はじめに はじめに

はじ め に
はじ め に
~お客様の暮らしにあわせて作業する~
~お客様の暮らしにあわせて作業する~
リフォーム工事が新築工事と大きく違うことは、お客様が自分の財産として、す
リフォーム工事が新築工事と大きく違うことは、お客様が自分の財産として、す
でに生活をしている家屋で工事を行うことです。家屋外回りの工事では外壁や隣
でに生活をしている家屋で工事を行うことです。家屋外回りの工事では外壁や隣
家があり、内部の工事では家具や貴重品などがあります。十分に気を配りながら
家があり、内部の工事では家具や貴重品などがあります。十分に気を配りながら
の作業となります。
の作業となります。
入居しているお客様に、作業の開始前と作業後のあいさつや報告は必ず行いま
入居しているお客様に、作業の開始前と作業後のあいさつや報告は必ず行いま
す。さらに、作業中に打合せにないようなことが発生した場合は、店社の担当者
す。さらに、作業中に打合せにないようなことが発生した場合は、店社の担当者
やお客様へ連絡や相談を欠かさず実施することが大切です。
やお客様へ連絡や相談を欠かさず実施することが大切です。
リフォーム工事中に災害を起こせば、毎日生活をしているお客様に多大な迷惑を
リフォーム工事中に災害を起こせば、毎日生活をしているお客様に多大な迷惑を
かけるだけでなく、非常に不愉快な思いをさせてしまう事態になります。安全に配
かけるだけでなく、非常に不愉快な思いをさせてしまう事態になります。安全に配
慮した慎重な作業を行わなければなりません。また、会社の社会的信頼や企業イ
慮した慎重な作業を行わなければなりません。また、会社の社会的信頼や企業イ
メージの失墜は計り知れません。
メージの失墜は計り知れません。
そこで、この冊子では作業場所ごとに、作業員が陥りやすい不安全行動を中心
そこで、この冊子では作業場所ごとに、作業員が陥りやすい不安全行動を中心
とした過去の災害事例を題材にして、注意事項や安全対策をまとめました。
とした過去の災害事例を題材にして、注意事項や安全対策をまとめました。
主な内容は次のようになっています。
主な内容は次のようになっています。
屋外工事編 足場や屋根からの墜落・転落災害など
屋外工事編 足場や屋根からの墜落・転落災害など
屋内工事編 脚立や丸のこ・釘打ち機の工具による災害など
屋内工事編 脚立や丸のこ・釘打ち機の工具による災害など
有害物・産業廃棄物編 有機溶剤による災害や廃棄物適正処理など
有害物・産業廃棄物編 有機溶剤による災害や廃棄物適正処理など
安全対策編 日常の安全活動やお客様への対応など
安全対策編 日常の安全活動やお客様への対応など
石綿の取扱い作業についても触れています。
石綿の取扱い作業についても触れています。
無事故・無災害の明るい職場を築くことの一助になれば幸いです。
無事故・無災害の明るい職場を築くことの一助になれば幸いです。
イラスト入る
イラスト入る
はじめに
低層住宅のリフォーム工事における主な資格一覧
事前準備・お客様との打合せ
1
4
5
屋 外工事 編
災害事例① 固定していない足場板にのり墜落
6-7
災害事例② 足場2層目から飛び降りて足を骨折
8
災害事例③ 建物と足場作業床の隙間から墜落
9
災害事例④ 足場上で工具を落として、下の作業員に激突
10
災害事例⑤ 一本吊りの吊り荷が飛来・落下
11
災害事例⑥ 油圧ショベル旋回時に作業者に激突
12
災害事例⑦ 材料を吊上げ中のワイヤーに指が挟まれ
13
災害事例⑧ 屋根を移動中に足を滑らせて墜落
14-15
災害事例⑨ 瓦揚げ機設置の開口部から墜落
16
災害事例⑩ 移動はしごを使用して作業を行い墜落
17
災害事例⑪ ベランダで作業中に墜落
18
災害事例⑫ ひさしの上で塗装作業中に墜落
19
災害事例⑬ サイディングの補修作業中に墜落
20
災害事例⑭ 引き込み電線に接触して感電
21
コラム 熱中症を未然に防止しよう
2
22-23
屋 内工事 編
災害事例① 脚立にまたがって作業中に反動で転落
24-25
災害事例② 重量物を運搬中にギックリ腰
26
災害事例③ 長尺のガス配管を運搬中に激突され
27
災害事例④ 丸のこに軍手が絡まり左指を切断
28-29
災害事例⑤ 木材下の電線を丸のこで切断して感電
30
災害事例⑥ 釘打ち機使用中に釘が目を直撃
31
災害事例⑦ グラインダーの砥石が割れて飛来・落下
32
災害事例⑧ 床上の工具につまずいて転倒
33
コラム 作業前に保護具をチェックしよう
3
34-35
有害 物・産 業 廃 棄 物 編
災害事例① 浴室で防水塗装中に有機溶剤中毒
36
災害事例② 内装工事中にライター使用で爆発
37
災害事例③ 事前調査なしに解体作業で石綿が飛散
38
災害事例④ 撤去建材廃棄物を不法投棄
39
コラム リフォーム工事中の産業廃棄物
Design: Kanako Aoyama
Illustration: Hideo Kusuda
40-41
4
安全対策編
安全活動 危険予知(一人KY)
42
安全活動 5S
43
安全活動 作業手順書
44
作業環境 居住者の安全通路確保
45
作業環境 工事車両の待機場所確保
46
安全気配り 工事のお知らせ
47
安全気配り 日々のあいさつ
48
災害事例 ❸ 建物と足場作業床の隙間から墜落
災害防止
よくある事故事例
建物と足場作業床の隙間が 50cm も開いたまま作業を行うと、足を滑らせた
とき、
墜落災害が発生する危険があります。人間の身体は左右の幅はありますが、
前後の厚みはそれほどありませんので、隙間から墜落しやすい形をしているとい
えます。既設の構造物で隙間が開いてしまう場合は、対策を講じてから作業しま
しょう。
隙間を開けたまま作業を行ってはいけません!
危険のポイント/安全アドバイス
1.建物と足場作業床の隙間は、25cm 以内となるように計画します。
2.足場の作業床の幅は、原則、40cm 以上としなければなりません。
40cm 以上の作業床の設置が困難なときは、次の対策などを行ってくだ
さい。
① 腰より高い位置に親綱を設置して、安全帯を使用できるようにして
ください。
② 防網を張って、作業員が墜落することができない設備としてください。
9
災害事例 ❹ 丸のこに軍手が絡まり左指を切断
災害防止
よくある事故事例
木造建築工事で発生する「切れ・こすれ」災害の原因は、携帯用丸のこ盤(通
称丸のこ。以下、丸のこ)が最も多いとの統計データがあります。丸のこの災害
では、軍手が絡まり自分の指を失ってしまうだけでなく、最悪の場合、死に至る
こともあります。
丸のこ使用時は、どんな手袋でも着用してはいけません!
危険のポイント/安全アドバイス
1.コンパネなどを切断する丸のこは、法令用語では「携帯用丸のこ盤」
といいます。通達などもこの用語が使われています。
2.私達は普段、素手で行動しています。軍手は素手より一回り大きくでき
ていますので、感覚が違ってしまうため巻き込まれやすくなります。
3.切断する木材は角材の上に置き、安定させて切断します。また、長尺
材や幅広材は、材料の重みで刃が挟みつけられないように注意します。
28