80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 DSA8300 型サンプリング・オシロスコープ用ソフトウェア・データ・ シート 主な特長 1~60Gbps の高速 PAM-4/PAM-2 NRZ シリアル・ データ信号のジッタ、ノイズ、BER 解析により、アイ開 口率の劣化の原因を詳細に測定可能 測定システムの優れた信号忠実性と超低ジッタ・フロア により、正確で再現性の高い測定結果を保証 • ジッタとノイズの両方を分離することにより、BER と アイ等高線を高い精度で推定可能 BUJ(Bounded Uncorrelated Jitter、有界非相関ジッ タ)とノイズの解析によりクロストークの影響を把握し、 RJ、TL による過度の影響を防ぐことが可能 PAM-4 信号の解析機能により、それぞれの PAM アイに 対して個別にジッタ、ノイズ、BER 解析を実行可能。さ らに、各種のグローバル測定により、PAM-4 信号の全体 的特性の評価が可能 IEEE 802.3ba 100GbE の J2、J9、J<設定可能>測定、 DDPWS の測定、プロットが可能 高速シリアル・データ・リンク測定/解析は、3 種類のソフ トウェア・ソリューションでサポートされます。 80SJARB は、任意パターンや極端に長いパターンなど、どのような波 形でもジッタを測定できる、ジッタ測定の基本ツールです。 80SJNB Essentials(80SJNB)は、ジッタ、ノイズ、BER の優れた解析機能を備えており、信号の問題とマージンをク リ ア に す る こ と が で き ま す 。 80SJNB Advanced (80SJNB02)は、80SJNB Essentials にテスト・フィクス チャのディエンベデッド、チャンネル・エミュレーション、 FFE/DFE イコライゼーション、プリエンファシス/ディエ ンファシスなどのシリアル・データ・リンク解析ビジュアラ イザ(SDLA)の機能を追加しています。 最新リリースの 80SJNB PAM4 では、パルス振幅変調(PAM-4)方式で符 号化されたデータを含む、マルチレベル・シグナリングの包 括的な解析にも対応しています。 フィクスチャ・ディエンベデッド機能により、測定用フィ クスチャによる信号劣化を除去 TDR 波形または S パラメータによるチャンネル・エミュ レー ションで仮想チャンネルの挿入: トランスミッタ波 形のみを取込んでいる場合でもインターコネクト端と同 じような信号観測が可能 チャンネル・エミュレーションの再計算: トランスミッ タの 1 回の取込みから、数多くのエミュレーション・ チャンネルのリンク性能の観測が可能 信号の FFE/DFE イコライザにより信号のアイ開口を開 き、レシーバ・コンパレータ内部で観測するのと同じよ うな波形測定が可能 30dB 以上のチャンネル損失のイコライゼーションが可 能であり、最新のバックプレーン規格をサポート 新しい 400G/100G 規格に対応した豊富な PAM-4 測 定機能 データセットの保存と呼び出し: トランスミッタのデー タセットを保存することで、後で呼び出して引き続き解 析することが可能 jp.tektronix.com 1 80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 アプリケーション データ速度 1~60Gbps の高速シリアル設計における ジッタ、ノイズ、および BER 性能の特性評価 CTLE/FFE/DFE イコライゼーション、DDPWS 測定に よる最先端のリンク特性評価 わずか 1 回のトランスミッタ測定で複数チャンネルの エミュレーションによるリンク・バジェット、推定解析 シミュレーション、その他の処理のための正確な波形形 状の取込み-優れた分解能、ジッタ、ノイズ、フィクス チャ・ディエンベデッドによるアクイジション DSA8300 型サンプリング・オシロスコープ用 ジッタ/ノイズ/BER/シリアル・データ・リ ンク解析ソフトウェア 80SJARB 、 80SJNB Essentials 、 80SJNB Advanced (80SJNB02)、および Opt. PAM4 ソフトウェア・アプリ ケーションでは、次のような高速シリアル・データ・リンク 測定/解析機能をサポートしています。 