陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) (1) 今こそ荷主と力を合わせ 危険因子を総点検 災害防止へ対応強化 平成 27 年 3 月 №548 発行所 陸上貨物運送事業労働災害防止協会 〒108-0014 東京都港区芝 5 丁目 35 番 1 号 産業安全会館内 ☎03-3455-3857 代表 http://www.rikusai.or.jp 会員の方の購読料は会費に含まれております。 (印刷物による年間購読料 3,600 円) ○ わが社の災防活動 ㈲棚田運送 ・・・・・・・・ (1)~(2) ○ 災害事例とその対策(荷役災害) ・・・・・・・・・ (6) ○ わが社の災防活動 御船運送㈱ ・・・・・・・・ (3)~(4) ○ 安全管理士の着眼点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (7) ○ 「平成26年度 年末・年始労働災害防止 ○ 労働災害発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (8) 強調運動」の効果的な取組について ・・・・・・・・ (5) 第 50 回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会「優良賞」受賞事業場 二人三脚で 安全・安心から信頼を!! 有限会社 棚田運送(鳥取県支部) はじめに 昨年 11 月に「第 50 回全国陸上貨物運送事 業労働災害防止大会」が東京都において開催 されて「優良賞」という栄誉ある賞を受賞さ せていただきました。これも偏に、陸上貨物 運送事業労働災害防止協会鳥取県支部、鳥取 県トラック協会並びに適正化事業指導員様、 また各荷主企業様のご指導ご支援の賜物と心 より深く感謝申し上げます。 また、従業員一同労働災害防止に向け頑張 ってきた成果ではないかと思います。 当社は、鳥取県西部にある大山隠岐国立公 園(写真1)を眼上に位置し鳥取県三大河川 の日野川左岸に位置し自然環境に恵まれた位 置に事務所を構えております。 写真1 写真2 有限会社 棚田運送 送が主でした。後に、ユニック車、クレーン 車、冷凍冷蔵車、平ボディーまた車両数が増 え大谷町に車庫を新設し、米子市に西日本で 初めての在庫型のスーパーマ―ケットの食品 配送センターが出来、冷蔵車(パワーゲイト 付き車)にて鳥取県全域と島根県東部地区へ 主に輸送しています。また以前からの荷主様 の荷物で、精密機械・建築資材・玄米精米の 輸送を行っております。今現在車両数 14 両で す(写真3)。 大山 当社は、昭和 51 年(1976 年)に一般貨物 運送事業の許可をいただき、当初車両 3 両の 小さな家内興業的な会社でした(写真2)。季 節的な輸送で家畜輸送(生牛) ・養蜂・瓦(島 根県大田市、江津市の石州瓦) ・農協の玄米輸 写真3 車庫 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) (2) 1 安全への取組 食品卸業者と配送センターと当社とで一緒 になって安心・安全についての取組を行って おります。 ⑴ 安全衛生管理方針 毎年年度初めに運輸安全マネージメント を策定し、具体的な策定計画に基づいて安 全衛生活動に全員で取り組んでいます。 写真5 ⑵ 運行時注意 アイドリングストップ、パワーゲイト時 の墜落・転落の事故注意、商品破損事故の 注意、誤配等の注意、走行中のスピード違 反、一時停止の徹底を運転手全員で周知徹 底して行っております。 ⑸ ⑶ ⑹ 安全対策会議 毎月一回、食品卸業者、配送センターの 方達と一緒になってミーティングを行って おります。内容は、安全関係や防災の資料 等を参考に安全研修を行い、その後各運転 手から一人一人最近あったヒヤリハットの 事例報告をして貰います。その時に、各運 転手からの要望や会社からの報告をし、最 後に翌月の安全目標を全員で決めます。 また、その日話し合ったことを一人ずつ 文章にし、提出させ、各自事故防止の自覚 を促しています。 ⑷ 毎週一回のミーティング 毎週一回、商品事故、荷主からの要望や 時期、季節に合った交通安全等についてミ ーティングを行っています(写真4・5)。 写真4 ミーティングの様子 ミーティングの様子 交通安全についての取組 春・秋の全国交通安全運動及び夏・年末 の交通安全県民運動期間中には、交通安全 に関連するのぼり旗を立て、全従業員への 周知を徹底して行い、交通事故撲滅に取り 組んでおります。 トラブル防止のために オイル交換、タイヤのローテーションは、 運転手が責任を持って行っています。故障 箇所が分からないままの運行等のトラブル 発生をしないように備えています。 2 健康管理について 定期健康診断を毎年全員に受診させてお ります。個人面談の実施や保健指導員によ る個別指導を行い、従業員の健康管理に努 めています。 おわりに 当社は、支えられて、先代からの小さな運 送屋から作り上げられてきたと思います。 先代の作り上げてきた各荷主様や地域の皆 様の信頼を損なわないよう貨物運送業を全社 員で「安全・安心」を確保し提供することに より、各荷主様や地域の皆様からの信頼を得 るよう努めております。 そのためには、社内間での「ホウレンソウ」 が重要だと思い、 「報告・連絡・相談」が常に できる体制を目指し、コミュニケーションを 図り明るい職場作りに取り組んでおります。 各荷主様からのご依頼に沿うべく、基本ル ール厳守徹底を図りながら今後も安心してい ただける会社を目指し、各関係者機関のご指 導並びにご協力をいただきまして、尚一層の 努力を行い、労働災害防止に努めてまいります。 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) (3) 第 50 回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会「優良賞」受賞事業場 社員ひとりひとりが 御船運送株式会社(熊本県支部) はじめに 平成 26 年 11 月 19 日に第 50 回全国陸上貨物 運送事業労働災害防止大会にて「優良賞」とい う栄誉を賜り、誠にありがとうございました。 これもひとえに陸上貨物運送事業労働災害防止 協会熊本県支部様、熊本県トラック協会様、並 びに関係する各企業、御得意先様の御支援・御 指導の賜物と社員一同心より感謝申し上げます。 弊社は、地図によりますと九州の中心あたり に位置します熊本県上益城郡御船町にて昭和 39 年 7 月に創業。その後、昭和 62 年 7 月に有 限会社、平成 9 年 7 月に株式会社となり現在に 至っています。 50 年間事業を行っていると色々なことが有 りました。特に昭和 50 年頃はとても忙しい毎日 を送っていました。ある日の木材輸送作業中、 事故を起こしてしまい、本人は重傷、会社はも とより家族にも大変心配をかけ、労働基準監督 署より業務改善命令を受けたことも有りました。 そのような過去の事例を踏まえ、再発防止の意 味からも平成 12 年に熊本県内地場運送業とし て初の ISO9001 を取得し、内部品質の向上に社 員一丸となって努めました。 現在は、県内はもとより九州各地や全国へと、 ひとりひとりが喜んで荷物を運ばせていただき、 お客様に喜んでいただける「喜び配送」を心が けながら一般貨物運送事業を続けております。 1 ① 安全について ドライブレコーダやデジタコ等の活用 数年前発生しました交差点での信号無視 車との衝突事故において、目撃者が無く事 故処理に長い年月がかかったりした為、ド ライブレコーダを全車に装着しました。そ の後、常日頃から社内勉強会等で衝撃映像 や他のドライバーの運転内容を確認し、安 全運転に役立て、事故発生時には、貴重か つ有力なデータとして活用しています(写 真1)。 また、デジタコで各自のエコドライブや 急加速や急減速・連続運転等の状況や点数 がわかるので、直接本人に指導し効果がで てきました。急減速はヒヤリハットの表れ のひとつと考え「危ないかもしれない」と スピードを控え目にして重大事故につなが らないよう、充分注意するよう指導してい ます。 