛について、代替 材への切替を2004年に完了し、現在使用していません。 銅軸受、アルミバルブ等の材料に含まれる鉛については、代替材への切替を2008年に完了し、現在使 用していません。 電子部品用はんだの材料に含まれる鉛については、代替材の開発と切替を進めています。 ●水 銀 ・A/Tについては、使用していません。 ナビゲーション用ディスプレイの部品に含まれる水銀については、代替品への切替を2010年に完了し、 現在使用していません。 ●カドミウム ・ナビゲーション用モーター整流子、スロットルケーブル内のはんだ等の材料に含まれるカドミウムにつ いて、代替材への切替を2003年に完了し、現在使用していません。 ●6価 クロム ・ボルト、ナット等の表面処理に含まれる6価クロムについて、代替処理への切替を2006年に完了し、 現在使用していません。 その他の活動 ●アスベ スト ・摩擦材に使用されていたアスベストは、 1980年代に全廃しています。 ●パーフルオロオクタンスルホン 酸(PFO S) ・ワッシャ類の表面処理に含まれるPFOSについては、代替処理への切替を2008年に完了し、現在使 用していません。 ●デカブ ロモジフェニ ルエーテル(デカB D E ) ・Nスイッチ用リード線の材料に含まれるデカBDEについては代替材への切替を2011年に完了し、現在 使用していません。 17 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 3. 生 産 の 取 り 組 み 3.1 生 産 工 程 へ の 取り組 み 私たちは、 「革新的ものづくり」を目指して生 産 工程に取り組んでいます。 設計開発・生産技術・製造による三位一体の連携体制で、工法、設備、生産システム、品質に ついて深く掘り下げ、革新的技術の研究・開発の成果を環境改善にもつなげています。 従来の考え方にとらわれない部門の枠を超えた活動を促進する場として「ものづくりセンター」 があります。ものづくり研究テーマに応じて、最適な人材をフレキシブルに結集し、 「革新的もの づくり」のスピードを高めています。 こうした活動の成 果の具体例を紹介します。 「革新的ものづくり」体制 技術本部 Engineering Division ものづくり研究テーマ Research Theme on Monozukuri 生産技術本部 Manufacturing Engineering Division ものづくりセンター Monozukuri Center 18 製造本部 Production Division AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 効果(具体例1:ドリームキャリー) ドリームキャリーは、茶運び人形の“からくり技術”をヒントに考案された自動搬送装置です。製品 自体の重さで次工程に運び、運んだ後はスプリングの力で元の場所に戻るという仕組みを取り入れ、 電気などの動力源を必 要としません。製品輸送用の台車として工場内随所で活躍し、設備投資額 と電気代の大幅削減に貢献しています。 従来工程 (kWh/年・台) 1,500 ●既存の電動モーター駆動式搬送台車 ●A/T( オ ートマチックトランスミッション )を ●電気エネルギー低減効果 (1台当り) 1,008 1,000 A工 程 ∼B工 程 に搬 送して搬 出して戻って来る。 ●ライン の 中 に既 に多く設 置されている。 500 0 0 開発工程 ●茶運人形をヒントに動力はA/T重量と ゼンマイの活用 (スプリングに置き換え) ●前進はA/T重量(茶碗)で走行。 ●後退はスプリングバネの力で帰る。 kWh/年 25,000 従来工程 開発工程 ●電気エネルギー低減量(累積/年) 22,500 25 20,000 26 26 26 17,500 15 12,500 10,000 8 7,500 5 5,000 0 19 25 20 15,000 2,500 台数 30 2 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 10 5 0 年 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 効果(具体例2:カイテキゴクセマライン) 従来ラインでは全工程数も多く、ラインスペースも広く必要でしたが、 ものづくりセンターの取り 組みにより生まれた開発ラインは、設備の小型化や高速加工、工程集約を徹底することにより、全7 工 程 、ラインス ペ ース 1 0 8 ㎡という、小 型ライン の 実 現 に成 功しました。さらに省 エ ネル ギー 化 や 省コスト化に貢献するなど、生産技術に画期的な高効率化をもたらしました。 ●1台を生産するために必要となる工程数および生産スペース 大量生産に適した大艦巨砲ライン 従来ライン 12m 全50工程 スペース/1,464m 2 122m カイテキゴクセマライン 多機種少量生産に適した開発ライン 6m 全7工程 スペース/108m 18m 2 従来ライン カイテキゴクセマライン ●省エネルギー効果 (kWh) 12 9 電力使用量 9.76 65%低減 6 良 3 0 3.33 従来ライン カイテキゴクセマライン ●省資源効果 (ton) 400 300 重量 (鉄使用量) 354 (ℓ) 24,000 65%低減 18,000 200 良 20,000 70%低減 12,000 128.4 100 0 切削油使用量 従来ライン 良 6,000 4,400 0 カイテキゴクセマライン 20 従来ライン カイテキゴクセマライン AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 効果(具体例3:マイルド浸炭) 優れた強度が得られる熱処理として、浸炭焼入れが多く採用されてきました。従来は大艦巨砲の ガス浸炭炉を使い、大量のエ ネルギーを消費し操業していました。開発したマイルド浸炭では真空 浸炭装置と高周波焼入れ装置を組み合わせ、小型化と共に、炎や油を無くし環境を大幅に改善しました。 また、マイルド浸炭では従来工法よりも10%高強度化が可能となりました。 炎 従来工法 洗浄 浸炭焼入れ ガス浸炭 油 開発工法 焼戻し 地下ピット 高周波 焼入れ焼戻し 真空浸炭 マイルド浸炭 現場環境 ●ガス浸炭 ×防火壁 ×専用空調 焼入れ油× ×炎+油煙 × 専用消火器 × 地下ピット ●マイルド浸炭 47m 470分 26m 210分 効果 ●浸炭後の部品強度 (指数) 100 ●CO₂ (指数) 110 100 60 従来工法 開発工法 従来工法 21 開発工法 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 効果(具体例4:ミスト排気ゼロ) オートマチックトランスミッションの生産工程では洗浄・乾燥工程が必須で、工程が短時間のため 多くのエ ネルギーが 必 要となります。また飛 散したミストを屋 外へ 排気する方式をとっています。 そこで今回これらの問題を解決するため、コンプレッサのエアにて乾燥させていたものをブロアに 変更し、排気の循環再利用による環境性改善、駆動制御の1モーター化、洗浄/ 乾燥室容積の縮小、 洗 浄ポン プのインバータ制 御などを行いました 。その 結果 、従 来と比 較し 、電 力使 用量 では74% (40.1M W h /年)の削減、水使用量では40%(2.4k L /年)の削減を達成しました。これは平成2 4年 度「省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。 ENEX2013 展示パネル 開発設備:エコロジー洗浄機 電力使用量 水使用量 (MWh/年) 60 (KL/年) 6 54.2 40 ▲40.1 (▲40%) 4 (▲74%) ▲2.4 6.0 3.6 20 2 14.1 0 従来 0 開発 エネルギー使用量(原油換算) 開発 CO2排出量 (KL/年) 15 (t-CO2/年) 20 18.5 13.8 15 ▲10.2 10 (▲74%) 5 3.6 従来 0 開発 22 ▲14.1 (▲76%) 10 5 0 従来 4.4 従来 開発 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3.2 3. 