機能 80SJNB 80SJNB02 2 80SJNB PAM4 80SJARB NRZ データ・サ PRBS16 までの PRBS16 までの PRBS16 までの PRBS31 または ポート 繰り返しパター 繰り返しパター 繰り返しパター 任意パターン ンまたは ンまたは ンまたは OIF-CEI、KR4、SR4、ER4、LR4、LR8、FR8、DR4、 CLR、PSMR、CAUI/XLAUI/CDAUI、802.3 Ethernet、 物 理 層 、 XAUI 、 nAUI 、 Rapid I/O 、 XFI 、 SFP+ 、 InfiniBand、その他電気規格、光規格のジッタ、ノイズ、 BER 性能の解析 PAM-4 シグナリングを使用したリンクのジッタ、ノイ ズ、BER 性能の特性評価 次世代高速シリアル・データ・コンピュータ、通信コン ポーネントおよびシステムの設計検証と特性評価 100,000 ユニッ 100,000 ユニッ 100,000 ユニッ ト・インターバル ト・インターバル ト・インターバル PAM-4 データ・ × 動タップ量計算を使った内蔵イコライザのすばやい調整 により、代替のイコライゼーションの考察 ○ × サポート J2 ジッタ結果 Jx:デフォルトで Jx:デフォルトで Jx:デフォルトで ○(IEEE 802.3ba は BER = 2.5e-3 は BER = 2.5e-3 は BER = 2.5e-3 に準拠したヒス (各 PAM アイに トグラム)、NRZ ついて) J9 ジッタ結果 のみ Jy:デフォルトで Jy:デフォルトで Jy:デフォルトで ○(IEEE 802.3ba は BER = 2.5e-10 は BER = 2.5e-10 は BER = 2.5e-10 のヒストグラム トランスミッタの測定、ストレス・アイ測定によるレシー バ・テスト、コンポーネント測定 シリアル・データのリンクと検証: 数多くのタップと自 × (各 PAM アイに から外挿) ついて) TJ トータル・ジッ ○(設定した BER ○(設定した BER ○(設定した BER ○(BER = 1e–12) タ結果 将来の再利用のための波形データセット情報の保存と、 新しい物理レイヤ評価におけるデータセットの呼び出し において、 において、 において、 デフォルトでは デフォルトでは デフォルトでは BER = 1e–12) BER = 1e–12) BER = 1e–12、各 PAM アイについ て) ジッタ/ノイズ ○ ○ 解析(RJ、DJ、 ○(各 PAM アイ について) RJdd、DjDD、Tj (NRZ のみ) BUJ、PJ、RN、 DDN、BUN、 PN) OMA/VMA 1 PI(NRZ アイの PI(NRZ アイの ○(各 PAM アイ み) み) について) RIN、RINxOMA ○ 1 ○1 ○1 BER プロット ○ 80SJNB、80SJNB02、および PAM4 アプリケーションに付属する TekExpress® RIN アプリケーションで利用可能 2 jp.tektronix.com ○ × × × データ・シート 機能 80SJNB PAM-4 のグロー × 80SJNB02 2 80SJNB PAM4 × ○(トランスミッ × バル測定 80SJARB タ・レベルおよび レシーバのアイ 中心の測定) SDLA 機能(チャ × ○2 ○2 × ンネル・エミュ レーション、フィ クスチャのディ エンベッド、イコ ライゼーション) 80SJNB PAM-4 信号解析 80SJNB 用の RAM4 オプションを使用することにより、 PAM-4 信号に対するジッタ、ノイズ、BER 解析機能が追加 されるため、100~400Gbps の電気/光通信リンクに対応 できます。 PAM-4 における信号欠陥の要因は、NRZ システムと同様 に、非相関ジッタ/ノイズ源、クロストーク、有界、非有界 という 4 つのカテゴリに分けられます。 80SJNB PAM4 では、個々の PAM アイに対する解析の実行が可能なだけで なく、PAM 固有の各種のグローバル測定も実行できます。 PAM-4 解析機能は、信号パス・エミュレーション・ツール を 備 え て お り 、 CTLE ( Continuous Time Linear Equalizer)、S パラメータまたは TDR 波形により記述さ れるチャンネル・エミュレータ、さらに FFE(Feed Forward Equalization ) お よ び DFE ( Decision Feedback Equalization)によるレシーバ・イコライザーションに対応 しています。 プロットには、信号のさまざまな側面を示すパターン、ア イ・ダイアグラム、水平/垂直バスタブ曲線が表示され ます。BER アイ/輪郭には、スタック表示された PAM-4 信 号の 3 つのアイがすべて反映されます。 80SJNB によるソリューション 最新技術による設計では、測定においても最新のツールが求 められています。 問題はまず信号取込みから始まります。 物理的なフィクスチャでデータ信号を取込むと、信号の形が 歪みます。80SJNB にはフィクスチャ・ディエンベデッド 機能 3が備わっており、フィクスチャによる測定への影響を PAM-4 ツールの主な機能は、レシーバに水平/垂直マージ ンが最大に反映されるように、アイの中心部分を最適化する ことです。 3 つのアイすべてに対して、垂直スライサを 1 除去することができます。 信号忠実性におけるフィクス チャの影響は大きいため、測定波形の忠実度、確度を改 善することが設計品質の向上につながります。 つの位相に同期させることもできます。 2 JNB02 および PAM4 は SDLA Visualizer に付属 3 ディエンベデッド・フィルタ生成ツールは無償で提供されています。