院内感染防止を目的とした環境衛生保持と活動と効果 当院では、(安全

院内感染防止を目的とした環境衛生保持と活動と効果
当院では、
(安全で快適な治療と環境を提供するという)理念に基
づき、毎月一回環境感染対策院内ラウンドを実施し、環境衛生の保
持に対する質の向上を目指しています。
感染対策委員会は、看護師、臨床工技学士、検査技師、調理師、
ケア・コーディネーターで構成されており、中でもケア・コーディ
ネーターは、備品の管理、消毒、滅菌作業、清掃など直接、感染に
関わる様々な業務に携わり、積極的に活動しています。
安全な環境を整えるには徹底した清掃は特に重要です。その為、
清掃区域の【エリア分け】を実施し、感染防止に努めています。
院内ラウンドは、安全な環境が保たれているか定期的に確認し、
不備が生じた時の対応を早期に行う事を目的にしています。今回、4
年間のラウンドの問題点を評価し、それに対する対策を行ったので
報告します。
当院独自のチェックシートを基に確認しながらラウンドします。
その場で改善ができるものについては即座に行い、時間を要する事
柄についてはラウンド後、改善を行い全職員へ報告しました。
ラウンドチェックシートは 1F外来・手術室・厨房 115 項目
透析室 112 項目
2F
3F病棟 97 項目に分類しラウンドを行います。
ラウンドチェック項目は外来や手術室の機器や器材、薬品の有効
期限の確認、また厨房は食中毒を考慮した温度調節等。透析室は医
療廃棄物の処理、リネン管理等。病棟は水周りや環境整備等、それ
ぞれの環境に応じた、項目確認を行っています。
【1 年目の集計結果】【集計結果 1】【1 年目の集計結果 2】現在ま
での不備件数や不備内容の集計を行いました。
集計結果のまとめとして、1 年目の集計結果からラウンドを行う事
により、重大な感染に繋がる不備は無くなりましたが、埃や汚染等
の普段目につかない箇所も見えるようになってきた為、極端な件数
減少には至っていません。しかし不備件数は年々減少しています。
ラウンドの時間配分と情報伝達の問題点がありました。
当初は多くのスタッフで実施していましたが、業務に支障をきたし
た為、2 日間に分け、少人数で実施するようにしました。また、時間
を要する問題点は改善依頼書で部署ごとに提示し改善後、写真を取
りいれた改善報告書で全職員に提示しました。この事により時間短
縮と情報の共有化が図れました。
改善依頼書と新しい改善報告書についてアンケート調査を行った
結果、ほぼ全職員が閲覧しており、環境衛生についての意識が向上
したと考えられます。
ラウンドにより感染に繋がる不備な点を早期に発見し、全員で改
善する事で実際の感染の発生や拡大を防止出来ました。
感染防止と環境衛生保持の実現には全職員の協力が不可欠です。
情報を共有化し、全員が参加することで日々の業務において感染対
策をより意識できるようになり、効果が上がったと考えられます。
ラウンドは環境感染対策活動の質の向上と環境衛生の保持に有効
です。