また、休憩時間も早めに必ずとるように して、居眠り運転や過労運転を防いでいま す。他に腰痛・関節痛防止のために体操や ストレッチを薦めています。 アルコールチェックは、対面点呼時で必 ず行っております。前日の飲酒等が残って いるようなことが絶対に無いよう日常から 充分に周知徹底しています。 写真1 ドライブレコーダによる確認 ② 運転適性診断について 運転適性診断を春と秋の年 2 回実施し、 個々の診断結果に基づき特に注意する点を 把握して、各自が常に自覚しながら運転す るよう指導しています(写真2) 。 写真2 運転適性診断車 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) ③ 転倒防止について タイヤの摩耗に注意することは、スリップ 事故やパンク等のトラブル防止に必要不可欠 です。また、ドライバーや作業員の転倒によ る捻挫や骨折等の怪我防止も重要と考えてお ります。 そこで、点呼時に社員の靴底にも磨り減り 具合や凹凸がなくなっていないか気を配り、 特に冬場の大雪や凍結・積雪や雨の日など気 象条件によって、滑って転ぶことが無いよう 注意しています(写真3)。また、階段・身の 回りの整理整頓や、携帯電話を使いながらの 作業についても随時指導しております。 (4) を配布し、会社の出入り口に消毒剤、室内に 空気清浄除菌装置を設置しています。また予 防接種を受けたり、マスクを着用したり、風 邪のような症状がでたら、すぐに病院を受診 し感染が広がらない様注意して、治ったと自 己判断せずに病院から完治したと診断される までは出社しないよう徹底しています。 写真4 写真3 2 靴底は大丈夫? 健康管理について 健康診断は、地域の病院と提携し予約制で 毎年春と秋の 2 回 100%受診し、その結果に 基づき再検査や持病等について個別に指導や 通院相談を実施し、有所見率が少なく、数値 が正常範囲になるよう努めています。 また、出庫や帰庫の点呼で全ドライバーと 対面した際の体調確認を行い、気にかかるこ とがあったら早めにコミュニケーションがと れるような環境づくりとして、社内勉強会や ミーティング、バーベキューを随時開催して います。点呼執行所には各自が随時血圧を測 れるよう血圧測定器を設置しています(写真 4)。 夏場の熱中症予防には、各自水分補給用の 水筒や飴等を携行しておくことで、症状が出 る前に定期的に水分をとるように指導してい ます。 特に冬場のインフルエンザ流行の時期には、 感染を防ぐため、各自に速乾性の手指消毒剤 血圧測定 結びに この度の「優良賞」受賞を機に、ひとりひ とりの心や体の健康状態にも充分に注意をは らいながら、労働災害や交通事故のゼロを目 指し、全社員総力をあげて更なる努力を続け てまいります。 最後になりましたが、陸上貨物運送事業労 働災害防止協会熊本県支部様をはじめ、熊本 県トラック協会様、関係各位の皆様方には今 後ともご指導、ご鞭撻の程どうぞよろしくお 願い申し上げます。 御船運送株式会社 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) (5) 「平成 26 年度 年末・年始労働災害防止強調運動」 の効果的な取組について 陸運業では、年末・年始は荷動きの増加、気 象条件、交通事情等作業環境が変化することか ら労働災害の多発が懸念され、一段の労働災害 防止の取組が求められるところです。また、前 年から労働災害が増加傾向にあることから、昨 年 8 月には厚生労働省から当協会を含む労働災 害防止団体に対し緊急対策が発せられ、今年 1 月には「STOP!転倒災害プロジェクト 2015」 が立ち上げられました。 今年度は、 「今こそ荷主と力を合わせ 危険因 子を総点検 災害防止へ対応強化」をスローガ ンに、12 月 1 日から 1 月 31 日までの 2 か月間 を年末・年始労働災害防止強調運動期間として、 陸運労災防止協会各都道府県支部及び会員事業 場で、都道府県労働局、トラック協会の協力・ 支援のもと、様々な取組を実施しました。 