西尾 弘之

LINTEC
JUNE 2015
59
● 社長インタビュー
中期経営計画「LIP-2016」
推進・加速の年
代表取締役社長
社長執行役員
● L INTEC ESSAY
西尾 弘之
気づきを得ること 東 ちづる
第121期
(2015年3月期)
決算情報
59
1年間の主な動き
JUNE 2015
日頃はリンテックをご支援いただき
2014
2014年4月〜 2015年3月
2015年3月期 第1四半期 決算発表(8月6日)
2014年3月期 決算発表(5月8日)
厚く御礼を申し上げます。ここに当社
4
第59号をお届けいたします。
第120期 定時株主総会・株主説明会(6月26日)
IR( 投 資 家 向 け 広 報)誌「WAVE」
5
6
4月1日 •代表取締役社長 社長執行役員に西尾弘之が就任
•中期経営計画「LINTEC INNOVATION
目次
PLAN 2016(LIP-2016)
」がスタート
2 1年間の主な動き
4 社長インタビュー
中期経営計画「LIP-2016」推進・加速の年
代表取締役社長
社長執行役員 西尾 弘之
10 監査等委員会設置会社へ移行しました
11 新製品情報
12 LINTEC ESSAY
気づきを得ること 東 ちづる
14 決算情報
16 セグメント情報
19 会社概要/役員一覧
23 アンケートへのご協力のお願い
8
9
10
11
12
2015年3月期 第2四半期 決算発表(11月10日)
9月23日 •板 橋区在住の障がい
1
3
2015年3月期 第3四半期 決算発表(2月12日)
1月15日
•東 南アジアおよびインドの地域統括会社として、
者の方や地域住民の
シンガポールにリンテック・アジアパシフィック社
方などを対象にジャズ
を設立
4月23日 2月6日
•東京ドームのプロ野球
公式戦に板橋区在住
の障がい者の方など
をご招待
6月11日 •シール・ラベル用粘着
製品や二輪を含む自
•シール・ラベル用粘着
10月1日 •ガラス装飾フィルム「ウインコス デコラティブ
フィルム」の新アイテム20柄を国内外で発売
12月11日 ~13日 •日 本最大級の環境展
製品などの販売拠点で
あるリンテック・クアラ
ルンプール社 開所式
2月9日
•ペットボトルをリサイク
示会「エコプロダクツ
ルしてつくられたフィ
2014」に出展
ルムを使用したラベル
素材を発売
動車用粘着製品など
の販売拠点であるリン
テック・ハノイ・ベトナム
社 開所式
3月19日
• 大阪で個人投資家向け会社説明会を実施
8月1日 •カーフィルム「ウインコス オートモーティブ
フィルム」の新アイテムとして、高い透明性と
断 熱 効 果 を 両立させ
た2品種を発売
3月25日
• 東京で個人投資家向け会社説明会を実施
日本証券アナリスト協会が東京と大阪で開催した個人投
資家向け会社説明会に参加し、当社社長の西尾弘之が会
社概要や事業内容、業績見通しなどの説明を行いました。
両日合わせて約 220人の投資家の方にお集まりいただき、
当社のことを知っていただく大変良い機会となりました。今
後もこのような活動を通じて、全国の個人投資家の皆様に
当社をアピールしていきたいと考えています。
2
2
コンサートを開催
20 連結子会社一覧
22 株式情報
7
2015
東京での説明会
3
社長インタビュー
中期経営計画
「LIP-2016」
Q
ま
ず、
「LIP-2016」初年度である2015 年 3 月期の業績を振り返ってください。
推進・加速の年
個人消費の落ち込みが一部製品の需要
以上の結果、連結売上高は 2,072 億 55
に影響しましたが、スマートフォンなどの需
百万円(前年同期比 2.0%増)、営業利益は
2016年度を最終年度とする3 か年中期経営計画「LIP-2016」は、初年度を終え、
要効果により、電子・光学関連が大幅に伸長
168 億 81 百万円(同 22.6%増)、経常利益
この4 月から2年目に入りました。初年度の成果、そして2年目となる今期の取り組みに
しました。また利益面では、販売数量の増加
は 179 億 1 百万円(同 36.0%増)、当期純利
ついて、業績面を交えながら西尾社長に語ってもらいました。
や売上構成の改善があったほか、円安による
益は116億59百万円(同37.1%増)と、増収
海外子会社の仕入れコストの減少や円貨換
増益となりました。
売上面では、国内で消費増税以降の
A
中期経営計画「LIP-2016」
(2014年4月1日〜2017年3月31日)
基本方針
攻めの経営と
間断なきイノベーションで
成長軌道を取り戻す
定量目標
最終年度の主要数値目標(連結ベース)
2,400 億円
売上高 営業利益 売上高営業利益率 200 億円
  8%以上
ROE(自己資本利益率)  
8%以上
連結業績推移
総資産
4
西尾 弘之
純資産
売上高
総資産
百万円
250,000
25,000
212,733
200,000
200,905