詳細については、当社担当営業までお問い合わせください。 jp.tektronix.com 3 80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 取込んだトランスミッタ信号はどのような形状をしている のでしょうか。 トランスミッタの信号は、単純な NRZ 方形 波パターンにはなっていません。 トランスミッタのイコラ イゼーション機能(トランスミッタ波形のプリエンファシス またはディエンファシス)により、メディアの高周波損失を 軽減することができます。 また、トランスミッタ信号は、 このトランスミッタのイコライゼーション機能で検証する 必要があります。80SJNB ではイコライザのタップウェイ トをすばやく提供し、シングルおよびマルチタップのトラン スミッタ・イコライゼーション設計の両方におけるトランス ミッタの品質を調べることができます。 ジッタ/ノイズ測定 80SJNB には、ノイズやアイ・クロージャが厳しく制限さ れるハイスピード設計に不可欠な高度なノイズ解析機能が 追加されているため、NRZ(PAM-2)信号と PAM-4 信号 のどちらにも対応できます。 ジッタとノイズの優れた特性 評価だけでなく、当社 BERTScope シリーズなどの BERT 機器で可能な BER 輪郭などの新しい機能も備えています。 80SJNB は有界非相関分布(BUJ など)に対応した解析機 能を備えています。 8Gbps 以上の高密度パッケージ設計 では、主に増加するクロストークによって生ずる有界非相関 分布が問題になっています。 古いジッタ/ノイズ解析ツー ルでは、これはランダムで非有界の成分として誤認されてい ました。この成分を非有界としてしまうと、ランダム・ジッ タ(RJ)とトータル・ジッタ(TJ)、ノイズ(TN)の結果 が不適切に増加してしまいます。 80SJNB は、独自のカテ ゴリで有界非相関成分を適切に識別分離することでジッタ /ノイズ問題に対処し、ジッタ/ノイズの測定精度を向上さ せます。 他のジッタ・ツールと異なり、80SJNB では RJ(v)、PJ(v) により、ジッタの原因となるノイズを解析します。 これに より、ジッタ問題をすばやく解決することが可能になり ます。 トランスミッタのチャンネル・エミュレーション 今日のシリアル・データ・リンクの検証では、測定される波 形形状と複雑な振る舞いをするインターコネクト・チャンネ ルとの複雑な相互関係が重要になります。 トランスミッタ 出力がアイ・ダイアグラム・マスクに適合さえしていれば、 既定の損失まではすべてのチャンネルは動作すると考える ことなど、もはやできなくなっています。 最新のリンク・ テスト方法では、トランスミッタ波形を取込んで、いくつか のコーナーケース・チャンネルでテストします。 4 jp.tektronix.com ソリューションとしては、S パラメータなどのネットワーク 記述に基づいたチャンネル・エミュレーションがあります。 そうしたコンプライアンス・テストは、新しい標準の一部に なりつつあります。 その場合、トランスミッタ信号を取り 込むだけで、被測定トランスミッタの測定を行えます。 次 に、取込んだ信号を必要なすべてのチャンネルに 1 チャン ネルずつ、物理的に接続するのではなく、エミュレーション として接続します。 80SJNB はこの方法に対応しており、 対象となるチャンネルはトランスミッタ波形を取込み直す ことなく観測できます。 合否判定で使用される簡単な評価 スクリプトとは違い、80SJNB はオーバサンプルによる信 号忠実度の高い波形により、詳細に信号を観測することがで きます。 もちろん、80SJNB にはジッタ、ノイズの測定機能もある ため、デバイスに問題があったとしても、何が問題なのかを 解析できます。 同時に、多くのユーザにとって最も重要な BER 性能とマージンと呼ばれるリンク性能も、BER アイに よって観測できます。 テストの最後には、波形のデータ セットを保存します。データセットを呼び出せば、再度取込 みなおすことなく解析しなおすことができます。 80SJNB による BER(ビット・エラー・レート) 多くの場合、シリアル・データ・リンク・テストで最も重要 となるのが BER(ビット・エラー・レート)ですが、80SJNB では BER のアイをプロットすることができます。 ジッタ、 ノイズによりアイが閉じた信号の測定は一般的になって いるのに対し、80SJNB では信号のすべてを取込み、信号 劣化を忠実に蓄積することができます。 常に 3 次元の形状 と、そこにあるすべての波形情報を保持しているため、さま ざまなスレッショルド値やタイミング・ポイントにおける測 定もマウス・クリックで実行できます。 データ・シート マスク・テスト 通信規格の進歩(IEEE 802.3 100GBASE-LR4 など)にと もなって、マスク・テストの手法も取込まれたデータに対し て基本的なテストを実施する段階から、統計に基づいた方法 論へと進化を余儀なくされています。 