平成26年度事業計画(案) - 公益社団法人 新潟県バス協会

平成26年度事業計画(案)
我が国経済は、政府の経済対策により景気回復の傾向に転じつつあるものの、
地方においては、本格的な回復は未だ不透明なものとなっています。
一方、バス事業の経営環境は、経費削減等の自助努力によりぎりぎりの状況
で維持しているものの、輸送人員・収入の減少が続いており、構造的にも厳し
い経営環境となっています。
このような環境の中、バス業界は、バス輸送の安全確保対策や輸送サービス
の向上対策、バス事業の活性化策などの対応に早急かつ確実に取り組むべき多
くの課題に直面しています。
新潟県バス協会は、公益目的事業を通じ、その社会的使命を果たすべく地域
住民の生活の足として、必要不可欠な公共交通機関である、バス輸送の振興を
図るとともに、バス輸送の改善推進に関わる各種取り組みを推進します。
このため、平成26年度においては、次の各項目を重点として会員はもとよ
り日本バス協会とより緊密な連携を図りながら対処します。
1.交通政策基本法等への対応
平成25年11月27日に交通政策に関する基本理念などをまとめた、
「交
通政策基本法」が成立し、交通政策基本計画の策定が進められています。
交通に関する施策は、人口の減少に伴い、少子高齢化への対応や環境負荷の
低減などを考慮して行わなければならないとし、バス関係では地方の公共交通
の維持が課題となっており、国民等の交通に対する基本的なニーズの充足、交
通の機能の確保、交通の安全の確保といった施策について、国や自治体、交通
事業者が連携して利用促進策について取り組むよう責務が定められています。
基本計画においては、バスの役割がより明確なものとなることから、適切な
バス事業者の意向と地方の実態にあった交通政策となるよう推進します。
2.地域公共交通補助制度への対応
平成23年度に設けられた「地域公共交通確保維持改善事業」等、国の補助
制度が円滑に実施され、地域振興や地域間交流におけるバス事業の役割や具体
化が果たせるよう、地方自治体等からなる地域協議会における、地域の交通ネ
ットワークの策定など協議に参画することとします。
また、地域公共交通活性化及び再生法等の新たな仕組みの構築についても、
それぞれの地域の補助制度の運用状況の把握など、地方自治体と連携のもとで、
バス輸送の維持改善を推進します。
3.安全対策・活性化対策の推進
バス輸送は、地域住民の生活の足として、また、団体輸送に必要不可欠な
交通手段として、社会生活に大きな役割を果たしています。バス事業の振興
と輸送サービスの改善向上、安全の確保等に努め、利用者の期待に応えるこ
ととします。
このため、「乗合バス部会」等を開催し、安全確保のための諸施策の推進と
バス利用促進ための広報活動を展開し、乗合バスの安全対策と活性化対策に努
めます。
また、貸切バスにおいては「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」に
より、交替運転者の配置基準、運輸安全マネジメントの対象拡大、運送引受
書の徹底などの規制の見直しをはじめ、運行管理体制の拡充も予定されてい
ます。
このため、「貸切バス部会」をはじめとして各種会議等の開催や情報展開に
努め、貸切バス事業の活性化に反映する議論を深めるとともに、運営の適正化
に向けた情報の提供・推進に努めます。
4.事故防止・安全輸送体制の確保
事業用バスにおける事故件数は、減少傾向にあるものの、死亡事故は増減を
繰り返しているほか、高齢者等の車内事故が重症事故となるケースが散見して
いるなど、依然として厳しい状況にあることから、次の事項を重点的に取り組
むこととします。
(1)安全管理体制の構築を図るための「運輸安全マネジメント」の義務付
け対象の拡大により、その円滑な取組みと確実な実施が図られるよう推
進します。
(2)運行管理者による指導・監督体制を確立するため、実効ある確実な点
呼や過労運転の防止の徹底についての推進を図ります。
また、飲酒運転防止対策や健康に起因する事故の防止に努めます。
(3)
「ゆとり乗降」や「シートベルトの着用」を徹底するとともに、バス停
発着時の車内事故防止の徹底についての推進を図ります。
(4)春・秋の全国交通安全運動や、年末・年始の輸送安全総点検等、事故
防止のための各種運動に積極的に参画します。
(5)運行管理者等指導講習及び整備管理者研修の受講助成を推進します。
(6)運転者適性診断の計画受診を促進するための助成支援を行います。
(7)その他各種研修会、推進運動を展開するとともに、事故防止、安全輸
送のための助成支援を行います。
5.環境対策の推進
地球温暖化ガスの削減や省エネ運転に資するため、次の諸活動に取り組みま
す。
(1)CO2削減の環境対策として、「人と環境にやさしいバス普及事業」に
よる、ハイブリッドバスや低燃費車の環境対応バス車両の導入支援を行い、
アイドリングストップや低炭素社会への推進を展開します。
(2)
「エコドライブ管理システム(EMS)」や「ドライブレコーダー」の導
入支援と環境対策のための情報提供に努めます。
(3)日本バス協会の「環境対策を強化する月間」として、国のエコドライブ
推進運動や黒煙クリーンキャンペーン等に協力します。
(4)不正軽油撲滅に向けた運動に協力します。
6.運輸事業振興助成交付金事業について
(1)交付金地方事業として、輸送施設整備事業、バス輸送サービス改善事
業、安全運行対策事業、指導研修事業、環境対策事業等について、適切、
且つ、効率的な運用を図るとともに、助成制度の利用促進に努めます。
(2)日本バス協会中央事業の「バス利用者施設等整備事業」、「人と環境に
やさしいバス普及事業」、
「地方路線バス及び貸切バス助成事業」等に係る
情報を会員事業者に適時・適切に提供し、その利用促進に努めます。
7.消費税率の引上げ及び貸切バスの新運賃・料金制度について
平成26年4月より消費税率が引き上げられることから、消費税の適正な転
嫁に向けた取組を行うとともに、運賃・料金の変更については、利用者の理解
を得るとともに混乱が生じないよう、円滑な移行を図ります。
また、貸切バスの運賃・料金制度の見直しについては、新たな運賃制度の運
用が順守されるよう理解を促進するとともに、運賃の適正収受による健全な経
営改善につながるよう推進します。
8.その他、広報活動の推進等について
「バスの日」行事、マスメディア、ホームページ等を通じ、広く県民に対
し地域住民の生活に欠かせないバス事業の公共性・重要性について理解を求
め、バスの一層の利用促進を図ります。