生産の取り組み 物流の改善 物流におけるCO 2排出量低減、梱包材低減の取り組みについて報告します。 CO₂排出量低減の取り組み 生産物流部は、環境保全を使命とし、 『 環境にやさしい物流』を目指して業務に取り組んでいます。13 年度も、今までの改善を他のルートに適応する活動を愚直に実施して参りました。 代表的な取り組みとして、本社工場∼名港地区間輸送における便統合・復路便の空間を有効活用し た輸送効率向上により、年間10t (注1)のCO2排出量を低減することができました。 (注1 東京⇔大阪間を自家用車で43回往復した場合に排出されるCO₂に相当) 今後は、今までの横展活動に加え、新たな改善アイテムにチャレンジし、 『 環境にやさしい物流』を追 求していきます。 《改善前》工場単位での配車 名港バンニングC 名港 パレットC 往路:0% 復路:80% 15t1車2名 4便/日 《改善後》本社地区工場で便統合・復路空間活用 名港バンニングC 15t車2車4名 10便/日 往路:95% 復路:60% 名港 パレットC 15t車2車4名 10便/日 往路:95% 復路:92% 第1工場 第1工場 第2工場 第2工場 合計:15t3車6名14便/日 合計:15t2車4名10便/日 梱包材低減の取り組み 海外工場への部品輸送には、3Rの観点(Reuse/ Reduce/ Recycle)で、環境に優しい繰り返し使 用できる 「樹脂製リターナブル 通箱」 を採用していますが、 リターナブル 運用管理が困難な内装材はビ ニール袋、 PET材等の副資材で運用しています。 従来、一つの通 箱内に単一部品の梱包を実施して参りましたが、単一部品梱包内の空間ロスに着目 し、箱内への複数品番混載による箱内充填率向上及び 梱包副資材使用量の低減を図ってまいりました。 この結果、梱包材の使用量を13.7t低減できました。尚、生技本部、製造本部と一体となって、同一工程 で使用する部品を選定、組立順序に応じた梱包内レイアウトを考案し、現地工場内運搬、組立ライン内 の手扱い最少化も実現しました。 今後は、 生産工程設計段階に遡った梱包・輸送工程設計業務を推進し、 当活動の横展を図っていきます。 《改善前》単一部品梱包 《改善後》同一工程向け部品混載梱包 メインキット工程部品混載 C1クラッチ C2クラッチ Rrキャリア 収容数:6 箱数:236箱/日 収容数:各2個 箱数:825箱/日 収容数:4 箱数:413箱/日 【実施事項】 箱内空間を活用し、同一工程への 供給部品を取り出し順序も配慮し混載 収容数:3 箱数:551箱/日 合計:1,200箱/日 箱数:1,200箱→825箱/日(▲375箱/日) 副資材:15g/台(▲68g/台) 各箱に防錆袋、乾燥剤→副資材:83g/台 23 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3.3 3. 生産の取り組み リマ ニュファク チャリング 活 動 リマニュファクチャリングとは 一言で言えば、A/Tの再生事業です。再生したA/Tを修理交換用に安価に供給しています。私たちは リマン活動を通じて、廃棄物の低減と資源の有効活用をはかり、地球環境保全に貢献していきます。 オーキス・ジャパン(愛知県)、AWTEC USA(北米)、AWヨーロッパ(欧州)の3拠点で、市場 から回収したA /Tを分解・修理・機能保証しています。 AWヨーロッパサービスセンター AWTEC USA 2014リマン実績 3,800台 オーキス・ジャパン 2014リマン実績 29,000台 2014リマン実績 13,900台 リマンプロセスの概要 ユーザ T/C=トルクコンバータ ディーラ 顧客物流拠点 リマン拠点 分解・修理・機能保証 苦情 注文 車両点検・診断 「A/T交換」 部品再生加工 A/Tリマン リマンA/T装着 機能復帰 在庫出荷 T/Cリマン 重点活動と沿革 ● 新 製 品 立上と同時にA/Tリマンを開始し確実に市場を拡大 ● 再 生 使 用部品の拡大(例:T/C、ブッシュなどの再生) ● 輸 送 用リターナブルコンテナ採用による廃棄物低減 150 140 130 120 110 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 地球環境保全へ貢献 万台 リマン累積台数 今後の展開 ●HVリマン化の推進 ●廃却部品救済活動の推進 69 71 73 75 77 79 81 トヨタ製A/Tリマン開始 1988年4月 (1979∼1989) AWTEC USA開始 1969年5月 AW設立と同時にA/Tリマン開始 83 85 878889 91 1998年7月 AWヨーロッパサービスセンター開始 1994年8月 リマン専門工場設立 93 9495 9798990001 2000年4月 T/Cリマン開始 1999年12月 リターナブルコンテナ採用開始 0304 0506 07 08 09 10 11 12 13 14 2004年10月 トヨタ製A/Tリマン開始 2011年12月 リニアSOL開始 2003年4月 2007年11月 オーキス・ジャパン(株)設立(AWから分社化) AW製CVTリマン開始 24 2014年6月 AWTEC CVTリマン開始 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み リマン活動を通じて資源の有効利用推進 活動の重点 2 1 リマン事業の 推進 経営企画部 再使用部品の 拡大推進 生産部 市場品質調査部 海外拠点 ねらい リマン事業の推進による資源の有効利用で社会へ貢献する。 取り組み1. ∼リマン梱包箱の部分補強対策による副資材低減 背 景 1箱 1㎏ コンテナセット 検査 廃却 調 査 ・現流動数:約2000個 ・13年度購入数:600個 (50個/月) ・購入価格:2,230円/個 ・交換基準1箇所でも凹みが あれば、廃却 (段積み時に荷崩れ防止) T/C梱包 厚さ:10mm 厚さ: 5mm 破損箇所: 凹み破損は全て 厚さ5mmの場所 流動 左図 梱包箱使用サイクル(平均7回) 対 策 底辺補強用(厚さ5㎜) 単価 300円 効 果 価格 梱包箱に補強材を入れリサイクル 使用回数 1回/コスト 発注頻度 現状品 2,230円 7 320円 50個/月 流動品補強 2,230円+300円 20 149円 17個/月 板厚UP新設品 2,530円 25 101円 14個/月 ●現流動品への追加手直し:7回→20回(補強財貼り付け) ●補強仕様新規発注:7回→25回 流動中品:補給材の追加 追加発注品:板厚UP品で対応 梱包箱全て 厚さ10㎜ 予測効果:恒久対策後 ▲833,760円/年 年間廃却量 432㎏低減 ※実施月:2014年1月∼ 25 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 取り組み2. ∼洗浄液購入単位見直しによる副資材低減 新工場移転に伴い消防法適合の為、洗浄液の変更を行った。 充填缶対応によるコストメリットを創出した案件 商品名 消防法 (引火点) 容量 第2石油類 (41℃) 第1石油類 切替要 (−4℃) 0.3ℓ缶 310円 0. 42ℓ缶 400円 概観 一括 購入品を 充填缶 充填機 により 1箱1.15kg 395円/ℓ 効果額:▲638円/ℓ 工場配置 952円/ℓ 回収充填 1,033円/ℓ 充填機 18ℓ缶 7,100円 メリット大 1箱0.15kg 単価 18ℓ缶より充填機を使用し、 充填缶(0.3ℓ)へ注入する。 (全社60箇所へ展開) PRO-USE スーパーチェック 年間効果予測 ■13年使用実績:1052.4ℓ ▲638円×1052.4ℓ=67万円/年 ■スーパーチェック缶 13年度1754缶購入(263㎏) 14年度一斗缶購入予測 125.6個(144.4㎏) ■年間低減廃却重量 263㎏−144.4㎏=118.6㎏/年 2階組み立てエリア 充填缶配置状況 ※実施月:2014年1月∼ 26 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3.4 3. 生産の取り組み 省 エ ネル ギ ー エネルギー利用の考え方 エネルギーのBESTミックス Environment 環境 BEST ミックス Business コスト STability 安定供給 ●エネルギー利用に対する考え方は、 『 環境』 『コスト』 『 安定供給』。 エネルギーのBESTミックスです。 さらに『必要な場所に、必要な時に、必要な分だけ』供給し利用す ることが重要と考えています。 ●地球温暖化防止は、省エネルギー活動の推進によるCO2排出抑制と捉え、 『全員で守ろう地球環境』 の社内スローガンのもと、エネルギー分科会を軸に全社一丸となって省エネ活動に取り組んでいます。 目標と実績 省エネルギーの目標については、加盟する工業団体の目標を受け、2008年度からはCO₂原単位目標 に加え、 CO₂総排出量削減への取り組みを始めています。 CO₂ 総排出量 指数 300% 250% 200% CO₂原単位およびCO₂総排出量推移 CO₂ 原単位 指数 100% 80% CO₂総排出量 CO₂原単位 60% 40% 100% 20% 50% 0% 93 ’ ’ 90 ’ 91 ’ 92 ’ 94 ’ 95 ’ 96 ’ 97 ’ 98 ’ 99 ’ 00 ’ 01 ’ 02 ’ 03 ’ 04 ’ 05 ’ 06 ’ 07 ’ 08 ’ 09 ’ 10 ’ 11 ’ 12 ’ 13 ’ 14 年 CO2原単位= 0% CO2総排出量 売上金額 2014年度は、①設備省エネ認定制度(レベル4アイテム実施)、②全社エアー漏れ撲滅活動、③原 動設備の小モジュール化を重点に取り組んできました。 27 良い 良い 150% AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 2013年度の活動 以下の項目を重点に取り組んできました。 設備省エネ認定制度 レベル4取り組み 設備省エネ認定制度(レベル4取り組み) ねらい:省エネアイテムの横展徹底と仕組み強化 ■ 省エネ基準を定めたチェックシートを使い、生産・原 動設備等のエネルギー使用機器毎で省エネ仕様の 盛り込み状況を5段階で評価し省エネレベルを見え る化し、省エネアイテムの横展の徹底と仕組みの強化 を図る制度です。 2011年度から既存設備に対しても、新設設備目標レ ベルであるレベル4 (※1) のアイテム (ポンプのイン バータ化・ブロワ化など) を実施しています。 (※1)レベル1:省エネに対する取り組みが行われているものの現段階では不十分 レベル2:改善事例等があり、投資回収1年未満で改善可能(既存設備目標) レベル3:投資回収は1年以上の場合もあるが、可能な限り実施すべき レベル4:新設時に実施することで原価低減が可能(新設設備目標) レベル5:現時点の最新技術でエネルギー使用量が最小限 認定シール 《レベル2》 (千t-CO₂/年)《効果 20 ■ 工場全体のエアー漏れ量(※2) は稼働時使用量の 約9% (3,135t-CO2) あり、この漏れ率を5%以下に する事を目標に2011年度から活動しています。 2013年度は漏れ箇所の修理だけでなく漏れ要因を 分析し 『漏れに強い機器の選定』 や 『エアー使用機器 の廃止』 の活動を開始しました。 今後も新設・既存設備へ展開を実施していきます。 (※2)通常非稼働時にはエアー元バルブ締を徹底して おりますので漏れはありません。 《レベル4》 (新設設備目標) △947t-CO₂ 5 0 削減見込み 業と共同開発し、2010年度に蒲郡工場へ14台導入 ∼2012年度 2013年度 2014年度∼ エアー漏れ撲滅活動の改善効果 《エアーホースの材質変更》 Before After フタル酸系 ポリエステル系 (劣化しにくい) 《エアー漏れ率の推移》 Before After エアー駆動式 &常時運転 電動駆動式 &タイマー制御 (CO2△99%) 2013年度 ・改善件数:4,089件 ・CO2削減量:979t-CO2 (%) 15 10 《エアーポンプの電動化》 8.9% 7.6% 5 0 活動前 5.7% 目標 2012年度 2013年度 2014年度∼ エアー漏れ率= 休日のエアー消費量 稼働時のエアー消費量 冷暖同時ヒートポンプシステムの概要 Before After 蒸気 ■ このシステムは中部電力、ゼネラルヒートポンプ工 して生産設備加温の蒸気レスを実現。 CO2排出量を従来比80%削減し、その効果が評価 され、平成23年度省エネ大賞『資源エネルギー庁 長官賞』を受賞しました。2011年度からは他工場へ 順次導入をしており、2013年度末時点で54台(国 内41台、海外13台)の導入が完了しています。今後 も順次各拠点に展開を実施していきます。 ・ブロワ化 ・ポンプインバータ化 ・クーラント加温 見直し ・照明更新 10 原動設備の小モジュール化 ねらい:必要な所へ必要な時に必要な量だけ供給 (CO₂排出量)》 ・間欠化 15 全社エアー漏れ撲滅活動 ねらい:ムダの徹底排除 (既存設備目標) 旋盤 電気チラー 洗浄機 切削液冷却⇒設備ごとに冷却装置を使用 設備ごとに冷却装置を使用 洗浄液加温⇒ボイラーからの蒸気を使用 ボイラーからの蒸気を使用 ヒートポンプ システム ヒートポンプ 切削にて発生した熱をヒートポンプ技術を 活用し洗浄液を加温 (指数) 《効果 (CO₂排出量)》 100 △80% 50 0 Before After 今後の進め方 2015年度環境取り組みプラン達成を目指して、設計・生産技術・製造部門が三位一体となり、 (1) SE活動(※3)によるCO2排出量の少ない製品づくり (2)エネルギー使用量の見える化によるCO2排出量の削減目標・工程設計目標値の明確化 (3)省エネ型革新工程の展開・追求による新設設備のCO2削減 (4)徹底したムダゼロ活動の展開・老朽化設備の高効率設備への置換えによる既存設備のCO2削減 (5)原動設備の小モジュール化の展開(ヒートポンプ、小型コンプレッサーなど) などを行い、全社一丸となった継続的な省エネ活動に取り組んでいきます。 2014年度も引き続き設備省エネ認定制度のレベル4アイテムの積極的な採用や全社エアー漏れ撲滅 活動を実施し省エネ活動を確実に定着させることで、年度省エネ目標を達成していきます。 また、原動設備の小モジュール化では、冷暖同時ヒートポンプのさらなる展開と小モジュール化構想の検 討を進めていきます。 (※3)SE活動とは…製品設計の段階から工程で造りやすい図面を完成させていく活動。 28 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3.5 3. 生産の取り組み 廃 棄 物 低 減 と ゼ ロ エ ミッション の 推 進 「廃棄物・リサイクル分科会」で廃棄物低減の目標設定、活動の方向付け等を行っています。第1ス テップの『社外委託処理廃棄物低減』、第2ステップの『埋立廃棄物ゼロ』、第3ステップの『焼却廃棄 物低減』 の3つのステップを2005年までに目標達成しました。第4ステップの 『廃棄物総排出量低減』 において、生産変動があるものの、5ヵ年の年間目標をそれぞれ 達成しています。2011年から第5ス テップの『原単位低減』 をスタートし、今年度も目標達成のために廃プラスチックリサイクル活動の促 進に努めていきます。 廃棄物低減活動の考え方 社内再利用 社内再利用(有償物) リサイクル(逆有償) 廃棄物 (第1ステップ) 社外委託処理(2000/1目標達成) 社内処理化(廃棄物減容) AW (第2ステップ) 埋立廃棄物(2002/5ゼロ達成) (第3ステップ) 焼却廃棄物(2005年度目標達成) (第4ステップ) 総排出量低減(2010年度活動終了) (第5ステップ) 原単位低減(2015年度末目標) 原単位(廃棄物)の低減にむけて 2011年度より廃棄物原単位低減(第5ステップ)の推進をしています。