従来の方法では、取 込まれた波形のアイにおけるヒット率に基づいてマスク・テ ストが行われていたために、エラー率の低い BER が使用さ れていました。 統計ベースの手法では、より大きな母集団 のデータに対してマスク・テストを実施することによって、 再現性と効率性が改善されています。その結果、トランス ミッタの善し悪しをより正確に評価できるようになりまし た。 80SJNB Essentials では、ヒット率に基づくマスク・テス トのサポートが追加されており、一般的な規格に対応したマ スクが標準で付属しています。 マスク・テストは波形デー タに対して行うことも、あるいはエンベデッド、チャンネ ル・エミュレーション、イコライゼーションを適用後に行う こともできます(80SJNB02 が必要)。 ディエンベッド、エンベッド、およびイコライ ズ SDLA Visualizer と JNB 信号パス SDLA Visualizer の高度な機能により、JNB の信号パス機 能がさらに強化されました。SDLA Visualizer は、インサー ション・ロスだけでなく、リターン・ロスやクロス・カップ リングの影響もモデル化した 4 ポート・ディエンベッド機 能を提供することにより、JNB 信号パスのディエンベッド やチャンネル・エミュレーションの機能を拡張します。ま た、JNB での DFE/FFE レシーバ・イコライゼーションの サポートを補完し、CTLE イコライゼーションをモデル 化する機能を追加します。 SDLA Visualizer は、JNB Advanced に内蔵された信号パ ス機能と連携して動作します。 SDLA Visualizer を構成し ておけば、目的のテスト・ポイントを選択してモデルを適 用すると、選択されたテスト・ポイントが自動的に信号パス のフィルタ・ブロックにロードされます。 80SJNB のマスク・テスト機能は、規格に対応した手法と いうだけでなく、新しい 2 つの概念が取り入れられてい ます。 DFE または FFE イコライゼーションが必要な場合には、こ れらのパラメータがすばやく JNB の信号パスに入力され て、その後で測定が行われるようにできます。 まず、取込まれたデータにより決定される確率に基づいてア イ・ダイアグラムを測定するだけでなく、PDF 空間で計算 された確率によっても測定が可能です。 たとえば、標準的 これらは SDLA Visualizer で利用できる数多くの機能のほ なマスク・テストでのヒット率は、サンプル数 20,000 に対 してヒット数が 1 程度の比率になります。 この程度であれ ば、オシロスコープで従来利用可能なマスク・テストでも十 分に対応可能です。 ところが、サンプル数 1,000 万に対し てヒット数が 1 ということになると、従来のマスク・テス トで対応しようとすれば、極端に長時間の取込みが必要にな ります。80SJNB の場合は、どちらの場合のヒット率に対 しても高速に計算できます。 また、80SJNB では、BER アイの表面を計算できるため、 ターゲットとするビット・エラー・レート(BER 等高線空 間など)に対してもマスク・テストを適用できます。 つま り、指定されたマスクのビット・エラー・レートを求めるこ とができます(BER マスク・テスト)。 このアプローチによ り、まったく新しい角度からシステム全体の品質を検証で きるようになります。 PDF マスク・テストは、トランスミッタの品質を評価する ために、従来からよく使用されているアプローチです。 BER マスク・テストでは、指定されたマスクの BER が信号 によってサポートされるかどうかをテストできます。 たと えば、要件の変更に基づいてカスタム・マスク形状を作 成する必要がある場合には、形状を ASCII ファイルで修正 し、PDF または BER 空間で使用することができます。 ん の 一 例 で す 。 詳 細 に つ い て は 、 当 社 Web サ イ ト (jp.tektronix.com)の SDLA Visualizer のデータ・シート を参照してください。 トランスミッタのイコライゼーション測定 プリエンファシス/ディエンファシスを採用しているシリ アル・データ・トランスミッタは、FFE イコライゼーション 機能により検証、測定できます。 受信する PRBS パターン に対して、タップの値を自動的に設定することができ、トラ ンスミッタのプリエンファシス/ディエンファシスを逆に イコライズするタップの値を使い、評価することができ ます。 フィクスチャの影響を除去、任意フィルタ 高速な信号では、テスト・フィクスチャが原因で、取込んだ 信号が著しく歪むことがあります。 Advanced パッケージ では、フィクスチャの影響を除去するためのフィルタ・ブ ロックをサポートしています。 処理ブロックは柔軟性があ り、任意フィルタとしても機能し、プリエンファシス/ディ エンファシスのシミュレーションとしても使用することが できます。 