190,844
203,242 207,255
20,000
150,000
15,000
100,000
10,000
50,000
5,000
0
11/3期
12/3期
13/3期
14/3期
総資産
15/3期
20,000
10,564
11/3期
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
純資産
百万円
17,901
13,613
15,000
4,000
3,000
13/3期
11,659
8,648
9,000
6,000
12/3期
13,622
12,000
13,165
10,981
11/3期
13,766
総資産
8,000
0
16,881
13,975
当期純利益
19,520
16,000
0
20,889
純資産
経常利益
百万円
純資産
営業利益
百万円
12,000
代表取締役社長
社長執行役員
算額の押し上げ効果がありました。
14/3期
15/3期
0
11/3期
12/3期
7,681
13/3期
8,501
14/3期
15/3期
5
社長インタビュー
また、売上高営業利益率は前期の6.8% か
ら7.2%に、それぞれ大きく改善しました。
ら8.1%に、
ROEについては前期の5.8%か
212,733
売上高営業利益率
%
ROE(自己資本利益率)
%
9.8
10
8.1
7.0
8
212,733
5.5
6
6.8
10.9
12
10
8
6.6
6
4
7.2
5.6
5.8
11/3期
Q
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
0
11/3期
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
初年度の主な取り組みと成果を教えてください。
「LIP-2016」重点テーマ
1. グローバル展開のさらなる推進
A
当社では積極的に事業のグローバル
が見込まれる東南アジアを中心に海外事業
の体制を強化しました。ハノイ(ベトナム)、
2. 次世代を担う革新的新製品の創出
(マレーシア)
の販売拠点や、ムンバイ
(インド)
3. 強靭な企業体質への変革
(1)コスト競争力の強化
(2)選択と集中
4. 戦略的 M&A の推進
(1)成長戦略としてのターゲットの明確化
(2)M&A 推進体制の強化
5. 人財の育成
(1)グローバル人材の確保と育成
(2)継 続 的 な 階 層 別 研 修 の 実 施
6
の取り組みを開始しました。さらに、グロー
ルム」
、あるいは高容量蓄電デバイスの電極
バル人材の育成を目的とした研修や、女性
部材などへの活用が期待される「カーボン
社員活躍促進のための研修を実施するなど、
ナノチューブ(筒状炭素分子)シート」の量
多様な人材の活用・育成に向けた取り組み
産化技術の確立といった、次の事業の柱と
も強化してきました。
そのほかにも、コスト競争力の強化策と
して、昨年 4 月に従来のコスト改革本部を
経営トップ直轄の「コスト改革推進室」に
再編し、原材料調達のさらなる効率化を進め
たほか、研究部門と連携して製品開発の段
カーボンナノチューブシート
化を進めており、初年度は今後の成長
(1)アジア地域を中心とした海外事業の拡大
(2)未進出地域での事業基盤づくり
(1)新製品の創出による新市場・新需要の開拓
(2)新製品の創出のための研究開発基盤の強化
省消費電力に大きく貢献する「光拡散フィ
行しています。
2
0
階から最適な原材料を検討する「開発購買」
なるような新製品・新技術の開発が着々と進
4
2
ルム」をはじめ、ディスプレイの高輝度化・
ジャカルタ(インドネシア)
、クアラルンプール
Q
A
2 年目となる今期(2016年3月期)はどのようなことに取り組んでいくのでしょうか。
今期は中期経営計画の目標達成の成
料調達の効率化、ガバナンスの強化を図って
否を左右する非常に重要な年となる
いきます。さらに、同市場での競争力を高め
のデリバリーセンターが相次いで本格稼働
ことから、
“「LIP-2016」推進・加速の年”と
ていくために、現地でのブランド力や販路、
を開始し、現地顧客にタイムリーに製品を供
して、諸施策に積極的に取り組んでいきます。
当社にはない技術を持った企業のM &A(合
給する体制が着実に整備されつつあります。
まず、市場の成熟化が進む国内において
併・買収)も有効な手段と考えており、引き
さらに今年の1月には、東南アジアやインド
新たな用途提案などで需要を掘り起こし、
における事業展開の強化を目的に、地域統括
売り上げの拡大に努めていくとともに、今
当計画の目標として掲げている海外売上
会社としてシンガポールにリンテック・アジア
後の大きな成長に向けてグローバル展開を
高比率 40% 以上、さらにその先を目指し
パシフィック社を設立しました。
より一層推し進めていきます。東南アジア
ていくためには、アジア市場はもちろん、
