とよお科ゼミナール 7月23日号

と よ お 科 ゼ ミ ナ ー ル
ぜん じ
もんだい
6時間目
平成27年 7月23日
かいとう
前時の問題と解答
かわ
みつ
おお
はたら
さ よう
なに
『川には三つの大きな 働 き(作用)があります。それは何でしょう?』
かいせつ
はい
まえ
ぜん じ
かい せつ
い
か
つい か
ていせい
まこと
もう
わけ
解説に入る前に、前時の解説を以下のように追加・訂正をさせていただきます。 誠 に申し訳あり
ませんでした。
がい ぶ てきよういん
につこう
くう き
あめかぜ
なが
あいだ
がんせき
「外部的要因」
には、もうひとつには、日光や空気、
雨風などに長い
間 さらされることによって、
岩石
へんしつ
こま
ふう か
さ よう
ふう か
ぶつ り てきふう か
が変質したり、細かくくだけたりする『風化』という作用があります。
『風化』には「物理的風化」
か がくてきふう か
りようほ う
しんこう
と「科学的風化」があって、
両 方がからみあって進行していきます。
ぶつ り てきふう か
○物理的風化
き おん
へん か
・気温の変化によるもの
がん せき
こうぶつ
しゆるい
ねつ
ぼ うちよう
わりあい
こと
き おんへん か
→ 岩石をつくっている鉱物の種類によって熱による膨
張
の割合が異なるので、気温変化
く
かえ
こう ぶつ どう し
はな
わ
め
の繰り返しで鉱物同士はたがいに離れていき、割れ目ができたりこわれたりします。
みず
こお
お
・水が凍ることによって起きるもの
わ
め
みず
はい
こお
たい せき
ふ
く
かえ
がん せき
→ 割れ目に水が入り、凍ることによって体積が増えます。その繰り返しによって岩石が
わ
割れていきます。
せいぶつ
・生物によるもの
しよくぶ つ
ね
→
植
物の根、モグラ、アリ、ミミズなどによる
かぜ
さ よう
・風の作用によるもの
かぜ
ふ
と
すな
→ 風に吹き飛ばされた砂などがあたってけずられていきます。
か がくてきふう か
○化学的風化
あま みず
ち か すい
ぶつ しつ
がん せき
なか
こう ぶつ
か がく へん か
お
・雨水や地下水にはいろいろな物質がとけているために、岩石の中の鉱物が化学変化を起こし
ち か すい
いち ぶ
こう せい ぶつ
こう ぶつ
なが
だ
へん か
お
がんせき
たり、地下水などに一部の構成物(鉱物など)がとけて流れ出す、などの変化が起きて岩石
がこわれていきます。
かわ
みつ
おお
はたら
さ よう
なに
『川には三つの大きな
働 き(作用)があります。それは何でしょう?』
し んしよく
うんぱん
たいせき
か せん
さん さ よう
かわ
す いりよう
りゆうそ く
し んしよく
うんぱん
「侵
食
」
・
「運搬」
・
「堆積」
を
『河川の三作用』
といいます。
川の水
量
や
流
速によって
「侵
食
・運搬」
たいせき
き
と「堆積」のどちらかがさかんになるか決まります。
し んしよく
さ よう
す いりよう
りゆうそ く
おお
○「侵
食 」作用・・・水
量 やす流
速が大きいほどさかん
うんぱんなか
れき
つぶ
ちよつけ い
な
おお
いし
かわぞこ
ち ひよう
運搬中の礫(粒の 直 径が砂よりも大きい石)などがぶつかり、川底や地 表 などをけずりま
す。
だ い ひよう て き
ち けい
ぶ い じ だに
かわ ぞこ
じ
だに
※代 表 的な地形→「V字谷」
川底がけずられてVの字にえぐれていってできた谷です。
けいしや
きゆう
さん ち
じようりゆう
ちゆうりゆう
み
に ほん
おお
くろ
傾斜の
急
な山地の
上
流
から
中
流
でよく見られ、日本では多くみられ黒
べ きよう こ く
ゆう めい
かみ たか い
まつ かわ けい こく
よ ね こ か わ じようりゆう
部 峡 谷が有名ですね。上高井では松川渓谷、そして米子川
上 流 がそれ
おも
にあたるといっていいと思います。
うんぱん
さ よう
りゆうそ く
おお
はこ
りよう
おお
おお
れき
はこ
○「運搬」作用・・・
流
速が大きいほど運べる
量
が多くなり、大きな礫も運びます。
はこ
おお
つぶ
そこ
しず
じようた い
なが
そこ
しようと つ
・ころがして運ぶ:大きめの粒は底に沈んだ
状
態ですべるように流されます。底などに
衝 突し
し んしよく
すす
れき
かど
まる
ち く まがわじようりゆう
さ
て侵
食
が進みます。
礫も角がとれて丸くなっていきます。
千曲
川
上
流
の佐
く
し なのがわ
か りゆう
にいがた
ある
よう す
久から(信濃川)下
流 の新潟まで歩いてみると、その様子がよくわかりま
に ほんかい
そそ
