第3回福井神経理学療法学術大会「10/25」抄録をアップしました。

第 3 回福井神経理学療法学術大会誌
テーマ
「ニューロサイエンスを臨床と生活に活かす」
大会長
辻
清張(福井県こども療育センター)
主催:福井神経理学療法研究会
後援:公益社団法人 福井県理学療法士会
参加者へのご案内
1. 参加登録について
1) 参加受付
受付場所/日時
嶋田病院 7F いちごホール前/10 月 25 日(日)8:30-
2) 参加費
福井神経理学療法研究会会員
無料
非会員
1,000 円
学生
無料
※総合受付の「参加受付」にて参加費をお支払いください。
※理学療法士の方におきまして、参加者および発表者は専門理学療法士制度ポイントとなります。
当日は JPTA メンバーシップカードを参加受付にてご提示ください。
3) 昼食について
ランチョンセミナー等は開催致しませんので各自でご用意ください。
4) 機器展示
場所/日時
嶋田病院 7F 会議室/10 月 25 日(日)9:00-13:20
5) その他
会場内での携帯電話等のご使用は、発表や質疑応答のご迷惑となりますので、電源をお切
りになるか、マナーモードに設定してください。
司会・座長・演者の方々へのご案内
1. 司会・座長へのお願い
・担当セッションの開始 30 分前までに総合受付の「司会・座長受付」にて登録を済ませ、開始
10 分前までに次座長席(特別講演・教育セミナー・口述演題)にお越しください。
・一般口述の発表は、1 演題につき、7 分間の発表時間と 7 分間の質疑応答を設定しています。
・司会および座長は担当セッションが円滑に進行するようにご配慮願います。
・不測の事態にて、司会または座長職務が遂行不可能と判断された場合には、速やかに総合受付
までご連絡ください。
・発表内容が抄録と大幅に異なる場合には、演者に対し、その場で厳重に注意してください。
2. 一般口述演者へのお願い
・該当セッション開始 30 分前までに総合受付の「演者受付」にて演題登録および USB フラッ
シュメモリーなどにてスライド確認を済ませ、開始 10 分前までに次演者席にお越しください。
・液晶プロジェクターとコンピュータ(Windows)を準備する予定としております。また、プ
レゼンテーションは Microsoft Power Point で行いますので、他のアプリケーションは使用
できません。静止画像を使用する場合は、JPEG 形式としてください。また、基本的に動画は
使用を推奨しておりませんが、使用する場合は、演題受付の際に十分なチェックを行うか、ご
自身のコンピュータをご使用ください。
・特に枚数制限はなく、発表時間内に収まるように注意してください。
・上記の内容に従って作成しなかった場合、当日正常にファイルが動かないなどトラブルが生じ
ても一切責任は負えません。また、ファイルトラブルによる時間延長もありませんのでご了承
ください。
・発表時、プレゼンテーションファイルの操作は演者自身で行ってください。やむを得ない場合
は、事前に演者受付に申し出ていただき操作担当者を 1 名準備してください。
・一般口述の発表は、7 分間の発表時間と 7 分間の質疑応答があります。
・発表終了の 1 分間に 1 回、終了時間に 2 回チャイムを鳴らします。時間厳守を御願いします。
・不測の事態にて、司会または座長職務が遂行不可能と判断された場合には、速やかに総合受付
の「演者受付」までご連絡ください。
・発表内容が抄録と大幅に異なる場合には、演者に対し、その場で厳重に注意してください。
大会スケジュール
プログラム
2015 年 10 月 25 日(日)
第 1 会場(嶋田病院
9:00 ‒ 9:10
開会式
9:10 - 10:40
特別講演
7F いちごホール)
「脊髄損傷のリハビリテーション-病態の理解と基本戦略-」
講師:中部ろうさい病院 リハビリテーション診療科
江口
雅之
司会:福井県こども療育センター 相談・訓練課
辻
清張
白崎
浩隆
小林
拓美
10:50 - 12:20
一般口述
座長:藤田神経内科病院 理学療法科
O-1
麻痺性側弯を呈する混合型四肢麻痺に対する理学療法
∼立位の効果と課題∼
福井県こども療育センター 相談・訓練課
O-2
進行性多巣性白質脳症を合併した AIDS 患者を担当して
福井大学医学部附属病院 リハビリテーション部
O-3
亀井絵理奈