jp.tektronix.com 5 80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 チャンネル・エミュレーション 真のトランスミッタ信号形状とチャンネル(インターコネク ト)パラメータ間の相互関係は複雑であり、別々の測定では 簡単に予測することはできません。 すべてのシリアル・リ ンクの性能を観測するためには、真のトランスミッタ波形を 確実にチャンネルに接続することが重要になります。 チャ ンネルは物理的に存在する必要はありません。 80SJNB の Advanced パッケージでは、チャンネルのネットワーク実 測定を基にしたチャンネル・エミュレーションが可能です。 プリエンファシス/ディエンファシスのあり/なしのトラ ンスミッタ信号を取込み、S パラメータまたは TDR/TDT 波 形などの時間ドメインのネットワーク記述によりチャンネ ルをエミュレートでき、エミュレートされたチャンネル端に おいて信号を測定することができます。 イコライゼーション インターコネクトによる損失と分散に対する解決策の一つ がトランスミッタにおけるイコライゼーションであり、 も う一つがレシーバにおけるイコライゼーションです。 ほと んどの NRZ システムでは、レシーバ・イコライゼーション は、FFE(Feed Forward Equalization、または LFE(Linear Feedback Equalization ))、 ま た は DFE ( Decision Feedback Equalization)のいずれかに分類されます。 イ コライザを装備したレシーバでは、アイ・ダイアグラムが完 全に閉じていても信号をデコードできます。 では、どのように測定するのでしょうか。 80SJNB のイコ ライゼーション・ツールでは、独自のイコライザ・タップ数 を使用するか、またはボタンを押すことで FFE または DFE イコライザの PRBS パターンのイコライゼーション・タップ 数が決定され、完全に閉じたアイでも開くことができます。 再計算が速く、使いやすいため、タップの数や重み付け、ま たはプリエンファシスやディエンファシスの程度などのシ ステム・パラメータが簡単に変更でき、想定される事態に対 して最適な設計、開発が可能になります。 CTLE(Continuous Time Linear Equalization)が必要な ケースでは、SDLA Visualizer を使用することにより、必要 なフィルタをすばやく作成し、JNB に直接ロードして使用 できます。 大きな PC 市場向のデバイスの設計、測定では、一般的に SSC 技術が使われています。サンプリング・オシロスコー プでは初めて、SSC(Spread SpectrumClocking)動作状 態でのジッタ、ノイズ解析が可能になりました。 82A04 型 フェーズ・リファレンス・モジュールをプラグインした DSA8300 型 ま た は DSA/TDS/CSA8200 型 サ ン プ リ ン グ・オシロスコープを使用することで、80SJNB では、SSC が存在する信号を測定できるだけでなく、SSC のパラメー タも測定できるようになります。 6 jp.tektronix.com 80SJNB は、解析機能だけではなく、ノイズに起因するジッ タベース成分によって発生するジッタを分離する優れた機 能も備えています。 プラットフォーム 80SJNB ジッタ、ノイズ、BER、シリアル・データ・リンク 解析ソフトウェアは、当社 DSA8300 型サンプリング・オ シロスコープで実行することができます。 この解析ソフト ウェアと当社サンプリング・オシロスコープは、モジュール を自由に組合せることができ、優れた性能と信号忠実性が得 られるため、次世代の高速シリアル・データ設計の検証とコ ンプライアンス・テストに最適なソリューションを提供し ます。 ネットワーク記述ツール 80SJNB ジッタ、ノイズ、BER、データ・リンク解析ソフト ウェアでは、Touchstone フォーマットの S パラメータな どのネットワーク記述情報を使用できます。 高品質な Touchstone ネットワーク記述データを使用するために は、当社の TDR ハードウェアと IConnect アプリケーショ ン ・ ソ フ ト ウ ェ ア を お 勧 め し ま す 。 当 社 の TDR と IConnect を 使 用 す る と 、 他 の 測 定 方 法 で は 困 難 な Touchstone マトリックスの DC 値を維持することができ ます。 80SJNB は、VNA データなどの他の測定方法を基に したネットワーク記述も使用でき、DC 測定値は 80SJNB で推定します。 必要条件 80SJNB ソフトウェアは、DSA8300 型サンプリング・オ シロ スコープで実行するように設計されています。 SSC(Spread Spectrum Clocking)に対応するためには、 DSA8300 型でのみ使用できる 82A04 型フェーズ・リファ レンス・モジュールが必要になります。 