さと 室生寺―悟りの仏 多くの寺が女性の立ち入りを許さなかった時代にも、女性を慈悲深く 受け入れてきた寺。徹底した女人禁制の高野山に対比して、 「女人高野」と呼ばれ親しまれてきた歴史を持ちます。 山深く清流の流れる地にあり、古くから水神信仰・龍神信仰の霊地と して崇められてきました。美しいお姿の金堂のご本尊は、 仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを開かれ、永遠に衆生を救済する仏 になられた釈迦如来です。 境内のご案内 所在地 奈良県宇陀市室生78 アクセス 近鉄 室生口大野駅からバス→「室生寺」下車 地図 境内設置のQRコードでも Web Site (日本語) ご覧頂くことができます。 http://www.murouji.or.jp 釈迦如来/金堂 五重塔/寺の四季 仁王門/鎧坂 奥の院/女人高野 拝観料金 参拝 入山料 参拝時間 大人(中学生以上) 小学生 600円 400円 8:30-17:00(4月-11月) 9:00-16:00(12月-3月) 弥勒堂/灌頂堂 しゃかにょらい 釈迦如来立像/国宝 美しいお姿の金堂のご本尊は、仏教の開祖であるお釈迦様が悟りを 開かれ、永遠に衆生を救済する仏になられた釈迦如来です。 深い瞑想の表情をされた室生寺の釈迦如来は もともとは古式の薬師如来像であったと考えられています。 平安時代初期に造立され、華やかな文様が描かれた光背も制作当初 のものです。木造 高さ234.8㎝ こんどう 金堂/国宝 堂内には釈迦如来立像、十二神将立像などが安置されています。 9世紀なかばごろの創建とされ室生寺の中で最も古い建築物の一つ。 江戸時代、徳川5代将軍綱吉の生母、桂昌院が深く仏教に帰依し、 室生寺の堂塔の修理、復興に力を尽くし、この時期に金堂も大改修 がなされました。 ごじゅうのとう 五重塔/国宝 優美で端正な姿が人気の五重塔。 高さ約16mと屋外に建つ五重塔では我が国最少。 1998年の台風で倒れた木によって大きな損傷を受けましたが、 このニュースが伝えられるや支援の声が殺到し、 日本だけでなく海外からも、仏教関係だけでなく キリスト教団体からも修復資金として 多額の寄金をいただきました。 現在の新しく修復された室生寺の五重塔は 多くの人々の愛情に支えられて立っています。 初夏のシャクナゲ、秋のモミジと四季に移ろう風情 4月、5月/しゃくなげ 3000株のシャクナゲが境内を彩る。 夏・新緑と蛙 秋・紅葉 冬・静寂の雪景色 かんじょうどう にょいりんかんのん 灌頂堂(本堂)/如意輪観音坐像 灌頂堂 鎌倉時代 国宝 1308年建造 真言宗の重要な儀式である灌頂という密教の儀式が行うために建てられ た堂。 如意輪観音坐像 木造 像高78.7㎝ 平安時代 重要文化財 女性的な優しさに満ちた表情を浮かべるこの如意輪観音は日本三如意輪 の一つ。如意宝珠と輪宝を持ち、延寿、安産に功徳があるとされます。 みろくどう みろく ぼさつ 弥勒堂/弥勒菩薩立像 弥勒堂 鎌倉時代中期建造 弥勒菩薩立像 奈良時代 重要文化財 重要文化財 山内で最も古い仏像で、頭が大きく童子を思わせる姿。 脇佛 国宝の釈迦如来座像は古くから五穀豊穣、安産、 子供の健康な発育を授ける仏として厚く信仰されています。 弥勒菩薩立像 国宝 釈迦如来座像 におうもん 仁王門 昭和40年に再興され、赤と青の阿吽の仁王像も新しい、 朱塗りも鮮やかな門。 この門をくぐるとバン字池があり、 木の上に卵を産み付ける珍しい蛙が 生息しています。 よろいざか 鎧坂 新緑と薄紅色のシャクナゲに彩られた鎧坂を上りきると金堂。 自然石をていねいに組んだ様が、小板を編んだ鎧に似ていることから鎧坂と呼ばれています。 おく いん みえいどう 奥の院 御影堂 仁王門から奥の院までの700段の階段を上がると奥の院があります。 弘法大師を祀り、毎月21日に開扉されお像を拝観することができます。 重要文化財 鎌倉時代後期建造。 にょにんこうや 女人高野 「女人禁制」とは、僧の修行の障害になるとして、女子の山内に入るのを禁ずること。 明治初期まで高野山・比叡山などで行われていました。 室生寺が女性に門戸を開放した時期は、寺の伝えによれば鎌倉時代と言います。 17世紀に五代将軍綱吉の母・桂昌院の寄進をうけて堂塔の復興がなされてから 「女人高野」の名が一層世に広がりました。 現在でも室生寺を訪れる参拝者の8割が女性です。
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