レッドコード・徒手を用いた免荷による吊り下げトレッドミルトレーニングの効果
∼BWSTT と同等の歩行能力改善が得られるか?∼
杉田玄白記念公立小浜病院 リハビリテーション科
O-4
西本
直起
兼八
勇治
左被殻出血を呈し自宅内独歩自立を目指した症例
∼装具の変換に着目して∼
医療法人健康会 嶋田病院 リハビリテーション部
O-5
エルゴメーター逆回転駆動運動が歩行に与える即時的効果
∼脳卒中 2 症例での検討∼
福井大学医学部附属病院 リハビリテーション部
O-6
今中芙由子
左視床出血により重度感覚障害・運動失調を呈した一症例
∼後進歩行練習での歩容改善を目指して∼
福井総合病院 リハビリテーション課 理学療法室
寺西
正辰
司会:福井県立病院 リハビリテーション室
小澤
純一
シンポジスト:福井大学医学部附属病院 リハビリテーション部
北出
一平
シンポジスト:福井県こども療育センター 相談・訓練課
三谷
孝之
シンポジスト:池端病院 リハビリテーション科
大塚
浩一
13:20 - 14:50
シンポジウム
「各期における脊髄損傷のリハビリテーション戦略」
15:40 ‒ 15:50
閉会式
第 1 会場(嶋田病院
9:00 ‒ 13:20
機器展示
7F いちごホール)
特別講演
脊髄損傷のリハビリテーション-病態の理解と基本戦略-
江口
雅之
(中部ろうさい病院 リハビリテーション診療科)
日時:10 月 25 日(日)9:10-10:40
会場:第 1 会場(嶋田病院 7F いちごホール)
司会:辻 清張(福井こども療育センター 相談・訓練課)
特別講演
脊髄損傷のリハビリテーション-病態の理解と基本戦略-
中部ろうさい病院 リハビリテーション診療科
江口
雅之
脊髄の障害では、障害髄節以下にボディーイメージの低下や消失が起こる。そこで理学療法
の介入には、その部位のボディーイメージの再構築が必要である。特に横断性の完全損傷では
損傷部位以下の運動・知覚の障害によりボディーイメージは完全に消失する。このため動作を
再獲得するには、身体の環境の変化を十分に理解し残存する能力を最大かつ効果的に活用する
必要がある。
脊髄完全損傷(以下脊損と略す)では、両上肢を力源とした動作により日常生活動作の自立
を目標に理学療法の介入がなされる。身体の支持基底面が減少した状態での姿勢保持や動作獲
得には効果的な運動学習が不可欠である。動作練習を行う上で動作獲得に必要な身体機能の評
価、動作の完成度を段階的に判定し進めることが重要である。リハビリテーション医療の場面
では多くの場合、介入効果を獲得された運動スキルや動作の難易度で判定する。脊損で問題と
なる運動障害は四肢、体幹の広範囲に及ぶ。限られた力源で麻痺部位に運動連鎖を起こすには、
患者の運動制御や課題遂行能力を段階的に設定し、運動学習が十分に定着しているかを確認し
動作練習を行う必要がある。これらの動作練習に伴いボディーイメージは再構されると考える。
消失部位のボディーイメージは、麻痺域の自重や運動抵抗が残存部位に伝わる感覚を用いて知
覚し、視覚により確認することで構築される。
脊損の運動学習を進める上で重要なことは、損傷高位ごとの適切な目標設定と課題の選択で
ある。これら基本的な介入を中心に概説し、最近の知見として Body-Weight Supported
Treadmill Training (BWSTT)や歩行支援ロボットの今後の可能性について紹介する。
シンポジウム
各期における脊髄損傷のリハビリテーション戦略
シンポジスト(急性期):
(福井大学医学部附属病院
一平
リハビリテーション部)
シンポジスト(小児):
(福井県こども療育センター
シンポジスト(生活期):
(池端病院
北出
三谷
孝之
相談・訓練課)
大塚
浩一
リハビリテーション科)
日時:10 月 25 日(日)13:00-14:30
会場:第 1 会場(嶋田病院 7F いちごホール)
司会:小澤 純一(福井県立病院 リハビリテーション室)
一般口述演題
O-1-6
脳・脊髄疾患
日時:10 月 25 日(日)10:25-12:20
会場:第 1 会場(嶋田病院 7F いちごホール)
座長:白崎 浩隆(藤田神経内科病院 理学療法科)
O-1
麻痺性側弯を呈する混合型四肢麻痺に対する理学療法∼立位の効果と課題∼
小林拓美・辻清張・氣谷祥子・山口朋子
福井県こども療育センター 相談・訓練課
キーワード:脳性麻痺・側弯・立位
