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【解答への手引き(テーマ説明文)
】
今回は,体育の日に関連して実施された,体力・運動能力調査の結果についての記事となりま
す。6 歳から 79 歳という幅広い年齢層の参加者の結果から,子どもとお年寄り全体の運動能力
の推移や運動習慣,その改善に向けた自治体,政府の取り組みなどの記述があります。英文は比
較的短く,英文構造にも難解なものはほとんどありませんが,やや難易度の高い語句や固有名詞
が散見されます。一つひとつの文構造を正確に把握することを意識して読み進め,分からない語
句を類推し,それを踏まえて文法事項を問う問題と,英文和訳・内容把握問題といった読解問題
の両方に取り組んでください。
[解答]
問1
(a)
with
(b)
In
(c)
of
問2
(1)
The decreasing power of their grip strength is said to be due to a decline in
such motions as wringing out a dust cloth
(3)
It is desirable for elderly people to get into the habit of exercising so that they
can extend their "healthy life expectancy"
問3
(2) 少なくとも週に 3 日から 4 日運動をしている高齢者の 80%以上が,何にもつかま
らずにズボンやスカートをはくことができるということが分かった。
(4)
地域の住民が運動することで,商品券などと交換できるポイントをためられる制度
を導入している自治体もある。
問4 エ
[設問解説]
問1
適語補充問題。熟語の知識を問う問題です。
(a)
正解は with となります。in connection with ~ 「~に関連して」という意味になり
ます。
(b)
正解は In となります。in particular 「特に,とりわけ」という意味になります。
(c)
正解は of となります。on the basis of ~ 「~に基づいて」という意味になります。
問2
語句整序問題。それぞれの語句の品詞や語法に注意し,与えられた日本語とよく照らし合
わせながら取り組んでみましょう。
(1)
まず,与えられた日本語の「握力の低下は~と言われている」という主語と動詞の部
分を The decreasing power of their grip strength を S(主語),is said to を V(動詞)
と表現します。また,
「~による」という原因を表わす日本語表現から,due to を用いる
ということが分かります。due to は be 動詞のあとに続ける形となるので,be due to と
いう表現を作ることができます。ここまでで,The decreasing power of their grip strength
is said to be due to ~という形を作ることができます。そして,
「雑巾絞りのような動
作が減ったこと」は,
「~における減少」と考え,a decline in ~とすることができます。
最後に「雑巾絞りのような動作」は such motions as wringing out a dust cloth と表わす
ことができ,これらをつなげると解答のようになります。ポイントは,due to の語法と such
~ as の表現を見抜くことができるかどうかということです。
(3)
今回のポイントは,It is ~ to V の形式主語構文と,目的を表わす so that S can V
の表現を見抜くことができるかという 2 点です。
「高齢者にとって,運動を習慣づけるこ
とが望ましい」の部分は,形式主語構文を用いて,It is desirable for elderly people to get into
the habit of exercising と表わすことができます。get into the habit of ~ 「~の習慣が身
につく」という表現はあまり聞き慣れないかもしれませんが,前置詞 to の後に続く動詞の原
形で始まる選択肢が get into と extend の 2 つしかないので,後に「寿命を延ばす」と言う
表現で extend を使用することからも,get into を選ぶことができるでしょう。そして,
「~
するために」という目的を表わす so that を用いて,残りの「『健康寿命』を延ばすために」
の部分は so that they can extend their "healthy life expectancy"と表わすことができます。
以上をつなげると,解答のようになります。
問3
下線部和訳問題。下線部の構造をしっかりと把握して和訳に取り組んでみましょう。
(2)
今回の下線部は,図解すると以下のようになっています。
More than 80 percent of elderly people ( who exercise <at least three to four days a week> )
=S(主語)
were found to be able to put on trousers or skirts <without holding on to something>.
V(動詞)
上記のように,先行詞を elderly people とする関係代名詞 who の節を含む More ~ a
week までの大きな句が S となり,were found が V となっています。were found to be
able to ~の部分は少し訳出しづらいですが,
「~できるということが分かった」とすれば
よいでしょう。without holding on to something は「何かにつかまることなく」と言う副
詞句になっています。これらをつなぎ合せると解答のようになります。
(4)
下線部の構造は,Some local governments を S,have introduced を V,a system を O
とする主節と,a system を先行詞とする関係代名詞節(under) which ~ the like に分かれて
います。上記した主節の構造に特に難解な部分はありません。次に,関係代名詞 which に導
かれる節は,図解すると以下のようになります。
under which local people, < through physical exercise >, can save up points ( that
S
V
O
can be converted into merchandise coupons and the like).
local people を S,through physical exercise は「運動を通して」という挿入句で,
can save up が V,目的語 points を主格の関係代名詞 that の節が修飾するという構造に
なっています。convert A into B 「A を B に変える」が受身の形で使われていますが,
「商
品券などに交換できる」と能動的に訳出して points につなげると自然な日本語になるでしょ
う。以上を組み合わせると,解答のようになります。
問4
内容把握問題。本文の該当箇所と設問の文章をよく照らし合わせて検討していきましょう。
(ア) 誤り:第 4・5 パラグラフ参照。第 5 パラグラフ第 1 文に,設問の前半と同じ,子どもの
体力は 1985 年のピーク時には及ばないという記述があるものの,第 4 パラグラフ第 1 文に
全体的には向上しているという旨の記述があるので,
「すべての項目において低下している」
という点が誤りとなります。
(イ) 誤り:第 7 パラグラフ参照。同パラグラフ第 1 文に,65 歳以上の高齢者の体力はおおむ
ね最高水準にあると言う旨の記述があるので,「高齢者の体力も全体として大きく低下して
おり」という点が誤りとなります。
(ウ) 誤り:第 11・12 パラグラフ参照。第 12 パラグラフの後半に,設問の前半と同じ,総合
型地域スポーツクラブが政府の助成制度によって支援されているという記述があるものの,
第 11 パラグラフ第 2 文に学校の体育館のような既存の施設を利用するという旨の記述があ
るので,「施設を新設している」という点が誤りとなります。
(エ) 正解:第 13 パラグラフ参照。設問と同様の,総合型地域スポーツクラブの課題について
記述があります。