データ・シート 80SJARB: 任意波形データのジッタ解析 DSA8300 型サンプリング・オシロスコープ用の 80SJARB ジッタ測定アプリケーション・ソフトウェアは、J2、J9 ジッタ測定機能が必要な IEEE 802.3ba に対応したアプリ ケーション・ソフトウェアです。PRBS31、ランダム・トラ フィック、スクランブル・データを含む NRZ データ信号の 基本ジッタを測定することもできます。 ハードウェア・モ ジュールを必要としない、シンプルな Dual Dirac(デュア ル・ディラック)モデルによる初歩的なジッタ解析が行え ます。 80SJARB はフリーラン・モードで連続的に取込み、 IEEE の最低要件である 10,000 データ・ポイント以上の取 込み、更新が行えます。 プロットでは、測定データ、推定 データによるジッタのバスタブ曲線、取込んだデータのヒス トグラムがサポートされています。 80SJNB、80SJARB でサポートされる測定項 目 80SJNB、80SJNB02、PAM-4 Advanced ジッタ、ノ イズ、BER 解析/測定 測定 概要 Eye Opening @ BER 水平アイ開口 Eye Opening @ BER 指定された BER での垂直アイ開口 Jx @ BER デフォルトでは J2、BER = 2.5e-3 Jy @ BER デフォルトでは J9、BER = 2.5e-10 NPJ(d-d) 非周期ジッタ(Dual Dirac) NPN(d-d) 非周期ノイズ(Dual Dirac) OMA 光変調振幅 PJ 周期ジッタ PJ(h) 周期ジッタの水平成分 PJ(v) 周期ジッタの垂直成分 PN 周期ノイズ PN(h) 周期ノイズの水平成分 PN(v) 周期ノイズの垂直成分 RIN 相対強度ノイズ RJ(RMS) 総測定ランダム・ジッタ RJ(d-d) ランダム・ジッタ(Dual Dirac モデル) RJ(h)(RMS) ランダム・ジッタの水平成分 RJ(V)(RMS) ランダム・ジッタの垂直成分 RN(RMS) 総測定ランダム・ノイズ RN(h)(RMS) ランダム・ノイズの水平成分 RN(v)(RMS) ランダム・ノイズの垂直成分 SSC 周波数 スペクトラム拡散変調周波数 SSC 振幅 スペクトラム拡散変調振幅 TJ @ BER 指定された BER でのトータル・ジッタ TN @ BER 指定された BER でのトータル・ノイズ VMA 電圧変調振幅 PAM-4 のグローバル測定(80SJNB) 測定 概要 BUJ(d-d) 有界非相関ジッタ(Dual Dirac) BUN(d-d) 有界非相関ノイズ(Dual Dirac) DCD デューティ・サイクルの歪み DDJ データ依存性ジッタ 2 DDN データ依存性ノイズ レベル <e> シンボル・レベル: L0、L1、L2、L3 DDN(lower) ロー・レベルでのデータ依存性ノイズ レベル偏差 P-P に対するレベルの分離 DDN(upper) ハイ・レベルでのデータ依存性ノイズ レベル・ミスマッチ率 P-P に対するレベルの最小分離 DDPWS データ依存性パルス幅の収縮 DJ デターミニスティック・ジッタ DN デターミニスティック・ノイズ 中心偏差 中央のアイに対するアイ中心部の位置 有効シンボル・レベル 平均に対する有効シンボル(L0、L1) 1 有効シンボル・レベル 平均に対する有効シンボル(L2、L3) (RLM) レベルの"厚み"(Level シンボル間干渉が最小になるレベルの実効値 Thickness) jp.tektronix.com 7 80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 測定 概要 レベル時間偏差 シンボル間干渉が発生する最小レベル位置 の相関パターン波形、確率分布のアイ・ダイアグラム、 バスタブ曲線 最小信号レベル レベル分離の最小 マスク・テスト: PDF または BER 空間による統計的マ OMA 範囲外 光変調振幅(L0~L3) 垂直アイ・クローズ アイ開口部における最小アイ振幅 スク・テスト 80SJARB の任意波形データのジッタ解析機能 プロット: ジッタ/ノイズ成分の確率分布、スペクトラ ム分布、データ依存性ジッタ/ノイズ/DDPWS 対ビッ ト、データ・パターン波形、ジッタ/ノイズのバスタブ 曲線、、BER 確率マップ、BER 輪郭図、Q アイ、確率分 布のアイ・ダイアグラム(データ・パターンは各信号パ ス ( SP ) 処 理 ス テ ッ プ で プ ロ ッ ト )、 SSC ( Spread Spectrum Clocking)プロファイル PAM-4 信号の解析 では、プロットに 3 つのアイがすべてスタック表示され ます。 測定 概要 DJdd ランダム・ジッタ(Dual Dirac モデル) J2 BER = 2.5e-3 のトータル・ジッタ J9 BER = 2.5e-10 のトータル・ジッタ RJdd デターミニスティック・ジッタ(Dual Dirac モデル) Tj BER = 1.0e-12 のトータル・ジッタ データ・ロギング: すべての数値結果の問い合わせとエ クスポート。 