また製品開発面では、次世代ディスプレイ
やインド地域においては、前述のリンテック・
そのほかの地域を含めたグローバル戦略を
用部材として期待される、ガラスと同等の水
アジアパシフィック社の本格稼働によって
展開していかなければなりません。当社で
蒸気遮断性と透明性、そしてフィルムなら
営業力が強化され、新たな市場開拓が期待
は今年9月に、ベルギーで開催される世界
ではの柔軟性を兼ね備えた「ハイバリアフィ
されます。また、最適生産体制の構築や原材
最大のラベル関連展示会「L A B E L E X P O
続き積極的に検討していきます。
7
社長インタビュー
EUROPE 2015」にこれまでにない規模で
Q
の出展を予定しており、欧州市場を中心に
当社の高い技術力や品質を強くアピールし、
A
ブランド力の強化を図ります。これを機に、
主力のシール・ラベル 用粘 着 製品の拡 販、
株主還元についてはどのようにお考えですか。
当社は株主への利益還元の充実を経
54円を予定しております。今後も業績の向上
営上の最重要課題の一つと位置づけ
に努め、配当による株主還元のさらなる充実
ており、利益配分につきましては、経営基盤
を図ってまいります。
さらには未進出地域での事業基盤づくりに
先端技術棟
もつなげていきます。
用および工業用粘着製品の生産拠点である
を勘案し、安定的かつ継続的な配当を行って
設備投資面では、光学関連製品の粘着加
リンテック・タイランド社に粘着塗工設備の
いくことを基本としております。この基本方針
工を手掛ける新宮事業所や、シール・ラベル
増設を進めており、新たな需要に向けて生産
の下、2015年3月期の期末配当金は26円と
60
体制の強化を図ります。また、昨年 4 月から
し、年間配当金は中間配当金22円と合わせ、
50
建設中だった研究所の新棟「先端技術棟」が
前期比 6 円増配となる48円とさせていただ
今年 5 月に竣工しました。今後、大型試験研
きました。
212,733
海外売上高比率
%
38.8
40
36.0
35
33.2
32.8
33.7
30
0
Q
A
の強化を図りつつ、各事業年度の連結業績
究設備を含む最新鋭の設備を導入し、この秋
2016年 3 月期の年間配当金につきまして
から本格稼働を予定しています。投資総額
は、親会社株主に帰属する当期純利益127
は約 60 億円で、これにより革新的新製品の
億円の予想を基に、前期比 6 円増配となる
212,733
1株当たり配当金・配当性向
1株当たり配当金
円
40
42
40
配当性向(右目盛) %
48
54
60
50
40
34
30
30
20
20
10
10
0
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
16/3期
(予想)
0
開発や開発品量産化のスピードアップが期
11/3期
12/3期
13/3期
14/3期
15/3期
待されます。
Q
A
それでは、今期の業績見通しをお聞かせください。
最後に、株主・投資家の皆様へのメッセージをお願いします。
「LIP-2016」の初年度は増収増益と
捗が滞っている課題については諸施策の見
なりましたが、これは電子・光学関連
直しを図り、迅速かつ着実に成果につなげて
今期の見通しにつきましては、積極的
する当期純利益 * は127億円(同8.9%増)と
が好調に推移したことや円安効果によると
まいります。
な設備投資などによる固定費の増加や
予想しております。
ころが大きく、全ての事業において順調な
今後も当計画の目標達成に向け、全社一
進捗だったとはいえません。最終年度の目
丸となって邁進してまいりますので、株主・
標達成に向けて極めて重要な年である今期、
投資家の皆様には、引き続きご支援のほど
初年度の進捗をしっかりと分析・評価し、進
よろしくお願い申し上げます。
原燃料価格の上昇が見込まれますが、さらな
る拡販や原価低減に努めていくほか、為替
の影響もプラスに働くものと見ております。
2016 年 3 月期 連結業績予想(前年同期比)
売
上
高
2,200億円(6.1%増)
以上のことから、2016 年 3 月期の連結売上
営
業
利
益
185億円(9.6%増)
高は 2,200 億円(前年同期比 6.1%増)、営
経
常
利
益
183億円(2.2%増)
*「企業結合に関する会計基準」等の改正により、2015年4月1日以後に開始される連結会計年度から、従来の当期純利益の表示
親会社株主に帰属
する当期純利益
127億円(8.9%増)
※‌業績予想などの将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいて
おり、実際の業績などはさまざまな要因により大きく異なる可能性があります。
業利益は 185 億円(同 9.6%増)、経常利益
は183億円(同2.2%増)、親会社株主に帰属
8
方法が「親会社株主に帰属する当期純利益」に変更されました。
9