Flow-Mediated Dilatation(FMD)に おけるMISTシステムの有用性 前田 久美子、川﨑 俊博 大阪掖済会病院 検査室 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【背景】 血流依存性血管拡張反応(FMD)は、非侵襲的 に血管内皮機能を定量評価できる為、近年その 有用性が注目されている。 Celermajer et al : Lancet. 1992. Perticone F et al : Circulation. 2001. Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【背景】 FMDは、検者の熟練度が必要とされ初心者 では測定が難しいとされている。 Corretti, MC. et al : J AmCollCardiol. 2002. FMDは測定方法も煩雑で、臨床上広く利用 されていない。 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【目的】 駆血圧の保持が可能な血圧計と探触子 保持器がセットになったMISTシステムの 有用性について検討を行った。 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【対象】 健常者10名(男性5名、平均年齢26±3歳) Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【装置】 MISTシステム(SARAYA社製) • 駆血調整機能付き血圧計 : MIST-1000 • 探触子保持器 : MIST-100H 超音波システム(GE社製) • 診断装置 : Vivid7 Dimension • 探触子 : M12Lリニア型探触子(9-14MHz) Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【MISTシステム】 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【MISTシステム】 ②微調整 ①探触子固定 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【方法】 マンシェット型の血圧計を用い探触子保持器を 使用しない方法を従来法、MISTシステムを用 いた方法をMIST法とした。 FMDの測定法は2007年に発表されたFMD測 定ガイドラインに準じ、駆血部位は前腕とした。 Matsuoka H et al :Jpn J Clin Pharmacol. 2007. Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【方法】 熟練者が従来法で測定した翌日に、初心者が 同法で測定を行った。 MIST法でも同様に測定を行い、熟練者と初心 者の検者内誤差・検者間誤差をそれぞれ求め 解析を行った。 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【結果】 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【検者内誤差】 初心者の検者内誤差 2測定値の差(従来法-MIST法) 2測定値の差(従来法-MIST法) 熟練者の検者内誤差 2測定値の平均([従来法+MIST法] / 2) 2測定値の平均([従来法+MIST法] / 2) Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【検者間誤差】 従来法の検者間誤差 2測定値の差(熟練者-初心者) 2測定値の差(熟練者-初心者) MIST法の検者間誤差 2測定値の平均([熟練者+初心者] / 2) 2測定値の平均([熟練者+初心者] / 2) Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 初心者MIST法 初心者従来法 熟練者MIST法 【相関】 熟練者従来法 熟練者従来法 熟練者従来法 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【まとめ】 検者間誤差は従来法では大きかったがMIST 法では小さかった。 MISTシステムを用いることで、熟練者と初心 者の測定値のバラツキを抑えることができた。 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital 【結語】 MISTシステムは、従来法に比べ検者の熟練度 による影響を小さくする可能性が示唆された。 MISTシステムを用いることで、検者の負担も軽 減することができ、今後広く活用できる器具であ ると考えられた。 Department of Clinical Laboratory, Osaka Ekisaikai Hospital
© Copyright 2024 ExpyDoc