幸田町立荻谷小学校PTA

地域社会との密接な連携を築こう
-地域のひと・もの・ことを知り、地域が好きになる子どもを育てるPTA活動-
額田郡幸田町立荻谷小学校PTA
1 学区及び学校の概要
本校の学区は幸田町の中央に位置し、JR幸田駅を中心とする商業地域(幸田区)
、幸田名産である
イチゴハウスの立ち並ぶ田園地域(荻区)
、新旧入り混じった住宅地域(芦谷区・桜坂区)から成り立
っている。特に国道23号線の拡張と共に、それにつながる国道248号線沿いの商業施設が増え、
車の渋滞も時間帯によってはおきている。
学校の児童数(445名)は、現在はピークを過ぎ、減少傾向にある。学校の特徴としては、40
年以上前に植えられた県内でも数少ない芝生の運動場をもつことである。学区の協力も得て芝生の維
持管理をしながら、学区大運動会を行ったり、10年以上前から始まった芝生アートに取り組んだり
している。今年は幸田町合併60周年を記念した作品の依頼が町からあり、幸田町のマスコット「え
こたん」とともに写真撮影をした。
2 PTA活動の組織と研究テーマへの取り組み
平成26年度の本校PTAは保護者会員339名、教師会員25名で組織されている。役員・理事・
各正副委員長・代議員・学級委員・教師が、会員委員会・教養委員会・保体委員会・広報委員会の4
つに分かれて所属し、年間計画に基づいて各部の活動を活発に行っている。
本校では、PTA活動を中心にして、学校と家庭・地域が連携して、地域のひと・もの・ことを知
ることにより、地域が好きになる子どもを育てようと、
「地域のひと・もの・ことと触れ合う取組」と
「子どもの防災意識を高める取組」を行った。
3 主な実践活動の内容と特色
(1)地域のひと・もの・ことと触れ合う取組
ア 親子活動「わくわくワーク」
例年9月に、教養委員会が中心となり地域の方を講師に招いて
約20の講座を開き、親子で半日の活動をしている。親子活動で
親子の絆を深めるとともに、地域の方との交流を図るのがねらい
である。運動場のグラウンドゴルフや体育館のユニバーサルホッ
ケーなどの運動系をはじめ、教室内のフラワーアレンジメントや
科学実験などの文化系など、毎年多くの講座が開設されている。
どの講座にも親子で楽しく参加し、触れ合いを深めることができ
<フラワーアレンジメント>
ている。
本年度は研究発表会の関係で2月実施となったが、
昨年とほぼ同様の講座を開く予定である。
イ 学区大運動会でのPTAバザー活動
毎年5月には学区大運動会が開かれ、その中で役員・理事が中心
となり来場者へ幸田名産品のイチゴを販売している。本校では3年
生が理科の学習と関連して、地域の先生であるイチゴ農家の協力の
もとにイチゴ栽培を行っている。ビニルハウスを建て、苗を育て、
イチゴの収穫まで行っている。その関係もあり、運動会でイチゴ農
家の方に協力していただき、イチゴを販売することができている。
<PTA バザー>
ウ 学習への参加協力
6年生の社会の学習では、学区にある古墳や戦争の遺物などを現地で調査した。その時に古い資料
や詳しい内容を聞くために地域の方をお呼びしてより地域のことを知ることができた。5年生の社会
の学習では、地域の方の田を借用し、稲作の学習を行っている。田植え・草取り・稲刈り・脱穀を地
域の先生に教えてもらいながら体験している。また、地域の方の畑を借用し、全校でのサツマイモの
栽培活動も行っている。10月の収穫祭に向け、縦割りのグループでサツマイモの苗植え・草取り・
水やり・収穫をしている。勤労体験を通して苦労や喜びを得ることができ、地域の方をお呼びしてお
礼の会も開いている。
(2)子どもの防災意識を高める取組
ア 登下校時の立ち番や付添い
本校では毎年4月にPTA会員から、児童の登下校に合わせて時間のある時に立ち番を行っていた
だける学校安全ボランティアを募集している。毎年40~50名の方が登録してくださり、児童が安
心して登下校できている。また、地域の方で学校まで一緒に付き添って下さる方もみえる。PTA会
員や付添いの方のお話からも、子どもたちの地域の方との関わり、たとえば挨拶などの様子が分かっ
てくる。今後も、児童自身から大きな声で地域の方への挨拶ができるよう指導していきたい。
イ 学区の安全見守り隊や消防署・消防団との学習
昨年度、学区にコミュニティが中心となり「安全見守り隊」が発足
した。最近学区の中でも、不審火や不審者が見られるようになってき
たこともあり、PTAを含めいろいろな立場の方の参加で組織された。
2年生の生活科の学習では、
「安全見守り隊」の方のご協力をいただき、
学区の危険箇所の調査をした。児童と共に学区内を歩きながら「とま
れ」の標識をもとに道路の危険個所を探すことができ、より地域のこ
とを知ることができた。また、4年生の社会では、地域の安全を守る
<学区の危険箇所調査>
学習の中で消防署や消防団の見学や消防団員のお話を聞き、自分たちが大人になった時に地域の安全
についてどうしたらよいかを考えるきっかけになった。
ウ 小中合同避難訓練
東日本大震災を受けて、防災に対する意識が変わってきた。今までの学校ごとの避難訓練だけでな
く、もっと大きな地区での対処が必要になってきた。
そこで、今年度は町内の2中学校・4小学校が協力して地震警報に対する避難計画を立て、どのよ
うな問題点があるかを洗い出しながら同じ日に引き渡し訓練を行った。特に、小中学校に兄弟姉妹が
いる場合の保護者の動きを心配したが、学校のまわりの道路への無断駐車以外は大きな問題もなく実
施ができた。次年度は、町内全9小中学校が同時に行う計画を進めている。
4 期待される効果
地域が好きになる子どもを育てるためには、地域のひと・もの・ことをより一層知るなど、地域と
の連携が不可欠である。多くの保護者がPTA活動に参加し、地域との協力体制を作っておく必要が
ある。これからも、子どもたちが地域のひと・もの・ことを知ることで、地域の方々が子どもたちの
ために積極的に動いて下さっていることを知り、地域がより身近で好きになるようにPTA活動を進
めていきたい。