波形のエクスポート: 取込んだ生パターン 波形、相関パターン波形、各信号パスの処理ステップ後 プロット: 取込んだデータのジッタ/アイ開口のバスタ ブ、ヒストグラム フリー・ラン・モード: IEEE の必要最低要件である 10,000 データ・ポイント以上の連続取込み、更新 仕様 すべての仕様は、特に断りのないかぎり、すべての機種に適用されます。 測定性能 ジッタ・フロア(DSA8300 型) ノイズ測定確度 82A04B 型フェーズ・リファレンス・モジュールを使用した場合は、 100fsRMS 以下 4 使用しない場合は、 400fsRMS 以下 仕様については、サンプリング・モジュールのデータ・シートを参照してください。 取込む波形はラ イブ波形であることが必要で、 最大 100kUI の固定繰返しパターンであることが必要: Touchstone S パラメータ(1、2、4 ポートをサポート、シングルエンド、差動入力をサポート)またはタイムド メイン(リファレンス、波形)フォーマット(8000 シリーズのタイムドメイン・フォーマット*.wfm、 IConnect®の*.wfm フォーマットをサポート)ベース・ソフトウェアは V7 が必須。 エクスポート波形 生(取込んだ)波形、信号パスの各ステップ後の相関フィルタ波形 イコライゼーション・オート PRBS3~PRBS16(解析可能なパターンはイコライゼーションも可能) セット・パターン 最大 SSC(Spread Spectrum 5000ppm 以上のイコライゼーション手法をサポート Clocking) 5 4 詳細については、82A04 型のデータ・シートを参照してください。 82A04 型は 8300、8200 シリーズ・メインフレームのみで使用できます。 5 現在、SSC は 12Gbps までサポートされています。SSC 取込みではケーブル長が制限されます。詳細については、当社担当営業までお問い合わせください。 8 jp.tektronix.com データ・シート 測定性能 最大タップ数、FFE/DFE 100/40:1、2 または 10FFE タップ/UI 任意フィルタ記述 有限インパルス応答任意フィルタ記述。 その他のフォーマット/フォーマット変換については、当社 お客様コールセンター(jp.tek.com/japan-ccc)までお問い合わせください。 システム要件 80SJARB Microsoft Windows 7 または Windows XP OS を搭載した TDS/DSA8000 シリーズ・メインフ レーム 80SJNB DSA8300 型(Opt. ADTRIG を装備のこと)、ソフトウェア・リリース V5.*、 Microsoft Windows 7(アップグレードについては当社お客様コールセンターまでお問い合わせください。) DSA8200 型または旧機種、80A06 型パターン・シンク・トリガ・モジュール(オシロスコープにプ ラグインするか、SlotSaver ケーブルで接続) ご使用の TDS/CSA8200 型、TDS/CSA8000B 型、TDS/CSA8000 型と 80SJNB との組合せの詳細 については、当社お客様コールセンターまでお問い合わせください。 jp.tektronix.com 9 80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 ご注文の際は以下の型名をご使用ください。 型名 80SJNB ジッタ、ノイズ、BER、および RIN/RINxOMA 6の測定/解析 80SJNB02 80SJNB パッケージに SDLA をサポートするために必要な次の機能が追加されます。 フィクスチャのディエンベデッド/任意リニア・フィルタ・サポートのためのフィルタ機能 チャンネル・エミュレーション(チャンネルの時間ドメインまたは周波数ドメイン測定に基づく) FFE/DFE イコライザ・サポート 80SJNB PAM4 総合的な PAM-4 シグナリング解析機能 80SJARB ベーシック・ジッタ測定 DSA8300 型プリインストール・オプション 80SJARB、80SJNB、または 80SJNB01 がプリインストールされた DSA8300 型をご希望の方は、次のいずれかのオプションをご注文 ください。 Opt. JARB DSA8300 型に 80SJARB を追加 Opt. JNB DSA8300 型に 80SJNB Essentials を追加 Opt. PAM4 DSA8300 型に 80SJNB Advanced(PAM4 対応)を追加 Opt. JNB02 DSA8300 型に 80SJNB Advanced を追加 オリジナル・パッケージ(80SJNB V1.*)をご使用のユーザは、無償で 80SJNB Essentials(V2.*)に更新できます。 更新プログラ ムは、www.tek.com からダウンロードしていただけます。 80SJNB または 80SJNB02 をご注文される場合には、80SJARB を別途ご注文いただく必要はありません。