B04 Research Abstracts on Spatial Information Science CSIS DAYS 2015 屋内ネットワークデータ構築手法の確立と行動の可視化の試み 髙瀬 啓司,木田 和海,鞍掛 彰洋,小澤 佑貴 ESRI ジャパン株式会社 Email: <[email protected]> (1) 動機: 近年,あらゆる機器がネットワークとつなが 壁やデスクなど,移動の障害になる部分はネットワ る IoT(Internet of Things)時代の到来を迎え,これ ーク上から削除する処理をモデルに組み込んだ. に関連し多種多様な測位技術を用いた屋内測位 スタッフの位置をマップ上にプロットする際には,こ に関する研究が発表されている.しかし発表される のネットワーク上に自動的にスナップするよう設定し 研究の多くが,大規模な設備投資やそれなりの規 た.そして,一般的なネットワーク解析を行うことに 模を必要とするものが多く,研究者や業務で気軽 より,各スタッフの移動経路を特定し可視化した.こ に実験するには困難であるケースが多い.そこで れによって実際の移動軌跡に近い状態での滞留 本研究では,市販の GIS ソフトウェアと屋内のフロ 解析や移動パターンの解析が実現できる. ア図面から簡単な屋内ネットワークデータの構築の (3) 結果: 実証の結果,GIS 上で一般的なスナップ処 手法とそれを使った行動の可視化の方法を報告す 理を実行することで,作成したネットワークデータに るものである. 対して取得したログデータを紐付け,経路探索や (2) 方法: 本研究では,イベント会場でのスタッフの行 移動に関する可視化を行うことが可能となった.こ 動を可視化することを目的として実証実験を行った. の手法は,既存の技術の組合せで実現しており, 行動の可視化に必要なログデータに関しては,簡 他の方法に比べ安価で実現可能である.このこと 易的なアプリケーションを作成し,展示ブース等に から研究者や学生でも屋内を調査フィールドとした 設置したビーコンによる屋内測位により取得した. 研究を行うことが出来ると考えられる. 得られた情報は,端末を持ったスタッフがどのビー (4) 今後の展開: 本研究では,屋内をフィールドとして コンに近づいたかのログデータであり,設置してあ 図面から情報を読み取り,壁などによる通行の可能 るビーコンの座標値を結合させたポイントデータで かどうかのバリアを作ることで現実的に人の行動可 ある.行動の可視化として導線解析のように移動経 能なネットワークデータセットを構築し,その活用に 路をラインとして表現・解析するために,フロア内で 関して研究した.今後の展開として,作成したネット 物理的に移動可能な経路をメッシュ状のネットワー ワークにマップマッチングするための元となる測位 クデータとして定義し,ログデータをこのネットワー 技術に関して,どのような方式が適しているかを検 証する予定である. ク上にマップマッチングさせる方式を採用した.ま ず,会場内でのスタッフの移動経路をできるだけ忠 実に再現するため,1.5m×1.5m グリッドの細かいメ ッシュ状のネットワークを構築した.その際,部屋の 図 1: 屋内メッシュ (5) 使用したソフトウェア: ArcGIS 10.3 for Desktop ArcGIS Online ArcGIS Pro 図 2: モデル - 23 - 図 3: 線密度
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