【はじめに】麻痺性側弯に対する理学療法の研究は多い。今回、一症例を通して側弯に対
する立位とその効果について考察したので報告する。
【対象および方法】脳性麻痺により混合型四肢麻痺を呈した 12 歳男児。粗大運動能力分
類システム、レベルⅤ、側弯を伴う。持続的な荷重姿勢、抗重力筋の賦活の保持を目的に、
立位を行った。短下肢装具、膝伸展装具を装着し、ティルトテーブルでは胸、骨盤、膝ベ
ルトにて固定、傾斜 80 にて 15 分行った。
【倫理的配慮】今回の報告に際し、対象者やその保護者には十分に説明し同意を得ている。
【結果】立位時には、頸部伸筋、股関節外転筋群の高緊張が緩和し、腹筋群、脊柱起立筋
の収縮増強がみられた。立位後は、座位や臥位姿勢にて体幹右側屈の軽減がみられた。
【考察】側弯に対し即時効果は得られ、児の活動は高まった。今後は、側弯の経過を追い、
二次障害に対する対応も検討しながらプログラムの継続が必要と思われる。
O-2
進行性多巣性白質脳症を合併した AIDS 患者を担当して
亀井絵理奈(OTR)・嶋田誠一郎・五十嵐千秋
福井大学医学部附属病院 リハビリテーション部
キーワード:進行性多巣性白質脳症・AIDS・生活支援
【はじめに】今回、進行性多巣性白質脳症を合併した AIDS 患者を担当した。運動機能障
害、AIDS に対する偏見から社会支援に恵まれず、精神面での悪化がみられた。症例の精
神面の経過から作業療法を振り返り考察を加え報告する。
【症例紹介】30 代、男性。近医にて HIV 抗原抗体検査陽性、頭部 CT で小脳や頭頂葉に
病変認めたため、当院精査加療目的に当院入院となった。
【倫理的配慮】今回の発表に際して、口頭で説明し書面にて同意を得た。
【経過】作業療法開始時は、失調や注意障害がみられ ADL において介助や監視が必要な
状態であった。その後、症状が一時悪化したものの外泊できるまでに回復したが、外泊前
後から不安感や希死念慮が出現した。精神面ついては、臨床心理士や緩和ケアチームが介
入した。2 度の外泊を経て自宅退院となったが、受け入れ可能な施設や作業所がなく家で
過ごすことが多くなり、再び希死念慮や自殺企図がみられるようになった。
【考察】作業療法士・臨床心理士・緩和ケアチームがそれぞれ精神的支援を模索していた
が、情報共有が不十分でありスムーズな支援ができなかったと考える。
O-3
レッドコード・徒手を用いた免荷による吊り下げトレッドミルトレーニングの効果
∼BWSTT と同等の歩行能力改善が得られるか?∼
西本直起・松井文昭・内方美佳
杉田玄白記念公立小浜病院 リハビリテーション科
キーワード:吊り下げトレッドミルトレーニング・頸髄不全損傷・歩行能力
【はじめに】脊損者を対象とした BWSTT にて歩行能力が改善した報告は多くある。今回、
当施設にあるレッドコード・ハーネス・トレッドミルにて免荷機器を代用して BWSTT
と同等の効果が得られるか検証した。
【対象および方法】対象は頸髄不全損傷後約 1 年が経過した 56 歳の男性である。免荷量
は上限 40%とし上出らの基準を参考に漸減した。トレッドミル速度は 2.0km/h、連続歩
行時間は 5 分から随時漸増した。週 2 回を 4 ヶ月間実施し、前後で歩行速度・歩幅・歩
行率、LLMS を比較した。
【倫理的配慮】本発表を行うにあたり症例報告の目的と趣旨を説明し同意を得た。
【結果】歩行速度(m/min)は 37.3 から 57.5、歩幅(cm)は 50.0 から 58.8、歩行率
(歩/min)は 74.7 から 97.8、 LLMS は 36 から 38 点に改善した。
【考察】本症例報告ではレッドコード・徒手を用いた免荷方法で歩行能力が改善した。免
荷量など一定の基準を設ければ BWSTT と同等の効果が得られる可能性がある。
O-4
左被殻出血を呈し自宅内独歩自立を目指した症例∼装具の変換に着目して∼
兼八
勇治
医療法人健康会 嶋田病院 リハビリテーション部
キーワード:装具・カットダウン・歩行
【はじめに】本症例は左被殻出血の影響で日常生活の自立度が低下し退院後は家族からの
支援は望めず最低限の家事動作を行う必要がある。家事動作において杖歩行では実用性が
乏しいため屋内独歩自立を目標とし、介入方法として装具療法と運動療法を実施した。
【対象】60 歳代の男性。初期評価では Brunnstrom stage(以下、Brs)Ⅲ。感覚軽度