今後の低減目標 は生産台数の予測を考慮して策定していきます。 また、活動としては3Rの視点から水溶性 油脂使用量削減や廃プラスチックの発生量低減活動等を推進していきます。 産業廃棄物総量とA/T台当り産業廃棄物発生量推移 ton/年 kg/台 産業廃棄物総量 A/T台当り産業廃棄物発生量 12,000 3.00 10,000 8,000 2.50 2.36 1.94 1.73 1.73 2.00 1.68 1.88 6,000 1.44 1.37 1.21 1.45 1.23 1.22 1.50 4,000 1.00 2,000 0.50 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 29 2009 2010 2011 2012 2013 2014 0.00 年 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 3. 生産の取り組み 廃プラスチック分別活動事例(2013年度) 電子工場 岡崎工場 Before PP PS 廃棄物 PET PP、PS、PET混在 ライン内 回収箱 装置 一時置場 最終保管場所 問題点 対策案 ライン内回収箱 違う材質の廃プラスチック・廃棄物が混在 (PP、PS、PET、紙等) ・材質毎に回収箱を増設→スペース不足 ・分別に工数がかかり生産に影響 一時置場 違う材質の廃プラスチック・廃棄物が混在 (PP、PS、PET、紙等) ・材質毎に回収箱を増設→スペース確保可 ・作業者限定により生産影響を最小化 最終保管場所 違う材質の廃プラスチック・廃棄物が混在 (PP、PS、PET、紙等) 廃プラスチックの量が多くなるため、 分別に工数がかかり、効率が悪い 廃棄物(処分費支払) 破砕・混合・圧縮固化 助燃材として燃焼 分別活動実施、廃棄物を有価の資源へ After 装置 最終保管場所 改善箇所 PET PP PS 一時置場 ライン内回収箱 PP、PS、PET 材質毎回収 部品トレー(73.4t回収) 梱包材(9.2t回収) PET 16種類 PP バンド PP 11種類 PE フィルム PS 13種類 有価物(売却費得る) 資源 循環型社会構築に貢献!! 圧縮・破砕 粉砕・分別・洗浄・乾燥 原料 廃棄物発生量削減 ▲82.6t/年(目標値▲80t/年達成) 30 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 4. 環 境 保 全 活 動 4.1 仕 入 先・グル ープ 企 業 との 連 携 環 境 マネジメントシステム (EMS)をベースに『法順守』、 『未然防止』 『 、パフォーマンスの 向上』 の3つの柱で環境保全活動 を推進しています。この考えを もとにAW 国内・海外グル ープ をはじめ 、仕 入 先 へ 展 開し 、 グローバルに取り組んでいます。 アイシングループ 11社 AWの環境保全の考え EMSをベースに・・・ 法順守 トップ 企業 (社会・地域からの異常・苦情ゼロ) パフォーマンス の向上 未然防止 (会社リスクの回避) EMS 法順守 未然防止 リスク 回避 異常・苦情 ゼロ 仕入先 500社 パフォーマンスの向上 (CO₂・廃棄物低減など環境の トップ企業) オールトヨタ 22社 AW国内グループ 10社 生 産 AW海外グループ 13社 生 産 ●AW North Carolina, Inc. ●AW Europe S.A. ●天津艾达自动变速器有限公司 ●AW(苏州)汽车零部件有限公司 ●爱达(天津)汽车零部件有限公司 非生産 ●AW Transmission Engineering U.S.A., Inc. ●AW Technical Center U.S.A., Inc. ●AW Technical Center Europe S.A. ●AW Korea Co., Ltd. ●爱导(上海) 汽车零部件贸易有限公司 ●AW(杭州) 信息技术有限公司 ●爱达(中国) 投资有限公司 ●AW(苏州) 汽车技术中心有限公司 非生産 ●アイシン機工㈱ ●アイシン・エィ・ダブリュ工業㈱ ●㈱シーヴイテック ●㈱エィ・ダブリュ・サービス ●㈱エィ・ダブリュ・エンジニアリング ●㈱エクォス・リサーチ ●㈱エィ・ダブリュ・メンテナンス ●㈱イムラ・ジャパン ●㈱エィ・ダブリュ・ソフトウェア ●オーキス・ジャパン㈱ 私たちは、 トヨタ・アイシングループ・仕入先・AWグループ (国内、海外) と連携を深め、 連結した環境保全活動を積極的に取り組んでいきます。 アイシングループとの連携 「生物多様性」への貢献の為、アイシングループ各社と協同で実施する各種シンポジウム、展示会、 野外活動へ参画しております。 ○アイシングループ連結環境シンポジウム 環境月間の期間に「アイシングループ環境シンポジウム」へ 参画し、環境保全意識の高揚に努めております。 ○アイシングループ湿地保護活動 ラムサ ール 条 約にて 、指 定保 護 対 象となった愛 知県 豊 田 市の 矢 並 湿 地と福 井 県 敦 賀 市の中 池 見 湿 地 の 保 護 にアイシングル ープとして参画。 中 池 見 湿 地 では 、管 理しているN P O 法 人の 水 路 の 草 の引き上げ 活動に参画しました。 自然共生社会の構築の大切さを学びました 中池見湿地の手入れをしました 31 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 AW国内グループとの連携 AW国内グループ各社と「連結安全環境連絡会」を年2回開催し、情報の共有化と重点取り組みに 関する意見交換、加えて専門家をお招きし各種セミナーを実施しております。 ●2013年度重点取り組み事項 〈安全・防災〉 ・STOP6+2+1活動の事例集展開 ・社内設備設計部門法定届出教育の実施 〈健康〉 ・鳥インフルエンザの対応と今後の進め方 ・禁煙支援活動の展開 〈環境〉 ・第5次環境取り組みプラン進捗情報 ・PCB含有機器廃棄物処理に関連情報 〈その他〉 ・安全・環境に関わる法規制情報の共有 連結安全環境連絡会の状況 AW海外グループとの連携 生産会社はISO14001認証取得、非生産会社ではISO14001レ ベルを管理面での目指す姿 としています。また、法規制への対応と環境パフォーマンス向上を図るために、CO 2 排出量、廃棄物 量などのデータ集約を行い、グローバル目標策定に向けた検討を開始しています。 ●中国拠点 ●2013年度重点取り組み事項 ・ 生産1拠点、非生産1拠点の立上げに伴い、安全環境許認 可申請や工事安全管理体制などの安全環境の基盤づくり を現地と一体となり実施。 ●北米拠点、欧州拠点 ●2013年度重点取り組み事項 ・安全・防災・衛生・環境に関する情報共有 工事安全管理を現地とともに行いました 北米拠点の安全環境担当者の教育を実施しました 2014年度は、 上記の活動を継続しつつ、 海外グループ会社との相互研鑽を行い、 レベルアップを図っていきます。 32 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 仕入先との連携 仕入先を含めた環境管理活動を実施するため、2010年3月31日『アイシングループグリーン調達 ガイドライン』を発行しました。 このガイドラインに沿って、2010年以降も引き続き、ISO認証及び認証計画のない仕入先については、 環境パフォーマンス点検として環境保全のレベルアップを目指した点検を行っていきます。 ●グリーン調達ガイドライン ●グリーン調達ガイドラインの4本柱 ①環境マネジメントシステムの構築と整備 ・ISO14001レベルを基本とした 環境マネジメントシステムの構築 ②環境負荷物質の管理 ・製品(A/T・ナビ)に使用する部品・原材料の管理 ・副資材(油脂、薬剤など)の管理 ③事業活動にかかわる環境取り組み ・環境関連法令の順守 ・環境パフォーマンスの向上 ④仕入先への環境パフォーマンス点検の実施 ●環境パフォーマンス点検の実施 ①各社の環境リスク管理、環境 パフォーマンス点検を重点に 点検実施 ②現地点検によるEMS構築状況と 公害未然防止活動の指導 33 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4.2 4.2 4. 