か こう ふ きん
すな
す。日本海に注ぐ河口付近はほとんどが砂になっています。
う
はこ
どろ
ちい
つぶ
みず
しず
りゆうそ く
ちい
・浮かせて運ぶ:泥などの小さい粒は水をにごしたまま沈まず、
流 速が小さくなるとゆっくり
ちんでん
と沈殿します。
はこ
みず
ぶつしつ
はこ
・とかして運ぶ:水にとける物質はとけたまま運ばれます。
たい せき
さ よう
なが
はこ
うん ぱん ぶつ
つ
かわ
うみ
○「堆積」作用・・・流れがゆるやかになると運べなくなるので運搬物を積もらせます。川が海
みずうみ
なが
こ
つぶ
おお
たい せき
こ
やた湖
に流れ込むと粒の大きなものから堆積していきます。ダム湖などで
い りよう
ど しや
たい せき
しゆん せ つ
ばく だい
ひ よう
て ま
は大 量 の土砂が堆積し、「 浚 渫」に莫大な費用と手間がかかり、よくニュ
ースでもとりあげられます。
せ んじよう ち
けいしや
きゆう
さん ち
へい ち
で
りゆうそ く
きゆう
※代 表 的な地形→「扇だ状
地」
傾斜の
急
な山地から平地に出ると
流
速が
急 におそくなる
に
で ぐち
ちゆうし ん
おうぎが た
たいせき
ち けい
かみたか い
ため、谷の出口を
中
心として
扇
形に堆積してできる地形です。上高井では
あ ゆ か わ せ んじよう ち
いちかわ
ど う かわ
せ んじよう ち
ま つ か わ せ んじよう ち
だ いひよう
「鮎川扇
状 地」
「市川(百々川)扇
状 地」
「松川扇 状じようか
地」に代
表 されます。
ち く まがわた い が ん
なが の し
とく
い
なが
千曲 川よ対岸の長野市(特にイトーヨーカドーなどの
上
階から)から眺める
う す
とその様子がよくわかります。
だ いひようて き
ち けい
さんかく す
うみ
みずうみ
か こう
きよくた ん
りゆうそ く
※代 表 的な地形→「三角州(デルタ)
」
海や
湖
にそそぐ河口では
極
端に
流 速がおそく
さんかつけい
たいせき
ち けい
なるので、三角形に堆積してできる地形です。
だ いひようて き
ち けい
なが
はや
じようりゆう
ちゆうりゆう
し ん しよく
うん ぱん
おそ
か りゆう
か こう
いっぱんには、流れの速い 上 こ流
~ 中 流 おでは「侵
食は・運搬」がさかんで、遅い下
流た~河口では
たいせき
うずい じ
お
いし
こ
う ん ぱ んりよく
も
いりよう
ど しや
「堆積」
がさかんといえます。
また洪水時には大きな石も運べるほどの運搬
力 を持つので、大 か量
の土砂
うんぱん
たん き かん
ふか
し んしよく
こうずい ご
じ
やま
ど せ きりゆう
わ
りゆう ろ
を運搬し、
短期間に深く侵
食 します。洪水語は地すべり・山くずれ・土石 流 などによって、川の 流 路
か
ち けい
か
が変わったり、地形が変わることもあります。
に
じ かん
かいせつ
さて二時間にもわたるダラダラ解説(ふるはたの「ひけらかしコーナー」
)におつきあいいただき、
こ
と
ありがとうございました。わかっちゃいるけど、
「いったんのめり込むと、もうどうにも止まらない
きよう い ん
わる
くせ
やま もと
し
で
という 教 員の悪い癖(山本リンダではない・・・ちぇっ、知らねえか)」が出てしまい、みなさん
あきちゃいましたよね。すんません・・・
いちぱつ
め
さ
かんが
じ かん
それでは、ここらで一発!目の覚めるような「さあ、みんなで
考 えよう!!」の時間です。
した
ず
とよおか
に れい ち く
なが
おも
か せん
じゆうだ ん め ん ず
らん
おも
下の図は豊丘・仁礼地区を流れる主な河川の「 縦 断面図」です。じっくりとご覧いただきたいと思
います・・・
「豊丘・仁礼地区各河川の縦断面図」
米子川・仙仁川・灰野川・宇原川・奈良川
しつもん
ず
いち ど ほん じ
かいせつ
じ かん め
やま
そこでみなさんに質問です。
『この図と、もう一度本時の解説そして4時間目の明覚山の山すそが
だ
ち ず
ふ
かえ
ふつふつ
ぎ もん
あたま
せり出している地図を振り返ってみてください。そうすると沸々とある疑問が 頭 にうかんできませ
んか?』25日から夏休みです。時間はたっぷりあります。夏休み明けには、大勢の方のお答えを
お待ちしています。28日をめどに校長室までご提出ください。くれぐれもお忘れなく・・・
※ 考える手がかりとして・・・上図からは、奈良川は長さは短いのですが、高度1500M~700Mあた
りの傾斜が豊丘・仁礼地区の川では一番きつく、かなりの急流であることが読み取れるのですが・・・
子ども (
おうちの方
学年
お名前(
氏名
)
)