∼中等度鈍麻。歩行は長下肢装具使用し平行棒内歩行見守りレベル。感覚や膝の支持性を
経時的に評価し装具の調整を行った。
【倫理的配慮】ヘルシンキ宣言を順守し対象者の説明と同意を得た。
【結果】最終評価として BrsⅤ、感覚軽度鈍麻まで改善した。歩行では屋内は装具なしで
の独歩。屋外は T 字杖とオルトップ使用して 700m 連続歩行可能。
【考察】早期から装具を使用してリハビリテーションを行うことは多くの文献で推奨され
ている。本症例も入院してすぐ装具を使用し装具療法と運動療法を実施したことで屋内独
歩自立が可能になったと考えられる。
O-5
エルゴメーター逆回転駆動運動が歩行に与える即時的効果∼脳卒中 2 症例での検討∼
今中芙由子・五十嵐千秋・松村真裕美・久保田真弓・久保田雅史・嶋田誠一郎
福井大学医学部附属病院
リハビリテーション部
キーワード:脳卒中・エルゴメーター・歩行
【はじめに】脳卒中症例に対するエルゴメーター逆回転駆動運動は即時的に歩行速度の上
昇に寄与すると報告されている。今回、2 例の脳卒中症例に対してエルゴメーター逆回転
駆動運動を実施し、歩行における即時的な変化を検証したので報告する。
【対象及び方法】症例 1 は左視床出血の 66 歳女性(左下肢 Brunnstrom stage(BRS)
Ⅴ、深部覚重度鈍麻、下肢徒手筋力検査 4、独歩監視レベル)である。症例 2 は多発性脳
梗塞の 77 歳女性(左下肢 BRSⅤ、表在覚軽度鈍麻、下肢徒手筋力検査 3、独歩監視∼軽
度介助レベル)である。アシスト機能付き多機能エルゴメーター(ストレングスエルゴ 8)
を用いて、逆回転駆動運動を実施し、その前後の歩容を比較した。
【倫理的配慮】対象者には目的および趣旨を十分に説明し同意を得た。
【結果・考察】症例 1 は立脚後期の股関節伸展角度が増大し、歩幅の拡大、歩行速度の上
昇が認められたが、症例 2 は明らかな即時的変化を認めなかった。エルゴメーター逆回転
駆動運動による即時的効果を期待するには適応症例の検討が必要であると考えられた。
O-6
左視床出血により重度感覚障害・運動失調を呈した一症例
∼後進歩行練習での歩容改善を目指して∼
寺西正辰 1)・竹下和良 1)・伊藤のぞみ 1)・木下
1) 福井総合病院
リハビリテーション課
2) 福井総合病院
リハビリテーション科
寛隆 1)・田中奈津子 1)・佐藤万美子(MD)2)
理学療法室
キーワード:重度感覚障害・運動失調・後進歩行
【はじめに】後進歩行練習は、足部からの感覚入力の増大や筋収縮・歩幅の調節に対する
注意の増大が報告されている。今回、後進歩行練習により独歩自立に至った症例を担当し
たので報告する。
【対象および方法】57 歳男性。左視床出血。著明な麻痺は認めないが、右下肢に重度感
覚障害と運動失調を呈し、歩行は T 字杖監視レベルであった。後進歩行練習は 10 分/日、
5 日/週で行った。実施環境は静寂な廊下とし、口頭指示は爪先から着くこととした。
【倫理的配慮】当院倫理審査委員会の承認(2776)を得ており、症例には書面にて同意
を得た。
【結果】歩行時における筋収縮の調節が可能になり歩容の改善に至った。
【考察】後進歩行練習により足部からの感覚入力の増加や歩幅の調節を行う事で、フィー
ドバックが増加しフィードフォワード型の運動が可能になったと考える。これらのことに
よって、運動失調の改善が促され、独歩自立に至ったと考える。
機器展示
敬称略・順不同
OG 技研株式会社
冨木医療株式会社
パシフィックサプライ株式会社
有限会社 奥義肢製作所
ハンドリーム・ワークス!
第 3 回福井神経理学療法学術大会
■大会長
辻
■準備委員長
北出
一平
福井大学医学部附属病院
■受付担当
小林
拓美
福井県こども療育センター
■機器展示担当
清張
準備委員
福井県こども療育センター
五十嵐千秋
福井大学医学部附属病院
高畑
友宏
福井県済生会病院
松浦
佑樹
中瀬整形外科医院
■アナウンス担当
恩田めぐみ
福井県立病院
■会場運営担当
山西
伴幸
大滝病院
辻村
心
福井総合病院
竹下
和良
福井総合病院
中川
寛紀
福井県立病院
竹島
里佳
福井総合病院
■広報担当
大塚
浩一
池端病院
■財務担当
池田
拓矢
嶋田病院
■相談役
小澤
純一
福井県立病院
宮腰
弘之
木村病院
矢部
信明
福井赤十字病院
山岸
耕二
福井赤十字病院
池戸
佳代美 福井県済生会病院