80SJARB の機能は標準で 含まれており、無償でご利用になれます。 80SJNB および 80SJNB02 のライセンスをお持ちのユーザは、どなたも 80SJARB を無償でご利用いただけます。 テクトロニクスの Web サイトから 80SJARB をダウンロードしてご利用ください。 6 RIN および RINxOMA 測定には、80SJNB および 80SJNB01 ソフトウェアに付属する TekExpress RIN アプリケーションを使用します。 10 jp.tektronix.com データ・シート 機器のアップグレード・オプション 型名 アップグレード アップグレード・オプション 名 DSA8300 DSA8200 DSA83UP DSA82UP JNB DSA8300 型に 80SJNB Essentials を追加 JNB01 80SJNB Advanced バージョン 1 を追加 JNB02 80SJNB Advanced バージョン 2(SDLA Visualizer)を追加 PAM4 PAM-4 解析機能を追加(80SJNB01 または 80SJNB02 が必要) JARB DSA8300 型に 80SJARB を追加 ADDJNB01 80SJNB Essentials を 80SJNB01 にアップグレード JNBTOJNB02 80SJNB Essentials を 80SJNB02 にアップグレード JNB01TOJNB02 80SJNB01 を 80SJNB02(SDLA Visualizer)にアップグレード JNB 80SJNB Essentials を追加 JNB01 80SJNB Advanced バージョン 1 を追加 JNBADD01 JNB を JNB Advanced にアップグレード 当社は SRI Quality System Registrar により ISO 9001 および ISO 14001 に登録されています。 製品は、IEEE 規格 488.1-1987、RS-232-C および当社標準コード&フォーマットに適合しています。 jp.tektronix.com 11 80SJARB/80SJNB ジッタ、ノイズ、BER 解析 ASEAN/オーストラリア・ニュージーランドと付近の諸島 (65) 6356 3900 ベルギー 00800 2255 4835* 中央/東ヨーロッパ、バルト海諸国 +41 52 675 3777 フィンランド +41 52 675 3777 香港 400 820 5835 日本 81 (3) 6714 3010 中東、アジア、北アフリカ +41 52 675 3777 中国 400 820 5835 韓国 +822-6917-5084, 822-6917-5080 スペイン 00800 2255 4835* 台湾 886 (2) 2656 6688 オーストリア 00800 2255 4835* ブラジル +55 (11) 3759 7627 中央ヨーロッパ/ギリシャ +41 52 675 3777 フランス 00800 2255 4835* インド 000 800 650 1835 ルクセンブルク +41 52 675 3777 オランダ 00800 2255 4835* ポーランド +41 52 675 3777 ロシア/CIS +7 (495) 6647564 スウェーデン 00800 2255 4835* イギリス/アイルランド 00800 2255 4835* バルカン諸国、イスラエル、南アフリカ、その他 ISE 諸国 +41 52 675 3777 カナダ 1 800 833 9200 デンマーク +45 80 88 1401 ドイツ 00800 2255 4835* イタリア 00800 2255 4835* メキシコ、中央/南アメリカ、カリブ海諸国 52 (55) 56 04 50 90 ノルウェー 800 16098 ポルトガル 80 08 12370 南アフリカ +41 52 675 3777 スイス 00800 2255 4835* 米国 1 800 833 9200 * ヨーロッパにおけるフリーダイヤルです。ご利用になれない場合はこちらにおかけください: +41 52 675 3777 詳細については、当社ウェブ・サイト(www.tektronix.com または jp.tektronix.com)をご参照ください。 Copyright © Tektronix, Inc. All rights reserved. Tektronix 製品は、登録済みおよび出願中の米国その他の国の特許等により保護されています。 本書の内容は、既に発行されている他の資 料の内容に代わるものです。 また、本製品の仕様および価格は、予告なく変更させていただく場合がございますので、予めご了承ください。 TEKTRONIX および TEK は登録商標です。他 のすべての商品名は、各社の商標または登録商標です。 28 Oct 2015 jp.tektronix.com 61Z-18868-10
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