環境保全活動 化学物質管理 化学物質は私たちの企業活動に多くの利便性をもたらすとともに、 環境負荷の一要素となります。 私たちは化学物質の恩恵を活用するとともに、 環境負荷を最小限にする様努めております。 油脂・薬剤の例:事前評価制度と管理システム 新規油脂・薬剤の使用を計画する部署は『MSDS』を基に関連する法令のチェック、排水処理性 テストなど行ったうえで使用前に申請します。次に、環境管理部署が人体、環境への影響を含めた 総合的な評価を行います。 こうして、許可された油脂・薬剤のみを社内で使用します。 油脂・薬剤許可登録品台帳 新規油脂・薬剤事前評価 ・MSDS ・法律規制 ・使用禁止物質 ・環境影響 ・排水処理テスト 許可品のみ ・許可品リスト 新規油脂・薬剤の 導入検討 2001∼2014年度 化学物質低減活動 化学物質低減の年度目標を定め、PRT R 対象物質排出量を低減してきました。生産台数が増え、 化学物質の種類と使用量が増加する厳しい状況ではありますが、さらなる低減に努めてまいります。 PRTR対象物質排出量 (ton/年) 50 45.2 45 47.0 39.5 40 35 30.3 30 25 20 16.8 15.9 16.3 15 10 5 0 8.9 6.3 2.1 1.9 1.1 1.3 1.4 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (年度) 34 環境にやさしい製品を つくるた め に環 境 負 荷 物 質を使うことが 避 け られない事情が発生し ました。 今 後は 、排 出 量 低 減 の ために代替材料と除去 技術の研究開発を行い、 環境負荷物質低減に 努めていきます。 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 PRTR届出対象物質集計結果 −2014年度− 2014年度のPRTR制度届出対象物質(取扱量1ton以上)の集計結果はAW全体では下図のよう になりました。 移動量 60.4t 大気 39.5t 消費量 384.6t 492.0t PRTR対象 物質取扱量 工場別・物質別 排出量 除去 処理量 7.5t 水域 0t 本社工場 単位:ton 物質名称 年間 取扱量 トルエン キシレン 排出量 移動量 除去 処理量 ー ー ー 193.9 ー ー ー 61.898 14.199 大気 水質 194.3 0.4 61.9 0.002 消費量 エチルベンゼン 14.2 0.001 ー ー ー 2-アミノエタノール 1.7 ー ー ー 1.7 0 ベンゼン 5.3 0.003 ー ー ー 5.297 スチレン 25.1 12.1 ー 13 ー 0 1,2,4-トリメチルベンゼン 13.3 0.0001 ー ー ー 13.2999 メチルナフタレン 0.9 0.0001 ー ー ー 0.8999 N,N-ジシクロヘキシルアミン 9.5 ー ー 8.1 1.4 0 物質名称 年間 取扱量 大気 水質 移動量 除去 処理量 消費量 トルエン 29.4 0.039 ー ー ー 29.361 キシレン 9.2 0.0002 ー ー ー 9.1998 エチルベンゼン 2.1 0 ー ー ー 2.1 2-アミノエタノール 0.9 ー ー ー 0.9 0 ベンゼン 0.8 0.0004 ー ー ー 0.7996 メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル 0.6 ー ー ー 0.6 0 1,2,4-トリメチルベンゼン 1.9 0.0001 ー ー ー 1.8999 N,N-ジシクロヘキシルアミン 5.8 ー ー 5.3 0.5 0 物質名称 年間 取扱量 大気 水質 移動量 除去 処理量 消費量 トルエン 10.2 0.186 ー ー ー 10.014 キシレン 3.1 0.0001 ー ー ー 3.0999 エチルベンゼン 0.7 0 ー ー ー 0.7 ベンゼン 0.3 0.0001 ー ー ー 0.2999 1,2,4-トリメチルベンゼン 0.6 0.0001 ー ー ー 0.5999 メチルナフタレン 28.8 0.0006 ー ー ー 28.7994 N,N-ジシクロヘキシルアミン 12.2 ー ー 10.8 1.4 0 物質名称 年間 取扱量 大気 水質 移動量 除去 処理量 消費量 岡崎工場 排出量 田原工場 排出量 岡崎東工場 排出量 スチレン 43.2 26.8 ー 16.4 ー 0 N,N-ジシクロヘキシルアミン 3.0 ー ー 2.6 0.4 0 物質名称 年間 取扱量 大気 水質 移動量 除去 処理量 消費量 メチルナフタレン 8.2 0.0002 ー ー ー 8.1998 N,N-ジシクロヘキシルアミン 4.8 ー ー 4.2 0.6 0 蒲郡工場 排出量 35 工機部、 試作部、 オーキスジャパンはPRTR 制度 対 象物質取扱 量が年間1ton未満の 為、 上記に表示しておりません。 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4.3 4. 環境保全活動 土 壌・地 下 水 問 題 へ の 対 応 当社では、土壌・地下水汚染となる有機塩素系溶剤のうち、 トリクロロエチレン、1.1.1-トリク ロロエタンを1993年末全廃するまで使用していた経緯があることから、使用履歴のある事業所 について、土壌調査、地下水調査を行いました。その結果、汚染の確認された本社事業所につきま しては、最も効果的な方法を検討し、浄化計画に基づき対策を進めてまいりました。 現在までの調査結果と対応 事業所 使用履歴 本社工場 有り 田原工場 ※2 蒲郡工場 ※3 有り 現在の状況 浄化中 ※1 地域への影響 無し C-1.2-ジクロロエチレン 土壌・地域への影響無し 本社工場 基準値 0.01∼0.02 0.03 ND∼0.02 0.04 ND:定量下限値以下 上記以外の有機塩素系溶剤は検出されませんでした。 岡崎工場 岡崎東工場 検出物質 トリクロロエチレン 有機塩素系溶剤の使用履歴はありません オーキス・ジャパン株式会社 ※1 浄 化 中:環境基準を超える汚染が発見され、地下水の浄化を行っています。 ※2 田原工場:田原工場については、1.1.1-トリクロロエタンを1993年7月全廃するまで1年間、測定で使用していましたが、工場2階での使用、 保管のため、土壌、地域への影響はありません。 ※3 蒲郡工場:蒲 郡 工 場 につ いては 、2 0 0 3 年 1 2 月 の 工 場 取 得 時 に「 土 壌 汚 染 防 止 法 」に基 づく調 査を実 施しましたが、土 壌 汚 染 防 止 法 に 定められた有害物質は検出されませんでした。 トリクロロエチレン、ジクロロメタンを1973年から1992年までの間に総量で 50リットルを型清掃の一部に使用していました。 本 社 工 場 の み 敷 地 境 界 内 で有 機 塩 素 系 溶 剤 が 環 境 基 準を 上 回っているの が 検 出され た 為 、 詳細な調査、浄化計画に基づく対策を行うとともに自治体へも報告いたしました。行政調査の結果 からも周 辺地域への影響はありませんでした。 土壌中に浸透した有機塩素系溶剤のガス回収は真空ガス抽出法にて実施し完了いたしました。 地 下 水 につ いては 、地 下 水 下 流 方 向 の 敷 地 境 界 に揚 水 井 戸を設 置し、敷 地 外 へ の 流 出 防 止を 最優先に考え、地下水を揚水、ばっ気処理にて浄化を行うとともに継続的な測定監視をしています。 現在までの調査結果と対応 本 社 工 場 は 1 9 9 9 年 1 月 に 行 政 に 報 告 後 、定 期 的 な報 告 を 行 い 対 策 を 進 め て います。また、 2001年5月より地域行政の方との懇談会を開催しています。