「年末・年始労働災害防止強調運動」の実施 について、広報紙やホームページを活用し、強 調運動期間に先立ち 11 月頃より運動の主旨に ついて会員事業場へ周知を図るとともに、安全 ポスター、紙のぼり(図)等を頒布しました。 会員事業場への安全パトロールを実施した支 部では、陸運災防指導員等により安全衛生自主 点検表を配布し、会員事業場に自社の安全度に ついてチェック、認識していただきました。 以下にその取組の一部をご紹介します。 【北海道支部】 ・平成 26 年中のフォークリフトの災害事例を 会員あて配布 ・事故防止セミナーの開催 ・ラジオ番組で交通労災防止を啓発 ・輸送安全総点検文書の配布 【秋田県支部】 ・交通労災防止総決起大会 ・安全研修会、事故防止研修会の開催 ・事例研究、リスクアセスメント事例発表会 ・職場の安全衛生自主点検表配布、回収 ・スキッド(自動車の横滑り等)体験型安全運 転講習会 ・年末の飲酒運転防止パトロール 【栃木県支部】 ・職場の安全衛生自主点検表及び紙のぼりの全 会員への配布 【神奈川県支部】 ・労災事故防止決起大会 【新潟県支部】 ・労災防止推進大会 ・安全記録カレンダー、紙のぼりの配布 ・冬季無災害運動の啓発 【石川県支部】 ・年末年始無災害チラシ全会員への配布 ・腰痛防止研修会の開催 【徳島県支部】 ・災防指導員による巡回指導 【大分県支部】 ・労働局との合同パトロール ・安全ポスター、安全記録カレンダーの配布 【沖縄県支部】 ・安全講習会の開催 ・懸垂幕掲揚、チラシ配布 【青森県支部】 ・交通労災防止総決起大会 【岩手県支部、宮城県支部、福島県支部、栃木 県支部、新潟県支部】 ・会員事業場への安全パトロール 【宮城県支部】 ・安全ポスター、紙のぼりの配布 ・緊急対策及び転倒防止のリーフレット配布 図 安全ポスターと紙のぼり 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) 工場内において協力会社の従業員が、フ ォークリフトで貨物の搬出作業中に、工 場内作業員を轢く 災害事例 と その対策 1 事業の種類:陸上貨物運送事業 2 被災者 (6) :工場内作業者 3 傷病の程度:全身打撲で重傷 4 災害発生状況 この災害は協力会社の従業員(トラック運転者 (フォークリフト運転を兼務))が工場内に保管 されている貨物を搬出するために、フォークリフ れていなかった。 5 災害発生要因 ⑴ フォークリフト運転者が後方の安全確認を しなかった。 ⑵ 被災者がフォークリフトの動向に気を払わ なかった。 ⑶ 工場内でフォークリフトの搬出作業が行わ ト(カウンターバランス型、2.0 トン)を運転中 れていることを被害者等関係作業者に知らせ に工場内作業者を轢いたものである。 ていなかった。 ① 災害当日、トラック運転者(加害者)は朝礼 の後、午前 9:30 に 10 トントラックで協力会社 ⑷ 工場内はフォークリフト等の通路と歩行者 用通路を線や色で区分していなかった。 の事務所を出発し工場へ貨物を取りに向かっ 6 再発防止対策 た。 ⑴ ② 工場には午前 10:00 に到着し、構内の所定の 場所にトラックを駐車させた後、工場内にある 貨物の取卸しのためのフォークリフトを取り に行った。 ③ フォークリフトは協力会社の所有で常時工 場内保管スペースに駐車されていた。 ④ トラック運転者は貨物引取り書を工場担当 フォークリフトの後進時には必ず後方の安 全確認を行うことをフォークリフト運転者に 再徹底すること。 ⑵ フォークリフト稼動時には立入り禁止表示 をしたり、回転灯等を点滅したりフォークリフ ト可動範囲の危険性を関係作業者に知らせる こと。 ⑶ フォークリフト運転作業は作業計画等を作 者に手渡し、許可を得た後フォークリフトを運 成、複数人で作業を行う時は作業指揮者を選任 転し搬出貨物のトラック積込み作業を開始し し、危険な作業であることを関係作業者に周知 た。 すること。 ⑤ 搬出貨物は全部で 10 個(1個:0.5 トン)有 ⑷ フォークリフト等の作業を工場内で行う時 りすべてパレット仕様で鉄製ラックに積まれ には、工場関係者と協力会社の連絡調整を密に ていた。 行うこと。 ⑥ 7 パレットをトラックに積み終わり、残りの ⑸ 工場内は、フォークリフト等の通路と歩行者 3 パレット目を鉄製ラックから取出し、後進で の通路を線や色で区分し、相互に接触の危険を 方向転換しようとした。その時大きな音がした 防止すること。 ため後方を見たら工場従業員がフォークリフ トの後方で倒れていた。 ⑦ 至急、被災者を救護し工場側に連絡した。 ⑧ 救急車で病院に搬送されたが全身打撲の重 傷を負った。 ⑨ 被災者は保護帽、安全靴を着用。検品のため にラックの近くを歩行していたと思われる。 ⑩ 工場内は制限速度 10km/h 以下と決められて いた。 ⑪ 工場内は、トラックやフォークリフト等の通 路と従業員歩行者等の通路が、線や色で区分さ 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) (7) 安全管理士 陸運業における安全パトロールの推進について 安全管理士 中尾 陽 の着 眼 点 皆様は、安全パトロールと聞いてどのよう に思われるでしょうか? 「面倒だ」、「時間の無駄だ」、「安全パトロ ールに人を配置できない」等色々な理由を付 けて実施していないところも多いのではない でしょうか。 原因としては、 ① ドライバーが一人作業となることが 多い。 ② 積込先、配送先が多く、定点でなく 次々と変化していくのですべての箇所 への対応が困難である。 などが考えられます。 平成 25 年 3 月に出された「荷役作業の安全 対策ガイドライン」においても現場の安全巡 視ということを荷主と協力して実施していく ことが求められています。 A.安全パトロールの必要性 少し古いデータになりますが、公開されて いる平成 21 年の陸運業における労働災害原因 要素の分析にある事故の型別、不安全な行動 別死傷者数を見てみました。 分析されている休業 4 日以上の死傷者 13,338 人の内、多い不安全な行動を円グラフ で示してみました。 安全装置の不履 行, 246 人 誤った動作, 5,691 人 不安全な放置, 255 人 危険場所等への 接近, 3,042 人 その他の不安全 な行為, 2,178 人 B.安全パトロールの役割 その役割は、 「主に目で見てわかる不安全要 素について、現場に存在する顕在化した、或 いは潜在化している災害の芽にについて確認 し、探し、潰すこと」と言われています。 C.安全パトロール実施のポイント ① 予定されたとおりの作業が行われているか? ② 作業している場所が安全な状態か? ③ 作業のルールが守られているか? パトロールを実施している人は危険と感じ たら作業を中止させることが重要です。 陸運業においては、荷の積込先や荷卸先の 荷主等の協力がなくては有効な安全パトロー ルとなりません。荷主等と協力関係を密接に 取り、労働災害の防止に努めていただきたい ところです。 もう少しデータを見てみましょう。 陸運業で多い災害の型、 「墜落・転落」 、 「転 倒」、「激突・激突され」、「挟まれ・巻き込ま れ」 という 4 つの型における不安全な行動は、 次のようになっています。 転倒 456 人 336 人 768 人 挟まれ・巻き込まれ 387 人201 人 597 人 安全装置の不履行 危険場所等への接近 300 人 633 人 激突・激突され 「誤った動作」 ・ 「危険場所等への接近」 ・ 「そ の他の不安全な行為」・「安全装置の不履行・ 安全装置等を無効にする」これらは、安全パ トロールを実施することにより防げる災害が 多いということを示しています。 その他の不安全な行為 699 人 誤った動作 1,362 人 519 人 1,611 人 墜落・転落 0% 運転の失敗(乗 物), 861 人 不安全な放置 20% 40% 60% 80% 100% 災害が多い 4 つの型別で見ても、 「誤った動 作」、「その他の不安全な行為」、「危険場所等 への接近」が原因となっていることが多いこ とが判ります。 