毎年定期的に開催している懇談会で 土壌・地下水対策の継続的な改善の取り組みについて説明をしています。 36 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 地下浸透防止対策 油脂類の地下浸透による土壌汚染防止を目的に、地下ピットの溜桝、中継槽等を対象にライニング 処理を進めてきました。2008年5月に既存設備の全88箇所に対し、対策を完了しました。 また新規 設備においても設計段階からこの仕様を織込むことを前提に設備導入を実施しています。 さらに2011年度からは、3ヵ年の計画で埋設配管の見える化を実施しています。 〈断面図〉 <油系排水中継槽の対策例> ライニング処理 コンクリート 埋設配管の見える化 対策例 Before After 〈断面図〉 〈断面図〉 コンクリート 鉄蓋 配管 配管 土壌 土壌内に配管が埋まっており、 土壌汚染リスクが高い状態 コンクリート 〈施工写真〉 土壌 コンクリートピット内に配管を設置する事で、見える化を行い、 土壌汚染リスクを低くした 37 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4.4 4. 環境保全活動 大 気 大 気 へ の 環 境 負 荷を 軽 減 するた め に 最 新 技 術を 取り入 れ た 設 備 対 策 、有 害 物 質 の 排 除 、 及びクリーンエネルギーの導入等の活 動を推 進しています。 有害物質排出量の削減 焼 却 炉 から有 害 物 質を発 生させ ない為 、燃 焼 管 理 の 徹 底・排 ガス 除 去 装 置 の 設 置 により塩 化 水素ガス・ダイオキシン類等の有害ガスの発生抑制・除去を実施しています。また、継続的に測定 監 視を実 施し排出基準の遵守に努めています。 有害物質発生抑制・除去フロー ∼本社工場の焼却炉∼ 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 “産業廃棄物焼却炉”のダイオキシン排出抑制の為の 構造基準強化の『排ガス処理設備基準』に非適合 2002年11月30日 焼却炉運転完全停止 〔本社焼却炉〕 ∼岡崎工場の焼却炉∼ 2015年3月1日 焼却炉運転完全停止 設備老朽化の為 〔岡崎工場焼却炉〕 オゾン層破壊物質の廃止 特定フロン・1.1.1-トリクロロエタンの全廃・代替化を1993年末に達成しました。 t/年 100 50 特定フロン・1.1.1−トリクロロエタン使用量推移 56 42 0 15 0 1991 1992 1993 1994 年 クリーンエネルギーの採用 社内のほぼ全ての燃焼設備の燃料にLNGを採用する事により、 SOxを排出しないようにしています。 (非常用発電機を除く) 38 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4.5 4. 環境保全活動 水質保全活動 社内で発生する含油排水・生産工程排水・生活廃水は総合排水処理施設で一括処理し、また 工場内に降った雨水も油分離槽を設置し、水質汚染の防止に努めています。 また、処理水の一部 を工業用水として循環リサイクルし水省資源化にも努めています。 処理水リサイクルフローと異常排水原水リターンシステム ① 処 理 水は工業用水・緑化散布水などでリサイクルします。 ② 異 常 排 水は自動制御で即、放流停止後、原水槽へリターンします。 再利用(工業用水) 【連続自動計測器】 M/Cクーラント希釈水 PH COD 窒素 再利用(生活系処理水) りん 緑化散水 異常排水 鯉池 WC水 処理場 M/C 排水 WC 生活系 工業系 河川放流 雨水処理体制 私たちは工場内の全ての雨水を油分離層および、社内調整池に回収し、油類が河川に流出しない 体制を図っています。 ●油水分離槽 センサー 処理場 設備 P センサーにより油を感 知し回収し流さないよ うにしています。 ●放流水回収装置 万が 一 基 準 値 を 超 える恐れのある処理 水が流出してきた場 合は、回収ポンプに て全量回収し流さな いようにしています。 調整池 ●調整池手前に油水分離槽設置 万が一油が流出 してきた場合は、 浮上油回収ポン プにて回収し流 さないようにし ています。 39 WC 敷地内に降った 雨を、直接河川に流す ことはしません。 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 岡崎東工場のビオトープ 岡崎東工場のビオトープは、排水処理場からの放流水が流れる小川を中心に、地域の動植物が 暮らす場です。下流の河川に住むメダカやカワムツをこの小川に放流し、生態系に影響のない事を 確認しています。 ●岡崎東工場 ●排水処理場 ●ビオトープでは、メダカやカワムツが元気に泳いでいます。 水はここから河川へ流れて行 きます メダカ カワムツ 排水処理場からの放流水 周辺地域団体との連携 「水 環 境保全」への貢献 の為、定期的に周辺水域の 漁 業 協 同 組合 殿をお 招き して、会社の水環境保全の 取り組みを紹介すると共に、 ご要 望をお 伺 いする場 を 開催しております。 「油ヶ渕漁業協同組合」殿との懇談会 40 「矢作川をきれいにする会」殿との懇談会 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4.6 4. 環境保全活動 騒 音 私たちは、未然防止を重点に騒音対策に取り組んでいます。発生源対策を第一に、計画段階 で低騒音仕様を施設・設備・機械などに盛り込んでいます。また、必要に応じて設備・機械に防音 ボックスを設 置 するなど、作 業 環 境を含 め 低 騒 音 に努 め ています。各 工 場では 、定 期 的 に騒 音 測定を敷地境界で行い、基準値以下であることを確認しています。 騒音に対する対策 敷地境界へ影響を与える設備に対しては、計画段階の評価だけでなく、更新などの変化点に対し ても確実に再評価できる仕組みで防音対策に取り組んでいます。 クーリングタワー 更新時の防音対策 ダイナモ室用排気 の防音対策 ファンの防音のため、 カバーの取付 煙突の出口に吸音 パネルを設置 騒音測定結果 本社工場 場 所 基 準 岡崎東工場 測定値 判 定 場 所 48 ○ 47 No.3 No.4 ※ No.1 No.2 60 75 No.5 No.6 60 No.7 測定値 判 定 No.1 47 ○ ○ No.2 43 ○ 50 ○ No.3 47 ○ 54 ○ No.4 47 ○ 50 ○ No.5 47 ○ 46 ○ 48 ○ 測定値 判 定 場 所 岡崎工場 基 準 No.1 No.2 No.3 60 No.4 基 準 No.1 52 ○ 判 定 No.2 59 ○ 42 ○ No.3 60 ○ 47 ○ No.4 49 ○ 51 ○ No.5 63 ○ 46 ○ No.6 59 ○ No.7 59 ○ No.8 52 ○ No.9 50 ○ 53 ○ 48 ○ 測定値 判 定 No.1 55 ○ No.10 No.2 56 ○ No.11 52 ○ No.4 57 ○ No.5 53 ○ No.3 75 基 準 測定値 蒲郡工場 場 所 60 田原工場 ※国号23号沿い('11年度から公害防止協定の対象外) 場 所 基 準 70 ※昼間の基準を示す。 単位:dB(A) 工場が所在する市の協定等に応じて基準値は異なる。 ※昼間(8:00∼19:00)の測定データ記載 ※岡崎は昼間(8:30∼17:00) ※田原は昼間(6:00∼22:00) 41 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4.7 4. 環境保全活動 緑 化 緑と花に包まれた工場づくり ●地域住民との 融 和と信 頼を 確 保する ●働く人々に安 全 、快 適 で 健 康な 職 場を つくる ●全員参加でコミュニ ケーションを 向 上する ●企業のイメージアップを 図る 私たちは、上記4項目を基本的な考え方とし全員参加の花いっぱい運動、敷地内の自然林の保護、 工場緑化5ヶ年計画策定などを進め、緑と花に包まれた地域開放型工場を目指しています。 それらの活動が認められ、以下のような賞を受賞しました。 工場緑化通商産業大臣賞受賞 全国花のまちづくりコンクール 農産園芸局長賞受賞 表彰歴 昭和60年 4月 第8回愛知県工場緑化コンクール特選受賞 昭和60年 6月 緑化優良工場 日本緑化センター会長賞受賞 平 成 元 年 6月 名古屋通商産業局長賞受賞 平成 9年10月 環境美化推進活動に対し、安城市長より感謝状授与 平成10年10月 工場緑化通商産業大臣賞受賞 平成12年11月 全国花のまちづくりコンクール農産園芸局長賞受賞 ●全員参加の花いっぱい運動 全拠点合計:52花壇 【本社】 【蒲郡工場】 42 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 【田原工場】 【岡崎工場】 【岡崎東工場】 緑とのふれあい(緑あふれる休憩場所の設置) 従 業 員 の 満 足 度 向 上 の 1 つとして休 憩 所を増 設しました。樹 木 や 芝 生を植えたり、健 康 器 具を 設 置 する等して良い環境で休憩できるよう、公園・庭園風になっています。 43 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 4. 環境保全活動 屋上緑化 「も の づくりセ ンタ ー 」の 屋 上 緑 化( 約 2,000㎡)が2005年に愛知県で初の屋上 緑 地 帯 に認 定されました。屋 上 緑 化は 空 調 エネルギーの低減にも寄与しています。 季節の花々 春 には 桜 やツツジ、冬 には パン ジ ー など植 物 により従 業 員または 来 客 者 の 方 々が 季 節 の 移り 変 わりを感じることができます。 【本社の桜】 【岡崎工場従業員駐車場のツツジ】 【岡崎東工場の蓮の花】 ※ビオトープで咲きました 【蒲郡工場のツツジ】 「いこいの水辺」 (公園的なビオトープの整備) 社員のコミュニケーション向上の場として、本社工場の雨水調整池の周辺に散策路や芝生広場を設置 しました。公園的なビオトープとして、季節を感じることができる草花や実のなる樹木を植え込みました。 【南側の3階から】 【芝生広場から西方向を望む】 中央に芝生の休憩広場、池の周囲に散策路(1周約 池全体を見ることが出来、23号線が見えています。 250m)が整備されています。 左側の建物は信技棟です。 芝生広場では、30人程度が休憩できるベンチを設置 しています。 44 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 5. 社会貢献活動 5. 社 会 貢 献 活 動 良き企業市民として地 域 社 会との 共 生を図り、愛され 、信 頼される企 業を目 指しています。 活動姿勢 1.地域の課題に目を向け、地域貢献施策づくりに取り組みます 2.地域の実情に合致した活動を、地域社会と協力し推進します 3.社員ひとりひとりの自主性を醸成し、社員の持つスキルやノウハウを活かした活動に努めます 活動の重点 ● 地域発展 地域社会との共生 より豊かな生活の実現に向け、地域とともに積極的な 活動を進めます 地域発展 ● 青少年育成 次世代を担う若者の育成に貢献します 青少年 育成 ● 自然環境保護 地域とともに積極的な自然・環境保護活動を進めます 自然環境 保護 ■地域発 展 ●地域イベントへの参画 ・安城七夕まつり ・矢作川くだり 地域のお祭りを盛り上げるため、 多数社員がボランティア活動をしています。 技能研修生がイベントのサポートをしています。 ●社会福祉施設との コミュニケーション ●地域への施設開放 施設又はイベント 頻 度 ファミリーフェスティバル 1回/年 体育館 随時 グラウンド 随時 ハーモニーホール 1回/年 OKAZAKIフェスティバル 1回/年 岡崎東工場秋まつり 1回/年 TAHARAフェスティバル 1回/年 安城 (本社) 社会福祉施設を訪問し、 レクリエーション等 を通して交流しています。 岡崎 田原 ファミリーフェスティバル ハーモニーホールでの チャリティコンサート 地域の方々とともに福利厚生施設等を活用しております。 45 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 5. 社会貢献活動 ■青少年 育 成 ものづくり講座 クルマづくり究めるプロジェクト支援 地域団体と協同でものづくり講座を開催し、 小学生にものづくりの楽しさを教えています。 クルマづくり究めるプロジェクト (※)に指導員 を派遣し、小中高生の創造性を育成しています。 ※公益財団法人あすてが主催する青少年育成活動 環境学習プログラム バスケットボール教室 地域の小学校を訪問し、年間を通した自然体 感プログラム (座学、体験)で環境の大切さを 教えています。 ウィングス、 アレイオンズ(※)の選手・OBを派 遣し、 地域の小中高生の技術指導をしています。 ※当社の女子、男子バスケットボールチーム ■自然環 境 保 護 長野県根羽村の里親事業参画 田原菜の花プロジェクト 矢作川水源の保全を目的に森林の里親契約を 結び、自然体験イベント等で交流しています。 地域団体と協同で菜の花を栽培し、地域の景 観形成をしています。 【「愛・道路パートナーシップ事業」 「田原市アダプトプログラム」認定】 地域協同ゴミゼロ運動 ■その他の活 動 ・交通安全立哨 ・西三河在宅介護センター支援 ・油ヶ淵浄化デーへの協力 ・三河湾海岸清掃 など さまざまな活動を通して、地域の皆さんから感謝の 言葉を多数頂いています。 私たちは、今まで以上に地域社会に感謝し、地域の 地域の環境美化を目的に、地域住民の方々と 交流しながら定期的に清掃しています。 声を聞きながら、積極的に活動を進めていきます。 46 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 会境 環 社デ 概 ータ 要 環 境データ 201 4 年4月 ̶ 201 5 年 3 月 実 績 本 社 工場 水 質 項目 規制値 (協定値含) 水素イオン濃度(pH) 【所 在 地】 愛知県安城市藤井町高根10番地 【主要製品】 オートマチックトランスミッション 【従業員数】 8,079名 6.0∼8.0 測定実測値 最大 平均 7.4∼7.6 7.1∼7.4 生物化学的酸素要求量(BOD) 10 1.5 0.7 化学的酸素要求量(COD) 10 4.6 3.2 浮遊物質量(SS) 10 2.00 ND 油分含有量 2 0.4 ND フェノール類 0.5 ND ND 銅 0.5 ND ND 亜鉛 1 0.06 0.04 溶解性鉄 3 ND ND 溶解性マンガン 3 ND ND 全クロム 0.1 ND ND フッ素 5 ND ND 200 ND ND 全窒素 10 7.40 2.00 全リン 1 0.20 0.10 大腸菌群数 ※水素イオン濃度(pH)は単位なし 大腸菌群数は個/㎤、その他の項目で単位なしのものはmg/l ※NDは定量下限値以下(検出されない) ※( )内は日平均値 大 気 施設名 項目 小型貫流ボイラー ボイラー (冷温水発生器) 加熱炉 アルミ溶解炉 規制値 (協定値含) 測定実測値 最大 平均 SOx 1.95 ND ND NOx 120 51 35 SOx 3.07 ND ND ばいじん 0.10 ND ND ばいじん 0.20 0.007 ND NOx 144 48 32 SOx 3.84 ND ND ばいじん 0.20 0.023 0.009 5 1.3 0.67 ダイオキシン類 ※単位:SOxは㎥N/H、NOxはppm、ばいじんはg/㎥N、ダイオキシン類はng-TEQ/㎥N ※NDは定量下限値以下(検出されない) 47 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 会境 環 社デ 概 ータ 要 岡 本崎 社工場 工場 水 質 項目 規制値 (協定値含) 最大 平均 5.8 ∼ 8.6 7.5∼7.8 7.5∼7.7 生物化学的酸素要求量(BOD) 10 1.6 0.3 