「荷役作業の安全対策ガイドライン」で求め られている荷主等との安全衛生協議会を設置 し、共同の安全パトロールの実施に向けて取 り組んでいきましょう。 陸運と安全衛生 №548 平成 27 年 3 月 1 日(毎月 1 回 1 日発行) (8) 業種別労働災害発生状況 死亡 項目 死傷 平成26年1月~12月 平成25年1月~12月 [速報値] [速報値] 死亡者数 構成比 死亡者数 構成比 (人) (%) (人) (%) 業種 平成 27 年 2 月 7 日現在 前年比較 増減数 (人) 増減率 (%) 平成26年1月~12月 平成25年1月~12月 [速報値] [速報値] 死傷者数 構成比 死傷者数 構成比 (人) (%) (人) (%) 前年比較 増減数 (人) 増減率 (%) 全 産 業 1004 100.0 987 100.0 17 1.7 113,972 100.0 112,840 100.0 1,132 1.0 製 造 業 173 17.2 192 19.5 -19 -9.9 26,375 23.1 25,981 23.0 394 1.5 鉱 建 設 業 12 1.2 7 0.7 5 71.4 241 0.2 235 0.2 6 2.6 業 366 36.5 335 33.9 31 9.3 16,582 14.5 16,602 14.7 -20 -0.1 交 通 運 輸業 15 1.5 15 1.5 0 0.0 3,200 2.8 3,065 2.7 135 4.4 陸上貨物運送事業 122 12.2 97 9.8 25 25.8 13,659 12.0 13,651 12.1 8 0.1 港 湾 荷 役業 5 0.5 8 0.8 -3 -37.5 340 0.3 290 0.3 50 17.2 業 42 4.2 40 4.1 2 5.0 1,583 1.4 1,706 1.5 -123 -7.2 農業、畜産・水産業 32 3.2 28 2.8 4 14.3 2,617 2.3 2,671 2.4 -54 -2.0 23.6 265 26.8 -28 -10.6 49,375 43.3 48,639 43.1 736 1.5 林 第 三 次 産業 237 資料出所:厚生労働省 業種、事故の型別死亡災害発生状況 (平成 26 年 1 月~12 月) 項目 業種 合計 墜落・転落 激突 平成 27 年 2 月 7 日現在 飛来・落下 崩壊・倒壊 激突され はさまれ・ 交通事故 交通事故 巻き込まれ (道路) (その他) その他 全 産 業 1,004 254 5 53 56 94 150 225 4 163 製 造 業 173 25 1 13 8 17 63 12 0 34 建 設 業 366 146 3 19 29 26 36 44 1 62 交 通 運 輸 業 15 0 0 0 0 1 1 10 0 3 他 328 67 0 15 14 41 36 97 2 56 陸上貨物運送事業 122 16 1 6 5 9 14 62 1 8 同 上 対 前 年 増減 25 7 0 3 2 4 5 4 0 0 そ の 業種、事故の型別死傷災害発生状況 (平成 26 年 1 月~12 月) 業種 項目 合計 墜落・転落 転倒 激突 飛来・落下 崩壊・倒壊 激突され 13,659 3,937 2,080 981 747 389 735 1,621 8 73 109 -26 -37 -57 60 15 (注) 上記 2 表の右端の列の「その他」は、「墜落・転落」~「交通事故(その他)」以外をまとめたもの 詳細は、陸災防ホームページ http://www.rikusai.or.jp に掲載 陸上貨物運送事業 同 上 対 前 年 増減 平成 27 年 2 月 7 日現在 はさまれ・ 交通事故 交通事故 動作の反動・ 巻き込まれ (道路) (その他) 無理な動作 983 -32 9 1 1,782 -55 その他 395 -43
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