化学的酸素要求量(COD) 10 6.4 3.7 浮遊物質量(SS) 10 ND ND 油分含有量 2 0.4 ND フェノール類 0.5 ND ND 銅 0.5 ND ND 亜鉛 1.0 0.13 0.05 溶解性鉄 3 0.10 ND 溶解性マンガン 3 ND ND クロム 0.1 ND ND フッ素 1 ND ND 300 ND ND 全窒素 15 2.60 0.90 全リン 2 0.50 0.30 透視度 20 度以上 100 100 0.5 0.04 0.02 7 以上 7.30 7.10 水素イオン濃度(pH) 【所 在 地】 愛知県岡崎市岡町原山6番地18 【主要製品】 オートマチックトランスミッション ボイスナビゲーションシステム A/T用ECU(コントローラー) 【従業員数】 2,986名 測定実測値 大腸菌群数 陰イオン界面活性剤(MBAS) 溶存酸素量(DO) ※水素イオン濃度(pH)は単位なし 大腸菌群数は個/㎤、その他の項目で単位なしのものはmg/l ※NDは定量下限値以下(検出されない) 大 気 施設名 項目 小型貫流ボイラー 加熱炉 焼却炉 規制値 (協定値含) 測定実測値 最大 平均 NOx 110 26 21.6 SOx 3.16 0 0 ばいじん 0.1 0.021 0.001 ばいじん 0.1 0 0 NOx 200 110 110 SOx 2.38 0.2 0.2 ばいじん 0.1 0 0 塩化水素 700 26 26 10 0.0004 0.0004 ダイオキシン類 ※単位:SOxは㎥N/H、NOxはppm、ばいじんはg/㎥N、塩化水素はmg/㎥N、ダイオキシン 類はng-TEQ/㎥N ※NDは定量下限値以下(検出されない) 48 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 会境 環 社デ 概 ータ 要 田工原機工場 部 水 質 項目 規制値 (協定値含) 最大 平均 6.0 ∼ 8.5 7.2∼7.8 7.1∼7.5 − 2.8 0.50 化学的酸素要求量(COD) 20(15) 6.5 3.40 浮遊物質量(SS) 20(15) 1.00 ND 油分含有量 1 ND ND フェノール類 0.5 ND ND 銅 0.5 ND ND 亜鉛 1 0.23 0.15 溶解性鉄 5 0.10 ND 溶解性マンガン 5 0.30 0.05 クロム 2 ND ND フッ素 15 ND ND (1500) ND ND 全窒素 15 3.60 1.30 全リン 2 0.35 0.20 水素イオン濃度(pH) 生物化学的酸素要求量(BOD) 【所 在 地】 愛知県田原市緑が浜2号2番地 【主要製品】 オートマチックトランスミッション 【従業員数】 3,777名 測定実測値 大腸菌群数 ※水素イオン濃度(pH)は単位なし 大腸菌群数は個/㎤、その他の項目で単位なしのものはmg/l ※NDは定量下限値以下(検出されない) ※( )内は日平均値 大 気 施設名 項目 蒸気ボイラー ボイラー (冷温水発生器) アルミ溶解炉 規制値 (協定値含) 測定実測値 最大 平均 NOx 160 80 62 SOx 0.34 0.054 0.045 ばいじん 0.2 0.002 0.001 NOx 160 82 74.0 SOx 0.89 0.112 0.102 ばいじん 0.2 0.001 ND NOx 160 69 40 SOx 0.42 ND ND 0.2 0.039 0.013 5 0.86 0.43 ばいじん ダイオキシン類 ※単位:SOxは㎥N/H、NOxはppm、ばいじんはg/㎥N、ダイオキシン類はng−TEQ/㎥N ※SOxの総量規制は当社は「ボイラー(冷温水発生器)」のみが規制対象で、規制値2.50㎥N/Hに 対して最大値0.228㎥N/H、平均値0.213㎥N/Hでした 49 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 会境 環 社デ 概 ータ 要 蒲 本郡 社工場 工場 水 質 項目 規制値 (協定値含) 水素イオン濃度(pH) 化学的酸素要求量(COD) 生物化学的酸素要求量(BOD) 【所 在 地】 愛知県蒲郡市浜町24番3 【主要製品】 オートマチックトランスミッションの部品 浮遊物質量(SS) 大腸菌群数 測定実測値 最大 平均 5.0∼9.0 6.9∼7.5 6.8∼7.1 10 3.9 2.2 − 3.2 1.0 20 ND ND 3000 ND ND ※水素イオン濃度(pH)は単位なし 大腸菌群数は個/㎤、その他の項目で単位なしのものはmg/l ※NDは定量下限値以下(検出されない) 【従業員数】 大 気 529名 施設名 項目 小型貫流ボイラー ボイラー (冷温水発生器) 規制値 (協定値含) 最大 平均 SOx 2.22 0.02 0.02 NOx 144 100 67 SOx 1.07 0.05 0.05 ばいじん 0.30 0.005 ND ※単位:SOxは㎥N/H、NOxはppm、ばいじんはg/㎥N ※NDは定量下限値以下(検出されない) 50 測定実測値 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 会境 環 社デ 概 ータ 要 岡工崎機東工場 部 水 質 項目 規制値 (協定値含) 最大 平均 5.8∼8.6 7.4∼7.7 7.3∼7.6 生物化学的酸素要求量(BOD) 10 1.9 0.5 化学的酸素要求量(COD) 10 7.1 3.8 浮遊物質量(SS) 10 4.00 0.40 油分含有量 2 ND ND フェノール類 0.5 ND ND 銅 0.5 ND ND 亜鉛 1 0.06 0.05 溶解性鉄 3 ND ND 溶解性マンガン 3 ND ND クロム 0.1 ND ND フッ素 1 ND ND 300 ND ND 全窒素 15 5.3 1.7 全リン 2 0.220 0.020 透視度 20度以上 100 100 0.45 0.1 0.06 水素イオン濃度(pH) 【所 在 地】 愛知県岡崎市大幡町字大入1番1 【主要製品】 オートマチックトランスミッション EV・ハイブリッド車用駆動システム 【従業員数】 1,233名 測定実測値 大腸菌群数 陰イオン界面活性剤(MBAS) ※水素イオン濃度(pH)は単位なし 大腸菌群数は個/㎤、その他の項目で単位なしのものはmg/l ※NDは定量下限値以下(検出されない) 大 気 施設名 項目 小型貫流ボイラー 加熱炉 規制値 (協定値含) 最大 平均 3.16 ND ND ばいじん 0.1 ND ND ばいじん 0.1 ND ND SOx ※単位:SOxは㎥N/H、NOxはppm、ばいじんはg/㎥N ※NDは定量下限値以下(検出されない) 51 測定実測値 AISIN AW ENVIRONMENTAL REPORT 2015 会社概要 会社概要 設立 1969年5月15日 資本金 264億8, 000万円 代表者 取締役社長 川本 睦 売上高 連結 1兆1,272億円(2015年3月期) 単独 9,932億円(2015年3月期) 主要製品 オートマチックトランスミッション ハイブリッドトランスミッション カーナビゲーションシステム 従業員数 連結25,711名(2015年3月31日現在) 単独 15,172名(2015年3月31日現在) 本社所在地 〒444−1192 愛知県安城市藤井町高根10番地 0566−73−1111 (代表) アイシン・エィ・ダブリュ環境シンボルマーク 当社オリジナルのシンボルマークは、従業員の発案です。 地球を囲むように両手で形取ったハートは、地球を大切にしたいという私たちの心を表しています。 本報告書は、2014年度(2014年4月∼2015年3月)における環境保全の取り組み実績を中心にまとめてあります。 お問い合わせ先:安全環境部 TEL : 0566-73-3181 FAX : 0566-73-1507 発行:2015年6月 次回発行:2015年秋 (10月) 予定 52
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